社会
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社会 2018年07月19日 14時00分
安倍3選「NO」創価学会が小泉進次郎推しか
「しばらく鳴りを潜めていた菅義偉官房長官だが、ここへきて存在感を強めている。秋の総裁選前に安倍首相がコケた場合、自ら出馬するのではないか、もしくは、小泉進次郎筆頭副幹事長を担ぐという話もある」(自民党関係者) 永田町界隈に今、にわかにそんな情報が駆け巡っている。加えて、7月4日に文科省科学技術・学術政策局長の佐野太容疑者が東京地検特捜部に受託収賄の疑いで逮捕されたが、これが菅氏によるリークが発端とのキナ臭い話まで流れているのだ。 「佐野氏は、加計学園問題で安倍官邸、特にその中でも菅氏と激しく対立した前川喜平前文科省事務次官と親しい。前川氏が次官時、佐野氏はその下で官房長を務め、将来の次官候補とも言われていましたからね」(全国紙政治部記者) 菅氏と前川氏は以前、天下り斡旋問題でも激突している。安倍官邸は2014年、内閣人事局を設け、官僚の幹部人事と退職後の職斡旋を一手に牛耳った。菅氏はこれらをすべて仕切ることにより、裏の実力者として駆け上がったと言われる。 「しかし、これに盾突き、独自の天下り斡旋組織を作ったのが文科省で、秘密裏に退職者を大学や他の省庁などに送り込んだ。この発覚で前川氏は事務次官を退任したものの怨念は残り、以後も加計問題をはじめことごとく菅叩きの発言をしているのです」(同) 前川氏は今も全国各地で行う講演で政権批判を繰り返しているが、そんな折に佐野氏が逮捕された。 「菅氏は会見で『教育行政の根幹を揺るがしかねない極めて重要な問題』『必要かつ徹底した対策を講じる』と言い放っているが、この一件が、事前に情報をキャッチしていた菅氏自身が仕掛けたともっぱらなのです」(自民党関係者) 菅氏の情報源と言えば、杉田和博官房副長官と、警察庁警備畑が長い「官邸のアイヒマン」の異名を持つ北村滋内閣情報官が挙げられる。 「おそらく両人を通じ、佐野氏の動きは完全に菅氏に把握されていたのではないか。そして今回、このタイミングで文科省官僚の悪事として東京地検が逮捕に踏み切った。これはともすれば、前川氏の関与も疑われかねない。ただ、菅氏の本当の狙いは、文科省を血祭りに上げる一方で、林芳正文科相の監督責任、さらには安倍首相の責任論が噴出することにもあったとの見方もある」(同) 実際、佐野氏の逮捕を受け、野党各党はここぞとばかりに安倍政権の任命責任を訴え始めている。こうした流れが、一貫して安倍3選を支持する菅氏の企てだとすれば驚くべきしたたかさだが、それを裏付けるのが、冒頭の菅氏の立候補、もしくは進次郎氏担ぎ上げ情報だ。 「その背景には、菅氏が太いパイプを持つ公明党の動きがあります。昨年の衆院選で5議席減らしている公明党の最大の課題は、来年の統一地方選と参院選での必勝。現時点では安倍首相を支持していますが、党内部、支持母体の創価学会では、“このまま森友・加計学園問題をうやむやにしたままでは選挙で戦えない”との声が高まっている。しかも自民党内には、公明党と学会の支援を得られなければ当選できない議員が100人超えでいると言われる。公明党は今後、そこへの圧力によって安倍降ろしに転じる可能性が高まっているのです」(前出・記者) そうした状況の中、公明党・創価学会内部でポスト安倍として挙がっているのが、菅氏と進次郎氏だというわけだ。 「菅氏の安倍3選支持はアテにならない。公明党が首相を突き放し、自民党内で不安と不満が爆発すれば、菅氏が間に入って自ら立候補をしかねないからです。菅氏は無派閥ですが、裏では2年ほど前から勉強会を開いている。その一つが『韋駄天の会』で、3回生以下の若手議員20人以上がいる。さらに『ガネーシャの会』で元バレーボール選手の朝日健太郎参院議員などがいる親衛隊の集まりもある。これらに所属する議員は、着実に膨張していると言われる」(自民党ベテラン議員) 加えて、このベテラン議員によれば、菅氏はかつて鳩山邦夫元総務相が主宰していた派閥横断の懇親会『きさらぎ会』の顧問も務め、鳩山氏亡き後は実質の会長役として120人をまとめているという。 「これらが動き出せば、実は首相が出る細田派よりも強力なのです。菅氏と公明党・学会のつながりで言えば、今年2月、米普天間基地移設先の名護市長選がある。移設反対の現職の稲嶺進氏に自公支援の渡具知武豊氏が約3400票差で勝利したが、最大の要因は菅氏と学会の佐藤浩副会長の連携で学会員がフル稼働したため。また当初は候補者選びで自公がもめた6月の新潟県知事選でも、調整したのは菅氏。つまり、いつでも総裁選で戦える力を自民党内外に持っているということだ」(同) 一方、安倍首相が3選前に転落した場合に備え、菅氏が画策していると囁かれているのが、進次郎氏の擁立だ。 「菅氏はもともと、同じ自民党神奈川県連所属の進次郎氏を可愛がり、何かと指南している。進次郎氏は、選挙で大きな力を持つ創価学会婦人部の受けが非常にいい。それを考えれば、菅氏は自らというよりも、進次郎氏を担ぐ可能性もあるだろう」(同) 政界の寝業師から目が離せない夏になりそうだ。
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社会 2018年07月19日 12時40分
「旦那さんの一番好きな料理は?」『ZIP!』平松アナの、直木賞受賞・島本氏への質問が物議
18日、第159回芥川賞龍之介賞、直木三十五賞が発表され、芥川賞に高橋弘希氏の『送り火』、直木賞に島本理生氏の『ファーストラヴ』がそれぞれ選出された。直木賞を受賞した島本氏は今回が2度目の直木賞候補入り。過去には4回に渡って芥川賞候補にもなっており、悲願の受賞となった。 同日には会見も行われ、高橋氏、島本氏がそれぞれ登壇。受賞の心境などを語り、記者からの質疑応答もあった。その中で、島本氏は受賞への想いについて「正直ほっとしました」と語り、「デビュー18年目で芥川賞候補4回、直木賞候補2回。折に触れて待った18年間だと思っていて、すごくほっとしたというのが正直なところです」と安堵の表情を浮かべていた。 質疑応答では「初めて挑戦する要素が多い小説が大きな賞を受賞した感想を教えてください」「直木賞を射止めたことによって今後の作家活動をどのようにしていきますか?」といった質問があったが、その中でも最初に手を上げたのは情報番組『ZIP!』(日本テレビ系)の平松修造アナウンサー。「小学生のお子さんがいらっしゃるとのことですが、忙しい子育ての合間を縫ってどんなときに執筆活動をしているんですか?」という質問を島本氏に投げかけた。島本氏はこれに「精力的に執筆活動をしてられるのは夫のおかげ」と夫で同じく作家の佐藤友哉氏の名前を挙げ、「夫がご飯を作ってくれたり、留守の間に息子の面倒を見てくれたり、育児に協力してくれている」とにこやかに回答。平松アナが「ちなみに、旦那さんの一番好きな料理は何ですか?」と質問を重ねると、島本氏は戸惑いつつ間を置いて、「カレーですかね」と答えた。 さらに、平松アナは「執筆活動をするにあたって、お子さんがいてよかったな、助けられたなと思った点はありますか?」と質問。島本氏は「子どもが産まれてから視野が広くなった気がします」と丁寧に回答していたが、平松アナの質疑は受賞作そのものよりも、島本氏の家庭に関する質問がほとんどを占めていた。 平松アナのこの一連の質問に、ネットには「島本理生さんへの質問は本当にひどい…。日本で一番有名な文学賞をとったのに、女だと小説家より母と妻が優先されるのかな」「これが日本最高峰の文学賞の会見なの?なぜ子育てに繋げられてしまうんだろう」「家庭のことについての質問に呆れた。記者は明らかに小説読んでいない。いくらなんでも不快すぎる」といった批判が殺到。文学賞授賞式にするべき質問ではないという意見が多く見受けられた。しかし、一方では「好意的に解釈すれば、作中に主人公が夫の料理を食べるシーンがあるからこの質問になったのかも」「朝のワイドショーだから視聴者層考えると使いやすい質問をするのは仕方ない」という擁護の声もあり、ネット上では議論になっている状態。 芥川賞の高橋氏への質疑はほとんどが作品に関するものだったため、島本氏の作品に一度も触れていない平松アナの質問がより悪目立ちしてしまったようだ。文学ファンからの呆れ声は今なお多く聞かれている。
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社会 2018年07月19日 12時30分
なぜ中止できない? 猛暑で注意報が出る中、校外学習・人文字・リレーを強要し生徒が熱中症に
連日殺人的な猛暑が続くなか、学校絡みの熱中症事件が立て続けに発生し、監督する立場の教師に怒りの声が上がっている。 17日には、愛知県豊田市の小学校で校外学習から帰った6歳の児童が熱中症となり、死亡する事件が発生。 当日の最高気温は37.3度で、朝から高温注意報が出ていたにもかかわらず校外学習を断行。当該児童は途中で体調不良を訴えたが、学校に戻るなどの措置を取らず、教諭が手を引いて「歩かせた」そうで、戻ったあと冷房がなく扇風機のみの教室にいたところ、唇がみるみる紫色になり、そのまま意識を失ったという。 学校側は「これまでの校外学習では大きな問題は起きておらず、中止できなかった。結果と判断が甘かった」と釈明しているが、亡くなった児童は帰って来ない。高温注意報が出ているにかかわらず校外学習を行った学校側に、「殺人罪を適用できないのか」という声も上がるほどだ。 そんな問題が起こる中、18日も続々と学校関係の熱中症事件が。宮城県名取市の小学校では、校庭で人文字を作らされていた児童が次々に熱中症で倒れ、38人が病院に運ばれる。幸い全員命に別状はなかったものの、17日のニュースを知っていながら、わざわざこの暑い時期に人文字を作らせた学校側の対応に、怒りの声が噴出することになった。 さらに、ネットユーザーを驚かせたのが、大阪府枚方市の中学校。この最高気温が38度となった校庭で、「レクリエーション」としてリレーを開催。女子生徒9名が熱中症となり、救急搬送。命に別状はないものの、3人は重症だという。 いずれのケースも、学校側がこの暑い最中に外に出るよう命令し、いやいやながらも従った児童や生徒が熱中症で倒れ、生命の危険に晒されている。とくに豊田市の事件では、体調不良を訴えにもかかわらず歩かせており、「根性主義だ」「教師が生徒を殺そうとしている」「こんなのは教育と言わない」など、ネットユーザーから怒りの声が相次いでいる。 学校は子供の命を預かっており、何よりも「人命」を尊重するのは当然のこと。それを学校の行事やプログラムを優先し、子供を死なせてしまう、熱中症としてしまうのはもってのほかである。 臨機応変の対応ができない日本の教育者は、レベルが低いと言わざるを得ないだろう。
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社会 2018年07月19日 08時00分
麻原彰晃死刑囚ら死刑執行 公安当局が警戒するオウム残党テロ
坂本弁護士一家殺害事件(1989年)、松本サリン事件(1994年)、地下鉄サリン事件(1995年)など、宗教の名の下に国家転覆を図ったオウム真理教による一連の事件は、7月6日、元教祖・麻原彰晃(本名=松本智津夫)死刑囚ほか6人の元幹部の死刑が執行され、一つの区切りを迎えたかに見える。しかし“残党”がいまだ活動を続ける今、“絶対教祖”の死が再びテロを呼ぶ引き金になりかねない。 「死刑執行を機に彼らが麻原を神格化し、活動を先鋭化させる可能性は高い。来年は天皇陛下退位、6月に大阪でG20、9月からラグビーW杯、再来年には東京五輪と国家的なイベントが続く。そうした中、再びオウムがやったようなテロは絶対にあってはならない。よって、今後も後継団体の監視は徹底して続ける」 公安調査庁関係者がこう語り警戒を強める後継団体は、「アレフ(Aleph)」、「ひかりの輪」、「山田らの集団」の3団体だ。 「アレフは、オウム真理教を改称する形で2000年に発足し、活動内容も“麻原回帰”を色濃く残しているとされ、その名も逮捕前に麻原自身が付けたと言われる。施設内には麻原信仰を窺わせる写真や書籍が数多く見つかっており、2013年の公安の立ち入り検査では、公安調査官やオウムを批判する書籍の著者の写真が串刺しにされ祭壇で発見されるなど、その動きは過激でもある」(宗教ライター) 布教勧誘も活発で、オウム事件を知らない若い世代に狙いをつけ着実に信者は増加、今や約1450人がいるとされる。 「今年に入ってオウム事件の裁判が集結し、麻原の死刑執行近しとされてからは、麻原が収監されていた東京拘置所の周辺を歩き回る“小菅詣で”なる行動をとっている。信者周辺の関係者からは今、“麻原の遺骨奪還”などという話まで聞こえてくるほどです。しかも、公安やマスコミに対して徹底して秘密主義を貫いていることから、実態がよく分かっていない」(同) そのアレフの元代表で、2007年に脱会した上祐史浩氏が立ち上げたのが、ひかりの輪だ。上祐氏はオウム真理教時代、外報部長などの肩書でスポークスマンとしてメディア対応し、その言葉巧みさから「ああ言えば上祐」などと言われた。 上祐氏は今、“脱・麻原”を謳い、ひかりの輪を宗教団体ではなく“仏教哲学サークル”と称して講話会やセミナーを中心とした活動を行っている。オウム真理教やアレフとの関係については「分裂ではなく決別」したことを重ねて強調しているが、公安では依然として麻原信仰の影響下にあると見ている。 「そもそも、ひかりの輪は上祐がオウム時代に麻原から受けた“教えを受け継ぐように”との指示に基づいて組織されたと見られる。そのため、アレフと性格が異なるとは言えない」(前出・公安関係者) 「“脱オウム”路線は、すべて観察処分の取り消しを得るためのもの。ただし麻原がいなくなり、今後はアレフを意識する必要性が薄れることから、例えば、上祐をカリスマとした団体に変わる可能性もある。さらに、ひかりの輪では上祐路線に批判的な元会員による別組織の動きもある。そうした点からも、目を離すことはできない」(公安OB) 麻原の死刑執行についての感想を含め、こうした見方について当の上祐氏は、本誌の取材に対しこう述べている。 「ひかりの輪は、死刑確定直後から速やかな執行を主張していましたから、やっとこの日が来たということ。アレフから見れば私は裏切り者。だから『上祐に毒を盛れ』との声があったようなんです。命を落とす危険と向き合っていたのですから、信仰の対象が消えたことで、少しは緊張感から解放されたとは思います。また今後、宗教団体に変わるようなことは、ありません。宗教団体には教祖が必要ですが、私は教祖ではない。それに仏教というのは、教団が成立するまでは哲学がその本質だったんです。ヨガ等の実践を通し、仏教哲学を学ぶ、今のひかりの輪のあり方が、仏教の本来のあり方に近いと思うのです」 このひかりの輪については昨年9月、東京地裁がアレフと同一団体とは認められないとして、団体規制法に基づく観察処分を取り消す判決を出しているが、公安審査委員会は1月21日、「アレフと、ひかりの輪の双方の活動に参加する構成員がいる」とも指摘し、2021年1月までの処分更新を決定している。 最後に、公安当局が“第3のオウム”として注視しているのが、山田らの集団だ。同団体は松本家を巡るアレフ内部の対立によって約3年前に生まれたとされ、オウム真理教の古参信者を中心とする組織と見られている。 「アレフの中心にある松本家の中で起こった、麻原の次男派と三女派の対立により、三女派が飛び出して生まれたという。そうした経緯があるだけに、麻原信仰をアレフ以上に鮮明に打ち出しているのです。今年3月には麻原生誕祭を行い、信者らが“麻原尊師”を連呼するオウムソングを合唱する様子も報じられている」(前出・宗教ライター) 信者数は約30人と、その規模は3団体の中で最も小さいが、拠点はオウム真理教時代には重要な支部があった石川県金沢市。麻原が描いた最終目的は、残党たちの中に生き続けている。
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社会 2018年07月18日 16時00分
女子中高生2400人が被害 19の機器を使い分けトイレ盗撮を繰り返した塾経営者
自ら経営する学習塾のいたる場所に隠しカメラを設置し、盗撮しまくっていた男が逮捕された。 7月3日、千葉県警に児童買春・児童ポルノ禁止法違反(盗撮製造)の疑いで逮捕されたのは、同県野田市内で中学生、高校生が対象の塾を経営していた、池田和紀容疑者だ。 「池田容疑者は10年ほど前からこの場所で塾を開いていたのですが、悪事が発覚したのは今年5月。女子生徒がトイレに設置された隠しカメラの存在に気がつき、塾関係者に相談したのです」(社会部記者) この関係者はすぐに警察に通報、捜査が開始されたのだが、調べによって仰天の事実が発覚した。 「家宅捜索で塾内からは7個、さらに塾近くにある池田容疑者宅からは12個の隠しカメラが押収されたのです。しかも1種類ではなく、様々なタイプのものがあり、塾のトイレで発見された2個は置き時計型とペン型で、生徒が用を足す姿を捉えるように設置されていたのです」(夕刊紙記者) 塾内ではトイレのほか、教室の生徒が座る椅子にキーホルダー型が、ロッカールームにはスピーカー型などが発見されたという。 「さらに池田容疑者の自宅からは、フォトフレーム型、電球型、シークレットミラー型、火災報知器型、腕時計型、手帳型、ボタン型などのカメラが見つかっている。捜査員たちも『まるで見本市だ』と呆れ返るばかりだったそうです」(同) この塾は「成績急上昇の個別指導塾・1クラス6名までの超少人数個別指導」を謳い、進学塾としてはかなりの合格実績を上げていたとされ、「個別能力に応じて指導プログラムが組まれ、料金も妥当なものだった」(同塾関係者)と、いたってまともだった。 そうした中、盗撮を繰り返していた池田容疑者は、取り調べに対し「女の子が用を足す姿が見たかった。その思いだけでやってしまった」と話しているというが、生徒を含め被害に遭った女性の数は膨大だ。 「塾や自宅から、なんと約2400人分、3700本あまりの動画ファイルが見つかっており、6年近く盗撮を続けていたと見られる。今回の逮捕容疑は女子中高生2人への計11回にわたる盗撮ですが、あまりに悪質なため、県警は罰則の軽い、県迷惑防止条例違反ではなく、児童ポルノ禁止法を適用させたというのです」(前出・社会部記者) 卑劣なコレクションだ。
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社会 2018年07月18日 14時00分
再炎上! ハンドボール大体大浪商「肘打ち」問題が夏の甲子園へ波及
学生スポーツの不祥事が相次いでいる。監督が指示をし、相手校選手に怪我を負わせる指示を出した日大アメフト部もそうだが、それだけではなかったのだ。全九州高校体育大会・バスケットボール男子準決勝で、コンゴ人留学生の選手が審判員を殴り倒す前代未聞の事件が発生。また、全国高校総体大阪府予選・決勝戦で、大体大浪商高校の選手が桃山学院高校選手の腹部に肘打ちを食らわす反則行為があった。何人かの浪商選手は試合前に、LINEで「ぶっ殺す」と投稿していた。 学生スポーツがこんな殺伐とした試合を続けていていいのか…。文部科学省、スポーツ庁も改革に乗り出しているが、なぜかそれが「政府主導のカネ儲け」にすり替えられそうだ。 「日大が練習を再開させると思われた6月末、部員たちは教室に集められ、大学が招いた講師の講演を開いています。テーマは米国の学校対抗スポーツやコーチングです」(関係者) 今、必要のない話だが…。 政府は日本版NCAA(全米大学体育協会)の設立を真剣に検討している。競技を問わず、コミッションが一括管理、指導者はライセンス制とし、精神的な重圧を与えないスポーツ教育を目指す。実現すれば、悪質タックルを指示する指導者はいなくなるが、一括管理となるため、チケット、応援グッズ、TV放映料なども統括され学生スポーツは巨大ビジネスと化す。 「政府の狙いは、もっとも影響力の大きい高校野球です。夏の甲子園大会は約350億円の経済効果を生み出すとされますが、NHKや大阪のテレビ局が甲子園中継のために払う放映料はゼロ。審判団の日給はボランティアです」(取材記者) だからこそ、アマチュアイズムは継承されるのだ。 その夏の甲子園だが、審判員は地方予選から甲子園決勝戦まで、のべ1万6000人強を必要とする。彼らは本業を休んでのボランティアであり、そういった奉仕精神がこれまで正々堂々のスポーツマンシップを形成したと言っていい。 「日大問題に関連して言えば、日本版NCAA成立に反対しないでしょう。高校野球がビジネスにされてもね」(同) 高校生の大会でも悪質反則事件が起きたとなれば、話は一気に加速する。日大、高校生大会の不祥事によるトバッチリで、夏の甲子園が食い物にされてしまう?
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社会 2018年07月18日 08時00分
北朝鮮へ制裁解除のトランプカード〜9月9日終戦宣言シナリオ〜
ポンペオ米国務長官が7月6、7日に北朝鮮を再訪問し、金正恩党委員長の最側近、金英哲党副委員長と会談した。この場ではっきりしたのは両国の立場の違いだ。秋までに具体的な成果が欲しい米国の足元を見た北朝鮮は、中国に接近して立場を強め、譲歩を引き出す姿勢をエスカレートさせている。 「予想されたこととはいえ、中国は6月28日にロシアとともに国連安全保障理事会のメンバー国に対北制裁緩和を求める声明案を配布しました。米国が拒否したので実現されなかったものの、中ロ両国などが対北制裁の解除へ動くのは間違いありません。韓国も中ロと連携して是が非でも緩和させようと画策しています。同日、文在寅大統領は訪韓したマティス米国防長官との会談を“風邪”を理由にドタキャンしています。ホワイトハウスからは『正恩委員長の言いなりになっていることを怒られるから逃げたのだろう』という声が上がっています」(在米日本人ジャーナリスト) 北朝鮮がなぜ融和政策にかじを切ったかといえば、対北制裁の強化で国民経済ばかりか指導上層部へのプレゼントなど統治資金が枯渇しているからだ。 「最も深刻なのは人民軍が統制できなくなっていることです。追い詰められた正恩委員長は、軍の不満爆発を抑えるために戦略的決断を下し、韓国の融和路線に乗ることを決めたというのが真相です。従北政策を採る韓国は北朝鮮の非核化措置がハッキリしないにもかかわらず、米韓合同軍事演習を中断させ、在韓米軍撤退論まで持ち出したばかりか、8月20日からは金剛山で離散家族の再会行事が実施されるのを皮切りに経済支援を再開させる腹積もりです。完全な米韓同盟への裏切りです」(朝鮮問題ウオッチャー) 一方、CIA(中央情報局)など複数の情報機関が北朝鮮による核・ミサイルの隠蔽を確認している。米NBCテレビは先頃、《北朝鮮の秘密施設での核兵器用の濃縮ウラン増産は、米朝首脳会談での非核化合意に反し、北の非核化の疑わしさを裏付けるものだ》と報じた。 「訪韓後の6月29日に来日したマティス長官は、安倍首相や小野寺防衛相らと次の4点を確認しました。まず北の核についてはCVID(完全かつ検証可能で不可逆的な廃棄)を目標とすること。次に北に対し、具体的な非核化の行動を早く取るよう迫ること。三番目は安保理で決めた経済制裁を堅持すること。そして米国は、日本人拉致問題を重視することの4つです」(政治ジャーナリスト) しかし、残念なことに、これら4項目実現の最大の障害となっているのは、正恩委員長の核隠蔽工作ではなく、トランプ大統領の揺れ動く決断だ。11月にトランプ政権の信認が問われる中間選挙があり、それまでにどうしても成果が欲しい。正恩委員長は選挙が民主主義の弱点と見抜いて攻勢を仕掛けているわけだ。 そのためかポンペオ長官は段階的に非核化を進めると主張する北朝鮮に配慮し、要求のハードルを下げている。6月下旬の米CNNのインタビューでは、米朝交渉で「行程表を付けるつもりはない」と述べ、トランプ大統領の任期中に「大規模な非核化を実現させたい」と、要求をトーンダウンさせた。トランプ大統領が目先の支持率にこだわればこだわるほど、正恩委員長にとってはすべてが有利に運ぶわけだ。 「北朝鮮は70周年建国記念の日に当たる今年9月9日に“大仕掛け”に出るでしょう。記念行事に中国の習近平国家主席やロシアのプーチン大統領、そして文大統領も招くのではないか。韓国は南北分断後、一貫して『朝鮮半島で唯一の合法政府』と主張し、北朝鮮を国家として認めていません。ですから、文大統領が建国記念日のイベントに出席するということは、北を国家として認めることになります。韓国主導の南北統一という目標を否定することにもなりかねません」(国際ジャーナリスト) そして9月下旬には国連総会が予定されている。 「日本の官邸筋内では、この国連総会に正恩委員長が出席し、演説をするのではないかと囁かれています。正恩委員長は朝鮮戦争の終結や朝鮮半島の非核化など米朝首脳会談に盛り込まれた合意を改めて強調し、国際社会に華々しくデビューするという観測です。そうなれば当然、米国は正恩委員長のニューヨーク訪問を認めるわけですから、滞在中、トランプ大統領との2回目の会談も可能になります。米国内のテレビなどは大々的に報じ、11月に予定されている中間選挙に向けて大きな弾みにするとトランプ大統領は考えているのではないでしょうか。こうなると日本にとっては、カネは出したが荷(非核化)が届かないという困ったことになります」(同) 米海軍のミサイル駆逐艦2隻が7月7日、2007年以来11年ぶりに台湾海峡を通過した。中国との貿易戦争の戦端が開かれたことで揺さぶりを掛けるのが狙いだ。 「正恩委員長が強気なのは習主席から『見返りを得ながら段階的に非核化を進める方針』の支持を取り付けたばかりか、体制の保障でも協力を得たからです。しかし、トランプ大統領は中国圧力を弱める気はありません。音を上げた習主席が正恩委員長の首を差し出さないとも限りません」(同) 他国の足元ばかりを見ている正恩委員長は、そのうち自分の足元をすくわれるかもしれない。
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社会 2018年07月17日 14時00分
警視庁、文科省、関東学連、第三者委員会が田中理事長派を完全包囲
日大アメフト部の悪質タックル問題は「黒幕」の登場で“シーズン2”に突入した。7月6日、日本大学は理事である井ノ口忠男氏の辞任を報告した(4日付)。井ノ口氏は学生支援事業などを行う『株式会社 日本大学事業部』の事業企画部長。渦中のアメフト部のコーチも務めていたが、こちらも辞任。これで、日大はもちろん、アメフト部とも完全に関係が切れたわけだ。 「タックル事件が起きた際に登録されていた10人強のコーチも、全員辞任しました。その中には井ノ口氏の長男・悠剛氏もいました」(学校関係者) 井ノ口氏の辞任だが、広報部がメディア発表したところでは、「軽率な行動により、大学の信用を傷つけた」というもの。しかし、6月26日に行われた関東学生アメリカンフットボール連盟の会見、第三者委員会の中間発表(29日)がされるまでは、「内田正人前監督の後任人事において、主導権を握る人」と位置づけられていたのだ。 「内田氏と井ノ口氏はともにアメフト部のOBで、先輩後輩の仲。当初、内田氏の意向が反映された後任人事がされると目されていました。コーチ・井ノ口氏の名前は6月に入ってすぐにアメフト部のHPから消えていましたが」(前出・同) その井ノ口氏の辞任理由が、「軽率な行動で」とのこと。これは一体、何を指しているのだろうか。 「第三者委員会は会見で名前こそ出しませんでしたが、タックル事件後、部員数名を三軒茶屋キャンパスに呼び出し、“関係者が介入し、指示はなかったことにしろ”と口止めをしていた事実を伝えていました。それを聞いて、井ノ口氏のことが浮かんだ取材陣は少なくありませんでした」(取材記者) あえて、名前を出さなかったのは、最終報告に向け、徹底的に調べ上げるつもりだからだろう。 「内田前監督、井上奨前コーチは、学連により断定されたにもかかわらず、悪質タックルの指示をまだ認めていません。でも、警視庁も第三者委の調査に注目しています。最終報告後、一気に踏み込むとの情報もあります」(同) 井ノ口氏は辞任することで、第三者委の追及を逃れたいと思ったのかもしれない。だが、6月26日の学連会見の時点で「ヤバイ」と察していたようだ。 「学連は後任監督の選考について、誰が選ぶのか、どういう基準で選ぶのかも明確にしてほしいと言っています。こちらも井ノ口氏のことを指しての発言でしょう」(学生スポーツ要人) 後任監督については公募というやり方になった。それ自体がヤラセで、「外国人監督に内定している」との情報も聞かれた。 「部室や寮を2人の外国人がウロウロしていた」(OBの1人) その外国人監督を見つけてきたのが、井ノ口氏だとも言われているのだ。 「公募がヤラセで、外国人監督に内定しているとの情報とは矛盾してしまいますが、『公募は日大が決めたことで、井ノ口氏はただ外国人監督を勝手に探してきた』との話も聞かれました」(同) 「勝手に後任を探してきた説」が本当なら、理事辞任の「軽率な行動で」と取れなくもない。 「警視庁が踏み込むタイミングを見計らっている話もそうですが、日大が本当の窮地に立たされるのは、これからですよ。文部科学省を『本気』にさせてしまったのです。日大は解雇された一部講師たちに訴えられていますよね。その裁判はともかく、解雇されたのは英語講師が多く、本当に授業として成り立っていたのか、疑っています。大学設置基準(文科省令)には、『必要な授業科目を自ら開設』とあり、それに違反しているのではないかと、調査を進めています」(社会部記者) 講師が大量に解雇されたのは、スポーツ科学部と危機管理学部。どちらも、三軒茶屋キャンパスが舞台だ。 「井ノ口前理事は、田中英壽理事長とも近く、その発言力は常務理事だった内田氏よりも強かったという話もありました。当たり前の話、常務理事のほうが肩書は上。でも、井ノ口氏は日大をピーアールする映像制作会社の社長の実弟であり、年間約70億円の売上を誇る日大事業部の設立にも関わったからでしょう。日大事業部での正式な肩書は『理事長付相談役 事業企画部長』です」(関係者) 第三者委は田中理事長のヒアリングも示唆している。暴君的な権力者たちの失脚は当然だが、学連は再発防止のレポートを期日内に出しても、その中身が曖昧なら「却下する」と言い切っている。 「これまで要職にいた人が次々と失脚し、陣頭指揮を執れる人が残っていないんです」(同) アメフト部は秋のリーグ戦に復帰できない可能性が高まってきた。
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社会 2018年07月17日 08時00分
日本列島を貫く大断層「中央構造線」が歪む巨大地震の“連鎖”
「中央構造線」とは日本列島ができる時代に形成された断層だ。九州地方から茨城県まで、日本列島を貫くとされる。地震史を見ても、この付近で発生した大きな地震の後に離れた場所でも大きな地震が発生するパターンが多いことから、中央構造線を介した“連鎖”を指摘する専門家もいる。 7月7日午後8時23分頃、千葉県東方沖を震源とする震度5弱(M6.0)の地震が発生した。大阪の大地震からわずか3週間。幸い被害や混乱はなかったが、何とも不気味である。 「今回の地震の震源は約50kmと深かった。もし大阪北部地震(約13km)のように浅い場所で発生していたら、あんなものでは済まなかったはずです」 こう語るのは、地震学が専門で武蔵野学院大学特任教授の島村英紀氏だ。 「震源地はプレートが重なり合う“地震の巣”とも言うべき場所です。深さ10km程度であった場合、地震動はさらに大きく、震度6ぐらいは揺れていたかもしれません。気象庁は、プレート境界の岩盤がゆっくり滑り動くスロースリップとは関連性がないとしていますが、中央構造線に絡んでいる可能性はあります。中央構造線は北は茨城県の水戸、南は都心の真ん中を通って太平洋に出ているという説もある。いずれにせよ、関東ローム層の堆積土によって実態は分かっていないのです」(島村氏) 中央構造線とは、 「また、中央構造線の動きが、付近の活断層に影響を与えるという見方もある。そのため大阪北部地震も、中央構造線の影響ではないかとする専門家もいるのです。特に、東京直下はこれまで判明している活断層とは別に、推定活断層と呼ばれるはっきりしないものも多く走っているのです」(サイエンスライター) 首都直下型だった安政江戸地震(1855年=M6.9〜7.4)の震源は隅田川の河口だった。島村氏が言うように、もし中央構造線が都心の真下を走り太平洋に抜けているとすれば、活動が活発となっている今、同様の直下型が起きる可能性が非常い高いとも言える。また、安政江戸地震が起きた当時は、豊予海峡地震や伊賀上野地震、飛騨地震など、中央構造線沿いで数々の大地震が発生しており、現在の状況と似ているのだ。 「この100年が静かすぎたのです。江戸時代は頻繁に大地震が発生し、火山が噴火した。東日本大震災が起き、普通の時代に戻ったというべきです」(島村氏) 列島の底深くある「中央構造線」。日本の背骨が歪みつつある。
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社会 2018年07月16日 08時00分
天下の猛妻 -秘録・総理夫人伝- 小泉純一郎・佳代子元夫人(下)
小泉純一郎代議士とたった4年で離婚をよぎなくされた佳代子は、「女系家族」の嫁としての苦労を味わった。とくに、純一郎の秘書も務める3女、信子女史はその父親の代から秘書を務め、選挙のノウハウを熟知、小泉に政治家生活のイロハを手取り足取り教えたほどの“政治通”であり、小泉の選挙はすべて女史の指示によるものだった。ために、選挙の手伝いを買って出た佳代子は時に反発を買い、疎まれることも多かったということのようである。 小泉は逓信大臣をやった祖父、防衛庁長官を経た父に続く、「政治家三代目」たるべくを半ば義務づけられていただけに、姉としての信子女史の子供時代の純一郎に対する“教育”もなかなか厳しかったようだ。これにも、こんな関係者の証言によるエピソードがある。 「小泉が小学生の頃、友達とキャッチボールをやっていた。信子女史が、それを傍らで見ていた。ところが、友達が緩いボールを投げるのを見て、『もっと速いボールを投げてやって』と言った。速いボールが来ると、怖がった小泉はボールをそらす。女史は、そんな小泉にこう言ったそうです。『ダメじゃないの。それくらいのは、きちんと取れないようではッ』と。そんなひ弱さでは政治家にはなれませんよという、女史の叱咤激励の“英才教育”ということでもあったようだ」 「小泉が後年、首相となり、内閣支持率が下がったりしてメゲそうになっていると、『自分の信念を貫けばそれでいいの』と盛んにハッパをかけていたと言われている。また、小泉が公邸住まいとなってからも起居をともにしながら、朝食から晩酌の肴まですべて信子女史がつくっていた。訪米してブッシュ大統領(当時)に初めて会ったとき、青いシャツにベージュのコットンパンツ姿でキャッチボールをやって話題になったが、これらもすべて女史の演出だったと言われている。小泉への“政治指南者”にして、“母親がわり”が浮かび上がってくる」 そうした空気の中で、お腹の中には妊娠6カ月の三男を抱えた佳代子の追われるごとくの離婚、小泉家との断絶ということだった。以後、長男・孝太郎、次男・進次郎と会うことも禁じられた。母親の苦衷がしのばれる。 しかし、“転機”は30年の歳月を経て巡ってきた。お腹の中にいた三男・佳長も成人し、社会人となっての結婚式の場に、突然、小泉と孝太郎、進次郎の3人が出席したことだった。佳代子と佳長にとっては、その間の小泉の母親の死、葬儀に駆けつけても堂々の焼香は許されず、献花だけをしてその場を去ったりしているのである。こうした“転機”は、次のようなものだったという関係者の話がある。 「結婚式への出席は、進次郎の発案だったようだ。挨拶で、孝太郎が言ったそうです。『これからは、佳長君と仲良くやっていきたい』と。30年の歳月を経ての、ようやくの“和解”ということでした」 3兄弟の和解の中、離婚後の佳代子はたくましかった。“お嬢さん”を捨て、意を決して不動産業の世界に飛び込み、苦労はあったろうが成功をみた。 一方の小泉はと言えば、厚生大臣などを経て、平成13年(2001年)4月、ついに首相の座にのぼりつめた。国民に分かりやすい短いキャッチフレーズの言葉で人気を集め、佐藤栄作、吉田茂、安倍晋三に次ぐ戦後4番目の5年5カ月の長期政権を果たした。立ち居振る舞い、戦後初の「ファーストレディー」なしの“独身首相”として、異色の総理をまっとうした。内閣発足時にはこの小泉を「変人」とヤユした田中真紀子を外務大臣に起用、世間の耳目を集めたが、やがてこの真紀子外相にブレーキがきかなくなったとき、「更迭」への決断を迫ったのが、先の信子女史とも言われている。 その小泉は首相退陣後はしばらく表に出なかったが、ここ2、3年「反原発」へのノロシを上げ、“人気者”の息子・小泉進次郎との「親子二代首相」へ思いを致しているようでもある。 離婚後35年を経たいま、小泉、佳代子両人の心境はどんなものなのか。佳代子を取材したことのある女性誌記者は言った。 「小泉が総理になって1年後くらいに佳代子元夫人に会ったら、言葉少なにこう言っていました。『(離婚は)お互いさまです。運命だったと受け止めています。でも、これだけは確かです。決して憎しみ合って別れたのではありません』」 一方の小泉は、時に触れて「恋人話」「再婚話」が報じられているが、やはり総理になった直後、メディアのインタビューでこう語ったものだった。 「(選挙の)落選と離婚は、1回だけでいいんじゃないかナ。離婚しない方法は何かと言えば、結婚しないことだ。離婚のつらさは、経験した者しか分からない。だから、僕は一人でいいんだ」 政治行動には怖い者なし、キレ味のあった小泉ではあったが、男と女の関係の難しさにはホトホト参ったようであった。=敬称略=(次号は、福田康夫・貴代子夫人)小林吉弥(こばやしきちや)早大卒。永田町取材48年余のベテラン政治評論家。抜群の政局・選挙分析で定評がある。著書に『決定版 田中角栄名語録』(セブン&アイ出版)、『21世紀リーダー候補の真贋』(読売新聞社)など多数。