ほぼ全席で、昨季より最大10ドル(約870円)の入場料がアップする。ただ、最上階の一部座席は対戦相手や先発投手、その時のチーム成績などが加味されて値段が上下する変動制になる。
昨季のレンジャーズは、81試合で球団新記録となる346万280人の観客を動員するバブル景気となった。これまでの最高は前年(11年)の294万6969人で、実に51万3311人の大幅増。昨季のチケット料金は1階内野席で100ドル(約8700円)前後で、1人当たりの入場料を100ドルとすると、5133万1100ドル(約44億8530万円)の増収となった。
レンジャーズの大幅な観客動員増の要因はいうまでもなく、ダルビッシュ有投手(26)の加入。レンジャーズはポスティングシステム(入札制度)で、ダルビッシュを落札するのに、5170万3411ドル(当時約40億円)の費用を要したが、それもわずか1年の入場料収入増で、元が取れた計算になる。
ダルビッシュ効果で潤ったレンジャーズは、強気にチケット料金の値上げを強行した。今季の観客動員が昨季並みとしたら、10ドルの値上げでも、約3460万2800ドル(約28億8500万円)程度の増収が図れることになる。
ただ、値上げは諸刃の剣で、それが原因で観客動員が落ちる可能性もある。また、ダルビッシュも2年目となり、新鮮さは失われてしまう。果たして、昨季同様のダルビッシュ効果が、今季も期待できるかどうかは疑問だ。値上げがネックとなり、観客動員減にでもなれば、レンジャーズの増収計画は露と消える。
(落合一郎)