スポーツ
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スポーツ 2013年03月04日 11時45分
シウバ快勝! 左右のフックで仕留める
総合格闘技「UFC JAPAN 2013」が3日さいたまスーパーアリーナで行われ、ヴァンダレイ・シウバが引退説を吹き飛ばすKO劇を見せた。 6年半ぶりのシウバ登場にさいたまスーパーアリーナの盛り上がりも最高潮。ブラジルの国旗が振られ大歓声が湧き起った。1ラウンドはスタンの右フックでダウン寸前に追い込まれたが必死に耐え抜き、2ラウンド4分過ぎに右フックから左フックのコンビネーションでダウンを奪い、上からパンチを浴びせ勝利した。シウバはケージによじ登り1万4000人の大観衆に「元気デスカ!」と笑顔で応えた。 絶対王者シウバがPRIDE時代そのままの激勝で健在ぶりをみせた。試合後の会見でシウバは「ここでやめるつもりはない」と引退説を一蹴した。(アミーゴ・タケ)【メーンイベント ライトヘビー級 5分5R】○ヴァンダレイ・シウバ2R4分8秒 KO●ブライアン・スタン
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スポーツ 2013年03月03日 11時00分
大関昇進が障害か 琴奨菊が年上OLと3カ月で婚約解消した理由
あの決意はなんだったのか。大関琴奨菊(29=佐渡ケ嶽)が2月12日、つい3カ月前に発表したばかりの婚約を解消した。 「お相手は佐賀県在住の1つ年上の女性。二人は平成21年に知人の紹介で知り合い、3年間にも及ぶ遠距離交際を実らせるかたちで婚約しました。マスコミに婚約を発表したのは去年10月の九州場所の番付発表の朝。このとき、琴奨菊は前の場所で左ひざを痛めて途中休場し、初の大関かど番を迎えていましたが、二人ならこの辛い試練も乗り越えられると、あえてドン底状態のときに公にしたんです。挙式は4月20日の予定で、すでに招待状も発送済みだっただけに、みんな、この破局には驚いていますよ」(大相撲担当記者) それにしても、この突然の婚約解消の原因はなんだったのか。 琴奨菊は、「婚約後、二人の人生観のズレが大きくなり、初場所後に話し合った結果、こういうことになった。とても残念です」と言葉少なだったが、皮肉にも二人が愛を育む中で勝ち取った一昨年秋場所の大関昇進が障害になったとみる関係者は多い。 「ただでさえ力士の妻は、後援者や、部屋のおかみさん、付け人らとの付き合いが大変なのに、大関の妻ともなるとその気遣いは尋常じゃなくなる。だから、昔から力士の妻はこの世界のことをよく知っている師匠の娘とか、水商売関係の女性が多かったんですが、琴奨菊の婚約者は、そういったことに無縁なOLでしたからね。結婚に向かって話し合っているうちにだんだん溝が深くなっていたんじゃないか」(部屋関係者) 挙式寸前で白紙に戻すのは非常に珍しく、最近では平成5年の貴乃花(当時は貴ノ花)以来だ。当時の貴ノ花は人気絶頂期で、相手の宮沢りえも、これまた人気女優。この若い20歳と19歳の恋の成り行きに日本中が注目したが、大相撲界や芸能界のしがらみに押し潰されるかたちで婚約発表から2カ月後に破局した。 初場所、8勝7敗に終わった琴奨菊。力士が世間を見返し、うっぷんを晴らすのは土俵上しかない。
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スポーツ 2013年03月02日 17時59分
侍ジャパン大丈夫? 連戦疲れに主砲・阿部の負傷
第3回WBC(ワールド・ベースボール・クラシック)が、いよいよ3月2日に開幕する。 日本は1次ラウンドではA組に属し、ブラジル、中国、キューバと同じグループとなる。A組の上位2チームが、2次ラウンドで、B組(韓国、オランダ、オーストラリア、台湾)の上位2チームと決勝ラウンド進出を懸けて、ダブルエリミネーション方式で激突する。 日本は2日にブラジル、3日に中国、6日にキューバと対戦するが、開幕を前に不安要素も噴出した。まず、連戦の疲れだ。日本は2月23日と24日にオーストラリアと壮行試合、26日に阪神、28日に巨人と強化試合を行った。わずか6日間で4試合のハードスケジュール。プレッシャーの少ない紅白戦や練習試合ならともかく、多くの観客が集まり、地上波でテレビ中継がある注目度が高いなかで、プレーすれば疲労度も増す。深刻なのは消耗品ともいえる投手陣で、本戦まで中1日での調整では疲れも残っているだろう。 そして、主将である阿部慎之助捕手(巨人=33)の故障だ。阿部は27日の練習中に右ヒザを痛め、28日の巨人戦を欠場した。幸い重症ではないようだが、ブラジル戦と中国戦はベンチスタートとなる可能性も十分で、キューバ戦でスタメン起用となりそうな気配。阿部の代わりには糸井嘉男(オリックス=31)が4番に座ることになりそうだが、アベレージバッターで一発が期待できない糸井の4番には不安もよぎる。 実力がきっ抗しているB組と違って、A組は力の差がハッキリしているといわれている。2次ラウンドに進出するのは、日本とキューバが濃厚とみられているが、日本がブラジルをなめてかかると足元をすくわれかねない。 ブラジルは予選ラウンドで、現役メジャーリーガー4人を擁するパナマを破って勝ち上がっている。強力投手陣がセールスポイントで、阿部温存なんて、余裕をかましていると、ブラジルに苦杯を喫して、1次ラウンドで敗退の危機もはらんでいる。(落合一郎)
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スポーツ 2013年03月02日 11時00分
2020年東京五輪「落選」の全内幕 レスリング除外でマドリード当確(2)
開催3候補の東京、イスタンブール、マドリード(スペイン)のうち、マスコミ報道や英国のブックメーカーの予想では財政・治安面で群を抜く東京が本命、イスラム圏で初五輪開催となるイスタンブールが対抗視されているが、IOC首脳の意思は両都市にないことが、図らずも今回の理事会でのレスリング除外で表面化したのだ。 そこで浮上するのが、欧州債務危機の影響をもろに受け、五輪開催どころじゃないと見られてきたマドリードである。こちらはメダル実績のないレスリング除外は歓迎で、「除外確実」とみられていた近代五種は生き残った。ここからも2020年マドリード五輪が見て取れるのだ。 欧州の五輪貴族を中心に構成されるIOCにおいて、今なお強い影響力を持つのが前IOC会長だったスペイン人のサマランチ氏('10年死去)のファミリー。現在は息子のサマランチ・ジュニアがIOC理事に就いており、国際近代五種連合の副会長も務める。14人の投票で決めた先の理事会で近代五種が生き残れたのもそのためだろう。 サマランチ前会長は剛腕を発揮して'92年バルセロナ五輪を実現させたが、スペインは多民族国家でカタルーニャ地方のバルセロナで開催されたことに不満がくすぶり続けている。中央政府のあるマドリードの開催を望む声が強いのだ。 しかも、1972年、2012年、2016年とこれまで三度立候補したものの、ミュンヘン、ロンドン、リオデジャネイロに敗れている。父の遺志を継ぐ意味でも、サマランチ・ジュニアはマドリードでの五輪開催に心血を注いでいるのだ。 「本はといえば、東京が本命に躍り出たのは大本命のローマが財政危機を理由にマリオ・モンティ首相が立候補を断念したからです。マドリードは欧州連合を背景にローマ票を取り付け、フランスとも2024年のパリ五輪とバーターする形で支援を取り付けている。パリは100年ぶりの五輪が2024年となることで待望論が強い。これが実現すると、ロンドン、リオデジャネイロのあとにマドリード、パリと欧州都市が続くことになるが、実はそれが狙いなのです。五輪は欧州主導のもとで開催し、アメリカ、日本などの商業主義とは距離を置く。英国、フランス、スペイン、ポルトガルのかつての欧州列強国は同時にアフリカ、南米、オセアニア各国の旧主国でもあり、いざ選挙となれば連携してくる。孤立無援の日本にはとても勝ち目がない」(五輪評論家) 2020年五輪開催都市は9月7日のIOC総会の投票で決まる。投票権を持つIOC委員111人の内訳は欧州47人、アジア24人、パンアメリカン20人、アフリカ15人、オセアニア5人。あとは各競技連盟の会長と選手委員が各15人。 このうち日本人はJOC会長の竹田恒和氏ただ1人。創始競技の柔道を含め競技団体のトップに日本人はゼロ。これこそ、冒頭で進次郎氏が問題提起する部分なのである。 今回のIOC理事会で除外が決まったレスリングだが、日本、米国、ロシア、イランなどの反発もあり、復活のチャンスは残された。5月の同理事会(タイ)で復活を目指す野球・ソフトボール、空手、太極拳、スカッシュ、ローラースケート、スポーツクライミング、水上スキーで「残り1競技」を競うことに…。 しかし、IOCの意思がマドリード五輪にある以上、東京、イスタンブール五輪の象徴であるレスリングが復活するとは考え難い。 「レスリングに関してはもはや白旗状態に近い。福田会長は“室内競技を理由に冬季五輪へ行けばいい”と発言するなど、平常心を失っている。いずれにせよ最悪のケースを視野に入れている、ということ」(レスリング協会関係者) 東京招致委員会会長の猪瀬直樹知事は「日本のお家芸の一つだから入らないとすれば非常に残念だが、招致活動に影響はない」と力説するが、3月4日にはIOCの評価委員会が東京を訪れ、4日間にわたって中央区晴海に建設される選手村の予定地や各競技予定地の現地調査に入る。 「この時期はちょうどWBC第1ラウンドと重なり、宿敵キューバ戦(3月6日)に向けて侍ジャパンの人気が頂点に達する。野球が東京五輪で復活するにはレスリングに外れてもらう以外には方法がなく、日本の世論は真っ二つに割れる。あえてこの時期に視察を選んだとすれば、IOCの戦略は恐ろしい限り」(スポーツ紙デスク) とうてい日本のかなう相手ではない。
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スポーツ 2013年03月01日 11時45分
3月3日、UFC JAPAN 2013 シウバ「素晴らしいファイトを見せる」
世界最大の格闘技団体「UFC」が3月3日に行われる「UFC JAPAN 2013」の直前会見を28日ヒルトンホテル東京で行なった。 会見にはUFCアジア・マネージングディレクターのマーク・フィッシャー、メインに登場するヴァンダレイ・シウバ、日本人ファイター岡見勇信、五味隆典ら8人のファイターが出席した。 PRIDE時代は18連勝を飾り、桜庭には3勝と圧倒的な強さを誇示してきたシウバ。2006年以来、6年半ぶりの日本マット復帰に燃える。「日本のファンの前で試合をするのを待ちこがれていました。日本で戦う事に誇りを感じます。素晴らしいファイトを見せます」と静かに決意を述べた。 この日本での試合が最後になるのかという質問には「ノー。それはわからないです」と否定した。 またディエゴ・サンチェスと激突する五味は「最高のコンディションなので良い試合になるよう頑張ります」と語り、ミドル級で戦う岡見は「全力をつくして勝利するのを日本のファンに見てもらいたいです」と力強く語った。 「UFC JAPAN 2013」は3月3日(日)さいたまスーパーアリーナ、第一試合開始は午前9時45分。 (アミーゴ・タケ)
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スポーツ 2013年03月01日 11時00分
2020年東京五輪「落選」の全内幕 レスリング除外でマドリード当確(1)
いまや政界のご意見番となった小泉進次郎・自民党青年局長のコメントを聞けば、五輪招致委員会のロビー外交の稚拙さと東京五輪がいかに窮地に立たされているかがわかる。 「(レスリングが五輪の除外候補になったことについて)まずは残念だ。日本はルール作りへの取り組みが弱い。国際オリンピック委員会(IOC)の日本人理事の数とか、基準やルールを決める骨組みの中に人を入れ、関与していく努力をもっとしないと。外国はすごく力を入れてやりますからね。地道なロビー活動は、政治の世界でも必要だが、スポーツの世界でも政治力ってのは、やっぱりある」 2020年五輪からレスリングが除外候補の一報に「寝耳に水だ」と天を仰いだ日本レスリング協会の福田富昭会長。日本中があ然とした2月12日のIOC理事会で、マスコミはレスリング除外ばかりを強調したが、実はもっと重要な意図が秘められていたのだ。 「これで2020年東京五輪の可能性が極めて絶望的になったということです。1964年の東京五輪では柔道が、'88年ソウル五輪でテコンドーが採用されたように、これまで開催都市が希望する競技は優先的に取り入れられてきた。その経緯からしても日本のお家芸であるレスリングは柔道とともに最重要競技。ロンドン五輪で獲得した金メダル7個のうち4個がレスリング。吉田沙保里と伊調馨は五輪3連覇です。もっとさかのぼれば夏季五輪通算130個の金メダルのうち28個がレスリングで獲得したもの。それを踏まえれば、レスリングを締め出すのは、東京開催にNGを突き付けたのも同じジャッジなのです。いま大事なのはレスリングの生き残り策ではなく、いかにして(開催都市を決める)9月7日のIOC総会までに東京招致への流れを取り戻すか。ロビー外交のテコ入れこそが急務なのです」(全国紙社会部デスク) レスリング除外に困惑するのはトルコも同じ。 ロンドン五輪で実施された26競技からなぜ基幹競技であるレスリングだけが除外候補にされたのか。下馬評では人気も競技人口も少ない近代五種やテコンドー、カヌー、ホッケー、さらにはツール・ド・フランス7連覇のアームストロング(米国)が禁止薬物使用を告白した自転車、体罰問題が明らかになった柔道などが候補とされ、レスリングは噂にさえならなかった。 「結果からすれば、なるほどそういうことか」と語るのは大手広告代理店関係者。 「レスリングは東京以上にイスタンブール(トルコ)では人気が高く、まさしく国技です。トルコにはオイルレスリング(トルコ相撲)というローマ帝国、ビザンツ帝国時代から伝統を受け継ぐ格闘技があり、年間40ものトーナメントがある。トルコ人レスラーが大相撲に入門したら、おそらく歴史が変わるでしょう。しかし、トルコ政府はレスリングを大事にしており、かつて小泉純一郎首相が要望した際も、海外流出を許さなかったほどです。その成果が五輪の金メダル数で、これまでトルコが獲得した37個の金メダルのうち実に28個がレスリング。それを承知しながらIOCはレスリングを除外するわけですから狙い撃ちも同然。イスタンブールは東京同様に難しくなったということです」
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スポーツ 2013年02月28日 15時30分
イチロー チームメイトの悲運でスタメン確定
メジャー13年目にして、初めてヤンキースでキャンプを迎えているイチロー外野手(39)が順調だ。 2月24日(日本時間25日)、初のオープン戦(ブルージェイズ戦)に臨んだイチローは、2番右翼でスタメン出場し、3打数1安打。26日(同27日)のフィリーズ戦でも、2番右翼でスタメンし、3打数3安打1盗塁でイチローらしいはたらきを見せた。これで、オープン戦2試合で6打数4安打。開幕に向け、早くもエンジン全開だ。 今季のイチローは正右翼手だったニック・スウィシャー外野手が放出されたため、右翼のレギュラー候補として、キャンプインしたが、ここにきて、情勢が大きく変わった。 正中堅手で昨季、チーム最多の43本塁打をマークしたカーティス・グランダーソン外野手が戦線離脱したからだ。グランダーソンは24日のブルージェイズ戦で死球を受け、右前腕部を骨折。全治約10週間の重傷だった。 グランダーソンの復帰は5月とみられ、ヤンキースはそれまでレギュラーを一人欠いた状態で闘わなければならない。 ジョー・ジラルディ監督は「誰が(グランダーソンの)代わりを務めるかが問題になる。何とか対策を考えるしかない」とコメントしている。 チームではグランダーソンの穴を埋めるべく、正左翼手のブレット・ガードナー外野手やイチローを中堅に回すことも検討しており、イチローは外野全ポジションをこなすべく、準備に入った。 チームメイトの悲運とはいえ、これでイチローの開幕スタメンは確保された。あとはグランダーソンの復帰後、どうポジションを守っていくかが重要になる。(落合一郎)
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スポーツ 2013年02月28日 11時45分
2013年プロ野球キャンプレポート・横浜DeNA編 「高卒2年目捕手は救世主になれるか…」
「救世主になるのでは!?」と思えたのが、神内靖(29)である。4日、フリー打撃に登板し、約40球を投げてヒット性の当たりは2本しか許さなかった。この時期、バッターの調整は投手と比べて遅れがちだが、「チェンジアップ、行くよ」と捕手が教えても、ボテボテのゴロしか飛ばせなかった。 また、その2日前には同じく新加入のソトとソーサがブルペン入り。ソトはセットポジションでの投球も行っており、「調整が早い」と思った。ソーサのストレートの速さは中日時代からお墨付きだが、少しコントロールが荒れていた。ただ、キャンプ2日目からこれだけ早い仕上がり具合を見せられれば、このソーサとクローザーのポジションを争う山口俊(25)への相乗効果も期待される。キャンプ中盤までは“自身でブレーキを掛けている感”も見られたが、1日のブルペンで投げ球数は去年よりも多い。 ベイスターズは慢性的な左腕不足にあった。神内、ソトがこのまま開幕を迎えれば、昨季のような「独り負け」することはないだろう。また、ドラフト2位・三嶋一輝(22=法政大)への評価は上方修正すべきだと思った。東京六大学で名を馳せた好投手ではあったが、昨秋は他に“有名人”がいたせいか、大きく扱われてこなかった。ジックリ見たのは、昨年11月12日・明治神宮野球大会(対三重中京大戦)だけだが、そのころよりも直球のキレが良くなったのではないだろうか。ブルペンではストレートの伸びを感じた。投球間隔が短く、テンポも良い。大黒柱となる投手が見当たらないチーム事情からしても、登板機会には恵まれるはず。私見だが、この時期の状態としては、昨季新人王の野村祐輔(23=広島)と比べても『上』だ。 打撃陣だが、ソト、ソーサとともに中日からやってきたブランコは“5年目”を迎えるわけだから、計算は立つ。「中日時代から連絡を取り合っていた」そうだが、先輩のラミレスと話し込むシーンが多く見られた。中日最終年の打率は2割4分8厘だが、「狭い横浜スタジアム」で“一発の脅威”が蘇るかもしれない。フリー打撃で相変わらず、目一杯振り回していた。(もっと楽に打てばいいのに…) 賛否両論だったのが、来日1年目のナイジャー・モーガン(32)だ。パイレーツ、ナショナルズを経て、一昨年はブリュワーズへ。メジャー通の間では、乱闘などのトラブルメーカーとして知られているらしい。批判的な意見を言う人は「トラブルメーカー=キレやすい」、つまり、集中力が持続しないタイプなので、初球から手を出す“早撃ち”となり、日本人投手の変化球の餌食にされやすいとのこと。 たしかに、ボールをじっくり見極めるのではなかった。ただ、「ストライクゾーンに来たら振りに行く」という感じで、ボール球には手を出していなかった。不安要素も伝えられる打撃面での答えが出るのは、一線級投手との対戦が始まるオープン戦終盤だろう。 打撃面では不安要素も残るが、モーガンは守備範囲が広い。MLBではスーパーキャッチの常連でもあったが、飛球を追う際の一歩目と、3、4歩目から加速するスピードは、「さすが」のひと言。とくに、後方の打球を追う速さは凄い。モーガンは人気が出そうな気がする。 ある意味、中畑監督が「筒香嘉智、ドラフト1位・白崎浩之以上ではないか!?」と気に掛けていたのが、2年目の城俊人捕手(19)だ。昨季も一軍でマスクを被ったが、この城を正捕手に育て上げようとしているような雰囲気も見られた。二塁送球で見せる肩の強さは一級品。しかし、配球術はまだまだ未知数だ。慢性的な左腕不足を解消しつつある投手陣を生かすも殺すも、この城ということになりそうだが…。
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スポーツ 2013年02月27日 15時30分
故ジャイアント馬場さんが創設した「全日本プロレスリング」が終えんへ
プロレス界の大手団体・全日本プロレスリング株式会社(内田雅之社長、武藤敬司会長)が、事実上の身売りをしていたことが2月25日に明らかになった。 同日に会見を開いた同団体は、昨年11月1日付で、企業再生支援会社の株式会社スピードパートナーズ(以下、SP社)の白石伸生社長(40)に、100%の株式を売却していたことを発表した。 さらに、SP社は新たに「全日本プロレスシステムズ」を発足。内田社長、武藤会長の役職は変わらないが、白石氏が実質的なオーナーに就任。SP社から三阪輝(あきら)氏を副社長として送り込んだ。今後、同団体は新会社の下で、運営されることになる。 白石氏は買収について、「新日本(プロレス)と全日本の差がつきつつあった。私が資金面、財務面をサポートし、中小企業から業界のリーディングカンパニーにする」と話した。 昨年1月にカードゲーム制作会社のブシロードが親会社となって、業績がアップした業界最大手の新日本に対して、白石氏は「1年で追いつく」とライバル心を燃やした。さらに、2年以内の東京ドーム進出、3年後に4大ドームツアーの開催との大目標を掲げた。 日本テレビ、TBSとテレビ中継について、水面下で交渉に入っていることも明かし、総合格闘技への進出や、4月以降は他団体に選手を貸し出さない鎖国政策も打ち出した。 同団体はリング上では、昨年12月いっぱいでプロレスリング・ノアを離脱した秋山準、潮崎豪、金丸義信、鈴木鼓太郎、青木篤志のバーニング軍5選手を、2月から丸抱えして、息を吹き返した。その一方で、人件費が大幅に増えたこともあり、現在フリー参戦している選手については、3月いっぱいで契約を継続するかどうかを判断するリストラプランも浮上した。 同団体は故ジャイアント馬場さんが72年に創設。馬場さんの死後、故三沢光晴さんが社長職を務めたが、ノア設立のために離脱し、以降は未亡人の馬場元子氏が陣頭指揮を執ってきた。02年9月に新日本から移籍した武藤が新社長に就任し、その後、元子夫人から株式の譲渡を受けた。 今回のポイントは新日本のケースと違い、単なる身売りではないという点。同団体の運営は、新会社に委ねられることになる。通称こそ「全日本プロレス」で変わりはないが、馬場さんが興した「全日本プロレスリング」という会社は、旗揚げから40年にして、興行活動を停止し、事実上その役目を終えることになる。時の流れとはいえ、一抹の寂しさは禁じ得ない。(落合一郎)
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スポーツ 2013年02月26日 11時45分
WBCはMLBの『ショーケース』 対オーストラリア壮行試合の舞台裏
WBC第1ラウンド『B組』のオーストラリア代表との壮行試合は“伏兵”相川亮二捕手(36)の一振りで、コージジャパンに初勝利がもたらされた(2月23日)。 「7回まで1安打」という打線の低迷は心配だが、ネット裏のメジャースカウトも「ガッカリ…」といった表情を浮かべていた。 前回大会、米国スポーツ雑誌でこんな特集が組まれていた。「メジャーリーグに登録されていない海外有望株20人」−−。同企画に関わった米国人ライターによれば、1位はダルビッシュ、2位はキューバ代表のアロルディス・チャップマン、3位は岩隈久志だったという。奇しくも、上位3人は現在、メジャーリーグに所属している。 「5位が昨年12月、ドジャースと『6年総額3600万ドル』(約30億円)で契約した柳賢振(リュ・ヒョンジン=26)でした。今大会で、メジャースカウトが注目している投手は2人です」(同米国人ライター) オーストラリアとの壮行試合に先発した田中将大(25)と、韓国屈指の右腕・尹錫みん(ユン・ソクミン 27=起亜)である。田中は前述の前大会レポートでは4位にランクインされており、ユン・ソクミンは今シーズン終了後にFA権を取得するという。 「ユン・ソクミンは前大会のランキングで18位でした。韓国球界では味方打線の援護に恵まれず、勝ち星が伸びない年もありますが、09年と比べ、逞しくなった印象もある。メジャーでも先発で十分にやっていけると、米スカウトは評価しています」(前出・同) 一方の田中だが、オーストラリア戦で先発したものの、3回を投げ、『自責点2』。京セラドーム大阪まで駆けつけたメジャースカウトは、「今日の登板で今までの評価が変わることはない」と“フォロー”のコメントを出すだけだった。 前出の米国人ライターがこう続ける。 「田中の場合は(田中獲得に動くとしたら)、所属の楽天球団がポスティングに掛けるかどうか分かりません。岩隈がポスティングに掛けられたときは、確か、前年の契約更改で米挑戦の意志を伝え、翌年のチームに貢献してからだったと記憶しています。そういう段取りも見えない以上、前大会のダルビッシュに対して行われたスカウティングに同じ方式になると思う」 ダルビッシュと同じ方式とは、「有事に備え、情報を集めておく」というもの。現時点で楽天サイドからも田中のポスティングに関する動きはなく、岩隈という前例に従えば、楽天球団は“ファンサービス”の面からも、「来年オフに挑戦」と公表するだろう。 しかし、こんな見方もある。 「岩隈から米挑戦の気配が出始めたのは前回WBC後(09年)でした。本人の気持ちの中に『いずれは…』の思いはあったにせよ、米スカウトの高い評価を知って、2010年のポスティングへと具体化したとも言えます。田中が今大会で“手応え”を掴めば、今シーズン終了後に球団と相談し、今オフのポスティングの可能性も探るのではないか?」(プロ野球解説者の1人) とはいっても、こちらも『憶測』の域は出ていないが…。 WBCをメジャーリーグ・スカウトのショーケースと称する外国メディアも見られた。 田中の不調は山本浩二・代表監督にとって頭の痛いところだが、盟友でもある楽天の星野仙一監督は安堵していたかもしれない。