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メジャーリーグ年金もほぼ満額受給 引退・松井秀喜は“10年目”与えたレイズに感謝すべき!?

 松井秀喜外野手(38)が12月27日(日本時間28日)、米ニューヨークで会見を開き、現役引退を表明した。

 松井は昨オフ、アスレチックスからFAとなったが、新たな所属球団がみつからないまま、今季のシーズンに突入。4月30日(同5月1日)、レイズとマイナー契約を結び、5月29日(同30日)にメジャー昇格した。

 しかし、スプリングキャンプを行っていないことも響いたのか、34試合出場、95打数14安打7打点2本塁打、打率.147と極度の不振で、7月24日(同25日)に戦力外通告を受け、8月1日(同2日)に自由契約となった。

 その後、獲得する球団は現れなかった。オフになって、アストロズが指名打者要因としてリストアップしたようだが、オファーには至らず。松井の元にはどの球団からも声は掛からず、来季のプレー続行を断念した。

 松井は引退の理由を、「今シーズンは3カ月くらいしかプレーできませんでした。マイナーからスタートし、メジャーに上がり、プレーする機会をいただきクリーンアップを打たせてもらいましたが、結果が振るわなかった。これが一番大きな要因です。10年前にメジャーに挑戦するときに話しましたが、『命懸けでプレーし、メジャーという場で力を発揮する』という気持ちでやってきましたが、結果が出なくなったということ。『命懸けのプレー』もこれで終わりを迎えたんじゃないかと思います」とコメント。

 メジャーからオファーがなければ、日本に戻って、古巣・巨人への復帰の道も残されていたが、「10年前、ジャイアンツの4番バッターということに対して誇り、責任を持ってプレーしていたつもりです。もし戻ってプレーすることになれば、たくさんのファンの方が10年前の姿を見たいと思うし期待します。正直言いましてその姿に戻れる自信が強く持てませんでした」と語った。

 松井といえば、昨オフも日本球界復帰がとりざたされたが、あくまでもメジャーに固執した。その大きな理由に、メジャーリーグの年金問題があるともいわれている。メジャーでは10年在籍すれば、満額の年金を受け取る資格が取得できる。その額は62歳受給で、17万5000ドル(現在のレートで約1513万円)。

 年金は1年を172日のメジャー選手登録で計算され、その日数に満たない場合は減額されるが、今季の松井はメジャーで2カ月しかプレーできなかった。ただ、10年メジャーに在籍したことで、ほぼ満額の年金を手にすることができるようになった。

 松井のメジャーでのキャリアが昨季で終わっていても、年金は減額支給されるが、10年プレーしたことは、メジャーリーガーとしてステータスにもなる。その意味で今季チャンスを与えたレイズに、松井は感謝すべきではなかろうか。

 松井は92年のドラフト1位で巨人に入団。高卒ルーキーながら、1年目に11本塁打を放った。2年目の94年からレギュラーの座を奪取し、毎年本塁打を量産。02年には初の50本塁打を記録した。同年オフにFA権を行使して、ヤンキースに入団。2年目の04年には31本塁打をマーク。09年にはワールドシリーズで日本人初のMVPを獲得し、同軍の世界一に貢献。10年はエンゼルス、11年はアスレチックスでプレーした。

 日本で10年、メジャーで10年。出場試合は計2504、2643安打、507本塁打、1649打点を記録した。日米を股にかけて活躍したスラッガーが、今静かにバットを置いた。
(落合一郎)

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