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2013年プロ野球キャンプレポート・広島編 「優良外国人と先発5番手が救世主になる?」

 WBC代表候補との練習試合で快勝した(2月17日)。ここまで大差が付くとは思わなかったが、野村カープの勝利を予想する関係者は少なくなかった。というのも、昨春と比べ、選手の仕上がりが早い。WBC候補メンバーも3月1日の第1ラウンド初戦に照準に合わせ、ハイペースでの調整を行ってきたが、広島ナインは「それ以上」と言っていい。「オープン戦初戦(2月23日)からベストメンバーで戦うつもりでいるのでは?」と思えるくらいである。

 4年目を迎える野村謙二郎監督は、キャンプ上旬、大手メディアから堂林翔太内野手に関する質問を受けている。WBCに招集された前田健太が『投の看板選手』なら、昨季ブレークしたこの若武者は『打の看板選手』になりうる可能性を秘めている。「失策29」は、リーグワースト。度重なる守備でのミスには目をつぶり、シーズン全出場をさせたのも愛情の一環だろう。しかし、野村監督は「そういう時期は終わった」と答えている。つまり、チャンスを与える時期は終わった、自分の力で勝負しろという意味である。

 その堂林だが、打撃フォームが少し変わっていた。バットを構える際のクリップの位置が低くなっていた。失策同様、リーグワーストとなった三振の数(150個)を減らしたいからだろう。本人が決めたことだから、好き勝手なことは言えないが、バットにボールを当てる確率を高めたいからか、高く弧を描くホームラン性の打球は少なくなっていた。三振は減るだろうが、西武・中村のように「三振も多いが、ホームランも」という開き直りも必要かもしれない。この打撃フォーム改造が良い方向に出ればいいのだが…。
 打撃陣で目に付いたのは、新外国人のフレッド・ルイス外野手。1月29日の入団会見で、サンフランシスコ・ジャイアンツ時代にバリー・ボンズに打撃を学んだ経緯は語っていたが、打撃フォームもけっこう似ている。スイングにも重量感があり、レフト方向に流す打球にも力強さが伝わってきた。これまで、外国人バッターが日本球界に適応できるか否かを見極める場合、その判断基準として、日本人投手が多投する変化球を捌けるかが問われてきた。ルイスは逆方向にも強い打球が飛ばせるので、自身のスイング・ゾーンが広いと思われる。また、足も速く、『ゴロ』の外野手の間を抜く長打を量産するのではないだろうか。

 同じく新加入のミゲル・ソロコビッチ投手だが、「直球とチェンジアップが持ち味」と聞いていたが、投球フォームにも特徴がある。スライダー系の変化球も投げていたが、直球、変化球ともに同じ腕の振り方をできている。セットポジションで投げても、球速が落ちない。前評判ほどの速さは感じられなかったが、バッターに打ちにくい印象を与えるだろう。また、テイクバックも小さい。上半身が強すぎるからなのか、野手か急造ピッチャーが投げているみたいにも見える。日本球界のピッチャーは善くも悪くも投球フォームがキレイである。こういうクセの強いピッチャーはあまりお目にかかれないだけに、開幕序盤に対戦するチームは苦戦するのではないだろうか。
 このソロコビッチと、先発ローテーションの5番を争っているのが中崎翔太(20)、戸田隆矢(19)。戸田は『コージジャパン』との練習試合で「1回無失点」と結果も出しており、中崎も去年と比べ、ヒップラインが逞しくなっていた。データを調べ直したところ、中崎は昨年9月19日、ヤクルト打線を相手に7回途中まで投げ、2失点。こちらも手応えを掴んでいるだけに、一気にブレークする可能性はある。

 3年目の岩見優輝(26)も力のある投球をしていた(2月3日・シード打撃での登板)。広島の先発ローテーションは、前田、バリントン、野村が当確。大竹寛と福井優也が遅れている印象を受けたが、ソロコビッチ、戸田、中崎がこのまま行けば、慌てる必要はない。クローザーからセットアッパーに配置換えとなるミコライオも順調に仕上がっていた。新クローザーの今村猛(21)がWBCで自信を掴めば、戦う布陣は整う。今年の投手陣は強力打線の阪神、巨人も苦しめるのではないだろうか。

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