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準主役の逮捕で公開中止の噂もあった『劇場版パタリロ!』、映画界の問題に一矢報いる?

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加藤諒

 制作が発表されたものの公開が延期になっていた漫画家・魔夜峰央原作の映画『劇場版パタリロ!』(主演:加藤諒、監督:小林顕作)が2019年6月28日から全国上映されることが発表された。

 本作は2018年上半期までに撮影は完了していたものの、準主役を務めるバンコラン役の青木玄徳(あおきつねのり)が2018年4月、世田谷区の歩道で女性に背後から抱きつき、胸を触り逃走。首や腰に10日間の怪我を負わせたとして、強制わいせつ致傷容疑で警視庁世田谷警察署に逮捕された(後に不起訴)ことで、公開が未定となっていた。

 『パタリロ!』は「月刊花とゆめ」(白泉社)で連載されていた少女漫画で、青木が演じたバンコランは、女性に一切興味のない「美少年キラー」を名乗る秘密情報部のエージェントという設定であり、特に女性にファンが多かった。

 それだけに、女性に対するわいせつ容疑は原作のイメージを著しく傷付ける可能性が高く、一時は「公開中止」「お蔵入り」も噂されていたが、ようやく公開の目処が立ったようだ。

 この『劇場版パタリロ!』の公開には、関連映画の予想外のヒットが背景にあったとされる。

 「『パタリロ!』と同じ、魔夜峰央さん原作の映画『翔んで埼玉』が15億円を超える興行収入を叩き出し、多くの観客が劇場へ詰めかけています。本当は『パタリロ!』の方が、『翔んで埼玉』より上映が先に決まっており、『埼玉』は『パタリロ!』のオマケのような扱いでしたが、青木さんの事件で『埼玉』チームに先を越されることとなり、『パタリロ!』チームは内心かなり焦っていたようです。『パタリロ!』は舞台版が先行して制作されており、好評を得ているので、内容は『埼玉』に負けないクオリティになっていると思いますよ」(某週刊誌記者)

 また、今回の『劇場版パタリロ!』上映は、現在の映画業界の問題に、一矢報いる役割を担っている、との声もある。

 「現在、映画界では先日逮捕されたピエール瀧さん、新井浩文さん、小出恵介さんなど多くの作品に出演した俳優が犯罪を行い、作品が公開できなくなる問題が相次いでいます。今回の『パタリロ!』は、出演者の逮捕および不起訴から丸1年というタイミングで公開が決まっているので、今後、映画業界における、出演者逮捕による中止案件のモデルケースになるかもしれません」(前述の某週刊誌記者)

 「作品に罪はない」を実証することができるか……?

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