また、その2日前には同じく新加入のソトとソーサがブルペン入り。ソトはセットポジションでの投球も行っており、「調整が早い」と思った。ソーサのストレートの速さは中日時代からお墨付きだが、少しコントロールが荒れていた。ただ、キャンプ2日目からこれだけ早い仕上がり具合を見せられれば、このソーサとクローザーのポジションを争う山口俊(25)への相乗効果も期待される。キャンプ中盤までは“自身でブレーキを掛けている感”も見られたが、1日のブルペンで投げ球数は去年よりも多い。
ベイスターズは慢性的な左腕不足にあった。神内、ソトがこのまま開幕を迎えれば、昨季のような「独り負け」することはないだろう。また、ドラフト2位・三嶋一輝(22=法政大)への評価は上方修正すべきだと思った。東京六大学で名を馳せた好投手ではあったが、昨秋は他に“有名人”がいたせいか、大きく扱われてこなかった。ジックリ見たのは、昨年11月12日・明治神宮野球大会(対三重中京大戦)だけだが、そのころよりも直球のキレが良くなったのではないだろうか。ブルペンではストレートの伸びを感じた。投球間隔が短く、テンポも良い。大黒柱となる投手が見当たらないチーム事情からしても、登板機会には恵まれるはず。私見だが、この時期の状態としては、昨季新人王の野村祐輔(23=広島)と比べても『上』だ。
打撃陣だが、ソト、ソーサとともに中日からやってきたブランコは“5年目”を迎えるわけだから、計算は立つ。「中日時代から連絡を取り合っていた」そうだが、先輩のラミレスと話し込むシーンが多く見られた。中日最終年の打率は2割4分8厘だが、「狭い横浜スタジアム」で“一発の脅威”が蘇るかもしれない。フリー打撃で相変わらず、目一杯振り回していた。(もっと楽に打てばいいのに…)
賛否両論だったのが、来日1年目のナイジャー・モーガン(32)だ。パイレーツ、ナショナルズを経て、一昨年はブリュワーズへ。メジャー通の間では、乱闘などのトラブルメーカーとして知られているらしい。批判的な意見を言う人は「トラブルメーカー=キレやすい」、つまり、集中力が持続しないタイプなので、初球から手を出す“早撃ち”となり、日本人投手の変化球の餌食にされやすいとのこと。
たしかに、ボールをじっくり見極めるのではなかった。ただ、「ストライクゾーンに来たら振りに行く」という感じで、ボール球には手を出していなかった。不安要素も伝えられる打撃面での答えが出るのは、一線級投手との対戦が始まるオープン戦終盤だろう。
打撃面では不安要素も残るが、モーガンは守備範囲が広い。MLBではスーパーキャッチの常連でもあったが、飛球を追う際の一歩目と、3、4歩目から加速するスピードは、「さすが」のひと言。とくに、後方の打球を追う速さは凄い。モーガンは人気が出そうな気がする。
ある意味、中畑監督が「筒香嘉智、ドラフト1位・白崎浩之以上ではないか!?」と気に掛けていたのが、2年目の城俊人捕手(19)だ。昨季も一軍でマスクを被ったが、この城を正捕手に育て上げようとしているような雰囲気も見られた。二塁送球で見せる肩の強さは一級品。しかし、配球術はまだまだ未知数だ。慢性的な左腕不足を解消しつつある投手陣を生かすも殺すも、この城ということになりそうだが…。