遺体はつがる市にあるAさんの自宅で発見された。Aさんは一人暮らしをしていた。第一発見者はAさんが役員を務める金融業者の社員だったという。お昼を過ぎても出社しないAさんを心配した同僚が、知人夫婦とAさんの親類に連絡を取って自宅まで確認しに行ったそうだ。自宅内を同僚らが手分けして調べたところ、寝室で血を流して倒れているAさんが発見された。
警察の捜査により、Aさんの死因は首を絞められたことによる窒息死であることが判明。さらに、頭や顔には鈍器で殴られたような傷が残されており、両腕には抵抗した時についた傷もあったという。死亡時刻は18日深夜から19日未明と推測された。
前日の18日、Aさんは知人や地元市議10人を自宅に招いて宴会をしていたという。午後1時から始まった宴は午後6時頃まで続いた。参加者らは帰宅し、家にはAさんが一人残ったそうだ。Aさんの姿が最後に確認されたのは18日の午後9時頃。居間にいるAさんを、食事の片づけに訪れた知人女性が確認していた。
遺体発見現場は書類が散乱しており、物色された様子が窺えたが、現金類は手つかずの状態だったという。Aさんに恨みを持つ人物による犯行だったのだろうか?
Aさんは1987年から村議を5期務めたのちに、2005年の町村合併で市議となっていた。地元住民からは人気が高かったようで、当時の報道では多くの支援者たちが悲しんでいたという。一方で、役員を務める金融業では取り立てが厳しいという噂も流れていた。さらに、事件後にはAさんが理事長を務めた幼稚園で補助金の不正受給問題が判明。この幼稚園自体もAさんが借金の形に譲り受けたという噂があるようだ。
平日は役員を務める金融会社内で生活し、週末になると自宅へ帰宅していたというAさん。3つの職業を兼任していた事からも、比較的裕福だったことが窺えるが、犯人は金目のものに一切手を付けていない。一体、犯人の狙いは何だったのだろうか。複数の肩書を持つAさんだけに、警察による容疑者の絞り込みは困難を極めているそうだ。