トレンド
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トレンド 2010年11月22日 12時30分
『蒼天の拳』朋友への熱い思いで大団円
原哲夫作・武論尊監修の『蒼天の拳』が、11月9日発売の第22巻で完結した。『蒼天の拳』は往年の人気マンガ『北斗の拳』の世界観を継承したマンガで、今年8月に刊行を休止した『週刊コミックバンチ』に連載していた。 舞台は1930年代の中国で、北斗神拳第62代伝承者・霞拳志郎(かすみ・けんしろう)が主人公である。『北斗の拳』の主人公・ケンシロウの2代前の伝承者で、北斗二千年の歴史上、最も奔放苛烈と呼ばれた男とされる。そのキャラクターはケンシロウの強さに、前田慶次(『花の慶次−雲のかなたに』)の明るさと、中坊林太郎(『公権力横領捜査官 中坊林太郎』)の言動が加わったものである。タイトルにある蒼天とは、主人公の清々しい生き方を象徴する。 この巻では、北斗神拳と最後に残った強敵ヤサカが継承した西斗月拳の歴史が明らかになる。ヤサカは極十字聖拳の流飛燕を殺し、北斗劉家拳の劉宗武を負傷させるほどの使い手である。宗武は当初、ナチス・ドイツの将校で、ひたすら争乱を求める奸雄的なキャラクターであった。それが拳志郎と出会うことで大きく化けた。北斗神拳の真の伝承者を決める闘いである天授の儀の前に、桜の花を見事と感じるような心の余裕も生まれている。拳志郎の好敵手として相応しい人物に成長した。 それに反比例するようにヤサカは小物化していった。天授の儀で、ヤサカは激闘で弱り果てた拳士を倒すことを狙い、そのセコさを北斗曹家拳の張太炎に嘲笑された。そして太炎に言われるままに天授の儀を見届けることになるが、拳志郎と宗武の動きが速くて目が追いつかない。太炎に「やつらはどこに?」と質問し、場所を教えてもらっていた。 確かにヤサカは飛燕や宗武を圧倒していたが、正々堂々と戦って勝利したわけではない。飛燕との闘いでは少年を囮(おとり)とし、少年を庇った飛燕を攻撃した。宗武との闘いでは、馬糞の中に潜み、杜天風を倒すことに夢中な宗武を不意打ちにした。闘い方までも踏まえるならば、それほど実力があるようには感じられない。実際、この巻で拳志郎と対峙したヤサカは「西斗月拳は戦場の拳で、一対一の闘いには向いていない」と述べている。 結局、拳志郎とヤサカの闘いは宗武との闘いほど盛り上がることも長引くこともなかった。印象的だった点は飛燕との友情が再確認されたことである。物語はトントン拍子に進み、大団円を迎える。ここには掲載誌の刊行停止という大人の事情も影響していたかもしれない。朋友(ポンヨウ)への熱い思いと蒼天のような清々しさが印象に残った作品であった。林田力(『東急不動産だまし売り裁判 こうして勝った』著者)
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トレンド 2010年11月22日 12時00分
ファーストフードのバイト採用基準
ネットでは、ナメられないような感じの人じゃなきゃ落ちる、なんて議論もあるが、どうなのだろう。 確かに、いろんな客層の人が来るファーストフード。大都会の図書館の休憩コーナー並みに、若いのによくわからない集団がじっとたむろしていたりすることもあって、あれは怖い。実際のところ、採用基準は、堂々としている人、なのか? 「これは店によって基準が違うのでなんとも言えません…。ただやはり、接客ですし、いろいろな方に対処できる素直な性格と、なるべくてきぱきと仕事が出来ること。この2つがあれば、逆にまあ適正試験とは関係なく合格ですね」(街道沿いのマ○○某店舗・店長) この店舗は、カウンターの脇にある一番クルーに近い席に、いつもホームレスの方が陣取っている。店長の基準も、無理は無かろう。そして、彼の存在にまったく嫌なそぶりも見せない店員さんの真摯なまなざしと笑顔で接客する魅力が、外から見て際立って目を引くことになっている…。 「え? 同じ歌手でも、Y・Mが落ちて、N・Mが受かったんですか? ああ、なるほどね…」 真面目そうな店長が何を思ったかはわからないが、これ以上は迷惑なので退散する。 とある大企業の人事のプロの人にも聞いてみると、 「マ○○にたくさんの方が応募して来たら誰を落とすか? うーん、経験者優遇です。あと身だしなみ。これらは基本的なことですが。それとYさんは、生意気な感じがするからじゃないですか? やはり誰にでも優しい人は受かると思う」 ファーストフードで働きたいのに何度も面接に落ちる人は、優しい人のイメージづくりをしてみたらどうだろう。 そう言われてみれば、居酒屋など“忙しい接客業”のバイトでも、ツンデレ系と真面目系の女の子がうまく合わさって採用されてる気がするのが面白い。
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トレンド 2010年11月22日 10時30分
ニューヨークレポート ニューヨーカーの受けるストレスとは
NYのTV局がニューヨーカーがどんな時にストレスを受けるかという調査結果を発表していた。それによると80%が健康や安全に関してストレスを感じているという。安全というところがいかにもニューヨークらしい。 そして75%がお金に関してストレスを感じている。景気はまだ回復しておらず、物価は高く、見たいイベントも見られず、買いたい物も買えず、という状況ではストレスが溜まるのは当然。その割にはアメリカ人の消費者行動として名高いボイコットも起らないから不思議。買わない事が一種のボイコット運動になっているのかもしれない。 対抗策として15%から20%の間と言われているチップをケチって物価高を乗り切る人もいる。私などは過去にNYでウェイトレスをしていた経験もあり、よほどサービスが悪いとかいうのでなければなかなかチップはケチれないが、堂々と10%程度しか置かないアメリカ人もいる。 そんなものでいいのかと思い始めていたら、SOHOグランドホテルという高級ブティックホテルでランチをした時、28ドルの請求に対して50ドル札を出したらモデル並みの細さの美人ウェイトレスに「お釣りは必要ですか?」と聞かれて一瞬何の事かと思った。つまり、チップを出しやすくする為にわざわざ1ドル札をたくさんくれる事があるのだが、小額紙幣が必要ですか、と聞いたのかと思ったのだが、そうではなく、お釣りの22ドルは要りますか、という事だったのだ。「28ドルの支払いに対して100%に近いチップを暗に要求するなんてひどい話!」と後で知人に聞いたら「NYではそんな人もいるからね、聞く分にはいいと思ったんだろうね」という事だった。 チップは実に面倒で、アメリカ人でさえヨーロッパのように込みならいいのに、と言うけれどチップをケチる事によって物価高に対抗できると考える人に取っては大変便利なシステムだろう。 ストレスは頭痛やパニック障害、抵抗力の低下などを引き起こすのでNYではストレスマネジメントはNY生活には不可欠のようだ。ちなみに私がNYで受けるストレスのワーストスリーは、汚くて本数が少なく、特に週末の運行が滅茶苦茶なひどい地下鉄、(ニューヨーカーで地下鉄に怒っている人もいた)物価のバカ高さ、そして冷たいニューヨーカーである。(セリー真坂)
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トレンド 2010年11月22日 09時00分
山口敏太郎の青梅妖怪ツアー PART-1 青梅の将門伝説
怪談作家の呪淋陀です。 秋も終わりに近づいて参りました。 でも妖怪・怪談の世界は年中盛り上がっておりますよ。 この秋最後の妖怪企画 「山口敏太郎の青梅妖怪ツアー」に参加して参りました! 山口敏太郎先生の解説付きで大好きな妖怪・怪談スポット巡りと青梅観光もできる。 しかも参加費用1000円ですからね。 妖怪や怪談好きなら参加するしかない! 全4回の連載でお送り致します。 では、一緒にツアーに出発致しましょう! 青梅とは「昭和の街」をテーマに街づくりを進めています。 青梅駅に降りたった時からレトロな駅舎が出迎えてくれます。 街を歩けば映画の手描き看板、赤塚不二夫の漫画のキャラクター等が出迎えてくれます。 昔懐かしい香りがする街並み、豊かな自然の中をそぞろ歩きながら妖怪・怪奇スポットへと向かいます。★天下の怪盗 裏宿七兵衛 青梅中央図書館裏に“七兵衛地蔵”が祭られている。 中里介山の小説『大菩薩峠』の登場人物の一人に、裏宿の七兵衛という盗賊がいる。 青梅の百姓でありながら早足で、一晩に何十里も走った。 七兵衛にあやかって、ランナーの参詣が多いといわれる。 江戸の豪商から奪った財宝を飢饉に苦しむ貧しい人々に分け与えた。悪を挫き、弱きを助ける義賊。 しかし、裏宿七兵衛は遂に捕らえられ処刑され、さらし首になってしまった。 だが、ある暴風雨の夜、その首が沢を流れて宗建寺近くに着いた。それを哀れんだ住職に手厚く葬られた。 その墓も市内の宗建寺にある。★将門伝説の青梅 “将門伝説の青梅”とは、金剛寺にある「将門誓いの梅がいつまでも青い実をつけている」ことに由来する。 境内には現在でも将門の梅の木があり、実が付いても青いままで決して赤くなる事はない。 平将門は、馬の鞭として持っていた梅の枝を逆さにして金剛寺の庭に挿し 「わが祈願叶うなら根付くべし、その暁には必ず一寺を以て建立奉るべし」と、武運長久を祈願したという。 やがて梅の枝は大きく成長し、美しい花を咲かせるようになった。 だが、どういうわけか梅の実はいつまでも青いままで、決して熟すことはなかった。 将門の願いは叶わなかったのである…。 このことから、この地方を青梅と呼ぶようになったといわれている。★嗤い地蔵伝説 金剛寺の山門の道沿いに昔、地蔵があったらしい。 夜になるとゲラゲラと嗤っていたので“嗤い地蔵”とよばれていた。 その地蔵は今はない。しかし、本堂の近くに地蔵が何体かあるので、もしかすると嗤い地蔵はそこに移動されたのかもしれない。 ツアーはまだまだ続きます。 次回、PART-2は、妖怪・ムジナばばぁ、妖怪・子抱き雪女郎等々の妖怪づくしです。 お楽しみに!(怪談作家 呪淋陀(じゅりんだ)山口敏太郎事務所)参照 山口敏太郎公式ブログ「妖怪王」http://blog.goo.ne.jp/youkaiou
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トレンド 2010年11月22日 09時00分
とっとり妖怪観光大使・ゲゲゲの鬼太郎&ねずみ男 IN 金山駅
名古屋市の金山駅に妖怪がうろついていると情報を聞き、潜入してみた。なんと! 鬼太郎&ねずみ男の2ショットが揃っているではないか。「とっとり妖怪観光大使」のタスキを肩にかけ、駅を行き交う人々に鳥取県の素晴らしさをPRしている。即席撮影会が開かれるほどの人気ぶりである。 ANAクラウンプラザホテルグランコート名古屋の担当者によると、金山駅周辺の商店街と鳥取県がコラボレーションをして、それぞれに盛り上げたいと話す。イベントには人気キャラのネコ娘も登場! 撮影時のまねき猫ポーズもバッチリ決まっていた。 さらには鳥取県のユニット「イナバーズ」 のメンバーであるナシータもキャンペーンに参戦! 手をバタつかせる仕草が特徴的だ。特産物の椎茸をモチーフとしたボディで、耳の形は梨をイメージしている。取材時には見かけなかったが、ユニットの相棒には、カニをモチーフにしたボディで、耳にはラッキョウをイメージしたカニータも存在する。 ブースには、水木しげる作の漫画、『ゲゲゲの鬼太郎』のキャラを前面に出した個性的な鳥取県の特産物が並んでいる。☆らっきょうマニアのハートを打ち抜くであろう、「鬼太郎砂浜らっきょう」☆占いができる不思議なクッキーである「目玉おやじの めだまプリントクッキー」☆目玉のおやじのシルエットがプリントが特徴的なシフォンケーキを味わえる「目玉おやじさがし」☆こだわりの鳥取和牛を使用した「鬼太郎の好きなビーフカリー」 どれもがインパクトのあるネーミングと魅力的なイラストが目をひき、ゲゲゲの鬼太郎マニアにはたまらない特産物ばかりである。鳥取県が今、熱い。※(C)水木プロ※文科系忍者記者ドラゴン・ジョー(山口敏太郎事務所)参照 山口敏太郎公式ブログ「妖怪王」http://blog.goo.ne.jp/youkaiou
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トレンド 2010年11月20日 17時00分
夜這い伝説
夜這いに興味のある向きは多いだろう。夜這いとは? の答えとして、文化人類学的視座から定まった定義も出来る。すなわち、元々『若者組』と言われる青年会のようなものが各地にあり、そこには“秩序”が存在した。ただし、その秩序は実にまちまちで、新郎が婚前に新婦の味見を出来たり、中には、集団で山の上の神社に女の子を担いでいってそのまま…という“決まり”もあったりするのだが。 そのうち、貨幣経済で買収宿が出来ると、夜這いは廃れていった。 「現在70過ぎくらいの人が中心的な夜這い体験者ですかね。だいたい昭和33年(1858年)の売春防止法手前くらいまでですから」(某人類学者) 戦争体験を語り継ぐ義務が私たちにあるのと同様、夜這い体験もおじいちゃんから聞き書きするなどして、ぜひ風化させたくないものだ。 実際、70歳手前くらいの方から、体験者の方はいる。 「まぐわい、の話か。職人なりたての頃、峠を越えて、よく集落の祭りに行ってまぐわったもんさ」(岐阜県郡上郡周辺の集落体験者談・当時70歳) と豪快に笑い飛ばした方などもいたのだ。これらの方が最後の体験者であるとともに、祭りの伝統が続いている地区もたくさんある、ということだってありそうだ。 夜這い地区は、ちょっとした専門古書には無数に載っている。が、それらを紐解くまでもなく、もっと一般的な本や資料に当たっても他に、水俣地区周辺、愛知県額田郡某地区、高知県長岡郡某地区、などいくらでもある。もし機会がおありなら、古い習俗が残っているのかちょっと古老に聞いてみるのも、意義があるかもしれない。 お祭りの日にお布団に入って、意中の人が来るのを待っておメメをウルウル、期待に胸をときめかせている少女を想像すると、可愛いらしい感じがする、とか言ったら怒られてしまうだろうか。
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トレンド 2010年11月20日 14時30分
密かに人気の出てきた謎のご当地ヒーロー、「ガイナ&だるだる」って何者?
「ひだる神」という妖怪がいる。神という名前がついている癖に妖怪であるこのとんちきな妖怪は、さらに珍妙な出で立ちになってこの世に現れ出でた。 それが和歌山県、田辺広域市町村圏健康・観光産業クラスター推進協議会が作ったキャラクター「だるだる」である(作っただけでマスコット的キャラではない)。 「超鳥人ガイナ」という八咫烏(やたがらす)のヒーローに助けられたこのだるだるは(十中八九虐められてたんだと思われる)、ゴミをポイ捨てする悪人どもを懲らしめるため、ガイナと一緒について行って行動しているという。そこらの人間よりよっぽど立派である。なので、思わず「さん」付けをしてしまう筆者である。 さて、この妖怪たちはその立派な行動理念から旅をしまくっているそうなのだが、どういうわけか、だるだるさんとガイナさん、ブログを開始。めちゃくちゃ近代的である。書いているのは主にだるだるさんだ。 このブログ、だるだるさんのキモ可愛さから来る珍妙な出で立ちと、独特の頭の悪そうな口調、しかし人の良さそうな感じから、まったりと人気が出始めている。 田辺市湊のJR紀伊田辺駅前に突如として現れ、田辺弁慶映画祭のビラを配ったり、はしゃいだり、こどもを泣かせたり、女子高生に「キモい」と罵倒を食らったり、肝心の映画祭で案内をしたりしては、イベントでせっかく宣伝してもらったのに、気づいたらもう居ないという妖怪っぷり。フリーダム過ぎて、もはや脱帽モノである。 なお、恐ろしいことに田辺弁慶映画祭のビラ配りも正規の依頼でも何でもなく、勝手にやりたいからやっていたとのこと。妖怪にもほどがある。 最後に、だるだるさんの秘密を一つ公開。 だるだるの秘密 その1 「なんで 靴に靴下なの?」 「だるだるは ガイナに助けてもらった時にガイナに憧れて、自分も一緒に自然を守る戦いをしたいと山を下りてきました。ところが、町にはポイ捨てされたゴミがいっぱいで足を怪我してしまったのです。それでガイナに買ってもらいました」 …泣けてきます。これからも要注目のご当地キャラに違いありません。超烏人ガイナ&だるだるのブログhttp://ameblo.jp/choujingaina/(オタク電脳記者 天驚院勝彦 山口敏太郎事務所所属)参照 山口敏太郎公式ブログ「妖怪王」http://blog.goo.ne.jp/youkaiou
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トレンド 2010年11月20日 13時30分
【今行く映画館】ジャッキー・チェン史上、No.1大ヒット作は、中国の戦国時代劇。『ラスト・ソルジャー』
ジャッキー・チェン史上、No.1大ヒット作(中国公開の主演作中最高業収)とされる本作は、ジャッキーが構想に20年を費やし、原案、主演、製作、武術指導を務めた時代アクションムービー。数々の困難に遭遇しながら敵同士の男ふたりが互いに心を通わせていく姿を描く。 戦国時代の中国、厳しい戦いを生き延びてきた梁の兵士(ジャッキー・チェン)は、敵国・衝の負傷した若き将軍(ワン・リーホン)を捕らえる。報酬目当てに捕虜として連れ帰り、故郷で平和に暮らそうともくろむ兵士だったが、その道中をさまざまな障害が襲いかかり、さらに将軍を暗殺しようとする刺客の姿も。兵士は将軍を命懸けで守る羽目に…。共演は、映画「ラスト、コーション」の出演や、シンガーソングライターとしても名高いワン・リーホン。『ラスト・ソルジャー』は渋東シネタワーほか全国公開中。映画HP<www.lastsoldier.jp> (C) 2010 JACKIE & JJ PRODUCTIONS LTD
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トレンド 2010年11月20日 13時00分
「歴史楽屋噺」パート1・水戸黄門は危険思想の持ち主!?
テレビドラマで数字が取れる幕末の志士といえば、何といっても坂本龍馬。なぜか分からないが、「ベビーフェイス」のイメージが国民に浸透しているのと、“泣く子も黙る”新撰組との絡みもあるのが、その人気の秘訣だろうか。 しかし筆者は、幕末の様々な事件で一番ドラマチックだったのは、龍馬とは無縁の「桜田門外の変」であると考える。 「桜田門外の変」とは何か。長州藩の倒幕思想家である吉田松陰を大老(今でいう総理大臣にあたる)・井伊直弼が処刑し(安政の大獄)、これに対する「返し」として、何と水戸藩士たちが井伊直弼を暗殺して吉田松陰の敵を討った事件のことである。 では、なぜ水戸藩士たちが長州藩の敵を討ったのか。これは吉田松陰の尊皇思想が、水戸光圀の著した『大日本史』から多大な影響を受けていたからである。 水戸光圀(=水戸黄門)は行脚の旅などしておらず、彼の生涯は、徳川の将軍よりも、天皇を日本の中心とする「勤皇思想」と共にあったといっても過言ではない。 復讐した水戸藩士たちに言わせれば「吉田松陰先生に手をかけるのは、水戸光圀公のメンツを潰すのと同じ」といったところだろうか。とにかく「桜田門外の変」は動きが早かった。松陰の処刑後、すぐに「返し」た。 逆に普段から「吉田松陰先生に何かあったら、ワシが真っ先に飛んでいくけぇ」と言っていた高杉晋作らは何をやっていたのか。勿論江戸に向けてすっ飛んで行ったのだろうが、単純に情報や地理的な条件で、水戸→江戸の方が近かったともいえる。(みんみん須藤)
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トレンド 2010年11月20日 10時30分
ニューヨークレポート 寒いNYでブロードウェイのホットな話題と言えばコレ!
既に冬支度でニューヨークをそぞろ歩く人々もいる中、ホットなのが今年の秋のブロードウェイである。夏の間セントラルパークの野外劇場デラコルテ・シアターで無料(!)で上演されていたアルパチーノ主演の「ベニスの商人」がブロードウェイに進出、10月19日から1月9日までの予定で上演されている。 私が「メンフィス」を観劇した11月11日にはブロードハースト・シアター前に当日券を求めるらしき人々が群がっていた。そして何と言っても、鳴り物入りの「スパイダーマン」である。 何年も延期されていたのがついに11月28日にプレビューが行われる。チケットを買いに走ったら既に147ドルのしか残っておらず、予算がないので今回は見送る事にした。 ブロードウェイ史上最高の6千万ドル以上(50億円)という制作費をかけた大作である。当日ニュースで報じられるのは確実なので結果を見てみたい。 今年のトニー賞を受賞した「メンフィス」を鑑賞した。黒人の音楽がレースミュージックと呼ばれていた1950年代のテネシー州メンフィスの物語である。 出演者には黒人が多く、黒人音楽ファンの私には歌やダンスが楽しかった。映画「キャデラック」「ドリームガールズ」などがお好きな人にはお勧めである。ただ、ショーで目だっていたのは黒人ではなく、コーラスの中の白人のポール・マギル。主演のラジオDJが働くレコード店のシーンでカウンターに飛び乗ったり、とんぼ返りをする身の軽さが際立っていて、群舞になると彼の姿ばかりを追っていた。 あまりに素晴らしかったので終演後にステージドアの前で待ってサインをもらった。 ミュージカルでは主演者の素晴らしさは当然として、自分のお好みのダンサーを見つけるのもひとつの楽しみ方である。 なおポール君は「日本は大好き。是非行ってみたい」と言っていたからそのうちミュージカルの出演者として来日するかもしれない。(セリー真坂)