本来ならファームの開幕戦であった15日の練習試合のスワローズ戦で、1番センターでスタメン出場すると、2ランホームランを含む3打点の活躍。その後も好調をキープしながら、22日に平塚で行われたファイターズ戦でも、初回にレフト前に弾き返し、7試合連続ヒットで打率.364をマーク。打点も印象的な同点タイムリーを含む6打点を記録し、ホームランも2本ライトスタンドに叩き込んだ。また、最大のストロングポイントである自慢の快足で盗塁も3つ積み重ね、昨年から本格的にコンバートされた外野手としても、難しい打球を素早い判断でキャッチするなど、“長打も打てる俊足外野手”として、現在猛アピール中だ。
「いい感じですよ」と、昨年秋の奄美キャンプの後から、「バットを肩の位置まで下ろし、素直にボールの軌道に入る」新フォームに取り組み、「マイナーチェンジを繰り返しながらも、しっくりきてます」と充実感を漂わせた笑顔を見せる。キャンプの序盤に怪我をして出遅れてしまったが、必死にリハビリに励むと驚異の回復力を見せ、今では「痛みはありません」と、万全の状態まで整えてきた。
現状ベイスターズの一軍外野陣は、レフトは新キャプテン佐野恵太、ライトは新外国人スラッガー、タイラー・オースティンで決定だが、センターは筆頭候補だった神里和毅の調子が上がらず、梶谷隆幸、乙坂智、桑原将志、楠本泰史らが熾烈なレギュラー争いを繰り広げている。そのポジション奪取に向けて、「現状決まってないですよね。(誰がポジションに入るか)フラフラしている状況なので、もちろん狙ってますよ!」と目をギラつかせた。新型コロナウイルスの影響で、プロ野球開幕の延期も好材料。ルーキーイヤーは開幕一軍で輝いたスピードスターが、ラミレス監督も思案中のセンターの座をターゲットに定めた。大外一気の大まくりで周囲をあっと言わせる可能性は、決して背番号の“00”ではない。
取材・文・写真 萩原孝弘