『笑点』は1966年5月に放送開始。50年以上に渡り放送が行われているのだが、スタジオに集まらないリモートでの収録は当然初めてのことである。
5月17日放送分は、2016年5月15日に放送された「笑点 ~50周年記念スペシャル~」から名シーンの再放送だったが、次回5月24日分からは、番組名物の「大喜利」を行うとのことで、今改めて注目を集めている。
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さて、『笑点』は番組開始以降、生放送ではなく公開収録という形式を取っているほか、スタッフもキャストもベテラン揃いということで、その歴史と比較して放送事故的なハプニングはそう多くない。ところが近年、『笑点』にてルールの根底を揺るがす大事件が発生したことがあった。
事件が発生したのは、2017年12月10日放送分においてだった。
既に司会は桂歌丸さん(故人)が勇退し、春風亭昇太へバトンタッチし1年半が経過、新メンバーの林家三平もようやく馴染みの顔として定着した頃だった。
いつものように、メンバーの自己紹介が終わり、ルール説明と座布団10枚の賞品説明があって、第1問の発表となるのだが、昇太が冒頭から神妙な面持ちで、「実はですね、まずは皆さんに謝らなきゃいけないことがありまして…」と話し出し、「実は、『笑点』始まって以来の不祥事を起こしてしまいました…」と続けた。
昇太によると、数回前の収録時に、座布団の枚数の数え間違えがあり、2週分だけ、座布団の数が誤ったまま収録してしまったのだという。
誤差があったのは、林家三平以外の全員で、三遊亭小遊三、三遊亭好楽、林家木久扇がそれぞれ1枚、林家たい平が2枚、三遊亭円楽に至っては3枚も誤差があったという。
そのため、この日の『笑点』では、問題の前にほぼ全員が立ち、座布団が改めて配られ直されるという珍しいシーンが放送されたのだ。
この事件から約2年半が経過。今のところ同じような失敗はないものの、新型コロナによる中断を挟んだため、視聴者の皆さんも「座布団の数」は要チェックかもしれない……。
文:穂積昭雪(山口敏太郎事務所)