本来なら打線の核としての役割が期待されていたソト&オースティンの長距離砲コンビだが、新型コロナの影響で来日が遅れ、やっと登録されたのが4月13日。代打からスタメンと出場機会を増やし、少しずつチームにフィットしてきた印象だ。
8連敗中ともがくベイスターズは18日のジャイアンツ戦、終盤7回で0−2のビハインド。嫌な雰囲気が横浜スタジアムに漂う中、ソトのバットが火を吹いた。「打ったのはフォークです。低めの球でしたが、うまく捉えることができました」と振り返る一打は、体勢を崩されながらもボールをバットに乗せ、白球はレフトスタンドへ。すると8回、デッドボール、送りバント、進塁打とジワジワとランナーをサードまで進め、オースティンがサード強襲の同点打。「みんなが繋いでくれたチャンスだったので、貢献できて良かった」とチームファーストの彼らしくコメントもイケていた。
ソトは打率.176、オースティンは打率.235とまだ数字は上がってきていないが、今シーズンは練習試合やファームの試合の実戦形式の経験は皆無。完全なぶっつけ本番で一軍に合流し、ともに打席に18回しか立っていない状況だけに仕方がないと言えよう。
昨年は開幕が遅れる変則日程で、開幕前の実戦形式練習が少ない状況の中、アレックス・ラミレス前監督は「主力バッターは30から40打席立たないと、バッティングの感覚はつかめない」と常々口にしていた。自らの経験に基づいたその言葉は、本当にそれに近い状況になっただけに信憑性は高い。順調に行けば来週末あたりには、40打席近くに届くと見られるソトとオースティン。彼らの調子が上向くとともに、三浦ベイスターズの反撃の狼煙も上がって行くはずだ。
写真・取材・文 / 萩原孝弘