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【訳アリ映画伝説】映画『ノストラダムスの大予言』封印事件

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画像はイメージです

 2020年7月21日、ルポライターの五島勉(ごとうべん)氏が6月16日に誤嚥性肺炎で死去したことが報じられた。
 五島氏と言えば、16世紀に実在した医師・占星術師のノストラダムスが「地球は1999年7月に滅亡する」という仮説を立てた『ノストラダムスの大予言』を広めた人物とされ、同名の単行本は1973年(昭和48年)に五島氏の訳で出版されるや否や重版を重ね、最終的には200万部を超える大ヒットとなった。

 >>【訳アリ映画伝説】死体が次々と大写しに!一部でしか公開されなかった衝撃の映画とは<<

 さて、『ノストラダムスの大予言』であるが、五島氏による書籍から1年後の1974年(昭和49年)には、東宝の製作で実写映画が公開されている。
 書籍と同時に映画もヒット。1974年の邦画部門の興行収入第2位という記録を打ち立てた。しかし一方、本作はその年の公開以来、再上映およびソフト化がされない「幻の作品」となっている。

 原因は、映画の中で描かれた被爆者の表現であった。
 1974年12月19日の読売新聞によると、本映画のクライマックスの1999年、地球の大気汚染が進み、死の灰が地球全体に降り注ぎ人類は滅亡するというシーンが描かれる。このシーンについて、被爆者団体の協議会から該当箇所をカットするよう要請されたのだ。

 問題となったのは、ニューギニアを探検していたうちの一人が人間の肉を食べる原住民を発見するカット、およびラストに登場して来る放射能の影響で形が変わってしまった新しい人類の演出が「原爆被害者に対する偏見を生むのではないか」とされ、問題視されたのだ。

 抗議を受けた東宝は、公開から4か月の1974年12月で該当シーンのカットを約束。その後、何度かテレビ放映されたが、本編のLD、ビデオ、DVDといったソフト化は未だ以って実現しておらず、封印状態になっている。

 映画『ノストラダムスの大予言』は前述の通り、高い興行成績を挙げた大作であり、丹波哲郎、司葉子、志村喬といった昭和の大スターも出演した、日本映画史上において重要な一本であるため、公開から45年が経過した今も、「一度いいから観てみたい」と語る映画マニアは絶えないという。

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