>>ダルビッシュ有が別人のユニフォームで先発!「これで負けたら最悪」本人は冷や汗、若手時代に起こした珍ハプニング<<
今季のレギュラーシーズン最後の登板を終え(9月25日/現地時間)、8勝(3敗)。試合数が大幅に短縮された異例のシーズンとは言え、ナ・リーグ最多勝のタイトル獲得が確定した。同時点での防御率は2・01(リーグ2位)、奪三振数93(3位)、1イニングあたり何人の走者を許したかを示すWHIPも0・96(4位)。このように他部門でも上位につけており、シーズンでもっとも優秀な投手に贈られるサイ・ヤング賞の最有力候補の筆頭候補にも挙げられている。選出されれば、最多勝タイトル同様、日本人投手としては初めての快挙だ。
「故障が癒え、昨季後半から調子が上がってきた感じです。今季好調の要因ですが、米メディアは直球のキレが良いと伝えていました。カラティーニとの呼吸もピッタリです」(米国人ライター)
8勝目を挙げた試合も、スタメン捕手はヴィクター・カラティーニだった。カラティーニは「ダルビッシュのパーソナル捕手」とも位置づけられている。
「カラティーニとバッテリーを組んだ後、彼の復活と快進撃が始まったと言っていいでしょう」(前出・同)
移籍1年目の2018年は故障に泣かされた。昨季前半は勝ち星が伸びなかったが、後半から一変。カブスには強肩強打のウィルソン・コントラレスという正捕手がいたが、パートナーをカラティーニと入れ換えた。すると、故障前の躍動感も戻ってきた。
「コントラレスは強肩を買われて、2012年に捕手にコンバートされました。研究熱心で、彼に『キャッチャーとは』を教え込んだのが、今季からカブスの監督になったデイヴィッド・ロスです。ロス監督にすれば、かわいい教え子のコントラレスを使いたいはずですが、ダルビッシュの投げる試合はカラティーニにマスクを被らせてきました」(同)
カラティーニは、いわゆる野球エリートだ。プエルトリコの出身で、野球の強豪校として有名なマイアミ・デイド短大を経て、ドラフト2巡目で指名され、今日に至っている。コントラレスとの違いを挙げるとすれば、おそらく、この「経歴」による配球だろう。
コントラレスは、俗に言う“叩き上げ”。カラティーニはエリートなので、学生時代からトップレベルの中で揉まれてきた。そこで養われた野球カン、試合の流れを読む感性、間の取り方などがダルビッシュの投球理論ともマッチしたのだろう。
「日本の野球界では捕手が重要で、配球論も大切にされています。米国ではそこまで重要視されていません」
メジャーリーグ中継の解説も務めるプロ野球解説者のコメントだ。
また、メジャーリーグでは先発投手に応じてスタメン捕手を代えることも好まれていない。ダルビッシュ担当のパーソナル捕手という存在は、異例と言っていい。日本流のバッテリー論が米国の最優秀投手賞であるサイ・ヤング賞を引き寄せるとは…。米国でも「捕手論」が流行るのではないか。(スポーツライター・飯山満)