山口敏太郎
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ミステリー 2011年12月21日 15時30分
日本にもいたチュパカブラ! 妖怪『チトリ』
20世紀後半、南米地方を皮切りに現れた凶暴なUMA“チュパカブラ”。別名を“ゴートサッカー”とも言い、家畜や人間を襲ってその血液を吸い取るとされる。大きな赤い目を持ち、非常に俊敏で飛び跳ねるように移動すると言う異様なこのUMAの目撃例は、プエルトリコで発生し、メキシコ、アメリカと次第に伝播していった。 その外見や他に類を見ない凶暴性、グレイ型エイリアンに酷似した外見などから話題性を呼び、日本でも注目を集めていた。だが、このチュパカブラに酷似した妖怪が、古くから日本にもいた! その妖怪の名は『チトリ』。恐らく『血取り』『血獲り』等と明記するのだろうが、残念ながら諸説有り名前の表記に関しては一定しない。この妖怪は、鋭い牙を持ち、喉に食らいついて血を吸うことからこう呼ばれている。武蔵国、今で言う東京都西多摩地区や埼玉各所、秩父地方などに伝説が残っており、西多摩の場合は明治期頃まで出没し、被害に遭う人やチトリのしわざと見られる惨殺死体が発見される等の報告が残っている。 これによく似た事例は遠く離れた四国は徳島県でも報告されている。こちらでは名前を『牛打ち坊』と言い、外見は狸のような黒い生物とも言われるが、詳細は不明。ただ、牛や馬に吸い付いて血を吸い取り、多くの家畜を喰い殺したと言う。また、この妖怪が襲った牛馬には必ず2つの牙のあとが残っているとされ、ここでもチュパカブラのケースとの類似性が見られる。 これらの妖怪に関する事例を検証していくと、その大概が狼の仕業による物だと考えられる。日本が発達していく明治期を境に目撃例が激減していくこと、喉笛を狙う肉食の野生動物の習性が見られる事が主な理由だ。しかし中には牛打ち坊のように不可解な傷跡を残すものもあり、もしかしたら日本には古くからチュパカブラが存在していたのでは…? とも考えられている。 果たして、真相はどちらなのか? 今後、新しい資料が発掘されていくと判明するのかもしれない。(挿絵はチュパカブラ:増田よしはる画/山口敏太郎事務所)
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ミステリー 2011年12月19日 15時30分
東近江の妖怪と不思議話「天狗のつるべ落とし」
7歳になる新吉は、寺の境内で友達と遊んだ帰り道のこと、早く家に帰ろうとして、森の小道を通り抜けていった。大きな欅の下に来た時、木の上からスルスルと「つるべ」が下りてきて、アッという間に新吉は「つるべ」にすくい取られ、薄暗く生い茂った枝の中へ引き込まれてしまった。 家では、暗くなっても新吉が帰ってこないので、心配した両親は提灯を持って探しに出掛けた。森の小道にあるケヤキの木の下に、新吉の木剣が落ちていたので木の上方を提灯で照らしてみるも、暗くて何も見えない。 このように、滋賀県東近江市今掘町では、森にある大きなケヤキに夜になると、妖怪「つるべ落とし」が出るといわれていた。この「つるべ」とは、井戸水をくむために、縄の先につけておろす桶のことである。 そのため、村人達はこのケヤキを切ろうとしたが、切る度に鋸の歯が欠け、切ることが出来なかった。そこで、両親は寺の和尚に助けを求めた。和尚は「地蔵院の地蔵尊にお願いしなさい。お地蔵様は、子どもの守り仏だから、必ず助けてくれるはずだ」と、両親に言った。直ぐに、両親は地蔵院に参篭した。両親は、一生懸命に祈り続け、翌日ふと顔を上げると、地蔵尊の姿が忽然と消えていた。 実は、ケヤキには天狗が棲んでおり、子どもが下を通ると『つるべ』を使ってすくい上げていたのだ。寺から地蔵尊が消えたちょうどその時、ケヤキの下を一人の小僧が歩いてきた。これを見た天狗は早速、小僧をすくい上げようとつるべを下ろしたが、引き上げもつるべはビクともしない。下を見ると、小僧が綱を引っ張っている。綱はジリジリと引っ張られ、このままでは天狗が引きずり落とされそうになった。 天狗は綱を木に縛りつけ、大団扇を仰いで団扇の先から出た炎を小僧の頭上に浴びせた。しかし、小僧は火達磨になりながらも、綱を引き続けている。すると、天狗が足場にしていた枝が折れ、枝もろとも真っ逆さまに落下し、小僧の石頭に顔面を打ち付けてしまった。 消えた地蔵尊を探しに盛りにやって来た和尚と両親は、黒焦げになった小僧と顔を真っ赤に腫らした天狗が飛び去って行くのを見た。慌ててケヤキの下に駆け寄ると、小僧の姿はフッと消えてしまった。そして、ケヤキに梯子で登ってみると、縄で縛られた新吉が見つかった。その後、和尚が地蔵院に帰ると、地蔵尊が焼け爛れた状態で戻っていたという。 滋賀県には昔から、この「つるべ落とし」と呼ばれる妖怪ないしは怪奇現象の話が多く残っており、原因を北近江の話のように天狗の仕業とする物や、「つるべ落とし」という全く別の妖怪が居るとする説もある。例えば、同じ滋賀県の彦根市では「つるべ落とし」という妖怪が下を通る通行人の上につるべを投げ落としてくる、と言う話もある。 今より大木の多かった昔だからこそ、大木に対する畏敬や恐れの念がこのような妖怪を生み出す結果となったのかも知れない。(写真:井戸の「つるべ」)(皆月 斜 山口敏太郎事務所)
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ミステリー 2011年12月17日 17時59分
歴史ミステリー 静御前の墓
埼玉県は栗橋市、駅にほど近い場所に小さな公園のような区画がある。たおやかな桜の木と、東屋や石碑の並び立つ中に、『静女之墳』と刻まれた小振りの墓石がある(※現在は風化を避けるため、ケースの中に入っている)。この小さな碑こそが、平安時代末期の悲恋のヒロイン、静御前の墓と言われているものだ。 静御前は源義経の恋人であり、白拍子と呼ばれる舞姫であった。彼女の舞の腕は非常に素晴らしい物であり、干ばつが続いた年に後鳥羽上皇の前で雨乞いの舞を披露した所、雨が降り出し褒美を賜った、との伝説も残されている。 源平の合戦が終わった後、源義経は兄の源頼朝に戦の際の独断専行などを咎められ、朝敵とされて奥州へ落ち延びることとなる。そのことを知った静は侍女と共に義経の後を追うのだが、この埼玉は栗橋の地で義経の討ち死にを知り、旅の疲れもあってか若くして病に倒れ、ここで無くなったとされる。 この地に残る伝説では、彼女に付いていた侍女が墓の代わりに世話になっていた寺に一本の杉の木を植えたのだそうだ。しかしこの杉も弘化3年(1846年)5月の利根川氾濫により枯れてしまい、それを偲んだ皆によって、今度は銀杏が植えられたという。つまり、厳密には『静御前の墓』とされる遺構は当時から存在しなかったとも言えるのだ。ちなみにこの場に建っている『静女之墳』は、享和3年5月(1803年)に中川飛騨守忠英が形に残るしるしとして建てた物と考えられている。 さて、この静御前も歌舞伎などの物語の題材になるなど、義経と共に昔から多くの人々に親しまれ、早すぎる死が悼まれた人物であった。そのためか、実は日本各地に彼女の墓とされる遺構が残っている。 しかし、それも致し方ないこと。今でこそ彼女のことを歴史の影に隠れたヒロインや、義経についても悲運の武将として書かれる事が多いが、当時の鎌倉幕府から見れば義経も静御前も朝敵であり、罪人でしかない。そのため、彼らのことを偲ぶ人がいてもしっかりとした遺構を遺すことが出来ず、結果として各地にこのような遺構が残る結果となったのでは、と考えられている。 なお、この栗橋では静御前にちなんだ祭りも毎年行われている(彼女の命日とされる9月15日に追善供養、10月第3土曜日に静御前まつり)。かつては杉の木が代わりとなって隠れるようにしてあった墓も、こうして現地の人々に囲まれている現在。彼女はようやく安息の地を得たと言えるのかも知れない。(山口敏太郎事務所)
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レジャー 2011年12月16日 15時30分
キャバ嬢列伝 第3回 〜カップルでキャバクラに〜
お陰さまで3回目を迎えましたキャバ嬢列伝。今回の主役はキャバ嬢では無くキャバクラにハマってしまったカップルのお話。 付き合い始めのばかりのカップル、A子とB介。彼らは誰もが羨む美男美女カップルだったが、A子さんはB介さんにずっと隠していたことがあったという。それは…「キャバクラへB介を連れていきたい!」 というのも、B介さんは喋るのが物凄く下手。A子さん以外の女性の前では目が泳ぎ、挙動不審になってしまうこともあり、これじゃあ友達に紹介できない! …そんなことを悩んでいたA子はB介に少しでも女性を知ってもらうため、少々荒療治ながらB介さんをキャバクラに連れていって他の女性と喋らせる機会を作ろうとしたという。 その作戦を思いついたのはタイミング良くB介の誕生日前日。A子は友人のG美が働いているキャバクラに電話し、誕生日プレゼントとしてB介さんをキャバクラに連れこむ作戦を実行に移した。C美はノリノリでセッティングし、売れっ子を3人も配置してくれる事に。 最初は嫌がっていたB介も、同伴者としてA子が着いていくということでしぶしぶ納得。こうしてB介の「キャバクラ初体験」はスタートした。 綺麗な女性たちにシドロモドロするB介の姿はとても可笑しく、A子はB介の横でゲラゲラ笑い転げていたそうだ。しかし、しばらくするとB介に変化が…B介はキャバ嬢の入れてくれた強いお酒で勢いをつけ、とんでもない饒舌ベロベロ男に大変身! 見事に作戦は成功し胸をなでおろすA子だったたが、B介の悪酔いはドンドン酷くなり下ネタを大声で連発、さらにはキャバ嬢に性交渉するまでに。このままじゃいけない! と感じたA子はボーイが飛んでくる前に、B介をトイレへ連れ込み一時避難。B介のそんな姿を見たことのないA子はB介を一生懸命介抱したという。 悪いとは思いつつも、いつもとは違うB介の一面を見れたA子は「この人が普通の人で良かった…」と、とても満足したそうだ。 だが、それから数日後。B介はキャバクラに全ての給料をつぎ込むまでにハマってしまい、A子もC美のいるキャバクラに勤めはじめ色んな意味で「ハマって」しまったという。ちなみにA子とB介のカップルはしばらくして破局したそうだ。 嘘のような本当の話。人を「ハメル」のは恐ろしいという事か!?(和田大輔/山口敏太郎事務所)
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芸能ニュース 2011年12月16日 11時45分
ビジネス界にもイリュージョン? プリンセス天功、カンボジアでカジノホテルオーナーに
国際的イリュージョニストのプリンセス天功が12月15日、江東区有明にある東京ベイコート倶楽部にて会見を行い、カンボジア・バベット経済特区に来年1月オープン予定のカジノホテル「ゴールデンパーム・ホテル&カジノ」のオーナーになることを発表した。 毎度スケールの違う話題を提供しては世間を仰臥させるプリンセス天功だが、今回も仰天のニュースだった。天功がオーナーに就任したホテルは「ゴールデンパーム・ホテル&カジノ」という名称で、2012年1月22日にオープン予定。スカイラウンジを持ち、スイート10室を含む75室の客室、約300人の従業員を採用予定のホテルで、日本人オーナーが運営する日系カジノホテルとしては世界で唯一、その誕生も約5年ぶりだという。 プレス向け資料では、「遠いカンボジアの地ではありますが、皆様お誘いの上お越し頂けることを心から願っています」と挨拶文にさらりと記した天功。不況まっただ中の日本にあっては、最近の天功のセレブニュースも少しばかり浮いた印象が拭えないが、本人はとにかく前向きでひたむきだ。 この日は二人のスーツマンを脇に会見に挑み、「プリンセス天功のエンターテインメントショーがビジネス界に乗り込むという段階に入りました」と宣言。「ラスベガス王と言われるスティーブ・ウィンさんが、これからはアジアが発展する場所として、マカオに越してきました。わたしもウィンさんに追いつけ追い越せではないですが、頑張っていきたいと思っています」と決意表明。「急遽決まった事」としながらも、「わたしにできる事はエンタテインメント。日本のタレント、アジアのタレントは素晴らしい方がたくさんいるのになかなか欧米では紹介されない。ラスベガスにも少ない。わたしはアジア人のタレントをピックアップして、ラスベガスに負けないエンタテインメント空間を作っていきたい」と抱負を語った。 ホテルの建つカンボジア・バベット経済特区はベトナムの玄関口にも当たり、その来訪者の90%がベトナム人だ。富裕層人口90万人と言われるベトナムの富裕層の増加速度は中国・インドに次ぐとされ、「ゴールデンパーム・ホテル&カジノ」はこのベトナムの富裕層の利用を多く見越しているという。 (取材・文 名鹿祥史/山口敏太郎事務所)
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ミステリー 2011年12月14日 15時30分
千葉の恐怖スポット 悲運の女性の伝説が残る地『おせんころがし』
千葉県勝浦市、房総半島より太平洋を眼下に望む断崖絶壁。ここが悲しい伝説と因縁の残る地、『おせんころがし』だ。一見のどかに聞こえるかも知れない名前のこの場所には、“おせん”という女性にまつわる伝説が残っている。 この地に伝わる伝説には諸説有り、「病弱な父への、薬草を採りに行った際に過って転げ落ちてしまった」、「美しい娘だったおせんを取り合い、競争をした若者2人が共に命を落とす結果となり、それを苦にしたおせんは自ら身を投げた」等々、様々な話が伝わっている。なお、現地に立てられた慰霊碑には以下のような伝承が書かれている。 曰く、この大沢の地におせんという若い娘がいた。彼女の父はこの一帯を治める豪族だったが、村人に重い年貢を科して厳しく取り立てていた。彼女は重税に苦しむ村人の事も、強欲な父親のことも気に病んでいたが、ついにある時村人達は彼女の父親の事を殺すことを決意。父親をす巻きにして崖の上から突き落とそうとしているのを知った彼女は、どうやってか隙を見て父親と入れ替わり、代わりに崖の上から突き落とされてしまった。翌朝になってようやくその事実を知った領民達は悲しみ、また強欲だった父も心を入れ替えた。そして、彼女の供養のために地蔵尊を建てて懇ろに供養したという。 このような悲劇的な伝説の残る地だからだろうか、ここはかつて陰惨な殺人事件の現場になったこともあり、また現在では千葉県の心霊スポットとしても知られている。女性の幽霊が出るという噂に始まり、確実に心霊写真が撮れてしまう、体調不良になる等の様々な話が囁かれている。 晴れた日は非常に眺望の良い景勝地でもあるが、急峻な崖である事は変わらない。伝説の舞台を求めて、または景色を楽しみに行く人も、共に落石と足元には十分に気をつけた方がいいだろう。(写真提供:穂積昭雪/山口敏太郎事務所)
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ミステリー 2011年12月12日 11時45分
使わなくなった歯を供養する「歯歯塚」
古来より、日本の習慣には、乳歯が永久歯に生え変わった時、下の歯は屋根に、上の歯は縁の下にと、次に生えてくる永久歯に願いを込めて放り投げることがある。しかし、マンションやアパートに住んでいると、このようなおまじないは出来ない。また、抜けた永久歯や使わなくなった入れ歯をどのように処分したらよいのだろうか? 多くの人々は、ゴミとして捨てるのも忍びないので、大切に仕舞い込んでいる人も多いだろう。 愛知県名古屋市中区大須にある大須観音の境内の西側には、そんな抜けてしまった歯と、古くなった入れ歯などを供養する塚「歯歯塚」がある。 歯歯塚の建立された発端は、名古屋市の作家・岡戸武平(1897〜1986)氏が随筆で歯の供養を提案したことにある。これを機に1977年に、大須観音境内に建立された。それ以後、毎年8月8日を「歯歯(母)塚」の日として、『歯歯塚供養祭』が開催され、供養するようになった。ちなみに、「歯塚」ではなく、「歯歯塚」としたのは、上の歯と下の歯と2つあるためである。 歯歯塚の裏側には、故岡戸武平氏が記した碑文が刻まれている。『歯よ、入れ歯よ、よく働いてくれた。不用になったからといって、どうしてお前を捨てられよう。その安住の地が即ちこの「はは塚」である。これからはもう物を噛む必要もない。のんびりとこの塚の中でおしゃべりして休養してもらいたい。その意味で建立されたのがこの塚である。歯よ、入れ歯よ、長い間ご苦労さんでした。』という歯への温かい感謝の言葉である。 毎日おいしく食事ができ、きちんとした会話できて、大きく口を開けて笑えることができるのは、健康な歯や自分に合った入れ歯があるからである。だからこそ、抜けてしまった歯や使わなくなった入れ歯は、長い間、よく働いてくれたことに感謝し、きちんと供養するのもいいだろう。 歯は、かけがえのない体の一部と認識して大切にしたいものである。(写真:「歯歯塚」愛知県名古屋市中区大須「大須観音」境内)(皆月 斜 山口敏太郎事務所)
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ミステリー 2011年12月10日 17時59分
現代妖怪考 袖引き小僧
うら寂しい夜道を一人、歩いていると急に後ろから袖を引かれる。何かと振り返れば誰も居らず、引っかかるような物もない。はて、気のせいかと歩き出せば再び袖を引かれる。まるで、誰かに呼び止められているかのように。 これが昔から埼玉県に伝わる怪異、妖怪『袖引き小僧』だ。主に埼玉県でも西部、比企郡などを中心に語られている。普通、妖怪が出るのは山奥などの人里離れた場所になるが、この妖怪は住宅地に現れる。夜遅く、人通りが少なくなり人家の灯りも乏しくなった頃に出歩く人間の後をつけ、後ろから袖を引っ張るのだ。ちなみに、写真の画像はかつて『袖引き小僧』が出たとされる場所である。建ち並ぶ家が変わったものの、現在も住宅地となっていた。 こういった人の後を付いてくる妖怪は他にもいる。例えば後ろから気配と足音が聞こえるが振り返ったら誰もいない、足音が付いてくるだけの妖怪『べとべとさん』。みぞれ交じりの雨が降る寒い日に、濡れた足音が追いかけてくる『ぴしゃがつく』などだ。しかし、実際に後ろから付けてくる“何か”に直接触れられるというケースはあまりなく、しかも『袖引き小僧』は袖を引いてくるだけで特に悪さはしない。この点でも『袖引き小僧』が特異な性質を持った妖怪であることが伺える。 幅広の袖を持つ着物を着用してきたからだろうか、日本には昔から“袖”にまつわる言葉は多い。悲しいときは『袖を濡らす』し、人との出会いを『袖触れ合うも多生の縁』と言うかと思えば、つれない態度を取ることを『袖にする』と言ったりもする。また、昔は愛しい人と別れなくてはいけない際に自分の着物の片袖を“自分の分身”に見立てて渡す事も多くあった。この事から、昔の日本人にとって“袖”とは人の魂や心と繋がるものという認識だったことが判る。『袖引き小僧』の名前についた『小僧』は、引かれる位置が下であることと、それ以上の悪戯をしてこないことから付けられたのではないかとされる。 人の心の隙間に潜み、心細くなったときにちょっかいを出す怪しい存在が妖怪ならば、『袖引き小僧』は実に妖怪らしい妖怪であると言えるのだ。(山口敏太郎事務所)
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レジャー 2011年12月09日 15時30分
キャバ嬢列伝 第2回 〜女性をパートナーに選ぶキャバ嬢
男と女が出会い、会話を楽しむ場であるキャバクラ。 時にはお客と親しくなり、お得意様とより親密になって付き合うようになるケースも多い。 しかし、R嬢は「さすがに疲れちゃった」と言う。「こういう仕事だと、いろいろな男の人に会うし。いい人もいるけど、嫌な人もいるし辛いこともあるから…」 客との距離が近く、男女が親密になりやすい仕事だからこその本音だろうか。 それでなくとも、彼女は恋愛であまりいい思い出がなかったらしい。彼女が知り合い、親密になった男性はそのほとんどが何かしら問題のある、いわゆる“だめんず”にあたる男性ばかりだったのだ。 「借金とか暴力とか、いろいろあった。人によって違うけど…ホストの彼氏と付き合った時は彼氏がなんか店の売上取ってったとかで家に彼氏の店の人や、その上の人が乗り込んできた事もあるし」 相当な修羅場もあったらしく、彼女は「正直、今は仕事以外で男性と付き合ったりするのに疲れちゃって」と述べる。 勿論、そんな言葉や心情を勤務中に見せる事はないし、お客の男性に言う事もないが、やはり接客をしていてつぶさに男性の様子をチェックしてしまう癖がついてしまったのだとか。 「必要以上に構えちゃうのかな。この人は本当にいい人なのかなとか、いい人だけど付き合ったら変わるんじゃないかとか、どこかでビビってる自分がいるっぽい」 だからだろうか。彼女は現在、親友の女性とルームシェアして暮らしているという。しかもこの女性は、同じ店で働くキャバ嬢なのだ。もともと仲が良かったのだが、R嬢がまた彼氏とのいざこざがあって暫く彼氏と同居していた家に帰ることが出来なかった時、助けてくれたのが彼女だったのだそうだ。 「こういう仕事をしてる娘には多いよ。男と付き合うのに疲れちゃう娘」 仕事をしているといろいろと面倒臭いお客も出てくる。彼女のように彼氏の運がない女性も多いため、プライベートでのパートナーに女性を選ぶ娘は多いのだとか。 「キャバ嬢してると彼氏には仕事の悩みとか言いづらいし…彼氏も聞きたくないっしょ、仕事の相手でも別の男の話なんか」 ところが、これが女性であればお互いに気持ちがわかるぶん、気楽に過ごせるのだという。その裏には、これ以上男性に傷つけられたくないという気持ちも少なからず影響しているのだろう。 「もちろん、好きな人と付き合いたいって気持ちはあるから、いずれはいい人と知り合いたいけど…それには男の人を見る目とかもっとつけないと」 彼女は男性との愛情に飢えているようにも見えた。彼女がいずれ好い人と知り合える日はくるのか。彼女達は今日も、同じ家に帰る。(和田大輔/山口敏太郎事務所)
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ミステリー 2011年12月07日 15時30分
川から聞こえる不気味な歌 妖怪・小豆洗い
人気のない川縁を歩いていると、せせらぎに混じって妙な歌声が聞こえてくる。 「小豆とごうか、人獲って食おうか…」 そんな不気味な歌と同時に、ギショギショザクザクと米、いやもっと大きい粒のもの、例えば小豆などを洗うような音がする。辺りを見渡しても人は居らず、ただ歌声と奇妙な音が聞こえてくるばかり…はたして、この音の正体は? …という、奇妙な声と音だけの妖怪、それが小豆洗いだ。古くは江戸時代の文献、竹原春泉の記した「絵本百物語-桃山人夜話-」に絵と共に紹介されている。小豆洗いは基本、音だけで姿は見えないのだが先の文献では、むかし越後高沢で寺の小僧が殺され、その霊が小豆洗いになったと記されており、挿絵にも黒いぼろを纏い、ざんばら髪にぎょろりとした目つきの小男のような妖怪が川縁で小豆をといでいる様子が描かれている。 この小豆洗いにまつわる伝説は日本各地に残っており、同じような妖怪であっても小豆とぎ、小豆婆等と名前が変わって伝わっている例もある。しかし名前は変わってもやることはほとんど変わらず、音に惑わされてあちこちうろうろしてしまった結果、道に迷う、川に落ちてしまうなどの悪戯をするのだそうだ。しかし悪戯ですむだけなら良いが、不気味な歌の通りに食べられてしまうケースや川に落ちて溺れ死んでしまう、という話が伝わっている地域もある。 ちなみに埼玉県にはこういった小豆洗いが出没した地域が○○橋のたもと、など割と複数箇所で詳しく伝わって残っている。写真はかつて小豆洗いが出たとされる日高市の出世橋付近のもの。この橋が架かる高麗川流域では他にも多数の目撃情報が寄せられている。 実はこの妖怪、日本だけでなく海外にも存在する。もっとも、海を越えた向こうでは妖精扱いになっているのだが。その妖怪(妖精)の名前はシェリーコート。直訳すると“貝殻上着”とでもなるだろうか。この妖精はスコットランド地方の川に棲むとされ、体に沢山の貝殻をぶら下げているという特異な外見をしている。普段姿を消しているのだが、音は消すことが出来ないようで、動き回るたびに上着の貝殻が擦れ合って非常にやかましい音を立てるのだそうだ。そして、この独特の音や呼びかけで道行く人を惑わせ、川に落としてしまったりするのだという。 貝殻と小豆では音が違うようにも感じるが、何かと何かを摺り合わせるような音、と考えると比較的音は近いと言える。川に現れる点などの共通点も多いので、もしかしたら海を越えて全く同じ妖怪(妖精)が存在していたのかも知れない。(山口敏太郎事務所)
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特命! 日本ダービーを予想せよ! 馬の姓名判断、霊能犬の動物予知で大予想
2008年05月28日 15時00分
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衝撃!! 羽田の鳥居の祟り事件はインチキだった!!
2008年05月13日 15時00分
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2008年04月01日 15時00分
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船橋の神社で、狐の生首が出現!
2008年03月18日 15時00分
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東京にザシキワラシ出現!!
2008年02月19日 15時00分
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小さな侍幽霊 新宿に出現!
2008年02月05日 15時00分
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うずまき生物
2008年01月22日 18時18分