そして2019年ドラフトも、即戦力として期待し指名した3人の大卒プレーヤー達が一定の活躍を見せ、スカウトの千里眼に狂いはないことを証明した。
立命館大学からドラフト2位で入団した坂本裕哉は、オープン戦から結果を残し開幕ローテーションの座を掴むと、6月25日のドラゴンズ戦で公式戦デビュー。5回まで無安打無失点の快投を見せ6回に初のピンチを迎えると、更に足を捻るアクシデントにも見舞われたが、気合でこの回を投げ切り見事な初勝利を挙げた。この怪我が後を引き、復帰まで3か月ほど費やしたが、最終的には4勝1敗と結果も残し、ポテンシャルの高さが垣間見えたシーズンだった。
明治大学から3位入団の伊勢大夢も開幕から一軍入りし、中継ぎとして活躍。7月16日に登録抹消されたが、8月21日に再登録されるとシーズン最後まで28試合登板とフル回転。ルーキーながら33試合に登板し、3勝1敗で防御率は1.80と堂々の成績を残した。サイド気味のフォームから150キロ超の剛球とチェンジアップを武器に、大学の先輩でもある木塚敦志ピッチングコーチのように、長年ブルペンを支える存在となりそうだ。
6位指名ながら、キャンプから一軍に抜擢されていた青森大学の蝦名達夫も、非凡な打撃センスを見せた。出場3試合目の9月10日には、豪快にバックスクリーンへ叩き込むホームランを放ち、初安打初打点と派手な活躍。ファームでは4試合連続ホームランを含む、計6ホームランと持ち前の長打力を発揮し、ラミレス前監督に「佐野恵太と同じ感じがする」と言わせしめたバッティングが、2年目に開花することが期待される。
野手では梶谷隆幸、投手では井納翔一とチームを支えた2人がチームを去ったことで、2年目の彼らには更なるチャンスが巡ってくる。多くの先輩が当たった“2年目のジンクス”を乗り越え、2021年は三浦大輔ベイスターズの投打の中心としての働きに期待が高まる。
取材・文 ・ 写真/ 萩原孝弘