日本は1次ラウンドではA組に属し、ブラジル、中国、キューバと同じグループとなる。A組の上位2チームが、2次ラウンドで、B組(韓国、オランダ、オーストラリア、台湾)の上位2チームと決勝ラウンド進出を懸けて、ダブルエリミネーション方式で激突する。
日本は2日にブラジル、3日に中国、6日にキューバと対戦するが、開幕を前に不安要素も噴出した。まず、連戦の疲れだ。日本は2月23日と24日にオーストラリアと壮行試合、26日に阪神、28日に巨人と強化試合を行った。わずか6日間で4試合のハードスケジュール。プレッシャーの少ない紅白戦や練習試合ならともかく、多くの観客が集まり、地上波でテレビ中継がある注目度が高いなかで、プレーすれば疲労度も増す。深刻なのは消耗品ともいえる投手陣で、本戦まで中1日での調整では疲れも残っているだろう。
そして、主将である阿部慎之助捕手(巨人=33)の故障だ。阿部は27日の練習中に右ヒザを痛め、28日の巨人戦を欠場した。幸い重症ではないようだが、ブラジル戦と中国戦はベンチスタートとなる可能性も十分で、キューバ戦でスタメン起用となりそうな気配。阿部の代わりには糸井嘉男(オリックス=31)が4番に座ることになりそうだが、アベレージバッターで一発が期待できない糸井の4番には不安もよぎる。
実力がきっ抗しているB組と違って、A組は力の差がハッキリしているといわれている。2次ラウンドに進出するのは、日本とキューバが濃厚とみられているが、日本がブラジルをなめてかかると足元をすくわれかねない。
ブラジルは予選ラウンドで、現役メジャーリーガー4人を擁するパナマを破って勝ち上がっている。強力投手陣がセールスポイントで、阿部温存なんて、余裕をかましていると、ブラジルに苦杯を喫して、1次ラウンドで敗退の危機もはらんでいる。
(落合一郎)