ご存知だと思うが、お酒に浸したドライフルーツを混ぜたケーキや、ナッツを入れて焼いた固パンなど、海外のクリスマス・ケーキとは違い、日本でクリスマスに売られるショート・ケーキは生クリームや苺などが乗った“生ケーキ”と呼ばれるもの。当然24日のクリスマス・イブまでに間に合わせるため大量に作り置きする。まずスポンジ台は何か月も前に焼いておいて冷凍保存。出荷する直前に解凍して一斉にデコレーションするのだ。この時期に合わせて大量のイチゴを用意するのも至難の業。間に挟むメロンなど、生のフルーツも冷凍されていた可能性ある。ある有名デパートのケーキ売り場では、暖房の効いた店内に半日置いておいたケーキのイチゴにたちまち白いカビが生えてしまったとか。ようするに、生で店頭に出ているとはいえ、クリスマス・ケーキの素材は古い場合があるのである。
形の崩れやすいケーキは配達できないので、事前に予約してクリスマス当日引き換えに行く。お店やデパートの冷蔵庫内は限られているため、引き換えを待つ大量のケーキは店内や表に数時間放置。それを買って暖房で暖かい電車に揺られ家路につく間に、保冷材はすっかり溶けてしまう。生クリームは乳製品なので、無添加だと意外に腐りやすい。ある大量に売り出されるメーカーのケーキにはイチゴやクリームが腐らないように保存料をたっぷり振り掛けるというウワサも…。長時間放っておけば酸化して、それはそれで怖い。
さあ、これだけの理由を聞いてもクリスマスを3日以上過ぎたケーキを、あなたは食べますか? 腹痛を起こして駆け込みたくても、年末年始多くの病院は休診。ケーキに限らず、食中毒にはご注意を!