スポーツ
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スポーツ 2013年03月26日 11時00分
八百長裁判で元力士有利の展開 “賠償金発生で火ダルマ”に怯える相撲協会
「私は勝訴することを信じて、その日を待ちます。そして一刻も早く土俵に復帰できるように、万全の状態を作っていくだけ。裁判の間ずっと、私の潔白を法廷の場でお見せすることができたと思います」 自信満々でこう宣言するのは、中国籍の力士・蒼国来(29)である。 一昨年、八百長力士の中に名前を連ね相撲協会から引退勧告を受けたが、本人は一切身に覚えがないと否定。東京地裁に地位保全と給与支払いの仮処分を申請した。 スポーツ紙記者が言う。 「協会と蒼国来は同年6月に月130万円の給与1年間分で和解。蒼国来は同月に本訴訟を起こし、現在も所属する荒汐部屋で生活し朝稽古もしている。親方は、蒼国来が部屋創設10年でやっと誕生した関取のため、放駒理事長(当時)から追放しろと言われても真っ向から逆らい、公判でもその追放話を暴露した。協会もほとほと頭を痛めていますよ」 裁判は昨年12月に結審。裁判長は相撲協会と蒼国来に和解を勧告したが折り合わず、3月25日に判決が言い渡されることになった。 「公判では、蒼国来が八百長に関与したことを示すような証拠などは協会から一切提出されなかった。名前が挙がった連中の首を切って鎮静化させれば、八百長問題に決着がつけられると甘く考えたようです。蒼国来の代理人弁護士は100%勝ったと強気です」(同) 蒼国来がここまで土俵に固執するのも、中国(内モンゴル)と日本との経済格差にある。日本で力士として生活していれば毎月100万円くらいの収入は見込めるが、内モンゴルでは食うのがやっと。協会の決定をおいそれと受け入れるわけにはいかないのだ。 「協会も負けるわけにはいかない。何しろ首を切った大量の力士が退職金をもらって引退していますが、“解雇”で脅されたと協会を訴える力士が出現すれば収拾がつかなくなり、多額の賠償金が発生する可能性もある。悪い前例にならないか戦々恐々としています」(前出・スポーツ紙記者) 協会は火ダルマになるのか。
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スポーツ 2013年03月25日 15時30分
情けない! 日馬富士がまたもクンロク 綱の責任果たせず
大相撲春場所(大阪ボディメーカーコロシアム=3月10日〜24日)千秋楽で、すでにV24を決めていた横綱・白鵬(28=宮城野)が、横綱・日馬富士(28=伊勢ヶ浜)を破り、9度目の全勝優勝を成し遂げた。これで、白鵬は8回で並んでいた大鵬、双葉山を抜き、全勝優勝回数で単独で歴代1位となった。 白鵬独走のかげで、優勝争いにも絡めなかった日馬富士の責任は重大。初場所(1月=両国)で全勝優勝して、「日馬富士時代の到来」すら予感させたものだが、それもあえなく露と消え去ってしまった。 結局、日馬富士は終盤、3連敗を喫し、最終的にいわゆるクンロク(9勝6敗)の成績。これで、日馬富士は横綱昇進後の3場所中、2場所で1ケタ勝利にとどまった。新横綱となった昨年11月の九州場所(福岡)で、9勝6敗に終わり、横綱審議委員会から酷評されたが、今回もまた横審で批判のマトとなりそうだ。 3日目の高安戦で左足首、9日目の把瑠都戦で左ヒザを痛めたという日馬富士は、「ケガを治して、心と体を鍛えていきたい。来場所は全身全霊で頑張ります」と巻き返しを誓った。 北の湖理事長(元横綱)は「成績が極端だ。もっと安定した成績を挙げなければならない。それが横綱としての責任だ」と叱責。 師匠である伊勢ケ浜審判部長(元横綱・旭富士)は「横綱で9勝は厳しい。優勝争いから少し外れると集中力が欠ける。これからの課題だ」と話した。 もともと、日馬富士は大関時代から成績にムラがあった。09年夏場所(5月=両国)で初優勝を成し遂げ、初の綱獲りとなった翌場所(7月=名古屋場所)で9勝6敗と1ケタ。その後、クンロクの成績が3場所も続いた。 11年7月の名古屋場所でV2を果たした翌場所(9月=秋場所)では8勝7敗に終わり、九州場所(11月=福岡)でも8勝に終わっている。 そして、昨年7月の名古屋場所、9月の秋場所(両国)で2場所連続全勝優勝を成し遂げて、横綱に昇進したが、綱になっても、ムラの多い“持病”は克服できていないようだ。 日馬富士は133キロと、幕内力士のなかでは軽量であるため、故障が多いのは確か。だが、負けが込むと集中力を欠いてしまう精神面を治さないかぎり、今場所のような不振が目立ち、短命横綱になりかねないだろう。 また、誰も優勝争いに絡めなかったふがいない大関陣では、稀勢の里(26=鳴戸)が千秋楽に10勝目を挙げ、辛うじて2ケタにのせたが、琴奨菊(29=佐渡ヶ嶽)、鶴竜(27=井筒)はともに8勝(7敗)止まり。琴奨菊も鶴竜も、3場所連続で8勝に終わっており、もはや大関としての資格があるのかとの声が噴出しそうだ。(落合一郎)
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スポーツ 2013年03月25日 11時00分
春場所前からはしゃいだ貴乃花
まるで他に人無きが如しだ。春場所が3月10日から始まったが、去年に続いてこの総責任者をつとめる貴乃花担当部長(40、元横綱)の動きが場所前からやたら目立っていた。 「2月21日には大阪のお笑いの殿堂、なんばグランド花月を訪れ、観劇後のエンディングで舞台に上がり、観客の前でお笑い芸人のワッキーから持ちギャクに挑戦していました。また、28日には京都府庁まで足を延ばして山田啓二府知事に面会し、大阪と京都は隣同士、ぜひ観戦にお出でください、と盛んにPRしていました。担当部長自ら他の都道府県の知事を訪問するのは異例のことです」(担当記者) 同15日には大阪梅田の地下街で行われたPRイベントにも参加し、この日、大相撲界では千代の富士に次いで2人目の国民栄誉賞受賞が決まった故大鵬の納谷幸喜さんの思い出などを熱っぽく語っている。 それにしても、どうしてこんなに貴乃花親方の動きが際立っているのか。答えは簡単。この春場所はこれといった目玉が見当たらないからだ。 「番付をみても目新しさは皆無。唯一、目玉らしい目玉は新入幕の大岩戸と双大竜ですが、大岩戸は新十両から43場所もかかっての入幕。年齢も31歳9カ月で、これは史上8位の高齢新入幕です。双大竜も序ノ口から46場所かかっての入幕で、学生相撲出身者(農大卒)では史上4位のスロー昇進。これでは、とても観客動員には結びつけられません」(相撲関係者) さらに、こんな深読みをする協会関係者も。 「去年、貴乃花親方は初めて担当部長に就任し、9日間も館内を満員にして大きな評価を受けました。これを不動のものにし、将来の理事長候補としての存在感を示すには、この大入り記録を去年以上に伸ばすしかない。だから、今年のノルマは大入り10日、と公言し、その達成に必死なんですよ」 大目標に向かって足固めに余念のない貴乃花親方。いまや、その動きは台風の目だ。
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スポーツ 2013年03月24日 11時00分
柴田勲のプロ野球維新! スペシャル編 横浜DeNA・〈中畑清監督〉監督(3)
〈柴田勲〉 ところで、2000本安打達成まで、ラミちゃんが7本、ノリ(中村)もあと32本。同じチームに2人もいるというのも久しぶりだね。ノリは定位置の絡みもあるけど、5月ぐらいにはいけるんじゃないか?〈中畑清監督〉 彼は先発で出れば、1試合2、3本は打つから早いと思いますよ。ただ、先発出場は筒香らと三塁ポジション争いの絡みもあるから、ひょっとして時間が掛かるかも。ラミちゃんは、本当は昨年達成できたが、本人から「打率を優先したい。2000本安打は来季でいい」という申し出があったんです。〈柴田勲〉 いずれにしてもあと7本だもんな。すぐだね。名球会では昨年、ブレザーを用意してたが、着るのは今年だ。ノリの分もそろそろ用意するんじゃないかな。〈中畑清監督〉 今季は、打線のオーダーを考えるのが楽しい悩み。中軸は決まって来るだろうけど、その前後の格付けができたらいいんですけどね。〈柴田勲〉 確かにそうだね。いつも戦力が有り余っているどっかの球団みたいなのは贅沢な悩み。でも、1人でもケガとか故障者が出るとガタガタになるんじゃ困るよね。その点、今季は少し余裕ができたんじゃないかな。〈中畑清監督〉 そこまで言い切れません。ラミレスはいつも春先、調子が出ないんですよ。あんまり悪いようだったら、無理に出場はさせません。ノリを回すとかね。他にもいろいろありますよ。〈柴田勲〉 内外野のポジション争いも激しいみたいだね。〈中畑清監督〉 将来の主砲候補の筒香も、ようやく“ふた皮”ぐらい剥けたかな。実力で3塁・中村紀を退けるくらいの気概もチラホラ見え始めた。大いに期待したい。また二遊間、右翼もポジション争いが激しくなってます。右翼は、復帰の多村に金城(龍彦)、森本(稀哲)の三つ巴の戦いとなっている。二塁もまたし烈ですよ。故障・離脱する前の打撃を発揮できれば石川(雄洋)が優位だが、俊足の内村を優先的に使いたい気もする。現段階では甲乙つけがたい選手たちです。遊撃手も渡辺(直人)が攻守で信頼できますが、ケガが多いのが欠点。それがなければ、定位置が決まるんですけどね。〈柴田勲〉 残るは投手陣ということですな。〈中畑清監督〉 中日からきたソトの加入は大きいですよ。あの剛速球に、他の投手はビックリした。いい刺激になってますが、心配もありますね。ずっと寄りかかっていた三浦(大輔)、そして藤井(秀悟)の両ベテランが、去年と同じ成績(三浦9勝9敗、藤井7勝7敗)を残せるかという心配が、正直ありますね。ただ、ブランコ加入で得点能力が上がったことで、これまでのように打線の援護なしに泣かされた三浦や高崎(健太郎=7勝10敗)の白星が増える可能性も十分あります。それに期待の若手・国吉(佑樹)らもいるんで、層は厚くなってきています。〈柴田勲〉 抑えも山口(俊)1人に頼ってたのが、ソーサが入ったことで充実した状況になった事は大きいね。〈中畑清監督〉 とにかく、これだけのメンバーを揃えてもらったので、後は「勝」だけ。やるぜ! です。〈柴田勲〉 マラソンの瀬古利彦氏の色紙にも「クライマックス・シリーズを目指そう」とある。頑張れDeNA、だな。〈中畑清監督〉 新生ベイスターズの活躍を期待してください。■柴田勲の目 1年前のような球界参入に浮かれたような雰囲気はもはやなかった。補強されたブランコやモーガン、投手のソトらの存在が、チームを引き締めている感じがする。 中畑監督も「1にも、2にも、投手の精度を高めることが一番。期待するのは投手」と言っていたが、去年は球団イメージを植え付けるためのリップサービスが目立った。だが、今年はスローガンの「勝」に込められた意図のように、はっきりと目標を掲げている。 12球団最低だった防御率の改善の起爆剤となるのは、中日から獲得したソトとソーサの両投手。他の投手にとって大きな刺激剤になっている。 不安材料を上げるとすれば先発陣か。 三浦と高崎を軸に、ソトの3枚が頼りで、残りを国吉、加賀美(希昇)やドラフト3位の井納(翔一)らで奪い合うだろう。 野手は他球団のスコアラーが警戒するほど選手層が厚くなった。 いずれにしても、5年連続最下位の汚名を返上し、クライマックス・シリーズ進出を狙う。正直なところ、他球団も底上げしているから、上位に食い込むのは厳しいかもしれない。 しかし、今年は中畑監督にとって2年目で契約最終年。その真価と意地をぜひ見せてもらいたい。
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スポーツ 2013年03月23日 17時59分
白鵬の独走V許した日馬富士、大関陣はA級戦犯
大相撲春場所(大阪ボディメーカーコロシアム=3月10日〜24日)は、横綱・白鵬(28=宮城野)が13日目(22日)にして、独走で24度目の優勝を果たした。残り2日間は消化相撲となり、まさにドッチラケの場所となった。 V24の達成で、白鵬は北の湖と並んで、優勝回数史上4位タイとなり、モンゴルの先輩・朝青龍の持つ25回を抜くのは確実となった。その先に見据えるのは、千代の富士(九重親方)の31回、尊敬する大鵬の32回の更新だ。 残り2日間で連勝して全勝をキープすれば、白鵬の全勝優勝は9度目となり、大鵬、双葉山の8回を抜き、歴代単独1位の偉業を成し遂げることができる。白鵬自身、全勝は10年秋場所(9月=両国)以来、達成しておらず、どうしても成し遂げておきたいところ。 白鵬は「豪快に決めてやろうというのはあった。今年の目標にしていた数字でもあるし、昭和の名横綱に肩を並べたことはうれしい」とコメントした。 全勝を続ける白鵬に対し、ライバルの横綱・日馬富士(28=伊勢ヶ浜)は4日目にして2敗を喫し、8日目で3敗し、早々に脱落。白鵬の独走を許した日馬富士は、紛れもなく今場所のA級戦犯だ。 むろん、毎場所のことながら、ふがいない大関陣の責任も重大。琴欧洲(30=佐渡ヶ嶽)が左ヒジ痛のため、6日目から途中休場。13日目を終えた時点で、前半戦から下位力士に白星を献上した稀勢の里(26=鳴戸)、鶴竜(27=井筒)は8勝5敗。場所前に婚約を解消し心機一転を図ったはずの琴奨菊(29=佐渡ヶ嶽)は、10日目から4連敗で、7勝6敗の惨状。残り2日間の対戦相手を考慮すると、大関で一人も2ケタ勝利がいないという非常事態に陥ることもありそうだ。 昨年あたりから、全盛期に比べれば、かげりが見えるようになり、格下に星を落とす機会も増えた白鵬だが、今場所の相撲を見るかぎり、復活の気配も十分。 ライバルである日馬富士は、調子がいい場所は圧倒的な強さを示すが、好不調の波が激しいのが難点。日馬富士や大関陣の現状が変わらなければ、白鵬のV33の達成も現実味を帯びてきそうだ。(落合一郎)
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スポーツ 2013年03月23日 11時00分
柴田勲のプロ野球維新! スペシャル編 横浜DeNA・〈中畑清監督〉監督(2)
〈柴田勲〉 では、本筋に入ろう。会社から「言い訳のできない補強」という全面的なバックアップのおかげで、大幅な戦力アップができたよね。最下位脱出はもちろん、その上へ這い上がらないと逆にドカーンとくるかな。〈中畑清監督〉 そうです。覚悟のシーズンです。今季が2年目の(契約)最終年。まさに「勝」しかない。少なくともCS(クライマックス・シリーズ)参加が目標。そこまで進まないとどうしようもないと思っています。〈柴田勲〉 それにしても中日から助っ人3人を獲得したのはすごいよ。主砲のブランコ、先発・ソト、抑えのソーサ。同一球団から外国人選手3人というのは、前例がないんじゃないか。俄然、チームの色、雰囲気が変わったね。〈中畑清監督〉 ブランコが来てくれたのは大きいですよ。ラミレスと並べると打線も迫力が増します。それに新外国人のモーガン、ノリ(中村紀洋)もいます。〈柴田勲〉 相手は名前を聞いただけで、かなりプレッシャーを感じるよ。他にも、売り出し中の若手である筒香(嘉智)やソフトバンクから戻ってきた多村(仁志)にも一発がある。開幕までに、どんなクリーンアップが組まれるか楽しみだし、面白くなりそうだ。〈中畑清監督〉 モーガンは期待できますよ。ちょっと変わったところがある選手だけどね。へん屈で、ノー天気なところもあるんですけど、練習態度はアグレッシブだし、なかなか魅せるところがあります。〈柴田勲〉 青木(宜親)のいるブルワーズにいたそうだね。何でも“喧嘩っぱやく、暴れん坊”というじゃないか。大丈夫なのかな。〈中畑清監督〉 確かに“やんちゃ”なところがあるし、茶目っ気もある。キャンプ・イン直後の節分(2月3日)では、鬼に扮した報道陣相手の豆まきだったんですが、モーガンのやつ、「ベイスターズは5年連続で最下位だから、鬼を外に出しておいたよ」とか言って、豆を記者連中に派手にぶつけたらしいんです。〈柴田勲〉 メジャー3球団で6年、通算打率・280の中距離打者って書いてある。〈中畑清監督〉 足もあります。2009年には49盗塁をマークしている。肩が弱いと聞いていたが、シートノックでは鋭い返球を連発してみせ不安は全くなしです。打撃も大振りせず、コンパクトなスイングをするので、ブランコやラミレスという長距離砲の前を打つ役割を熟知している感じがするんですよ。〈柴田勲〉 なるほど。まずレギュラーは確実として、どこを守り、何番あたりに据えるつもり?〈中畑清監督〉 もう少し見たい気もするけど、右翼をまかせることになるかな。多村でもいいんですけど。打順をどうするか、開幕までいろいろ試すことになるでしょう。もちろん3番モーガン、4番ブランコ、5番ラミレスもありです。〈柴田勲〉 前にもってくる手もあるね。足と小技もある内村(賢介)と組む1、2番コンビも面白いんじゃないかな。〈中畑清監督〉 それもありですかね。巨人時代、ウチの高田(繁)GMと柴田勲のV9コンビは最高でした。この1、2番は手が付けられなかったですからねぇ。柴田さんは走りも凄かったけど、スイッチで打ちまくりましたもんね。〈柴田勲〉 もう昔の話。ほれ、高田もこっち見て笑ってるじゃん。
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スポーツ 2013年03月22日 15時30分
メジャー昇格ならなかった松坂大輔 月給170万円で出直し
2月13日(日本時間14日)、マイナー契約でインディアンスに入団し、招待選手としてスプリングトレーニングに参加した松坂大輔投手(32)が、開幕メジャー枠に残れなかった。3月18日に(同19日)に通告された。 松坂はオープン戦で4試合に登板。右ふくらはぎのけいれんを起こすなど、長いイニングは投げられず、8回を投げ、1本塁打を含め10安打2失点、防御率は2.25の成績だったが、調整不足は明らかだった。 契約上、メジャーに昇格できなかった場合、松坂にはFAして移籍先を探すという選択肢もあった。しかし、テリー・フランコーナ監督、クリス・アントネッティGMから、「できることなら残ってほしい。もう少し時間をかけて、この球団で投げてほしい」と慰留され、残留を決意した。松坂は「他に行くという選択肢もあるが、自分も残りたいと思っている。じっくりやるための時間を与えてもらったとプラスに捉えている」と語っている。 松坂はメジャーに上がった場合、基本年俸150万ドル(約1億4200万円)、出来高が最高250万ドル(約2億3700万円)の契約を結んだが、マイナーでのプレーを選択したため、契約上10万ドル(約949万円)のボーナスが支払われる。 また、マイナーでは毎月1万8000万ドル(約170万円=金額は推定)が支給されるが、松坂はこの月給からの出直しとなった。 松坂はすでに、3Aコロンバスに合流し、マイナーのオープン戦にも登板している。インディアンスでは、3番手以降の先発投手が不確定であることから、本調子に戻すことができれば、早い機会にメジャー昇格の可能性も十分ある。(落合一郎)
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スポーツ 2013年03月22日 11時00分
柴田勲のプロ野球維新! スペシャル編 横浜DeNA・〈中畑清監督〉監督(1)
〈柴田勲〉 今日はよろしく。元気な話を聞きたくて、やって参りました。〈中畑清監督〉 やぁー先輩、遠路はるばるありがとうございます。〈柴田勲〉 その前に、奥さん(仁美夫人=12月5日逝去)が亡くなられ大変残念。改めてお悔みを言わせていただきます。〈中畑清監督〉 ありがとうございます。今でも思い出すと悔しいんです。子宮がんでした。1年前の今頃は、このキャンプ地に来てくれたんですよ。ここから見えるあのホテルに滞在したんですよ。〈柴田勲〉 俺の女房(恵美子夫人)は肺がんだった。お互いにやもめ暮らしだね。〈中畑清監督〉 いいかあちゃんでした。今季は、そのかあちゃんに「よく頑張ったね」と言われるように頑張らないと。〈柴田勲〉 そうだよ。その“キヨシ語録”はマスコミにもコピーされているから、実現するよう頑張ろう。〈中畑清監督〉 はい。先輩、わが球団の今季のスローガンを知ってますか? 「勝(かつ)」です。〈柴田勲〉 ほう、ストレートでわかりやすいな。〈中畑清監督〉 これはですね、勝負に「勝」、己に「勝」、過去に「勝」、目標に「勝」、期待に「勝」こと。そして、時には自らにも「喝!」を入れるためのものなんです。〈柴田勲〉 なんか凄いね。すべてに勝つわけだ。強い意気込みを感じるな。〈中畑清監督〉 でしょ。それでこの「勝」という筆文字です。これ、ワタクシの“自筆”なんです。〈柴田勲〉 つまりロゴだね。うん、素晴らしいよ。
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スポーツ 2013年03月21日 15時30分
野球人気は健在! WBC視聴率が証明
第3回WBC(ワールド・ベースボール・クラシック)で、侍ジャパンは準決勝でプエルトリコに敗退し、3連覇を逃した。 野球人気の低下が叫ばれる昨今だが、今大会で残されたテレビ視聴率は、潜在的な野球人気が健在であることを証明した。 今大会の視聴率(以下、すべて関東地区)は、1次ラウンドのブラジル戦(テレビ朝日系列=3月2日午後7時〜10時39分)=25.4%、中国戦(テレビ朝日系列=同3日午後7時〜10時14分)=23.2%、キューバ戦(TBS系列=同6日午後7時44分〜10時49分)=22.8%。 2次ラウンドは台湾戦(テレビ朝日系列「報道ステーション」枠内=同8日午後9時54分〜11時48分)=33.0%、オランダ戦(TBS系列=10日午後7時34分〜10時4分)34.4%、オランダ戦(TBS系列=12日午後7時53分〜10時48分)=30.4%で、全試合で30%超え。 準決勝のプエルトリコ戦(TBS系列=18日午前10時58分〜午後1時44分)=20.3%だったが、平日の午前から昼過ぎという時間帯を考えれば上々。これが土日祝日であれば、大きく跳ね上がっていたのは間違いないだろう。 前大会(09年)の視聴率は第1ラウンドの中国戦(テレビ朝日系列=3月5日午後6時42分〜9時54分)=28.2%、韓国戦(テレビ朝日系列=同7日午後6時55分〜10時14分)=37.8%、韓国戦(テレビ朝日系列=同9日午後6時34分〜9時54分)=33.6%。 第2ラウンドのキューバ戦(TBS系列=同16日午前6時〜8時30分)=24.6%、韓国戦(TBS系列=同18日午後0時5分〜3時35分)=21.2%、キューバ戦(TBS系列=同19日午後0時5分〜3時37分)=20.2%、韓国戦(TBS系列=20日午前10時5分〜午後1時54分)=40.1%(※注1)。 準決勝の米国戦(TBS系列=同23日午前9時5分〜午後0時26分)=28.7%、決勝の韓国戦(TBS系列=同24日午前10時35分〜午後2時48分)=36.4%(※注2)で、今大会の視聴率は前大会より若干下がった感もある。 ただ、現在はすべての番組の視聴率自体が下がっている状況下である。ましてや、今大会はCS放送・Jスポーツが日本戦全試合を地上波と同時に生中継している。スカパーやケーブルテレビの普及率は、4年前より高い。CSは地上波と違って、CMが少ないため、本当に野球が好きな層はJスポーツで見た可能性も高く、それを考慮すれば、今大会の地上波の視聴率は上出来だろう。 巨人の公式戦の視聴率は2ケタを獲れないことも多くなったが、クライマックスシリーズ、日本シリーズやWBCへの関心は依然高く、まだまだ野球人気は健在といえよう。(※注1…午後1時54分〜2時=40.2%)(※注2…午後2時48分〜2時54分=37.6%)(落合一郎)
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スポーツ 2013年03月21日 11時45分
2013年プロ野球キャンプレポート・中日編
右内転筋痛で全治4週間…。去る2月23日に発表されたドラフト1位ルーキー・福谷浩司投手(22=慶大)の戦線離脱は、チームに与える影響も大きかったのではないだろうか。落合時代に逆上ってもそうだったが、近年の中日はレギュラーがシッカリ固定されている。出場機会を求めている中堅野手も安定した力を見せている。そのため、年齢を問わず、選手は皆、『自己調整』ができる。良く言えば「大人の集団」。しかし、見方によっては、スロー調整のチームである。その意味では、先発ローテーションに食い込む力を持った福谷、左肘の故障で途中離脱したドラフト4位・杉山翔太捕手(22=早大)の2人には、停滞しがちなチームの起爆剤になって欲しかったのではないだろうか。 よもやの6連敗−−。オープン戦とはいえ、そんな見出しが踊った(3月18日)。開幕まであと(約)2週間という時期になっても、モチベーションが上がらないのも、ベテランが多いせいだろう。しっかりと調整してくると思われるが、高木守道監督は「(オープン戦は)残り少ないけど、いい状態に持っていかないと…」(17日)と、不安を口にしていた。 福谷の一軍合流はゴールデンウィーク前後と思われる。この福谷が1カ月遅れでも、先発ローテーションに入ってくれれば、ベンチのムードは好転するはずだ。 福谷がフリー打撃に登板したのは、2月17日(二軍)。キャンプ2日目にはブルペン投球を披露していたが、「実戦向き」というのが第一印象だ。ブルペン投球では「ストレートの速い投手」、「変化球もそこそこ投げられて…」としか思わなかったが、フリー打撃では別人になっていた。ブルペンで投げるボールよりも、フリー打撃で投げるボールの方が良い。キャンプが進むにつれ、コンディションも上がってきたからかもしれないが、まず、初速と終速がほとんど変わらない。対戦打者のバットを折る場面も見られた。本人も「ブルペンよりもマウンドの方が投げやすい」と言っていたそうだが、バッターと対戦することで“本気モード”になるタイプなのだろう。 また、「一軍昇格までさほど時間が掛からないのではないか」と思えたのが、ドラフト7位の高卒ルーキー・若松駿太投手(祐誠高)だ。投・内連携プレーでノックを受けていたのを見たが、動きが機敏である。投球フォームはスリークオーター気味だが、下半身を存分に使って投げている印象も受けた。投球フォームに無駄な力が入っていないのが良い。高卒新人というと、ドラフト2位・濱田達郎(愛工大名電)ばかりに目が行きがちだが、中日は将来の右の先発候補も指名していたことが分かった。 “自己調整”で判断しにくい一軍だが、順調な仕上がりを見せていたのが、外野の中堅クラス。平田良介、松井佑介、野本圭が良かった。平田の打球は伸びる。フリー打撃を見ていると、フル出場すれば本塁打王争いに確実に食い込んでくるだろう。松井に関しては逞しくなった印象を受けた。また、新加入のクラーク(右投左打)だが、第一印象は「大人しい」。100キロを越す巨漢で守備範囲も広くない。おそらく、一塁以外は守れないだろう。ただ、迫力もバットスイングの速さも伝わってこないが、外角低めにもきちんとバットが届いていた。「横の変化球」には十分についていけるので、変化球の多い日本球界に適応できるだろう。 ブルペンも見たが、14年連続50試合登板の鉄腕、岩瀬仁紀は完全に技巧派に転身した心象を受けた。浅尾拓也の故障も長引きそうなだけに、今季の中日は僅差のゲームで苦しむ可能性が高い。昨季56試合に登板した田島慎二は順調に仕上がっていた。この田島をセットアッパーのポジションから外せないとなれば、昨季、先発だけではなく、中継ぎ、クローザーとフル回転だった山井大介がブルペンのカギを握るのではないだろうか。 吉見一起、大野雄大など完投能力の高い先発投手もいるが、試合終盤の継投策が『打倒巨人』のキーワードとなる。