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“痔主”の上原浩治 レッドソックス入団の意外な決め手

 レンジャーズからFAとなっていた元巨人の上原浩治投手(37)が、同軍からの残留オファーがありながらも、レッドソックスと年俸425万ドル(約3億5900万円)プラス出来高で合意。12月18日(日本時間19日)に入団が発表された。契約は1年だが、一定の成績を収めれば、2年目も延長される。レッドソックスではセットアッパーとしてのみならず、クローザーでの期待も懸かる。

 今季の上原は背筋痛で苦しみ、37試合の登板にとどまったが、セットアッパーとして36回を投げて、0勝0敗1セーブ7ホールド、奪三振43(奪三振率10.75)、与四球はわずか3、防御率1.75と安定した成績を残した。レンジャーズから残留要請を受けたのは当然のことだったが、レッドソックスに移籍した決め手となったのは、意外な理由だった。

 上原は巨人入団1年目の99年、新人ながら20勝(4敗)をマーク。勝率.833、防御率2.09、奪三振179で、最多勝、最高勝率、最優秀防御率、奪三振王に加え、新人王、沢村賞、ベストナイン、ゴールデングラブ賞の8冠に輝く大活躍をみせた。その一方で、実は血便に悩ませられる日々が続いた。その後、痔の手術を受けたが、それ以降、トイレには過敏になっている。

 国内ではかなり普及している温水洗浄便座付きトイレだが、米国での普及率は低い。そのため、スプレー式の尻拭きを常に携帯しているのだ。当然、各球場のクラブハウスで温水洗浄便座付きトイレが設置されているケースは少ない。

 その点、レッドソックス本拠のマサチューセッツ州ボストンのフェンウェイ・パークには、それが付いていたというのだ。上原は「クラブハウスのトイレの一つに付いていた。うれしかった。99%、入団は決めていたけど、最後の1%の決め手はそれだった」とホンネをポロリ。

 むろん、それ以外の条件が前提でレッドソックス入団を決めたわけだが、温水洗浄便座付きのトイレの存在も、侮れなかったようだ。これで、上原は来季、トイレの心配をせずに野球に集中できそうだ。
(落合一郎)

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