菊池雄星のいるシアトルマリナーズが2020年シーズン、韓国・プロ野球の斗山でプレーしていたクリス・フレクセン投手を獲得。成績は8勝4敗、防御率3・01(21試合先発)。韓国・斗山と言えば、20勝を挙げて大型契約で阪神に迎えられたラウル・アルカンタラ投手もいた。しかし、メジャースカウトの間では、「フレクセンの方が米球界に順応できる」と判断されたようだ。
「フレクセンは19年までニューヨークメッツに在籍していました。当時の成績はイマイチでしたが、韓国球界で成長したと評価されたのでしょう」(米国人ライター)
そのフレクセンはマリナーズの先発ローテーションの5、6番手を争う。その「5、6番」とは言え、菊池にとっては難敵となりそうだ。
「通常、メジャー球団は5人の投手で先発ローテーションを回していきます。でも、マリナーズだけは6人なんです。ディポトGM、サービス監督は『6人体制の継続』を言っていますが、これには批判的な声も多く、チームがまた低迷すれば、5人体制に戻すかも」(前出・同)
菊池は20年シーズン、ローテーションの3番手でスタートした。しかし、防御率は先発投手陣の中で、ワーストの5・17。フレクセンが奮闘し、5人体制に戻すのなら、真っ先に弾き出されることになる。
また、2年目のシーズンを迎えるタンパベイ・レイズの筒香嘉智選手も、チーム内ライバルとの競争は避けられそうにない。
「筒香は一塁を守ることになりそうですが、その一塁、外野、指名打者、全てのポジションにおいて被るのが、韓国出身のチェ・ジマンです。彼は20年シーズンのトータル成績こそ低かったですが、ポストシーズンマッチでは大活躍でした」(特派記者)
ポストシーズン18試合に全てスタメン出場し、37打数10安打、本塁打2、得点8と大きくアピールした。しかも、体型は筒香と同じ“力士型”だが、スイッチヒッターである。チェ・ジマンとの定位置争いに敗れれば、成長株のランディ・アロザレーナ外野手もいるので、筒香は「ベンチスタート」となる。
筒香、菊池の2人はスロースターターというか、実戦を積み重ねながら調子を上げていくタイプだ。しかし、21年はそんな悠長なことも言っていられない。筒香に関しては「オフ返上で練習中」との情報もあった。ライバルとなった韓国勢に勝利してもらいたい。(スポーツライター・飯山満)