スポーツ
-
スポーツ 2013年01月14日 15時30分
たなぼたでソフトバンク馬原獲得したオリックスのFA損得勘定
オリックスは1月12日、FAでソフトバンクに移籍した寺原隼人投手(29)の人的補償として、かつての抑えのエースである馬原孝浩投手(31)を獲得したことを発表した。 馬原は07年に38セーブを挙げて最多セーブ王のタイトルを獲得するなど、ソフトバンクのクローザーとして君臨。通算180セーブは球団最多で、歴代7位。現役では岩瀬仁紀投手(中日=38)の346、藤川球児(カブス=32)の220に次ぎ3位で、日本球界を代表する抑え投手の一人だ。 その馬原が流出してしまったのだから、ソフトバンクは絶句するしかなかった。馬原は11年7月に右肩を故障し、12年2月に右肩腱板及び関節唇のクリーニング手術を受けた。昨季はシーズンをリハビリに費やし、1試合の登板もなかった。 ソフトバンクではまだリハビリ段階の馬原を、まさか人的補償でオリックスが指名することはないと判断し、王貞治会長(72)も同意の元、28人のプロテクトから外していたが、この読みが甘かった。馬原は秋山幸二監督(50)と同じ地元九州の熊本出身で、選手間の人望も厚かっただけに、ソフトバンクではショックを隠せない。 してやったりなのはオリックスだ。まさか、馬原が人的補償で獲れるとは思っていなかったはず。11年に12勝を挙げたローテーション投手の寺原の流出は痛かったが、馬原が復活を果たして全盛期並みの働きをみせれば、寺原が移籍したマイナス分は十分カバー可能。オリックス森脇浩司新監督(52)は、今季から守護神の岸田護投手(31)を先発に転向させる意向で、馬原がカムバックできれば、その思惑もぴったりはまる。そうなれば、オリックスにとっては人的補償どころか、最高の補強となる。 一方、オリックスは阪神から浮いた存在になっていた平野恵一内野手(33)をFAで獲得。内外野をこなすユーティリティープレーヤーの平野の加入は、プラスとなるのは間違いない。人的補償で阪神に流出したのはプロわずか3勝で、昨季はわずか1試合の登板に終わっている高宮和也投手(31)で、オリックスにダメージはない。 馬原が復活できればという条件付きになるが、FA絡みで馬原、平野を獲得したオリックスのFA損得勘定は大きなプラスになりそうだ。(落合一郎)
-
スポーツ 2013年01月12日 17時59分
前日本ハム・田中賢介 マイナー契約で控え要員でもジャイアンツ入りしたワケ
日本ハムからFA権を行使して米メジャー入りを目指していた田中賢介内野手(31)が、ナ・リーグ西地区に属するジャイアンツとマイナー契約で合意したことが、1月9日に分かった。 ジャイアンツは昨季のワールドシリーズ覇者で、10年にも世界一となった強豪チーム。田中は招待選手として春季キャンプに参加し、開幕メジャー入りを目指すことになる。 田中の守る二塁には昨季のリーグ優勝決定シリーズでMVPに輝き、シーズン通算で打率3割をマークした堅守のマルコ・スクタロ内野手(37)がどっかり座っており、田中がいきなりレギュラーを奪うのは至難のワザ。まずは、控えの内野手として、メジャーのメンバーに入ることが目標となる。 田中には他球団からも複数のオファーがあった。にもかかわらず、あえてマイナー契約でメジャー昇格できても控え要員となるジャイアンツを、なぜ選択したのだろうか。 関係者によると、田中は「一番自分の能力が発揮できる場所」と話しているという。ジャイアンツのブルース・ボウチー監督(57)はスモールベースボールを掲げ、日本式な送りバント、進塁打も多用する。ボウチー監督が描くち密な野球は、バントが得意で、正確なバットコントロールが売りの田中には最適な球団ともいえるのだ。 某スポーツ紙記者は「決め手となったのは、1年後にFAになる契約条項が含まれている点です。マイナー契約からのスタートでも、今季結果を残すことができれば、オフにはFAとなって、ジャイアンツを含めて、好条件でオファーを待つことができます。あくまでも、結果が出せたらの話ですが、この条項は契約するにあたって、大きかったようです。また、ナ・リーグには指名打者制がありませんので、ア・リーグより代打として出場機会が増える可能性が高くなります」と語る。 とはいえ、メジャーに昇格して試合に出場する機会を得て、結果を残さなければ、田中の思惑は机上の空論に終わってしまう。前年、マイナー契約でマリナーズ入りした川崎宗則内野手(31=元ソフトバンク)は、開幕メジャー入りを果たしたが、打撃面で結果が出せず、1年で自由契約となり、いまだに今季の所属先が決まっていない惨状だ。 レギュラーを期待されてアスレチックス入りした前西武の中島裕之内野手(30)とは、その待遇に大きな開きがある。控え選手を承知で、あえて厳しい競争に身を置く田中のサバイバルは吉と出るのか?(落合一郎)
-
スポーツ 2013年01月11日 15時30分
新弟子不足浮き彫りに! 横綱・大鵬ら輩出した名門・二所ノ関部屋が104年の歴史に幕
昨年5月、元横綱の初代若乃花(貴乃花親方の叔父)、輪島、元大関・魁傑(現・放駒親方=前理事長)らを育てた名門・花籠部屋が閉鎖されたばかりだが、またひとつ、伝統ある相撲部屋が消滅する。 1909年(明治40年)1月に創設され、史上最多の優勝32度を誇る元横綱・大鵬、玉錦、元大関・佐賀ノ花、大麒麟らを輩出し、初代若乃花や元横綱・玉の海らも在籍した二所ノ関部屋(師匠は元関脇・金剛)が今年初場所(1月13日初日=両国国技館)を最後に閉鎖することが分かった。 同部屋は実に104年もの歴史をもち、後にプロレスに転向して成功した元関脇・力道山、元幕内・天龍(源一郎)らも籍を置いた。 師匠である二所ノ関親方が今年11月の九州場所を最後に定年退職する予定であるうえ、昨年秋に脳梗塞に倒れ、長期入院中で部屋の運営が困難になっていた。同部屋には北陣親方(元関脇・麒麟児)、湊川親方(元小結・大徹)、富士ヶ根親方(元小結・大善)と3人の部屋付き親方がおり、後継を探したが話はまとまらず、閉鎖の結論に至った。 というのが表向きの理由だが、実態として、深刻な角界の新弟子不足に大きな要因がある。かつて、隆盛を築いた同部屋だが、現在は関取もおらず、所属力士は三段目、序二段、序ノ口に1人ずついるだけで、わずか3力士のみ。 これでは部屋に入ってくる収入も限られ、相撲人気低下の状況下では弱小部屋の新弟子獲得はままならならず、運営は極めて厳しい状態。3人の部屋付き親方が苦労するのを分かっていて、後継したくないのは当然のことといえる。 初場所後、北陣親方、湊川親方と所属の行司1人、床山1人は松ヶ根部屋(師匠は元大関・若嶋津)に、富士ヶ根親方は貴乃花部屋(師匠は元横綱・貴乃花)に転籍する見通しで、3力士は引退する予定。 横綱・大乃国(現・芝田山親方)を輩出した放駒部屋も、親方の定年により初場所後に閉鎖されることが決まっており、相撲部屋を取り巻く環境は年々厳しくなっている。 大鵬の納谷幸喜氏は古巣の消滅に、「いろいろな方々で築いてきたものがなくなるのだから、わびしいし、寂しい。二所ノ関一門の力で何とか再興してほしい」とコメントしたが、「かつての名門」というだけで、部屋が再興できるほど、今の角界は甘くはないだろう。(落合一郎)
-
-
スポーツ 2013年01月09日 17時15分
レンジャーズが“ダルビッシュ効果”でちゃっかり入場料値上げ!
MLBのレンジャーズは1月8日(日本時間9日)、本拠地レンジャーズ・ボールパークで開催する今季公式戦のチケット料金を値上げすることを発表した。 ほぼ全席で、昨季より最大10ドル(約870円)の入場料がアップする。ただ、最上階の一部座席は対戦相手や先発投手、その時のチーム成績などが加味されて値段が上下する変動制になる。 昨季のレンジャーズは、81試合で球団新記録となる346万280人の観客を動員するバブル景気となった。これまでの最高は前年(11年)の294万6969人で、実に51万3311人の大幅増。昨季のチケット料金は1階内野席で100ドル(約8700円)前後で、1人当たりの入場料を100ドルとすると、5133万1100ドル(約44億8530万円)の増収となった。 レンジャーズの大幅な観客動員増の要因はいうまでもなく、ダルビッシュ有投手(26)の加入。レンジャーズはポスティングシステム(入札制度)で、ダルビッシュを落札するのに、5170万3411ドル(当時約40億円)の費用を要したが、それもわずか1年の入場料収入増で、元が取れた計算になる。 ダルビッシュ効果で潤ったレンジャーズは、強気にチケット料金の値上げを強行した。今季の観客動員が昨季並みとしたら、10ドルの値上げでも、約3460万2800ドル(約28億8500万円)程度の増収が図れることになる。 ただ、値上げは諸刃の剣で、それが原因で観客動員が落ちる可能性もある。また、ダルビッシュも2年目となり、新鮮さは失われてしまう。果たして、昨季同様のダルビッシュ効果が、今季も期待できるかどうかは疑問だ。値上げがネックとなり、観客動員減にでもなれば、レンジャーズの増収計画は露と消える。(落合一郎)
-
スポーツ 2013年01月08日 15時30分
ゲーム事業好調の金満DeNA 今度は駅伝に進出へ
この不景気のさなか、カネがあるところにはあるものである。 10年オフにプロ野球・横浜ベイスターズ(親会社はTBS)を買収したソーシャルゲーム大手のDeNA(本社・東京都渋谷区)が、今度は陸上界に進出することが分かった。 DeNAでは今年3月で廃部となる、かつての名門・エスビー食品陸上部をチーム丸ごと受け入れることになった。1月10日に発表される予定。 同社陸上部はマラソン界のスーパースターといえる瀬古利彦氏(56)を擁し、80年代には黄金期を築き、84年からは全日本実業団駅伝で4連覇を達成した。しかし、マラソンなど個人の強化を優先したため、チームは弱体化。01年以降は同大会に出場することすらなかった。 昨年8月、同社の経営合理化により、廃部が決まった陸上部は受け入れ先を模索。この度、DeNAへの移籍が決まった。同社陸上部にはスポーツ推進局長の瀬古氏を始め、スタッフが6人。選手は08年北京五輪・長距離代表の竹沢健介(26)ら6人が在籍するが、12人全員がDeNAに移る。 個人競技のマラソンと違って、企業名がクローズアップされる実業団駅伝は宣伝効果も高く、DeNA陸上部は駅伝に力を入れることになる。 野球では1年目の昨季、最下位脱出はならず。CS(クライマックスシリーズ)進出に向け、なりふり構わぬDeNAは、カネにモノを言わせて、中日から4番打者のトニ・ブランコ内野手(32)を始め、ホルヘ・ソーサ投手(35)、エンジェルベルト・ソト投手(30)の即戦力3人を強奪した。 やる以上は、元日恒例の全日本実業団駅伝日本一を目指す。アマチュア陸上界では、引き抜きは御法度だが、DeNAでは正式に受け入れが発表された後には、新卒選手など新戦力の獲得にも着手する。 野球に続き、陸上への進出は“カネ”の裏付けがあってこそ。ゲーム業界では昨年5月に課金制のアイテム商品・コンプガチャ問題が発生。業界大手各社はコンプガチャの廃止を決定した。これが影響して、ライバル企業のグリーは減益したが、DeNAは絶好調。 DeNAはコンプガチャ問題以降もゲーム事業は順調で、昨年11月に発表された12年度第2四半期(6月〜9月)決算によると、売上収益は503億円で前年同期比45%増。営業利益は204億円で前年同期比38%増、四半期利益は201億円で前年同期比48%増と、大幅に増益している。 アマチュアスポーツ界では、不況により実業団が次々に廃部するケースが相次いでいる。DeNAは右肩上がりの業績を背景に、野球、陸上にとどまらず、スポーツ界を席捲しそうな勢いだ。(落合一郎)
-
-
スポーツ 2013年01月07日 15時30分
元巨人のスター選手・趙成ミン氏 自殺の真相
新年早々、お隣り韓国から残念なニュースが飛び込んできた。 巨人でも活躍した元プロ野球選手の趙成ミン(チョ・ソンミン)氏(39)が、1月6日早朝、ソウル市内の交際女性のマンション浴室で、首をつって死亡しているのを交際女性が発見し警察に通報した。警察は自殺とみている。 警察や地元メディアによると、趙氏は5日夜、交際女性から別れ話を切り出されたという。その後、女性がいったん外出し、6日午前3時40分頃に帰宅すると、趙氏はシャワーにベルトを引っ掛けて、首をつっていたという。女性が発見した時は、すでに息を引き取っていた。 趙氏は亡くなる前に、「これまでありがとう。私がいなくても強く生きていって」とのメールを女性に送っていた。母親の携帯電話にも「韓国では生きていけない。息子はいなかったと思ってほしい」という内容のメッセージを送っていた。 11年から趙氏は韓国・斗山ベアーズで2軍コーチを務めていたが、契約は更新されず。昨年11月には、ソウル市内の飲食店で知人と暴力沙汰のトラブルを起こしていた。 周囲には「(野球の)現場復帰は難しい」と漏らしていたという。失業そして、失恋…趙氏を襲ったダブルパンチが失意のドン底に追い込み、自ら命を絶ったのだろうか。 趙氏は韓国・高麗大から、巨人と異例の8年契約を結んで96年に入団。2年目の97年に頭角を現し、リリーフで1勝(2敗)11セーブの成績を収める。98年には先発で7勝(6敗)を挙げ、オールスター戦にも出場した。 だが、その後は右ヒジの故障に悩まされ、出場機会も激減。契約を1年残し、02年シーズンで巨人を退団した。 帰国後はシュークリームのチェーン店事業を起こすが失敗。2年のブランクを経て、05年にハンファ・イーグルスで復帰。3年間プレーしたが、全盛期の輝きは取り戻せず、07年シーズンで現役引退。08年からは解説者を務めるなどしていた。日本では通算11勝10敗11セーブ、韓国では3勝4敗の成績を残している。 私生活では00年に韓国の人気女優・崔真実(チェ・ジンシル)さんと結婚。一男一女をもうけたが、04年8月に親族への暴行事件を起こし逮捕されるトラブルを起こし、同年9月に離婚。元妻は08年10月に自殺。2人の子どもは元妻の母親が育てている。 入団からデビュー当初は脚光を浴びたものの、故障に泣かされ、プライベートでも不運が続いた。その一方で暴力沙汰も多く、自らの首を絞める恰好となった。一時は巨人のスターとして活躍した選手の最期としては、あまりにも寂し過ぎる。(落合一郎)
-
スポーツ 2013年01月05日 17時59分
ヤンキースが田中マー君に狙い定めるも、よぎる井川慶の苦い失敗例
昨年暮れ、楽天のエース・田中将大投手(24)が3年12億円プラス出来高の大型契約を結んだ。契約更改交渉の席で、田中は球団に将来的なメジャー挑戦の意向を表明。複数年の契約ではあるが、毎オフ、その件で球団と話し合いの場をもつことになり、早ければ13年オフにもポスティングシステム(入札制度)を利用して、MLBにチャレンジする可能性が出てきた。 この報を聞いて、ヤンキースが田中の獲得を本格的に目指すことが分かった。ヤンキースはすでに10年から田中の調査を始めており、メジャー挑戦となれば、日本球界ナンバー1投手獲りに動くことになりそうだ。 ヤンキースは11年オフに、ダルビッシュ有投手(26=レンジャーズ)がポスティングシステムを使って、メジャー移籍に臨んだ際にも争奪戦に参戦。しかし、レンジャーズの落札額が5170万3411ドル(当時約40億円)だったのに対して、ヤンキースの入札額はわずか1500万ドル(当時約12億円)であったとされる。06年オフに、レッドソックスが落札した松坂大輔投手(32=現FA)の落札額が約5111万1111ドル(当時約60億円)だったことを思えば、ヤンキースの入札額は低すぎた印象がぬぐえない。 ヤンキースの根底にあったのは、「井川慶と同じ轍を踏みたくない」との思いだった。06年オフにポスティングシステムを利用した井川慶投手(33=現オリックス)は、ヤンキースが2600万194ドル(当時約30億円)で落札して入団した。 ところが、井川は1年目(07年)、14試合に登板、2勝(3敗)に終わり、2年目(08年)はわずか2試合の登板。09年から3年間はメジャー昇格することはなく、完全な期待はずれ。ブライアン・キャッシュマンGMは「井川の獲得は失敗だった」と発言し、メディアからは「ヤンキースは2600万ドル(落札金)をどぶに捨てた」と酷評もされた。 決して、井川の日本での実績が不十分だったわけではない。阪神時代の02年〜06年、5年連続で13勝以上をマークし、03年には20勝も挙げていた。 それでも、結果を全く残せなかった井川の失敗例が原因で、ヤンキースはダルビッシュのポスティングの際、慎重になり低い入札額となってしまった。そのダルビッシュに匹敵する田中がポスティングに臨むとなると、多くの球団による争奪戦となるのは必至。その際も、井川の事例が頭によぎって再び慎重になれば、他球団に奪われ、田中の獲得も露と消える。田中を落札するには、井川ショックを払しょくするしかなさそうだ。(落合一郎)
-
スポーツ 2012年12月30日 11時00分
大スポンサー・パナソニックが離れた石川遼の“父離れ”はナシの不安
米ツアーシード権を手にした石川遼(21)に、スポンサー契約を結んでいたパナソニックが12月13日、“契約打ち切り”を通告。同社は「5年間にわたってサポートしてきたが、トッププレーヤーとして揺るぎない地位を築いており、当社の初期の目的は果たした」としているが、来季の主戦が米国となる石川にとっては不安だらけだ。 ゴルフジャーナリストの菅野徳雄氏が言う。 「石川の場合、プレースタイルでいまだ試行錯誤。試合中もマッチメークに集中するのではなく、スイングのことばかりに頭がいっている状態ですから、早く“これぞ”というスイングを見つけないとやっていけない。それには、米国で一流のコーチを付け、二人三脚でやれる体制を作るべきです。宮里藍は米国進出して3年間結果を出せませんでしたが、ピア・ニールセンコーチについてから、ようやく成績を残せるようになった。彼女を見習うべきですよ」 宮里も石川も、“ステージパパ”である父親があれこれしゃしゃり出ることで知られる。 「父親はゴルフの素人なんだから、この際、手を引いてマネジメント業務に徹するべきなんです。米国で成績を残せるかどうかは、“親離れ”できるかにかかっている」(スポーツ紙記者) 石川はパナソニックの他、アパレル契約を結んでいたナイキとも契約打ち切りの憂き目に。 「その他、日本コカコーラ、日本マクドナルドもスポンサーから撤退する方向で調整中。もはや、国内でチヤホヤしてくれる企業はなくなるということです」(スポーツ紙記者) それだけに、米国進出は正念場なのだ。 「再来年のシード権の獲得などと低レベルなところに目標を設定するのではなく、何としても1勝を挙げるという高い次元で勝負してほしい。それぐらいの覚悟でないと、結果を出すことはできない。日本のゴルフの底上げをするには、まず石川が米国で結果を残すこと。そのためにも頑張ってほしい」(前出・菅野氏) まず再スタートは“父離れ”だ。
-
スポーツ 2012年12月29日 11時00分
巨人に猛反発「グローバル・ワールドシリーズ構想」の全内幕
巨人vsヤンキースによる夢の世界一決定戦を想定した『グローバル・ワールドシリーズ』創設を話し合う日米コミッショナー会談が、12月13日(日本時間14日)に予定されていたが、当日になってドタキャン。その顛末は…。 日本プロ野球機構(NPB)は12月12日、渡米中の加藤良三コミッショナーが、米国時間の13日にウィスコンシン州ミルウォーキーで米大リーグ機構のセリグ・コミッショナーと会談すると発表していた。 機構関係者によれば、今回の加藤氏の渡米は『ワールド・ベースボール・クラシック』についての意見交換をするとともに、日本シリーズを制したチームと大リーグのワールドシリーズ王者による『グローバル・ワールドシリーズ』を創設するのが目的だったという。 ところが、どうしたことか当日になって会談は中止。理由は加藤コミッショナーの疲労による体調不良のためとされ、トップ会談は後日に実施する方向だという。 「不整脈とのことですが、入院するほどではなく、現地で静養しているそうです。大事を取ったのだとしてもチグハグな印象はぬぐえません。実は、世界一決定戦の方法論を巡って日本サイドの意見が一本化できず、やむなくトップ会談を先延ばしした、という情報も伝わっていたからです」(大手広告代理店関係者) 『グローバル・ワールドシリーズ』は、加藤氏がコミッショナー就任のあいさつを兼ねて渡米した'10年1月6日にセリグ氏と日米トップ会談を持ち、セリグ氏の方から「私の任期中にぜひとも実現させたい」と提案された経緯がある。 以来、日本側は12球団の実行委員会などで具現化に向けて検討を続けており、ようやく素案ができ上がったことで今回のトップ会談が準備されたという。 「加藤氏が取りまとめた案は巨人の意向を強く汲む形になっている。その加藤案に他球団が反発したことで、今回のトップ会談を順延せざるを得なかったのではないか。とりわけ、ソフトバンクと楽天、オリックスのパの3球団は連携して猛反発しており、もし加藤案がそのまま提案されたら、コミッショナー解任の緊急動議も辞さない雰囲気さえありましたから」 と舞台裏を語るのはスポーツ紙デスク。 「日本シリーズ制覇が出場の絶対条件とはいえ、いまもっとも戦力が整っているのは巨人です。自信があるからこそ、『グローバル・ワールドシリーズ』を実現させたいのです。86歳のナベツネさんの最後の夢が『巨人と、イチローがプレーするヤンキースとの世界一決戦』にあることは、読売グループの人間なら誰もが知っている。それを察知しているからこそ、イチローもまた14億円超も減俸されながらヤンキースにこだわり、2年総額10億4000万円で契約延長したのです。来春には間に合わなくとも、再来年の3月にはナベツネさんの夢を実現させられる、と逆算しているのでしょう」(イチローと親しいマスコミ関係者) 絶対、波乱が起きる。
-
-
スポーツ 2012年12月28日 15時30分
メジャーリーグ年金もほぼ満額受給 引退・松井秀喜は“10年目”与えたレイズに感謝すべき!?
松井秀喜外野手(38)が12月27日(日本時間28日)、米ニューヨークで会見を開き、現役引退を表明した。 松井は昨オフ、アスレチックスからFAとなったが、新たな所属球団がみつからないまま、今季のシーズンに突入。4月30日(同5月1日)、レイズとマイナー契約を結び、5月29日(同30日)にメジャー昇格した。 しかし、スプリングキャンプを行っていないことも響いたのか、34試合出場、95打数14安打7打点2本塁打、打率.147と極度の不振で、7月24日(同25日)に戦力外通告を受け、8月1日(同2日)に自由契約となった。 その後、獲得する球団は現れなかった。オフになって、アストロズが指名打者要因としてリストアップしたようだが、オファーには至らず。松井の元にはどの球団からも声は掛からず、来季のプレー続行を断念した。 松井は引退の理由を、「今シーズンは3カ月くらいしかプレーできませんでした。マイナーからスタートし、メジャーに上がり、プレーする機会をいただきクリーンアップを打たせてもらいましたが、結果が振るわなかった。これが一番大きな要因です。10年前にメジャーに挑戦するときに話しましたが、『命懸けでプレーし、メジャーという場で力を発揮する』という気持ちでやってきましたが、結果が出なくなったということ。『命懸けのプレー』もこれで終わりを迎えたんじゃないかと思います」とコメント。 メジャーからオファーがなければ、日本に戻って、古巣・巨人への復帰の道も残されていたが、「10年前、ジャイアンツの4番バッターということに対して誇り、責任を持ってプレーしていたつもりです。もし戻ってプレーすることになれば、たくさんのファンの方が10年前の姿を見たいと思うし期待します。正直言いましてその姿に戻れる自信が強く持てませんでした」と語った。 松井といえば、昨オフも日本球界復帰がとりざたされたが、あくまでもメジャーに固執した。その大きな理由に、メジャーリーグの年金問題があるともいわれている。メジャーでは10年在籍すれば、満額の年金を受け取る資格が取得できる。その額は62歳受給で、17万5000ドル(現在のレートで約1513万円)。 年金は1年を172日のメジャー選手登録で計算され、その日数に満たない場合は減額されるが、今季の松井はメジャーで2カ月しかプレーできなかった。ただ、10年メジャーに在籍したことで、ほぼ満額の年金を手にすることができるようになった。 松井のメジャーでのキャリアが昨季で終わっていても、年金は減額支給されるが、10年プレーしたことは、メジャーリーガーとしてステータスにもなる。その意味で今季チャンスを与えたレイズに、松井は感謝すべきではなかろうか。 松井は92年のドラフト1位で巨人に入団。高卒ルーキーながら、1年目に11本塁打を放った。2年目の94年からレギュラーの座を奪取し、毎年本塁打を量産。02年には初の50本塁打を記録した。同年オフにFA権を行使して、ヤンキースに入団。2年目の04年には31本塁打をマーク。09年にはワールドシリーズで日本人初のMVPを獲得し、同軍の世界一に貢献。10年はエンゼルス、11年はアスレチックスでプレーした。 日本で10年、メジャーで10年。出場試合は計2504、2643安打、507本塁打、1649打点を記録した。日米を股にかけて活躍したスラッガーが、今静かにバットを置いた。(落合一郎)