社会
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社会 2018年07月23日 08時00分
天下の猛妻 -秘録・総理夫人伝- 福田康夫・貴代子元夫人(上)
憲政史上初の「親子総理」として誕生したのが、この福田康夫であった。父親は田中角栄元首相と熾烈な「角福総裁選」を争い、敗れはしたが、のちに首相の座に座った福田赳夫である。 元々、康夫は政治家になるつもりはさらさらなかった。麻布中・高から早稲田大学政経学部に入り、卒業後は丸善石油(現・コスモ石油)に入社、サラリーマンの道を歩むつもりであった。しかし、福田家の事情が変わった。父親の赳夫は自らの後継に次男・征夫を考えていたが、征夫が赳夫の秘書を務めるさなかに病気となり、後継者になるのが難しくなった。 ために、やむなく康夫が17年間勤めたサラリーマンを捨てて征夫のあと釜の秘書となり、赳夫の政界引退とともに群馬県での地盤を引き継ぎ、初出馬初当選を飾ったものだった。平成2年(1990年)である。 妻となるべき貴代子との出会いは、まだサラリーマン時代にさかのぼる。貴代子は元農相の孫娘、元衆院議長の姪にもあたり、義兄が毎日新聞の福田(赳夫)番記者だったことから、それが縁で福田家とは知らぬ間柄ではなかった。 貴代子は東京学芸大学付属高校から慶応大学文学部心理学科に入り、卒業の際は日航(JAL)のスチュワーデス(CA)志望だった。すでに内定通知は受けていたが、念には念と思ったか、実力者の福田赳夫のもとを訪ね、日航入りを相談したのだった。そのときの模様は、次のようなものだったらしい。 「赳夫もその三枝夫人も一目で彼女を気に入ってしまい、『スチュワーデスでなく、息子のところに就職してくれないか』と頼んだのです。康夫もまた一目惚れ。結局、彼女は日航の内定を蹴って康夫に“永久就職”を決めたというわけです。康夫は、彼女にこう言ったそうです。『僕は政治家にはならないから』と」(元福田派担当記者) 貴代子は高校時代はバレーボール部に所属した身長170センチのスラリとした女優の檀ふみ似で、和服を着せれば“和服美人”が際立っていたとされる。一方で腰が低く、如才のないエネルギッシュな社交家の一面もあったから、政治家夫人としてドンピシャということだった。 一方の康夫はと言えば、超のつく堅物サラリーマンだった。元福田派担当記者など関係者の“堅物エピソード”は、溢れるほどあり、次の如しである。 「サラリーマン時代の同僚の話では、入社後しばらくは寮生活を送っていたが、寮ではクラシック音楽を聴きながら歴史小説をよく読んでいたそうだ。かと言って、同僚との付き合いが悪いというわけではなく、飲みに誘えばよく付き合っていたとされる。ただし、2次会にカラオケを誘ってもノーで、同僚の飲み代も含めてさっさと勘定を済ませて帰ってしまったそうです。当時、流行っていたキャバレーにも誘ったが、もとよりすべて断っていた」 「“地味キャラ”は、政治家になってからも変わらなかった。スーツは紺とグレーを交互に着、ワイシャツも白だけ。ネクタイも10本ほどしか持っていない、いわゆる“ドブねずみファッション”で通していた。要するにマイペース。ために選挙区でも飄々としており、“康夫人気”が爆発することはなかった。“飄々選挙”で楽勝だったのは、偉大な父親の遺産と、貴代子夫人によるものが大きかったということだった」 選挙区での“貴代子人気”は、なるほど抜群のようであった。これには、地元関係者の証言が多々ある。 「康夫先生は泥臭い選挙活動は苦手のうえ、ほとんど東京にいてあまり地元に帰って来ない。まぁ、元々、政治家にはなりたくない人だっただけにやむを得ません。それを補ってあまりあるのが貴代子夫人だった。地元では、“綺麗な人”で知られていた。そのうえで、垢抜けしている。支持者への挨拶回りなど、愚痴も言わずにひたすら笑顔、これを1日200件くらいやったこともある。田植の時期などは、長靴をはいてわざわざ田んぼの中にも入って支援者と握手もする。支持者は大感激で、悪く言う人はまずいませんでした」 「スゴイと思うのは、東京から選挙区の高崎まで、定期券を購入して頻繁に地元に帰ってくることです。決まって髪はアップ、地味なスーツ姿が多いが、持ち前の華やかさですぐ周りが明るくなる。康夫先生の選挙はすべて貴代子夫人任せ。夫人の存在がなければ、その後の先生の出世もなかったと見ている。最たる“献身妻”と言っていい」 福田については、語り口はソフトだが、一方で「プライドが高い」「唯我独尊で政界での真の友人がほとんどいない」「皮肉屋で冷淡」との評もあった。しかし、この「政治家になりたくなかった男」に、突然、首相の座が巡ってきた。いささか慌てた福田だったが、「新ファーストレディー」たる貴代子はデンと構えたものであった。=敬称略=(この項つづく)小林吉弥(こばやしきちや)早大卒。永田町取材48年余のベテラン政治評論家。抜群の政局・選挙分析で定評がある。著書に『決定版 田中角栄名語録』(セブン&アイ出版)、『21世紀リーダー候補の真贋』(読売新聞社)など多数。
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社会 2018年07月23日 06時00分
『部下にしたい』No.1は竹内涼真 上司を制するには“あざと可愛さ”が有効?
18日、『東京で働くビジネスパーソンの疲れ』に関する調査結果が発表された(養命酒製造株式会社調べ)。都内で働く20〜59歳のビジネスパーソン1000人を対象に調査した結果、8割の人が“疲労を感じている”ことが判明。男女別に見ると、女性のほうが疲れを実感していることが分かった。 さらに同調査では『もし部下なら、疲れを忘れて何度でも優しく教えちゃうと思う有名人は?』という質問も投げかけられた。その結果、女性部門で1位を獲得したのは、女優の広瀬すず。2位に女優の新垣結衣、3位に女優の石原さとみと若手女優陣が並んだ。バリバリと仕事をこなすというよりも、“明るい”“素直そう”な女性が人気のようだ。 一方、男性部門の1位は、俳優の竹内涼真だった。やはり、あの爽やかさと可愛い笑顔で、女性票を獲得したということなのだろうか。ちなみに2位には俳優の松坂桃李、3位には俳優の山崎賢人がランクインしている。 竹内といえば、“あざと可愛い”俳優としても知られている。実際、2017年10月に発売された女性ファッション誌「ar(アール)」の『あざと可愛い男子』特集に登場し話題となった。同紙面で、ソファの上で小さく体操座りをしながら上目遣いする竹内の姿に、ファンは悶絶したようだが、一方で「あの上目遣いやめてほしい」「男らしさが感じられない」「男にぶりっ子は求めてない」という批判的なコメントが多く寄せられていた。現在も、竹内のインスタグラムには、上目遣いの自撮り写真が多数見受けられる。 今回の調査結果で分かった通り、疲れたビジネスパーソンが求めているのは、竹内のように“癒し”をくれそうな部下だということだろう。日々プレッシャーと戦いながら働く人にとって、『ぶりっ子でも良いから、素直に返事をしてくれたり、ニコっと笑ってくれる部下のほうが良い』というのが本音なのかもしれない。 ちなみに、同調査では『上司に言われて疲れが倍増したセリフ』のランキングも発表された。1位になったのは「常識でしょ/当たり前でしょ」というセリフ。次いで2位「前にも言ったよね?」、3位「まだ終わらないの?/仕事遅いね」、4位「そんなことも出来ないの?」、5位「やる気あるの?」という結果に。『すみません…』としか返答しようがないような皮肉交じりの言葉に、現代のビジネスパーソンはストレスを感じているようだ。 やはり、多少あざとくてもいいから“癒しを求めている人が多い”ということだろう。
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社会 2018年07月22日 14時00分
森永卓郎の「経済“千夜一夜”物語」 とんでもない悪魔を産んでしまった
6月29日、参議院本会議で働き方改革関連法案が与党、日本維新の会などの賛成で可決・成立した。 罰則付きの残業時間上限の導入や同一労働同一賃金など、一見、労働者に寄り添った内容が含まれるように見えるし、安倍総理自身も、「多様な働き方を支える条件が整った」と自画自賛しているから、労働者への悪影響がないように感じられるかもしれない。だが、今回の法案は、サラリーマンの生活を根底から破壊する恐ろしい悪魔になっていく。それが、高度プロフェッショナル(高プロ)制度の導入だ。 高プロは年収1075万円以上で、金融ディーラーなどの専門的知識を必要とする労働者を対象に、労働時間管理をやめて、成果に基づく評価を可能にする労務管理制度だと言われている。「それなら、自分には関係がない」と思う人が多いだろう。しかし、そうはいかないのだ。 法律では、対象職種は厚生労働省の省令で決めることになっている。だから、導入時はともかく、すぐに対象職種が広がっていくことになる。 例えば、派遣労働法ができた1986年、派遣業務の対象は専門的能力を必要とする13業務に限定されていた。しかし、どんどん規制緩和が進み、1999年には、一部の例外業務を除いて原則自由になってしまった。同じことが起きるのは、確実なのだ。 それでは、どこまで対象が広がるのか。日本経団連が、高度プロフェッショナル制度と同じ仕組みである「ホワイトカラーエグゼンプション」の導入を提言した時、対象とする年収は400万円以上だった。 また、米国にはすでに同様の制度が存在するが、米国でも導入後に、適用年収が引き下げられ、現在は年収200万円以上が対象になっている。将来的には、すべてのサラリーマンが、高度プロフェッショナル制度の対象になっていく可能性が高いのだ。 それでは、高度プロフェッショナル制度の対象者になると何が起きるのか。実は、法律面で言うと、高度プロフェッショナル制度は、労働基準法に次のような条文を加えるだけだ。「労働時間、休憩、休日及び深夜の割増賃金に関する規定は、対象労働者については適用しない」。 例えば、一般の労働者は、所定労働時間を週40時間以内にしないといけないが、高プロ対象者は、毎日午前6時から、深夜2時まで働けという所定労働時間を定めることも可能なのだ。休憩を取らせる必要もない。さらに深夜残業をいくらでも命じることができ、その対価の支払いは一切不要だ。 管理職でも深夜の割増賃金は支払われるのだが、高プロ対象者には、それもない。高プロ対象者に唯一許されている権利は、年次有給休暇のみだ。 これだけ企業側がやりたい放題になる一方で、企業をしばる条文は一切ない。まさに高プロ制度は、労働者の人間性を否定する定額使い放題プランである。 あえて言おう。私は厚生労働省が、おかしくなってしまったのだと思う。かつては、労働者の権利を守る国民の味方だったのが、いつの間にか財界の手先に堕落し、いまや働く人の生活を根底から破壊する先兵になってしまった。こうなると、厚労省はもう要らないのではないか。
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社会 2018年07月21日 14時00分
世の中おかしな事だらけ 三橋貴明の『マスコミに騙されるな!』 第279回 高度プロフェッショナル制度の真実
日本企業の経営者は労働基準法により、労働時間についてさまざまな「縛り」を課せられている。代表が、労働基準法第32条だ。 「第32条 1 使用者は、労働者に、休憩時間を除き一週間について四十時間を超えて、労働させてはならない。2 使用者は、一週間の各日については、労働者に、休憩時間を除き一日について八時間を超えて、労働させてはならない。」 誤解している日本人が多いが、そもそも使用者(経営者)は労働者を1日8時間、週40時間以上働かせては「ならない」のだ。 とはいえ、仕事量が多く、第32条の制限以上に働いてもらわなければならないケースは現実にある。というわけで、労働規制を「守らない経営者」に対する罰則として「残業代」があるのだ。無論、残業をしたくてしている労働者もいる。それはそれで構わない。 日本の労働規制の「原則」は、「経営者は労働者を1日8時間以上、週40時間働かせてはならない」のである。それでも仕事をこなしきれないのであれば、経営者は生産性向上に努めなければならない。すなわち、労働者1人当たりの生産量を増やすことで、対応する。これが過去70年のわが国の労働規制の考え方であり、「資本主義」経済だ。 前回解説したが、生産性は資本装備率とTFP(全要素生産性)により決定される。TFPは後付けで計算されるため、経営者が生産性向上を欲するならば、資本装備率を引き上げなければならない。すなわち、設備投資だ。設備投資を積み重ねることで、資本装備率は上がる。 さて、日本のサービス業の資本装備率が「衝撃的な事態」になっている。 何とサービス業の資本装備率(2016年、以下同)が、ピーク(1995年)と比較し、6割以上も落ち込んでいるのだ。製造業にしても、1996年比で1.01倍。デフレ環境下でわが国の企業がいかに設備投資を怠っていたかが理解できる。 資本装備率が高い=資本集約的、資本装備率が低い=労働集約的だ。デフレ環境下において、日本の産業、特にサービス業は次第に「労働集約的」になってきたのである。 資本装備率は、生産性に決定的な影響を与える。そして、生産性(および労働分配率)が実質賃金を決定する。1997年以降、日本の実質賃金が落ち込んでいったのも無理もない。日本のGDPに製造業が占める割合は20%程度で、残りのほとんどがサービス業なのだ。 デフレ突入前、日本のサービス業の資本装備率は、製造業を上回っていたが、今や見る影もない。「ヒト余り」になるデフレ下で、日本の生産者がサービス業に「安く買い集められてきた」現実がよく理解できる。デフレで需要が拡大せず、しかも「ヒト余り」である以上、合理的といえば合理的なのだが。 2018年6月29日、年収1075万円以上のアナリストやコンサルタントなど、一部専門職を労働時間の規制対象から外す高度プロフェッショナル制度(以下、高プロ)を含む「働き方改革関連法案」が、国会で可決された。 高プロについて、「過労死を招く恐れがある」「年収1075万円なら会社に対する交渉力があるなどと決めつけるのはおかしい」など、さまざまな批判があるが、筆者は高プロ制度の根本思想、「労働基準法による呪縛から、経営者を解放する第一歩」であることこそが、最大かつ最悪の問題だと考える。 日本は過去70年間続けてきた、「政府の規制で働き手を過重な労働から守る」という労働者保護政策を捨てようとしているのだ。 政府は、高プロについて、 「労働者が労働時間から解放され、柔軟な働き方が可能になる」 と説明しているが、とんでもない。話は真逆で、現実には経営者が労働基準法という規制から解放されるにすぎない。 また、当初は「年収1075万円以上の専門職」が対象ではあるわけだが、当然ながら対象範囲は次第に拡大していく。何しろ派遣労働の拡大が、まさにその道を歩んだ。 派遣社員に関する規制緩和は、中曽根政権期(1985年)に専門13業種のみを対象に、派遣期間は原則1年、最大3年と、極めて狭い対象範囲で進められた。その後、次第に対象範囲が拡大し、小泉政権期(2003年)に製造業の派遣が解禁。派遣労働が一気に広まることになったのだ。 派遣労働解禁が製造業に拡大するまで20年弱。高プロも20年後には相当に対象範囲が広がっていることだろう。もちろん、その時点では、すでに「高」プロとは呼ばれていないだろうが。 労働者の労働時間を法律(労働基準法)で縛ることには、人的リソースの制限を強化するという効果があった。一定時間しか労働者を働かせることができない以上、経営者には常に「人手不足」という圧力がかかったのだ。だからこそ、高度成長期以降の日本の経営者は、設備投資や技術投資で資本装備率を高め、生産性向上に努めることで日本の経済成長が実現した。 今後の日本は、少子高齢化に端を発する生産年齢人口比率の低下により、否応なしに人手不足が深刻化していく。その状況で、高プロにより労働規制を緩和し、労働時間に関する縛りをなくす。理解しがたい。 本来、人手不足は資本装備率を高め、生産性向上により達成するべきなのだ。それが「労働者に労働時間について無理をさせても、労働基準法は適用されない」制度が導入され、広まっていくとなると、今後の日本の労働環境がいかなるものになるのか、背筋が寒い思いを覚える。深刻化する一方の人手不足を、労働者の長時間労働でカバーすることになりかねないのだ。これは、資本主義経済とは言えない。 日本は「経営者に優しい、労働者に冷たい」労働政策を転換し、生産性向上で経済成長する方向に舵を切りなおさなければならない。さもなければ、将来的な日本の労働環境は「地獄」と化す可能性がある。みつはし たかあき(経済評論家・作家)1969年、熊本県生まれ。外資系企業を経て、中小企業診断士として独立。現在、気鋭の経済評論家として、分かりやすい経済評論が人気を集めている。
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社会 2018年07月21日 13時00分
“裏口入学”ばかりではない、称賛と論議を呼ぶ高須院長の発言
高須クリニックの高須克弥院長がオフィシャルツイッターで“裏口入学”を告白し話題となっている。高須院長は7月19日に、東京医科大学の裏口入学問題を受け「僕も裏口入学だよ」とツイートした。だが院長いわく、一次の学力試験を優秀な成績で通過し、二次試験の面接は、父親と顔見知りの教授が担当。入学金を半額にしてもらえたといった話である。 学力試験が優秀ならば、面接で「必要以上の加点」をする必要もない。高須院長なりのリップサービスだったのだろう。実際、母校の昭和大学に問い合わせが相次ぎ、高須院長は同日「あれは裏口ではありませんでした。勝手口です」と訂正した。 高須院長の“口がすべった”発言はこればかりではない。過去にはどんなものがあったのだろうか。 「有名なところでは『ナチス礼賛発言』でしょう。南京大虐殺やアウシュビッツでの虐殺は捏造ではないか、ヒトラーは間違いを犯したかもしれないが、嘘つきではないと思う、などとヒトラーの人物像を礼賛しているととられました。ナチス関連本は御法度のドイツと比べて、日本ではヒトラーの『我が闘争』などが出版されている状況を示しながら、日本の言論の自由を評価するような書き込みをしました。全体としては配慮がない発言だと言えるでしょう」(芸能ライター) なぜ高須院長はナチス礼賛を繰り返すのだろうか。それは院長の来歴も関係しているという。 「高須院長は、日本における美容整形の第一人者というべき存在です。もともと整形外科医ですが、まだ日本では未開拓の分野だった美容整形に着目しました。医学の先進国であったドイツへの留学経験もあります。そのため、強い科学信仰があり、優秀な科学者が集っていたナチスや、大戦期に日本にあった研究機関・731部隊などを肯定する発言につながっているのでしょう」(前出・同) ある意味では強い信念も感じさせる。これ以外にも、災害に対する迅速な対応など、称賛される言動も多い高須院長。これからも注目されていくだろう。記事内の引用について高須克弥の公式Twitterより https://twitter.com/katsuyatakasu
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社会 2018年07月20日 19時00分
生後4か月の子猫にガムテープ…ゴミ袋に入れ遺棄した68歳女の身勝手な言い訳
沖縄県浦添市で、68歳の女が飼っていた生後4か月の猫にガムテープを貼ったうえ、ゴミ袋に入れ収集場所に遺棄していたことが判明。その身勝手な行動と言い訳に怒りが殺到している。 沖縄タイムス社が報じたところによると、この女は5月26日午前8時50分頃、猫の目と手、そして両足にガムテープを貼り、ゴミ袋に投入。燃えるゴミの日に自宅前に捨て、事実上「殺そう」とした。なお、呼吸はできるようにしてあったという。 作業員が必死に助けを求めたであろう猫の鳴き声を感知し、猫を助け出す。まさに九死に一生を得た形だ。助け出された猫は作業員が飼うことにしたそうだ。 その後、猫を「遺棄」しようとした人間が68歳の女であることが判明し、動物愛護法違反の疑いで書類送検された。容疑については「猫を8匹飼っていて飼育が大変だった。ごみ収集業者が見つければなんとかしてくれると思った」などと身勝手な主張をしているのだという。 生後4か月の子猫にガムテープを貼り、ゴミ袋に入れ殺そうとするありえない行為に、ネットユーザーの怒りが爆発。「なんの罪もない子猫を殺そうするなんて許せない」「生き物を飼う資格がない」「残りの8匹も何をされるかわからない」「68歳にもなって命の重みがわからないのか」など、女性に激しく憤る声が相次いだ。 その一方で、猫を発見し飼うことにした作業員には「心が優しい」「大事にしてほしい」「優しい人のもとで幸せに暮らしてほしい」など、称賛の声が相次いだ。 ペットについては、猫に限らず飼ったあとに「飽きた」「飼えなくなった」などとして、遺棄するケースが少なくない。『ザ!鉄腕!DASH!!』(日本テレビ系)の「グリル厄介」を見てもわかる通り、本来日本にはいない外来種を人間が飼い、無責任に野に放ったことで生態系を壊してしまうこともある。 最後まで責任を持って面倒を見ることが出来ない人間は、生き物を飼う資格がない。「飼うことができなくなったから遺棄」などという行為は最低で、弁解の余地なしだろう。 九死に一生を得た子猫が、作業員のもとで幸せに暮らすことを願いたい。
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社会 2018年07月20日 14時00分
庶民の生活を直撃する パン業界相次ぐ値上げの裏
食品パンメーカー大手の山崎製パンや敷島製パンが、食パン、菓子パンを、7月1日からそれぞれ平均で3.8%(70品目)、2〜5%(81品目)値上げした。 約3年ぶりに値上げした背景には、今年4月に輸入小麦の政府売り渡し価格が引き上げられたことがある。その原因は小麦自体の不作があるが、さらに複雑な別の要因もあり、日本経済全般に悪影響を及ぼす懸念が高まっている。 まずは農水省関係者が、小麦の輸入事情についてこう説明する。 「日本で消費されている小麦粉の約9割は輸入小麦。これらは、まず業者ではなく日本政府が現地から買い付け、それから国内の企業に売り渡される。価格も国際相場や為替相場などから政府が決め、輸入元はアメリカを筆頭に、カナダ、オーストラリアとなっている」 ところが昨年、その主な輸入元のカナダやオーストラリアが天候不順で不作に陥った。 「ただし、他の原因として問題なのが、原油価格の高騰です。これをカバーするためにバイオ燃料を使う流れが強まっているのですが、その原料となるのが、小麦やとうもろこし。そのことが、さらに相場を押し上げているのです」(経産省関係者) では実際、今回のパンの値上げは、家計にどれぐらいの影響が出るのか。フィナンシャル・プランナーは、こう見立てを話す。 「日本人の場合、3人家族で年間1000円程度の負担増と言われる。もともと小麦は安いものなので、それがパンなどに影響があっても家計にはほとんど影響はないでしょう。むしろ深刻なのは、大元となっている原油価格の高騰。現在、1バレル(約160L)75ドルにまで届く時もあり、昨年の同時期と比べ30ドルも上がっている。これが小麦程度で済んでいればいいのですが、日常生活品のすべてに影響が出てくる可能性がある」(同) 実際、パンの値上げと時期を合わせるように、他の分野でも原油価格高騰の煽りを受け、値上げラッシュが続いている。 例えば航空業界では、8月に国際線の燃油サーチャージ代が上がる予定で、JALやANAは8月から欧米路線で往復約7000円アップの2万8000円となる。また、日本エネルギー経済研究所石油情報センターによれば、レギュラーガソリン1L当たりの全国平均価格は6月4日まで7週連続で値上がりし、152.1円まで上昇。その後も一進一退しながら大きくは値下がりしていない。 「電力とガスの大手14社は、エネルギー使用量の多くなる8月、家庭向け料金(平均月260キロワット使用時)を揃って引き上げる。その理由も、やはり原油の高騰や液化天然ガスが値上がりしているためです。それぞれの月での平均値上げ幅は、東京電力が37円、中部電力が34円、東北、中国電力が20円台、関西、九州、沖縄が18円、北海道電力が17円、四国が13円、北陸が10円。ガスは東京ガスなど全ガス大手が18円から27円まで値上げします。他にも原油の影響は、ビニールや食品トレー、化学繊維などにも直撃しそうです」(経済誌記者) 明治HD、森永乳業、雪印メグミルクも、チーズなど2〜7%価格を引き上げている。食品大手のミツカンは、納豆の主力シリーズを10〜20%値上げする。石油溶剤を多用するクリーニング大手の白洋舎も、11年ぶりにドライクリーニングの価格を5%程度値上げした。 「原油価格の急騰は、アメリカやイラン、サウジアラビアなどの複雑な思惑が絡んでいます。イランとイスラエルは激しく対立し、アメリカはトランプ大統領の娘婿であるジャレット・クシュナー上級顧問がイスラエルに根付くユダヤ教の熱心な信奉者。そうした中、トランプ大統領はオバマ前大統領が'15年に結んだイラン核合意からの離脱を宣言し、さらに日本などにイランからの原油輸入ストップを要請。その後は、サウジからの積極的な輸入を示唆している。一方、そのサウジは原油価格を吊り上げ、大儲けをたくらむ。それらが原油を急騰させているわけです」(同) しかし、庶民にとって頭が痛いのは、一度値上がりしたパンなどの諸物価は原油価格が下がっても、ほとんど値下がりしないことだ。 「パン業界の値上げは今後、デフレ脱却へ向かう糸口になるとの見方もあるが、現状において消費者がついてくるほど景気はよくなっていない。企業側もそこを見誤ると、結果的に値下げ、もしくは人件費削減に踏み切らざるをえなくなる」(経済アナリスト) 来年、消費税の10%アップが予定されている中でも、庶民の給与は上がらない。そんな中、主食の一つであるパンの値上げは、さらに生活を圧迫する序章にすぎないのかもしれない。
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社会 2018年07月20日 12時20分
大学教授、電車人身事故に対し「乗客を優先しろ」発言で炎上 問われるネットリテラシー
福知山公立大学の篠原正人教授のツイッターが物議を醸している。 事の発端となったのは、19日にJR東静岡駅で発生した人身事故。事故の被害者は中学3年生の男子生徒で、ホームの線路側を歩いていた際、誤って足を踏み外し、駅に入ってきた電車と衝突してしまったという。男子生徒はそのままホームと電車との間に挟まれ、病院に搬送されたが、まもなく死亡が確認された。この事故の影響で東海道線富士−静岡間の上下線が一時運転を見合わせたという。 この事故の影響を受けたのが、当時、隣の静岡駅で東海道線の電車を待っていたという篠原氏。事故発生から約1時間後にツイッターを更新し、「先程から1時間以上静岡駅上り線で運転見合せに遭遇している」とポスト。人身事故が起きたことは把握しているものの、「それにしても迅速性に欠けるじゃないか」とコメントした。 その後も篠原氏は「人身事故の処理方法が間違っている!乗客を優先しろ」と事故処理を行っているJR側の対応について批判。さらに、事故発生から約2時間後には「東静岡駅の人身事故で警察の現場検証が、乗客を2時間以上待たせているだと。警察は公共交通機関の義務と乗客のことを無視している」と持論を展開し、電車遅延について「許せない!!」と厳しい言葉で非難していた。 しかし、この一連のツイート(現在は削除)に篠原氏のツイッターアカウントには「かなりの時間待たされてお怒りがあるのは分かりますが、亡くなられた方がいる事故に対して余りにも不謹慎だと思います」「こんな事言える方が教職員?倫理観の無い方が青年の教育なんてできるのか…?」「あなたは自分の親族が犠牲の時でも親族は後回しにして乗客を乗せてやれと言えるのですか?」といった批判の声が殺到。篠原氏の倫理観やネットリテラシーが問われる事態となり、炎上している。 篠原氏はその後沈黙を貫いており、炎上についてはコメントしていない。タクシーなどの交通機関を利用すればよかったのでは、との指摘も見受けられたが、篠原氏は以前からJRやその他私鉄に対し、ツイッター上で批判しており、今回もその一環だったよう。しかし、人命が失われた悲痛な事故が絡んでいただけに、篠原氏の倫理観までもが問われる事態になってしまったようだった。記事内の引用について篠原正人公式ツイッターより https://twitter.com/shinoma888
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社会 2018年07月20日 08時00分
『4Kテレビ』戦国時代突入 大手vs格安商品 選ぶならどっち?
サッカーW杯効果もあり、深夜熱狂するファンも多かったテレビ中継だが、「兵どもが夢のあと」“テレビ離れ”が加速しているのは周知の通り。ユーチューブなどのネット動画の台頭が原因だ。それに危機感を持ったテレビ各局は、いま、『4Kテレビ』に力を入れている。 「12月からBSや一部のCS衛星放送で4Kの実用放送が開始されますが、各テレビ局内では対応番組の制作が進んでいないのが実際のところ。NHKはドキュメンタリー向けにハイビジョンの16倍の画素を有する8K放送にも力を入れているようですが、コスト面の問題もあってどこまで進むのか分かりません」(テレビ局社員) 夏休みを前にテレビ商戦が活発化。フルハイビジョンの4倍の高精細画質「4K」テレビの販売台数が伸びているという。 「6月から4K受信機(チューナー)搭載テレビが発売され、4K対応液晶や有機ELの高画質な50型以上のモデルが売れています」(大手家電量販店) そんな市場の中、存在感を増しているのが、大手メーカー以外が打ち出す“格安4Kテレビ”の存在だ。格安4Kテレビブームの火付け役となったのは、「ドン・キホーテ」のプライベートブランド「情熱価格PLUS」から、昨年6月に発売された「ULTRAHD TV 4K液晶テレビ」。本製品は発売後、またたく間に完売する人気ぶりだ。だが、大手メーカーが苦戦を強いられる、というわけでもない。大手メーカーならではのサポートやアフターサービスに対する信頼感は根強いものなので、多少値段が高くても安心して使える大手メーカー製のテレビを選ぶ、というファンは多くいる。 以前に比べて4Kや有機ELテレビが値下がりしたことも追い風となっているが、現実には限られた予算で放送するには、制作会社側がテレビ局からの無謀な条件を呑むしかないという事情がある。 「一方、いち早く4K対応テレビを購入した消費者からは、不満の声も上がっている。対応といってもチューナーが搭載されておらず、そのままでは4K放送が見られないためです。そのチューナーは、単品で約3万円〜36000円程度。メーカー、小売りは、このチューナーの売上にも期待をかけている。来年10月に控える消費増税前の大型家電の駆け込み需要も見込んでいます」(前出・大手家電量販店) 振り返れば、7年前の2011年7月に地上アナログ放送が終了し、地上デジタル放送への切り替え時は、家電量販店で地デジ対応テレビが売りきれるほどの“地デジ特需”があった。 「今回は新たな放送波が開始されるものの、当時と比べると盛り上がりに欠ける。背景には、ネット動画があります。視聴者が好きな時間に見たい番組を選ぶ時代となっており、テレビの存在意義が薄れている」(経済エコノミスト) ここに来ての救世主となるか『4Kテレビ』。視聴者と画素数を追求する電機メーカーvs格安テレビ。“安さ”か“信頼”か購入者の「棲み分け」が生まれている。
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社会 2018年07月19日 23時00分
漂う“ロックスター感”が話題 芥川賞受賞・高橋弘希氏の強烈なキャラクター
7月18日、日本文学振興会は第159回芥川龍之介賞・直木三十五賞(平成30年上半期)の選考会を開き、芥川龍之介賞に高橋弘希氏の『送り火』、直木三十五賞に島本理生氏の『ファーストラヴ』を選出した。 SNSでは、この第一報が写真付きで出た際、高橋氏の風貌に注目。彼を初めて見たネットユーザーの一部では、その雰囲気から元BLANKEY JET CITYの浅井健一の愛称を用いて「ベンジー感がすごい」と盛り上がっていた。それもそのはず、高橋氏は、予備校で講師として働きながらロックバンドを結成し、CDを発売するなど精力的に活動していたのである。 そんな高橋氏だが、受賞の記者会見に、ダメージジーンズにスニーカーといったラフな姿で現れる。受賞の気持ちについて聞かれると「気持ちですか? とりあえず会見やらないとダメと言われて引っ張り出されたので、とりあえず頑張っていこうかなと」とつぶやき、「うれしいですよ。でも、小説ってガッツポーズは出ないですよね。短距離走とかならあるでしょうが」などとコメントし、報道陣を笑わせた。 この自由すぎる発言や、公の場でもスタンスを変えない高橋氏について「たしかに面白い」「姿勢が独特すぎる」「大クセじゃ」など心を掴まれるユーザーが続出。バンドマンという略歴についても本書を読むきっかけになっているようだ。 過去に芥川賞を受賞し、「都知事閣下と東京都民各位のために、もらっといてやる」と発言した田中慎弥氏までとはいかないが、その態度が気になる人もいたようで、「つまらん発言で印象最悪」「そんなに嬉しくもないみたいだし、受賞取り消したらいいんじゃない」など怒りやあきれた印象を持つコメントも散見された。 どちらにせよ、強烈な印象を残した『送り火』。過去の作品も含めて、すでにネットや書店でも売れ行きが好調のようだ。今回の一件で、高橋氏の人となりをもっと知りたいと思う読者やファンも増えたはず。今後の活動にも注目したいところだ。