社会
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社会 2018年09月05日 12時00分
「3日前には避難せよ!」スーパー秋台風が襲う東京・下町「海抜ゼロメートル地帯」崩壊の恐怖
今まで経験したことがない「スーパー台風」がこの秋、首都・東京に襲い掛かるかも知れない。日本列島に豪雨と高潮の恐怖をもたらした台風20号は去ったが、今後は秋台風が本番。ますます東京直撃の台風発生の可能性が高まる中、各自治体も対策に頭を悩ませている。 「スーパー台風なんて想定したくないが、今やリアルな話になっている。東京の江戸川・江東・足立・墨田・葛飾の5区の自治体では、中心気圧が930hPa以下の台風が直撃する恐れがある場合、3日前から避難するよう住民に呼びかける、それが現実にならないことを祈るばかりです」 とは、防災ジャーナリストの渡辺実氏。 その5区による「江東五区広域避難推進協議会」が先頃、共同で大規模な水害が起きた際のハザードマップを発表。それによれば、9割以上の家屋が床上浸水する想定となっている。荒川や江戸川流域を中心に「海抜ゼロメートル地帯」が多く、洪水や高潮などが襲う可能性があるためだ。 「都ではかねてから水害対策を実施して東京湾に防潮堤を巡らせてはいるが、それでは足りません。水門が作動すれば流入する水をある程度まで制御できるとしているが、やはり完全には対応しきれない。荒川沿いなどでは5メートル以上の浸水も想定され、約2週間は水が引かないとされる。その状況が被害をさらに拡大させることになるでしょう」(同) 協議会による計画では、建物の上階にとどまる「垂直避難」は勧めていない。浸水が長く続けば、電気、ガス、水道などの供給や食料が途絶える恐れがあるからだ。そのため、移動が難しい高齢者らを除いては、自宅に長居せず、広域避難するように求めている。「しかし現時点で、こうした事態を想定した公的な広域避難場所は確保できていない。また協議会は『各自で確保した親戚や知人宅などに避難を』と呼び掛けているが、人間関係が希薄な大都市でそれが可能なのかという問題もあります」(サイエンスライター) ちなみに、基準となっている930hPaは、伊勢湾台風(1959年)が上陸した際の気圧だ。最近では'95年の台風12号が930hPaで八丈島付近を通過しているが、関東へは上陸していない。 「温暖化で明らかに台風の進路が変化しており、海水温の上昇で急速に発達する環境になりつつある。今秋にもそうした台風が関東に上陸しても何ら不思議ではありません」(前出・渡辺氏)秋の台風はスピードが早く、台風発生から接近・上陸までの期間が短くなる。台風が発生したらすぐに進路を確認し、最新情報をチェックすることが肝要だ。特に下町の首都圏海抜ゼロメートル地域の住民は、これからの台風情報に十分に注意していただきたい。
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社会 2018年09月04日 21時00分
51歳無職の女、元交際相手の28歳男性にストーカー行為の疑いで逮捕 苦しい言い訳に呆れ声
元交際相手の28歳男性につきまとい行為をした51歳・無職の女性が3日、ストーカー規制法違反の疑いで兵庫県警人身安全対策課と西宮署に逮捕された。 女性は6月19日〜8月18日の間、3回に渡って西宮市にある元交際相手の男性の自宅に押し掛けた模様。同署によると、6月に男性から「復縁を迫る(女の)電話を着信拒否したら家に来るようになった」と相談を受けていたという。その後、同署は女性に口頭で警告していた。 2人は交際していたが、数か月前に別れていたようだ。警察の調べに対し、女性は「たまたま行っただけ」と容疑を否認しているという。 この事件について、ネットでは「たまたま自宅へ寄っただけって…言い訳になってない」「ホストに捨てられたのかな。いい歳だし後戻りできないかも」「51の女捨てるとか男の方もひどいな」と、報道された男女どちらにもあきれ声が上がっている。その他、「元って事は一度は付き合ってたのか」「年齢差あるけど普通に恋愛のもつれってことだよね?」と、年齢差のある交際関係そのものに驚いた人も見受けられた。 年齢差の大きいストーカー被害で、過去には物理的なつきまといではない行為で逮捕されたケースもある。2015年、51歳の男性が14歳の女子中学生に無料通信アプリ「LINE」でメッセージを送り、ストーカー規制法違反の容疑で逮捕された事件だ。女子中学生の姉を介して、「妹かわいいな」などのメッセージや入浴時間、女子中学生の体に関する質問をLINEで数十回に渡って送信したことが、“つきまとい行為”の容疑に該当。男性は女子中学生の母親と知り合いだったという。 2013年に改正された「ストーカー規制法」では、電子メールによるメッセージ送信は規制対象となっているが、LINE・Facebookに代表されるSNSは含まれていない。しかし、同法の“つきまとい行為”である「その行動を監視していると思わせるような事項を告げ、またその知り得る状態に置くこと」「その性的羞恥心を害する事項を告げ、もしくはその知り得る状態に置き、またはその性的羞恥心を害する文書、図画その他の物を送付し、もしくはその知り得る状態に置くこと」という2点に該当するとして逮捕に至った可能性が高いと見られている。 LINEの事件は男性に下心があったと考えられるが、当事者は純愛と思っていても相手にとっては迷惑行為となるケースもあるだろう。年の差があるなしにかかわらず、分別のある大人の行動が求められる。
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社会 2018年09月04日 17時50分
教え子と「道ならぬ恋」帯広・四十路女教師が“淫行”の個別指導
教師と生徒の道ならぬ恋。いつの時代でも、世間を騒がすこの手の事件が報道される。北海道帯広市の公立中学校に勤務する40代の女教師が、教え子だった男子生徒といかがわしい行為を続けたとして、8月23日までに北海道警帯広署に道青少年健全育成条例違反の疑いで書類送検されていたことが分かった。 「警察には今年4月28日、“高校2年の息子が女教師と連日会っていて家に帰ってこない”と、生徒の母親から訴えがあったのです。この日の夜には、帯広署員が女教師の車の中で2人が一緒にいるところを発見。生徒を保護し、女教師を検挙したのです」(捜査関係者) 学校関係者や市の教育委員会関係者の話によれば、この女教師は男子生徒が中学2年と3年の時の担任で、「その頃から禁止されているメールを密かにやりとりしていた」という。 「昨年1月になって、男子生徒の母親が深夜までメールをする息子の様子を不審に思いメールの内容を確認すると、そこには女教師との間で愛の告白やら性的な行為についてのやりとりがあった。これに激怒した母親が、女教師の中学校に抗議をしたのです。しかも、ゴールデンウイーク中には女教師の車でわいせつ行為をしているところを男子生徒の同級生が目撃。8月になっても関係が続いていることを知った母親がまたも学校に抗議し、女教師は謝罪した。結局、『もう個人的なやりとりはしない』と約束をした上で、念書を取られたのです」(地元紙記者) ところが昨年4月、女教師が別の中学へ赴任した後も、一向に2人が連絡を絶つ気配はなかったようで、度々一緒にいるところが目撃されていた。「今年3月末には車で登別温泉へ行き、旅館で1泊している。つまり、昨年4月に男子生徒は高校へ進学、女教師は新たな中学での勤務を命じられ環境が変わったにもかかわらず、連絡を取り合い逢瀬を重ねていたということです」(社会部記者) こうしてついに堪忍袋の緒が切れた母親が警察へ駆け込んだのだが、この女教師、色気プンプンの年下クン好きかと思いきや、評判は真逆だ。 「今も独身で一人暮らしと聞いているし、これまで浮いた話など一切ない真面目なタイプでしたよ。思えば、生徒の母親と年齢もさほど変わらないし、30歳以上離れた生徒をたぶらかすとは驚きです」(学校関係者) 帯広市教育委員会は、 「書類送検されたことは把握しているが、詳細は現在調査中」としている。
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社会 2018年09月04日 12時40分
被害額は1億円とも 禁止行為を持ちかけ金を騙し取る、派遣型風俗店経営者が逮捕
派遣型風俗店経営の男が女に店の禁止行為を客に持ちかけ、応じようとしたところで店の男に恐喝させ、金を取ったとして経営者の男(38)が3日までに逮捕された。 逮捕容疑は今年8月、名古屋市中区のラブホテルでサービスを利用中だった茨城県古河市の男性会社員に対し、店員の女が「禁止行為が出来る」と持ち掛け。客が応じたところで男性店員を乱入させ、客を脅し現金を取った疑い。その金額は、300万円程度と見られている。 逮捕された男が経営する派遣型風俗店は、元タレントとされる女が在籍するなどと謳われた超高級で、一回数十万円するという。女が禁止とされる本番行為を持ち掛け、応じたようとしたところで金を取る行為を繰り返していた様子。警察によると、これまで10人以上が被害に遭っている可能性があり、被害額はなんと1億円にも上る模様だ。利用者も富裕層だったのだろう。 超高級店で美女から「ヤれる」と言われれば、男としては本能的に応じてしまいたくなるもの。そこを巧みについた犯罪に、ネットユーザーからは「許せない」という憤りや、被害者について「普通は断る」「後先が見えていない」「典型的な美人局」と呆れる声も出た。 東京オリンピックの影響などもあり、店舗型風俗店から派遣型が主流となっている昨今。このような業者が他にもいる可能性も否定しきれない。一時の「エロ心」を利用され大怪我をしないよう、注意が必要だ。
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社会 2018年09月04日 06時00分
安倍3選 小泉進次郎が農水相初入閣へ
安倍首相が8月26日、訪問先の鹿児島県で自民党総裁選(9月7日告示、20日投開票)への出馬を表明した。すでに出馬を表明している石破茂元幹事長との一騎打ちが濃厚となっているが、永田町界隈では安倍首相が3選後に向けて振り出した“入閣手形”の情報が飛び交い、物議を醸している。「首相は石破派を除く党内のほぼ全派閥の支持を得て、国会議員の7割を押さえ圧勝の気配。出馬が取り沙汰された岸田文雄氏は断念、野田聖子氏も情報公開請求の漏えい問題でコケた。竹下派は重鎮の青木幹雄元参院議員会長の影響により一部が石破支持にまわるとはいえ、衆院議員を中心に安倍支持。そのため勝敗というよりも、石破氏がどこまで善戦し次につなげられるのかが注目ですが、首相が盤石であることは間違いありません」(政治部記者) しかし、そうした情勢にもかかわらず、つい最近まで安倍首相の表情は冴えなかったという。「来年は統一地方選と参院選が待っている。自民党としては、それらに安倍首相で勝てるのかが最重要課題です。そうした中、加計・森友学園疑惑を払拭できていない現政権では国民の不信で負ける可能性が大きいという不安と不満が、参院議員、地方議員に蔓延している。さらに問題なのが、党内で注目度の高い小泉進次郎氏の存在。もし進次郎氏が石破支持となった場合、地方から永田町へ雪崩を打って石破氏に流れが傾く。そうした懸念があったのでしょう」(同) しかし、出馬宣言した際の安倍首相は、一変、力強さがみなぎっていたが、何が自信を持たせたのか。 「8月22日、首相はトランプ米大統領と電話会談をし、今後の北朝鮮情勢について話している。9月25日からニューヨークで国連総会の一般討論演説が始まるが、電話で首相は、トランプ大統領との首脳会談についても言及したといいます。つまり、すでに3選を確信しているわけで、ポイントはその前、夏休み中のゴルフと言われているのです」(同) 安倍首相は8月15日から22日まで山梨県鳴沢村の別荘で夏休みをすごしたが、16日に富士河口湖町で、森喜朗元首相、麻生太郎財務相、そして小泉純一郎元首相などとゴルフをしている。 「小泉氏に関しては、総裁選が近づくにつれ原発を推進する安倍首相への批判を強めていたことから、自民党内でも意外との声が出た」(自民党関係者) しかもゴルフ前夜には、そのメンバーで4時間にわたり会食をしており、そこでの話が安倍首相に強い自信を持たせたという。 別の自民党関係者の話。「首相は小泉氏に、進次郎氏の総裁選への振る舞いを何とかならないか、と切り出し、小泉氏が了解したと囁かれている。要は、このやり取りが、進次郎が石破氏を積極的に支援や応援をしない、さらには自ら動かないという確約だったのではないか。しかも、そこには見返りとして進次郎氏の入閣話があったとされる。首相は進次郎氏が農林部会長を務め農業改革に強い意欲を持っていたことを考え、まずは農水相で、と持ち掛けたとの情報もある」 これが事実であれば、石破陣営が淡い期待を抱いた進次郎氏支援はジ・エンドとなり、安倍圧勝の流れとなる。しかし、これには石破氏を支援する竹下派幹部がこう言い放つ。 「確約? 単に安倍さんが思い込んでいるだけではないのか。父親がその場でウンウンとあしらっただけだろう。万が一、その話が通ったとしても、安倍さんは自分で自分の首を絞めることになる。それこそ石破さんの出番になりますよ」 安倍政権が今、かろうじて支持されている要因は経済面での安定とされているが、3選後は対米関係で追い詰められる可能性が高いという。 「国連総会に絡めた首脳会談でトランプ氏に求められるのは、11月の中間選挙対策への手土産です。おそらく、日本の自動車輸出を中心とした対米黒字の縮小を強く迫られる。トランプ氏が公言している通り、自動車で追加関税が25%に引き上げられるようなことがあれば、日本経済がグラつきかねない」(経済部記者) その代わりに差し出すのが、今、農産物の分野とされている。「米国の牛肉やコメ、豚肉、乳製品などの輸入拡大が予想される。進次郎氏は農林部会長時代に組織を含めた農業改革をやろうとして、農協や族議員の抵抗を受け挫折している。入閣で再び農水相となれば、今度こそ大ナタを振り、大幅な緩和に踏み切るだろう。結果、農協票の1000万票は“反安倍”一色になることは間違いない」(前出・竹下派幹部) これに経済不安が追い打ちをかけ参院選でのボロ負けが見えれば、自民党はバラバラになる――。安倍首相の目先の3選対策がアダとなるという見立てだ。「ただでさえ安倍首相の3選が決まった段階でレームダック化が加速する。岸田派や細田派の中にもいる隠れ石破派や進次郎派が、すでにその際の担ぎ上げを模索している中、首相の入閣手形は、そうした動きをさらに早める。となると、参院選までもたない可能性も出てくるだろう」(自民党重鎮) 3選直後から、またもや安倍首相の不安が募りそうだ。
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社会 2018年09月03日 15時00分
田中角栄「名勝負物語」 第一番 田中真紀子
一人娘を良妻賢母の女性として育って欲しいと溺愛、自分の型にはめようとする田中角栄に対し、自我に目覚め始めた思春期の真紀子は、しばしば凄絶と言っていいほどの父娘ゲンカで対立した。 その田中の溺愛ぶりは、牛馬商だった父・角次の血を引いての競馬好きの中にも見られた。田中は代議士になって都合20頭ほどの競走馬の馬主になっていたが、オークスを制したベロナなど数頭のほかは、すべて頭に真紀子の名前を冠しマキノホープ、マキノハナ(注・はな夫人の名も)、マキノヒメ、マキノスズカゼ…としていたことでも分かる。 さて、悪い虫でもつけてきたらたまらんと「絶対ダメだ」と反対した真紀子のアメリカ留学は、真紀子が半年間も一切、田中と口を聞かぬという抵抗のうえで実現した。真紀子16歳、日本女子大学付属高校2年の夏休みが明けたときである。留学先はフィラデルフィアの「ジャーマンタウン・フレンズ・スクール」という高校で、出発する羽田空港で田中はボロボロ涙を流して見送った。そのとき、真紀子に小学生に悟すかのようにこう言った。「体を大切にな。青い眼のおムコさんなどは連れてきちゃいかんぞ。そして、夏休みには帰ってくること。毎週いっぺんは必ず手紙を書くこと」 手紙は結局、真紀子からはたまにしか来ず、田中のほうが頻繁に長文のそれを出すことが多かった。一方、留学先の真紀子は社会学、経済学の本を愛読、また、もともと得意だった英語力にも磨きをかけた。田中が訪米した折には度々ワシントンに飛び、流暢なそれで通訳兼ホステス役を見事に演じてみせたこともあったのだった。 しかし、こうした“安堵”の一方で、田中の不安が密かに進行していた。真紀子が、恋心を抱く男性と出会っていたからである。 相手は、妻ある身の当時35、36歳、毎日新聞ワシントン特派員のIという学者肌の優秀な記者であった。じつは、この留学の1年ほど前、真紀子は旅行と称して同級の友達と“アメリカ見物”をしていた。時に、自民党幹事長だった田中は面識のあったこのIに連絡を取り、友達ともども宜しくと伝えてあったのだった。まさか、そのIに真紀子が恋心を抱くとは、もとより田中は知る由もなかった。その恋心を真紀子は、のちに自著『時の過ぎゆくままに』(主婦と生活社)で、次のように告白している。「それまでの私が知っていた新聞記者という存在は、“田中番”と称するグループが、夜うち朝がけで日参し、とぐろを巻いては酒をくみ交わし、父とのコンニャク問答の後で、時として放歌高吟することを仕事としていた。ところが、(Iは)異国の地にあって、数少ない特派員として社命を担い、他の諸外国の特派員と伍して仕事をしている。I氏の姿は、孤独な兵士にも似て、比類なき美しさに満ちていた」“絶賛”である。Iは真紀子を食事に招いたり、美術館に連れて行ってくれたりした。★往復ビンタのうえの女優志願 同著には、こんな言葉も出てくる。「(食事の最中に)サラリとこんな言葉を口にした。『僕は、まっちゃん(真紀子)にとって、どんな存在なんだろう!』。思いもかけぬ問いかけと、眼差しに、私は一瞬、地球が止まったのではないかと疑った」 しかし、この初恋はやがて青春の思い出として遠のいていく。事の経緯を知らぬ田中にとっては、まずは安心の真紀子のアメリカ留学であったことになる。 一方、真紀子が帰国し、ホッとしたのも束の間、田中は新たな真紀子の“挑戦”を受け止めねばならなかった。日本女子大学に入学し、良妻賢母たる花嫁修業を願っていたものの、真紀子は男女共学の早稲田大学商学部にさっさと入学してしまったからだ。 アメリカの地で自由な空気を吸い、見聞を新たにした真紀子は、その上で学内のサークル活動としての劇団『こだま』に所属、その一方でプロの女優を目指すため劇団『雲』にも研究生として入団した。『こだま』には、やがて俳優となる村野武範が、のちにTVキャスターと知られる久米宏がいた。 しかし、我を通す真紀子に対し、田中は芸能の道などとんでもないで、猛反対、父娘ゲンカの再来となった。『雲』の競争率50倍の難関を突破した真紀子が、これを事後報告したとき、田中は激怒して往復ビンタをした。また、当時、『雲』の理事を務め、真紀子の入団に一役買った作家の遠藤周作は事前に田中と会ったが、このときも田中はにべもなく「(入団は)断じていかんッ」と首を振ったものだった。ここでも、演劇という社会での男女関係を心配したことにほかならなかった。 しかし、初舞台公演で「桜の園」に出演したりの真紀子の女優としての時間は、そう長くは続かなかった。心配した田中が、真紀子の結婚を急いだからであった。 結婚までの道のり、これもまた対立を挟んでの“一騒動”があったのだった。田中の気の休まることのない日々が続くのである。_=敬称略=_(この項つづく)***********************************************小林吉弥(こばやしきちや)早大卒。永田町取材49年のベテラン政治評論家。抜群の政局・選挙分析で定評がある。著書に『愛蔵版 角栄一代』(セブン&アイ出版)、『高度経済成長に挑んだ男たち』(ビジネス社)、『21世紀リーダー候補の真贋』(読売新聞社)など多数。
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社会 2018年09月03日 06時00分
劇団ひとりの報道でも話題の“ワンオペ育児”…子育てに参加しない夫たちの事情は
8月29日、『週刊女性PRIME』が大沢あかねに“ワンオペ育児”をさせまいと奮闘するお笑い芸人・劇団ひとりの姿を報じた。“ワンオペ育児”とは、パートナーの仕事や病気など、何らかの事情によってひとりで育児を行う状態をさしている。子育てに関心の高い男性が増えているとはいえ、実際にはいまだに妻の負担が大きいのが現実だという。 オリエンタルラジオ・中田敦彦の妻で2児の母である福田萌は、昨年自身のブログで「なんで私ばっかり…」と子育てに忙殺される胸中をつづっている。その他、あびる優や小倉優子ら、テレビやSNS上で育児の苦労を吐露する芸能人は少なくない。共通するのは、母として育児をしながら芸能活動をする点だろう。 総務省が今年7月に公表した2017年の就業構造基本調査によると、共働き世帯の割合は東京都で49.1%、山梨では54.1%と半数を上回り、全国平均は48.8%という結果となった。また、育児をしている女性の有業率も全国平均で64.2%に達している。家事や育児分担の問題は、芸能人に限らず多くの家庭で起こっている問題だと言える。 博報堂生活総合研究所が首都40km圏内に住むサラリーマン世帯630世帯を対象にしたアンケート調査(1988年から10年ごとに実施)によると、この30年間で、夫も掃除や洗濯などの家事を分担すべきという「家事参加意識」は過去最高の81.7%に達している。しかし、現実の役割分担については「妻は家庭内の役割を、夫は家庭外の役割を担う」と回答した夫婦がいずれも7割(夫:69.7%、妻:71.4%)だ。育児や家事に高い関心を持つはずの夫が、なぜ実際には妻にだけ家事を負担させるのだろうか。 家事や育児をしない夫たちのネット上の意見を見てみよう。「手伝ってほしいと言うが、具体的に何をすべきか言ってくれない」「仕事をしている時間が長いので疲れているのが本音」「毎日朝早く夜遅いので、結婚当初から家庭のことは妻に任せている」「出来れば家事も育児も分担したいが、掃除の仕方や洗濯物のたたみ方など妻のこだわりが強く何もできなくなった」「仕事を休んで面倒を見て! とか無茶な要求をされたから」「子供にはしっかり“ありがとう”と言うのに、私にはあまり言わないのでイライラしてしまうから」などがあり、家事をしない夫にもそれぞれの事情があるようだ。 家事を分担している夫婦の夫は、「ゴミ出しと洗濯ものをたたむこと。最初に分担すると決めたから」「お風呂掃除やトイレ掃除など力仕事は自分がする」と、率先して家事をするというよりは、夫婦の取り決めだとする意見が目立つ。 最終的には、いかに夫婦間で理解し合い協力できるかが“ワンオペ育児”を改善するポイントとなってくるようだ。子供のいる夫婦は、改めて育児や家事について具体的な話し合いを設けてみてもいいのではないだろうか。
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社会 2018年09月01日 15時00分
世の中おかしな事だらけ 三橋貴明の『マスコミに騙されるな!』 ★第284回 地方経済振興と公共投資
デフレーションとは、国民経済において「消費」「投資」という支出、別名「需要」が供給能力に対して不足する経済現象だ。なぜ、消費や投資が減るのかといえば、バブル崩壊で国民が借金返済と銀行預金に走り、さらには政府が緊縮財政で自らの支出をも減らし、国民に倹約を強いるためだ。 倹約、借金返済、預金、節約、支出削減。この種の用語は「聞こえ」はいいのだが、国民経済に打撃を与える。理由は、我々の所得は「誰かが支出を増やす」ことでしか創出されないためだ。国民や政府が共に節約、支出削減に走ると、当然ながら「誰か別の国民」の所得が減る。 所得が減った国民は、消費や投資を減らす。すると、モノやサービスが売れなくなるため、生産者は価格を引き下げる。価格を引き下げると、生産者の所得は確実に減る。販売単価が下がると、企業(生産者)の売上も利益も減少する。すなわち所得縮小だ。値下げにより所得が小さくなった生産者が顧客側に回ると、当たり前だが消費や投資を減らす。すると、モノやサービスが売れなくなるため……と、所得の縮小と価格の下落が悪循環を描いて進行していく現象がデフレーションなのである。 つまりは、デフレ脱却のためには「誰か」が消費や投資を増やすしかない。もっとも、デフレ期には価格下落のみならず、販売数量も減少する。要は、皆が「買う量」までをも減らしてしまうのだ。経済学的な理論によれば、「価格が下がれば、販売数量は増える」はずなのだが、デフレの時期にそんな「机上の空論」は通用しない。 販売数量が減ることは、実質賃金の下落とイコールになる。実質賃金が減り続けるデフレ期に、国民が消費や投資を増やすはずがない。 というわけで、デフレ期に消費や投資といった需要を拡大できるのは「政府」しかない。ところが、わが国では「財政破綻論」という荒唐無稽な嘘が浸透し、財政拡大による需要創出が封じられる状況になってしまった。結果、公共投資、厳密には公共投資から「用地費」など、GDP(需要)にならない支出を省いた公的固定資本形成が減り続けた。ちなみに、なぜ用地費を公共投資から除くのかといえば、「土地」は日本国民が生産したわけではないためだ。GDPとは、あくまで「日本国民が生産したモノ、サービス」に対する支出の合計なのである。 日本の公的固定資本形成は、ピークの'95年度、'96年度の47兆円強から、'11年度には約24兆円にまで減ってしまった。第二次安倍政権が発足し、多少は戻したが、それでも'17年度の公的固定資本形成は27・8兆円にすぎない。「安倍政権は公共投資を増やした」 などと勘違いしている人が少なくないが、それは「神話」もしくは「虚偽」である。'17年度においても、日本の公的固定資本形成はピークと比べてマイナス20兆円(!)というのが現実なのだ。 そもそも、財務省主導の緊縮財政に膝を屈した安倍政権が、公共投資を増やすはずがない。ところが、'18年度版経済財政白書に驚くべき文章が載り、筆者は驚愕したのである。以下、'18年度版経済財政白書からの引用になる。 『公共投資は地域経済を下支え 公共投資については、全ての地域で長期的に減少傾向となっていたが、2013年度以降の政府の機動的な財政政策の効果もあってその傾向に歯止めがかかり、今回の景気回復局面では、手持ち工事高も高くなる中、高水準でおおむね横ばいで推移している。』 全体の公的固定資本形成のパイは増えていないにも関わらず、「公共投資は地域経済を下支え」などということがあり得るのだろうか。 というわけで、白書を見てみよう。「地域経済を下支え」などと書いておきながら、増えているのは「南関東」と「東北」のみ。南関東とは、要は首都圏。東北は、もちろん被災地だろう。それ以外の地域は、北海道も北関東も、北陸も中部も、近畿も中国も、四国も九州も、すべて'99年の水準を下回っており、近年も碌に増えていない。 これが、真実だ。 特にひどいのが、四国、中国、そして北陸になる。要するに、「地方」は緊縮状態が続いているものの、「東京一極集中」を加速する南関東、そして東北被災地への公共投資が増えているだけなのだ(しかも、東北復興の公共投資は早くも減少に転じている)。 日本政府は、相変わらず「選択と集中」を続けており、東京圏以外の公共投資については増やす気はなく、実際に増やしていないのである。それにも関わらず、白書に「公共投資は地域経済を下支え」と堂々と書く。 何という欺瞞。 東北被災地はともかく、日本は公共投資全体の額を拡大しつつ、「東京圏以外の地方」に重点を置かなければならないはずだ。'18年度版経済財政白書では、公共投資について、「今後の日本経済の成長力の押し上げにつながることが期待される」 と、指摘されているが、そんなきれいごとを言うのは、実際に「地方」の公共投資を増やしてからにするべきだ。安倍政権は、つくづく「欺瞞」に満ちた政権である。 安倍政権あるいは自民党は、いまだに、「成長する地域には投資を手厚くし、そうでない地域には投資を減らす」 という、企業経営ならばともかく、国家の政策では決して許されない「選択と集中」の思想に縛られたままなのだ。このまま「成長する地域」である東京の投資を増やし、東京一極集中を加速し、挙句の果てに首都直下型の大地震が起きたら、どうするつもりなのか。 結局のところ、安倍政権が東京一極集中を推進し、日本国の亡国を確実化し、さらにそれを隠蔽しようとする姑息な政権であることが、今年度の経済財政白書からも読み取れるのである。********************************************みつはし たかあき(経済評論家・作家)1969年、熊本県生まれ。外資系企業を経て、中小企業診断士として独立。現在、気鋭の経済評論家として、分かりやすい経済評論が人気を集めている。
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社会 2018年09月01日 12時00分
日雇い労働者に炎暑が襲う大阪・あいりん地区の夏
連日の猛暑ぶりは“命にかかわる”とも言われるが、この表現が決してオーバーではないのが、日雇い労働者のメッカ、大阪市西成区のあいりん地区の現状だ。容赦なく降り注ぐ日差しにより、熱中症で倒れる住人が続出しているという。 「あいりん地区でも労働者やホームレスの高齢化が進み、みんなこの暑さにやられていますからね。毎年“越冬”が大きな問題になりますが、今年は夏を越せるかどうかも心配しなければならない状況です」(西成区役所の職員) この暑さに追いうちをかけているのが、ここ数年の街全体の変化だという。 「あいりん地区で、これまで生活困窮者のセーフティーネットの役割を果たしていたのが、安価で利用できる簡易宿泊所でした。それが外国人観光客の増加により、格安ホテルへ様変わりしている。その煽りで、本来利用していた日雇い労働者なども行き場を失っているのです。加えて、飲食店や娯楽施設も観光客向けにリニューアルするところが増え、それまでの住人にとっては、何かとストレスが溜まりやすい環境になっている」(地元記者) 行き場を失った労働者の中には、路上をさまようしかない者もいる。この暑さで路上生活が増えれば、熱中症患者が増えるのは当然の話だ。 南海萩ノ茶屋駅周辺で暮らすホームレスが嘆く。「どこかよその国みたいになってきた。街の雰囲気が変わるのはええけど、弱いもんを切り捨てんといてほしい」 あいりん地区にある通称、三角公園(萩之茶屋南公園)では、8月12日から15日、毎年恒例の『釜ヶ崎夏祭り』が開催された。 「毎年、夏に何の心配もせずに楽しくすごせるのは祭りの間だけ。ボランティアやら寄付やらが集まってくるからな。問題はその後の生活や」(同) 厳しい夏はまだまだ続く。
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社会 2018年09月01日 06時00分
「夏休みの宿題完成品」オークション出品規制が話題に ネットがない時代の“宿題裏技”が盛り上がる
夏休みの終わりが近づくにつれ、「メルカリ」をはじめとするインターネットのオークションサイトに、夏休みの工作の完成品が出品され話題となった。現在、この行為はルール違反となるため規制がかけられている。 さらにメルカリ、楽天、ヤフーの3社は、ネットオークション、フリマアプリで、読書感想文や工作物など「宿題の完成品」の出品を禁止する合意を文部科学省と交わしている。 これを受け、ネット上ではさまざまな「夏休みあるある」が語られている。「宿題か〜8月31日に泣く泣くやったわ」「当時はネットもなかったから図書館で天気全部調べたな」「俺らのころはホームセンターで売られているキットは工作として認められなかった」「むしろ9月に入ってからが勝負。最初の授業まで時間がある」「宿題やんなかったけど、一回怒られれば済む話なんで平気だった」といった思い出を振り返る声が聞こえる。 ただ、文科省が「宿題完成品」出品禁止の合意で定めた「児童が自ら宿題に取り組むことの大切さを周知」する目的には、賛同する声も多く「やはり自分でやるのは大事だよな」「工作は手伝うまでならセーフ。完成品を買ったらアウトっしょ」「これは出品する方も悪いが、むしろ買う親が悪いのではないか」と親を責める声が大きい。 また、出品される「宿題の完成品」は当然ながらクオリティが高いものであろう。これに対しても、「やっつけでもいいから自分でやる方がいい。最初からレベルの高いものなんて作れないんだから」といった意見もある。 さらには、出品されるものは「宿題の完成品」でなければ良いわけで、抜け道もいくらでも生じてしまう。今後もいたちごっことなってしまうのではないだろうか。