昨年の12月に、オリンピック聖火ランナーとして神奈川県川崎市内を走る事を発表し、「大変光栄であると共に身の引き締まる思い」とコメントしていたラミレス監督も、聖火リレー自体が中止になったことに対し、「このような状況なので自分の事を考えている場合ではない。この決断に対して十分理解をしている。私は粛々と決定に従うしかない」と予期せぬ事態に理解を示していた。また、「東京オリンピック2021で、もう一度聖火リレーを同じメンバーで行うならば光栄ですし、違う方々で行うにしても、滞りなく出来るならば大変嬉しいこと」と人格者らしく、個人的な立場よりもスポーツの祭典の成功を祈っていた。
一方、オリンピックによる中断が撤廃となり、野球・ソフトボールの会場として使われるはずだった本拠地・横浜スタジアムで試合が行われる事が濃厚となったことには、「もしそれが現実になればいい事。昨年ホームで成績が良かったことは数字が示している通りなので、喜ぶ選手もいると思う」と前向きに捉え、「ファンもより多くホームでゲームを見られる」と、共に戦う仲間の存在をも気遣っていた。
本来ならば開幕していたはずのプロ野球。ひとまず4月24日開幕に向けて動き出し、ベイスターズは25日の練習試合を最後に調整期間に入る。「当面の3日間はオフ。その後の2日間は自主練習とし、休んでもいい」とスケジュールを明かし、「メンタル、フィジカルの両面をリフレッシュして、リスタートできる」と、こちらもポジティブに捉えていた。
首都東京では、新型肺炎感染者が増加し、開幕においても不安定な状況は変わりないが、ラミレス監督からは、常に前向きな姿勢で状況を打破していく姿勢が、ひしひしと感じ取れた。
取材・文 ・ 写真/萩原孝弘