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【放送事故伝説】番組の収録中に大喧嘩!救ったのはあの大物俳優だった?

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 2020年1月18日、俳優・タレントの宍戸錠が亡くなった。86歳だった。

 1960年代は映画の悪役として、70年代に入るとバラエティ番組にも進出。『巨泉×前武ゲバゲバ90分!』(日本テレビ系)、『くいしん坊!万才』(フジテレビ系)などにもレギュラー出演していた。
 さて、そんな宍戸錠だが、ある有名な放送事故の当事者になったことがある。

 1995年、読売テレビ製作のテレビ番組『たかじんnoばぁ〜』に落語家の立川談志(2011年没)が出演したことがあった。『たかじんnoばぁ〜』司会のやしきたかじん(2014年没)は大の東京嫌いであり、江戸落語を生業とする談志とは息が合うはずもなく、次第に険悪なムードに。

 この番組は、たかじんがバーカウンターで酒を作り、ゲストから話を聞くというのがコンセプトの番組だったのだが、酒に酔った談志がたかじんに向かって、「下品な番組だね」と腐したことにたかじんが激怒。「やんのか!」と談志に灰皿を投げつけ、談志も「誰に口きいてるんだ!」と応戦。結果的に収録がストップしてしまうという事件があった。

 談志の元弟子である漫談家のマグナム小林によると、実はこの時、二人を止めに入ったのが同席していたトミーズ雅と宍戸錠だったという。まさかの大物俳優のカットインで、たかじんも談志もそれ以上のトラブルにはならずに引き下がり、そのまま放送はお蔵入りになったという。

 なお、談志は後年、宍戸錠について「男気がある」と褒めていたという。

 ちなみに、宍戸錠は2001年に若い頃に入れた頬のシリコンを取り除いた直後、『おしゃれカンケイ』(日本テレビ系)にゲスト出演。この日がシリコン除去後初のテレビ収録ということで、全員が固唾を呑んで見守る中、宍戸の顔の包帯が取られた。

 宍戸の顔には生々しい傷跡が深く残っており、手術の壮絶さを物語っていた。

 息を飲む出演者一同だったが、しばらくすると宍戸はニヤリと不敵に笑い、ハンカチで顔をぬぐった。すると、宍戸の顔の生々しい傷は綺麗サッパリ消えていたのだ。そう、顔の傷は宍戸がみんなで驚かせようと仕込んだイタズラだったのである。

 なんとも茶目っ気のある不世出の役者・宍戸錠らしいドッキリシーンであった。
 (文中敬称略)

 文:穂積昭雪(山口敏太郎事務所)

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