社会
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社会 2018年07月28日 15時00分
森永卓郎の「経済“千夜一夜”物語」 億万長者が激増している
キャップジェミニというコンサルティング会社が、2018年版の「ワールド・ウェルス・レポート」を発表した。この調査は、世界に富裕層がどれだけいて、その富裕層がどれだけの資産を持っているのかを調べたものだ。 この調査では、富裕層をHNWI(ハイ・ネット・ワース・インディビデュアル)という概念でとらえている。これは、100万ドル(1億1000万円)以上の投資可能な資産を持つ者のことだ。 投資可能資産の中には、自宅不動産や消費財などの非投資資産は含まない。純粋に右から左に動かせるカネを1億1000万円以上持っている億万長者がHNWIなのだ。 このHNWIの数は、2017年には世界全体で1810万人だった。前年と比べて9.5%増えた。そしてHNWIが保有する投資資産は、70兆ドル(7700兆円)、日本のGDPの14倍もの投資可能資産が、富裕層によって保有されているのだ。 注目は、日本の位置づけだ。HNWIは、米国人が528.5万人と最も多いが、それに次ぐのが日本人で316.2万人もいるのだ。しかも、その数は前年と比べて9.4%も増えている。 日本人HNWIが保有する投資資産は847兆円、1人当たり平均で2億6800万円になる。これだけ莫大な投資資産を持つ日本人が急増し、いまや300万人以上に達しているというのが、今の日本の真の姿なのだ。 日本のGDPが世界に占める割合は6%だ。ところが、日本のHNWIの人数が世界に占める割合は17%に及んでいる。つまり、日本は世界に冠たる億万長者大国と言える。 サラリーマンの生涯賃金が2億円と言われる世の中で、これだけの資産を働きながら作れるはずがない。いったい、何が起きているのか。 そのヒントは、所得分配にある。安倍政権が発足して5年間で、実質GDPは7%増えている。経済のパイは大きくなっているのだ。ところが、実質賃金は4%下がっている。つまり、成長の成果を富裕層が独占しているどころか、成長の成果以上に、富裕層が庶民の所得を奪う形で一層金持ちになっているのだ。 こうした現象が起きれば、普通だったら庶民の怒りは爆発する。現に、いま世界では、左翼の台頭が著しい。例えば、米国民主党の大統領候補選挙で、金持ち批判を繰り返したサンダース候補は、クリントン候補をギリギリまで追い詰めた。 イギリスでは、コービンが労働党党首となり、次期首相候補だ。フランスでも、左翼党のメランションが支持を拡大している。ところが日本だけ、左派が消滅の危機に立つほど勢力を減らしているのだ。 こうしたことが起きている一つの原因は、億万長者が存在感を消すのがうまいからだろう。日本の世帯数は、5340万だ。ということは、17世帯に1世帯は、HNWIだということになる。つまり、身の回りにHNWIがたくさんいるはずなのだ。ところが、読者はどれだけHNWIを知っているだろうか。 日本のHNWIは、そっと息を殺している。そして、気づかないうちに庶民の所得を吸い取っていく。草むらに潜み、ヒトの血を吸うヒルのような存在が増えているのだ。
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社会 2018年07月28日 13時00分
オウム死刑囚全員執行、なぜ木・金曜日にに行われるのか
オウム真理教の死刑囚6人に対する執行が26日に行われたことがわかった。6日には麻原彰晃こと本名・松本智津夫元死刑囚ら7名の幹部の執行が行われていた。これによりオウム事件による死刑確定囚13人全員の執行が行われたことになる。 そこで気になるのが執行日であろう。今回は木曜、前回は金曜と、週の後半から週末にかけて行われている。今回の事件ばかりではなく死刑執行はこれらの曜日に行われることが多いが、なぜなのだろうか。 「死刑執行は土日、祝日、年末29日から年始の3日までは行われないと法律で定められています。また、死刑執行は法務大臣が書類にサインしたのち準備がはじまりますが、手続き上、月曜や火曜などの週の初めにサインがなされ木曜や金曜に執行されることが多いようですね」(政治ジャーナリスト) さらに、木曜金曜の死刑執行にはメディア対策の意味もあるようだ。 「土日はマスコミ報道が手薄になるので、あまり騒がれたくないように、これらの曜日に執行するようですね。とはいってもオウム事件に関しては注目度が大きいので、ワイドショー以外にも特別番組として流されました。さらに、6日の麻原元死刑囚の執行に関しては事前にメディアに情報が流れていた様子もうかがえ、『死刑のショーアップ化』を批判する声もありますね」(前出・同) 死刑囚の移送など同時執行へ向けての動きはあったとはいえ、1か月に13人の死刑執行が行われるのは過去には存在しなかった例である。「ショー化」を含めて死刑制度をめぐる議論はこれからも続きそうだ。
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社会 2018年07月27日 21時00分
クレーマー対策か 名古屋市消防局、「救急車でコンビニに立ち寄ることがある」と理解求め反響
26日、名古屋市消防局のTwitterアカウントが「隊員が消防署に戻れないときは救急車でコンビニ等に立ち寄り飲料水等を購入する場合がある」などと、隊員が店に立ち入ることに理解を求めた。 同アカウントは、23日の救急出動件数が661件(速報値)で、1日の件数としては過去最多だったと24日に説明。臨時の救急隊を編成し、熱中症患者らに対応することを明かしていた。 そして26日になり、猛暑によって1日の出勤が22件となった救急隊が出るなど、多忙を極めていることを報告。そして 「そのため出動が連続し消防署に戻れない時は、救急車でコンビニ等に立ち寄り飲料水等を購入する場合があります。その際も、出動態勢は維持していますので、ご理解をお願いします」 と、異例の呼びかけをした。同アカウントは詳細を明かしていないが、おそらく市民から「救急車でコンビニに立ち寄っている」「救急隊がコンビニで物を買っている」などの苦情が寄せられたものと思われる。 このような公務員へのクレームは昨今増加の一途をたどっており、「パトカーでコンビニに寄るな」「消防車でうどんを食べるな」など、クレームの内容もさまざまだ。 しかし、そのいずれもが多忙が原因と思われる。私服で飲食品を買いに行く余裕がなく、タイミングを見て立ち寄っているもので、批判は筋違いだ。今回のケースでも熱中症対応で救急隊がかなり忙しく、消防署に寄る暇ができず、食事や水分補給のためにコンビニで買い物をしたものだ。これを批判するということは「飲み食いせず働け」と言っているも同然だろう。 救急隊員はロボットではなく人間だ。腹も減れば、のどもかわく。そのような状態で救急対応に当たれば、隊員が倒れてしまう可能性すらあるだろう。 多くのネットユーザーはそのことを理解しているようで、「当然のこと」「ツイートするまでもない」との声が出た。一方で、「こんな当たり前のことがわからない人間がいるのか」「クレーマー自重しろ」など、クレームを入れたと思われる人間に怒りの声が上がった。また、「当たり前のことで文句言われてかわいそう」「一生懸命救護しているのにコンビニで食料を買っただけで文句を言われるの?」などと同情する声もあった。 名古屋市消防局はクレームの有無を明かしておらず詳細は不明だが、「救急隊員がコンビニで物を買い飲食をしている。けしからん」という苦情を入れた人間がいたとするならば残念なことだ。 日本は「他人に不寛容」な社会になったとも言われる。もちろんクレームを入れなければならないこともあるだろう。ただ、そのクレームが客観的に見て「正しい」のかどうか、問い合わせを入れる前にまずは考えたいものだ。
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社会 2018年07月27日 15時00分
世の中おかしな事だらけ 三橋貴明の『マスコミに騙されるな!』 第280回 安藤提言
6月に閣議決定された今後の財政方針「骨太の方針2018」は、 ●2019年10月に、消費税率を予定通り10%に引き上げる。 ●投資系支出まで制限するプライマリーバランス(基礎的財政収支)の黒字化目標は、達成時期を2025年に先送りした上で残す。 ●移民受入の新たな在留資格を作る。 と、まさに日本国民を貧困化させる政策のオンパレードであった。 もっとも骨太の方針閣議決定を受け、絶望に浸るべきかといえば、必ずしもそうではない。「国民経済」について正しく理解をした勢力が、すでに反撃に出ている。本連載(229回)でも取り上げた『日本の未来を考える勉強会』の議員たちである。 '18年7月6日、自民党の『日本の未来を考える勉強会』(呼びかけ人代表・安藤裕衆院議員)のメンバーが、首相官邸で安倍晋三首相と面会。'19年10月に予定される消費税率の10%への引き上げに向け、'19年度予算の規模を前年度比3.2%以上拡大するよう求めるなど、デフレ脱却に向けた提言書を手渡した。正式名称は『デフレ完全脱却による財政再建に向けた「平成31年度予算編成」についての提言』であるが、(長いので)呼びかけ人にちなみ、今後は「安藤提言」と呼ぶことにする。 驚くべきことに、安藤提言を受けた首相官邸は、ホームページに「動画」付きで、申し入れの詳細を掲載した。一般議員の提言を首相官邸が広報するなど、過去に聞いたことがない。 6月17日に公表された土木学会の報告によると、首都直下型地震、南海トラフ巨大地震により、わが国は20年間で2000兆円を超す生産資産とGDPを喪失する可能性がある。同報告書は自民党の国会議員たちに共有され、危機感を抱いた政治家たちの間で、財政出動の空気が醸成されている。 土木学会の報告書、頻発する地震、広範囲の「数十年に一度」の豪雨災害、災害による死者続出、失われる国民の家屋・財産、そして「普通の生活」、この現実を目にしながら、安藤提言に背を向け、財政拡大に踏み切らないならば、もはや「政治」ではない。 7月初頭の西日本豪雨災害「平成30年7月豪雨」の被害は拡大を続け、死者200人を上回り、平成最悪の豪雨災害になってしまった。 生産面への被害も発生しており、自動車企業を中心に操業停止となる企業が増えている。被災地で工場が止まると、そこから供給を受けている企業にも影響が生じ、バリューチェーンを「生産不能」が伝播していくことになる。この状況でも、防災インフラ整備、交通インフラ整備などの公共投資、財政拡大に背を向けるのか? 背を向けてはならない、というのが安藤提言なのである。安藤提言の骨子は以下になる。 ●2019年度問題(消費増税、残業規制、東京五輪の特需終了)を乗り越えるための10兆円規模の政府需要拡大策 ●政府試算の「経済成長ケース」を達成するために、毎年3.2%(約2.4兆円)の「当初予算」における継続的な予算拡大 ●消費税増税対策 ・軽減税率の対象拡大―軽減税率は8%ではなく5%とする ・1単位あたり100万円以下のものはすべて軽減税率とする ・個人利用のものはすべて軽減税率適用 軽減税率を利用し、事実上の消費減税。加えて、'19年度問題を乗り越えるために、「一時的」な需要拡大(10兆円規模)。加えて、毎年3.2%の「当初予算」における予算の拡大。そもそも、日本政府が想定する「経済成長コース」が3.2%のGDP成長となっている以上、政府支出も3.2%ずつ拡大させるべきである。 前記3つが実現すれば、恐らく3年ほどで日本はついにデフレからの完全なる脱却を果たすことになる。 さらに、骨太の方針2018に、 「中長期の視点に立ち、将来の成長の基盤となり豊かな国民生活を実現する波及効果の大きな投資プロジェクトを計画的に実施する」 と、明記されていることを受け、安藤提言ではさまざまな投資プロジェクトが提案された。ILC(国際リニアコライダー)の誘致、北陸新幹線の早期「関空接続」の事業決定、日本人技術者・技能労務者育成による賃金大幅引き上げ、高速道路のミッシングリンク解消、全国の豪雨対策のための長期予算確保、防衛装備の拡充や自衛隊の処遇改善など、日本にとって「必須」のプロジェクトばかりだ。 交通インフラを整備し、科学技術に投資し、人手不足は生産性向上と人件費引き上げにより解消するというわけで、誠に理にかなっている。 ちなみに、安藤提言が書かれたのは、7月頭の西日本豪雨災害の「前」である。この種の「やって当たり前のプロジェクト」に、政府が継続的に支出をすれば、企業の設備投資、技術投資が回復し、資本装備率も上昇。生産性向上により実質賃金が上がり、さらなる需要拡大をもたらす経済成長の「黄金循環」が始まる。しかも、安藤提言が優れているのは、閣議決定された「骨太の方針2018」には全く反していないという点だ。 消費税率は10%に引き上げる(ただし、軽減税率で実質的な減税とする)。 当初の10兆円規模の財政拡大にしても、何しろ骨太の方針に、 「2019年10月1日における消費税率の引上げに向けては、消費税率引上げによる駆け込み需要・反動減といった経済の振れをコントロールし、需要変動の平準化、ひいては景気変動の安定化に万全を期す」 と書かれている以上、全く問題がない。むしろ、やらない方が骨太の方針に逆らうことになる。 さらに、各種の投資も骨太の方針に沿っている以上、安易に否定することは不可能だ。 安藤提言を採用するか否か。これが、安倍政権にとっての最終的な試金石だ。 採用しなかった場合、安倍晋三内閣総理大臣は、 「日本の憲政史上、最も国民を貧しくし(=実質賃金の低下)、最も消費を減らした(=実質消費の縮小)亡国の内閣総理大臣」 として、歴史に名を残すことになる。みつはし たかあき(経済評論家・作家)1969年、熊本県生まれ。外資系企業を経て、中小企業診断士として独立。現在、気鋭の経済評論家として、分かりやすい経済評論が人気を集めている。
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社会 2018年07月27日 08時00分
日産自動車 今度は排ガスデータ改ざん判明 不正に懲りない“ホンネ”
ここにきて、日産自動車周辺の話題が事欠かない。 7月5日、日本自動車販売協会連合会などが発表した国内新車販売台数の2018年上半期(軽自動車を除く)ランキングにおいて、『ノート』が首位を獲得。日産にとって半期の販売台数首位獲得は、1970年の『サニー』以来48年ぶりの快挙。しかし、そんな朗報も束の間、4日後の9日に出荷前の自動車の排ガスや燃費の測定をめぐる新たな不正が発覚したのだ。 「昨年9月に発覚したのは、無資格の従業員に新車の完成検査をさせていた。しかし、別の不正が、昨年の不正発覚後も見すごされており、今年6月まで続いていたというのです。昨年12月に国土交通省に無資格検査問題に関する報告書と再発防止策を提出していたにもかかわらずです」(業界紙記者) 全国紙をはじめ各マスコミ各社は日産の自浄能力のなさや、コンプライアンスに対する意識の欠如、さらには記者会見にカルロス・ゴーン会長や西川廣人社長が出席しなかったことなどに対し批判的な論調が目立つ。他のメーカーでは違反が見られないのだから、日産に非があるのは当然だ。 一方、これに関して「日産には表だって言えない本音がある」と、自動車関連に詳しいある評論家は言う。 「日産は今回の不正について、最終的には保安基準を満たした商品を提供しているし、燃費や排ガスの件も諸元値(カタログ値)を担保しているので“リコールの必要なし”としている。つまり、我々なりに安心安全な商品を提供している、国際企業にガラパゴスなローカルルールを当てはめて指導するのはいかがなものか、という国交省への反発が見え隠れする。さらに言えば、同ルールを遵守する他メーカーも、少なからずそう思っているのではないか」 確かに、日本の交通規制など、高度成長期から全く変わっていない法律も多くあり、現代の実態にそくしていないとも言われる。 「批判はごもっともですが、基準となる法令が時代にそくしたものかどうか検証できる能力を持たなければ、本当の日本経済、一般市民のためにならない。あらゆる法令の硬直化は、車の性能向上が進んでもいっこうに法定速度が変わらないなど、素人の目からしても明らかです。深刻な人手不足の中、このままでは同じような不正がまた起きる」(クルマ業界関係者) 折り合いをつける時期に来ているのかもしれない。
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社会 2018年07月26日 22時00分
盗んだ車で繁華街をカーチェイス…27歳男の呆れた動機に怒りの声殺到
福岡市中央区の路上で車を盗んだ上、警察車両とカーチェイスを繰り広げ公務執行妨害容疑で逮捕されていた27歳無職男性が、窃盗などの容疑で26日、再逮捕された。 報道によると男は25日午後0時40分頃、中央区高砂の路上で鍵が付いた状態で停車していた自動車に乗り込み、逃走。パトカーが後を追跡し、カーチェイス状態になった。男は車6台に衝突しながらも約2キロ逃げ続けた。その様子は、80年代の刑事ドラマのようなすさまじいものだったようだ。 車は繁華街に入ったところで、異変を察知したタクシーが衝突することもいとわず辞さずに進路をふさいだ。運転手の勇気ある行動によって、男の車はタクシーにぶつかり停止した。その後、警察官が車に駆け寄り、抵抗する男を車から引きずり出し、逮捕となった。運転手は歩道も近かったことから、「これ以上進ませてはいけない」と思ったという。彼の行動がなければ、死者が出ていたかもしれない。 逮捕の光景の撮影した目撃者がTwitterに動画をアップ。例によってテレビ番組からは「動画をくれ」と依頼が殺到した。タクシー運転手の勇気ある行動は称賛されたのだが、それに「タカる」メディアには厳しい声が上がることになった。 男は取り調べに対し、「岡山に行くための足がほしかった」などと供述。助手席には岡山県在住の少女(19)が同乗しており、「岡山に荷物を取りに帰るため、何日か前から盗めそうな車を探していた」という。かなり計画的な犯行だったようだ。 なお読売オンラインによると男は「私1人でやったこと。彼女と話し合っていない」などと供述していると報じられている。どうやら27歳の男が19歳の少女に惚れ込み、暴走した様子。男ならば、罪を犯して少女をかばう前に自分の力で岡山に行かせるべきだろう。「車を盗んで岡山に行く」という行為は、実に情けない。 ニュースを聞いたネットユーザーからも「情けない」「岡山に行くための金くらい働けばすぐ手に入るだろ」「どうしてこんな男に引っかかったのか」など、非難の声が殺到。また、一歩間違えば大惨事になっていただけに、男に厳罰を下すよう望む声もあった。 男の凶行は言語道断だが、それを許してしまった原因の一つに、鍵を付けたまま車が停車していたことも挙げられる。もちろん責めることはできないが、この男のように犯罪者が窃盗を企てようとする可能性は否定しきれない。車から離れる際は、施錠を忘れないようにしたいものだ。
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社会 2018年07月26日 15時00分
ペットボトル飲料急増の波は環境保護に逆行しないか
1971年にアサヒビールが缶ビールをスチール缶から総アルミ缶に切り替えて以降、その軽さが物流コストを削減したことから飲料業界がこぞって採用し、アルミメーカーの業績を押し上げてきたが、それに今、異変が起きている。今年2〜5月の缶材の出荷量が、前年同期の実績を下回っているのだ。 「ペットボトルコーヒーブームにボトル型アルミ缶飲料が押された結果です。昨年4月にサントリー食品が発売し、わずか1年で3億6000万本を売り上げた『クラフトボス』がブームの火付け役。6月にはサントリービールからペットボトルのノンアルコールビールが登場して、アルミ缶の独壇場だったビール系にまで中身の見えるペットボトル化の波が押し寄せている」(飲料業界紙記者) しかし、この流れは環境保護に逆行していないのか。 スターバックスやマクドナルドでは、プラスチック製ストローなどの提供を廃止する動きが広がっている。理由は、日本各地で行き場を失ったプラスチックごみが山積みになっているためだ。 「1月に中国政府が突然、これまで世界中から受け入れていた資源ごみ、プラスチックごみの輸入を禁止したことが、このような事態を招いているのです。これまで輸出するペットボトルごみの7割以上を中国に送っていた日本は、急きょ第3国に輸出する企業、国内処理に奔走する企業など、待ったなしの取り組みを進めている状態です」(環境問題に詳しいライター) 日本のペットボトルの消費量は、'90年代半ばから右肩上がりで増え続けてきた。そのためリサイクル法の整備などが進み、80%以上の回収率を誇ってはいる。 「しかし、それ以上に消費のペースが伸びており、回収しきれないプラスチックごみが溢れ返る始末となっているのです」(同) ここへきてのペットボトルブームには、疑問を抱かずにはいられない。
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社会 2018年07月26日 08時00分
眞子さまとの婚約から一転、結婚延期 小室圭さんが米国留学を決意した理由
秋篠宮家の長女・眞子さま(26)との結婚が延期になった小室圭さん(26)が、このたび米国へ留学することが明らかとなった。8月から3年間、ニューヨーク州の弁護士資格取得を目指し、フォーダム大学のロースクールに留学するのだが、当然、気になるのがン千万円といわれる留学費用だ。 「現在、秋篠宮家から眞子さまとの結婚に際し、小室さんには二つの条件が出されているんです。一つは経済的な安定を得るべく、転職も含めて進路を示すこと。もう一つは、問題となっている金銭トラブルを何らかの形で解決すること。これらをクリアにしないことには何も進まないというんです」(宮内庁関係者) 小室さんの母と元婚約者といわれる男性との間に400万円を超す金銭トラブルが一部メディアで報じられたのは昨年末。元婚約者は返済を求めているのに対し、一貫して小室母子は“贈与”であると主張。金銭トラブルは平行線のままなのだ。 「大学のホームページで確認すると、1年間の授業料は約6万ドル。それに教材費や生活費、健康保険料などが加わり、1年間の留学費用は計9万ドル。日本円に換算すると約1000万円。小室さんは3年間で約3000万円をつぎ込むんです。だったら400万円を返済したらどうかと思ってしまう。一般の感覚からして金銭感覚は今一つ、理解に苦しむんです」(事情通) もっとも、その後の報道でフォーダム大は返済不要の奨学金を小室さんに授与することを発表。また、生活費は現在勤務する法律事務所が小室さんを支援することを決定した。 そんな中、飛び交い始めているのが小室さんが留学を決意した本当の理由だ。 「小室さん自身、金銭トラブルでバッシングされたことが、かなり堪えているようです。アメリカ留学を決断したということは、そもそも婚約が“白紙”になることを覚悟した証なのではと言われているわけです」(関係者) 今はただ、お2人を見守るほかないようだ。
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社会 2018年07月25日 19時40分
ロシアでひっそりと生き永らえるオウム真理教
オウム真理教がロシアに進出したのはソ連が崩壊した1991年12月の後のことだ。翌92年9月にモスクワ支部が設立され、上祐史浩氏をトップに勢力を拡大し、当時信者は3万人とも5万人ともいわれた。 ロシア国民のソ連崩壊による「アイデンティティークライシス」は深刻だった。70年間信じていた共産主義はウソと断定されたのだから、ロシア人は突如「何を信じたらいいか分からない」状態になったのだ。 その心の穴を埋めるべく西側から宗教が進出してきたのだが、その中の1つがオウム真理教だった。オウムは特にラジオを使って盛んに宣伝を行い、有力政治家たちに接近していった。入信者は日本と同じように自宅や金などなけなしの財産を教団に上納させられた。 当時オウムはロシアからカラシニコフ自動小銃や軍用ヘリなどの武器を調達した。こうしてモスクワ支部は布教、教団の武装化の両面で重要拠点となり、信者の数でも海外拠点で最も多くなった。 結局、伝統宗教であるロシア正教やイスラム教、チベット仏教が復活し新興宗教を駆逐していく。プーチン政権は伝統宗教を支援することで、ソ連崩壊後の思想の混乱を終わらせたのである。 麻原彰晃(本名・松本智津夫)代表(当時)が95年に逮捕されると、ロシアでもオウム真理教は禁止された。しかし、一部のロシア人信者たちは活動拠点を求めて海外へと出た。その1つがウクライナ領内にあるクリミア半島の中心都市のシンフェローポリだった。 シンフェローポリでは、ロシア海軍の関係者だった男性信者が98年ごろ、オウム真理教の教義を引き継いだ宗教団体を設立した。教義のほとんどがオウム真理教と同じと捜査当局は見立て、監視下に置いた。 2018年5月、モスクワやサンクトペテルブルクでオウム真理教の布教をしていた疑いで、海軍出身者とは別の男が逮捕されている。 捜査機関の調べによると、この男は日本にいる指導者の指示を受け、10年に宗教グループを設立して、オウム真理教の教えを説きながら勧誘していたという。 他にもオウム真理教関連で摘発される人は後を絶たない。ロシアではまだオウム真理教は生きているのだ。
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社会 2018年07月25日 19時00分
女性宅のドアスコープを黒いペンで塗りつぶす 54歳男の気持ち悪い行動、一体何のために…
兵庫県加東市で、市内に住む女性宅のドアスコープを黒いペンで3回塗りつぶしたとして、54歳の男が器物損壊と県迷惑防止条例違反の容疑で逮捕されたことが判明。その謎の行動に驚きの声が上がっている。 報道によると、逮捕された男は5月7日から21日にかけ、23歳女性宅のドアスコープを、外から黒いフェルトペンのようなもので3回塗りつぶした。男は容疑を認めており、女性とは面識がないという。現在のところ動機は判明していない。 なお付近では同様の被害報告が寄せられており、警察は今回逮捕した男が何らかの事情を知っているものとみて捜査する方針だという。 フェルトペンでドアスコープを黒く塗るという不可解な犯行に、ネットユーザーからは「怖い」「目的が分からない」など、不快感を示す声が続出。なかには「犯罪の下準備だったのではないか」「再犯の可能性が高い」「気味が悪い」など、「男の真の目的」がさらなる「犯罪」にあったのではないかと勘ぐる声もあった。 今回の犯罪は、被害を受けた女性が警察に相談して発覚したもの。いざ自分がそのような犯罪に遭った場合、「『嫌がらせ』レベルであって、犯罪ではない」と我慢してしまう人もいるだろう。しかしこの種の犯罪がエスカレートし、殺人などの重大犯罪につながる可能性も否定できない。 「嫌がらせレベル」と我慢せず、小さなことでも警察に相談し、大きな犯罪を未然に防いでほしい。