社会
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社会 2018年09月15日 10時00分
主婦層に人気『西友』の買収はアリババ、住友、伊藤忠の三つ巴
「スーパーの中では一番安いんじゃない」と意外に主婦層に支持されている『西友』。米ウォルマートの完全子会社になってから約10年がたつ。いま、渦中の『西友』買収劇の行方が注目されている。 西友は旧西武グループの西武百貨店が1956年に設立した『西友ストア』が始まりだが、バブル崩壊後に財務状況が悪化。2002年にウォルマートと包括提携し、'08年にウォルマートの完全子会社となった。しかし、その後も業績は伸びず、今年7月になり売却が決定的と報じられ、複数の流通大手や総合商社、投資ファンドに打診しているという。 「総合商社では、西友とウォルマートを仲介した住友商事が“隠れ本命”と言われている。中国のアリババが日本に本格進出する拠点として西友に目をつけていることを知って、ウォルマートに強力なコネを持つ住友商事が一枚噛むと見られているからです」(経済ジャーナリスト) アリババはアマゾンと並ぶ、巨大ネットサービス事業社。アマゾンは、米国では米ウォルマートの“天敵”とも言われている。「アリババが有力視される理由のキーワードはオーガニック。この分野はアマゾンが買収した米国の高級食品スーパー『ホールフーズ・マーケット』が強く、訪日客を取り込むには不可欠。アリババは西友の店舗を利用してオーガニック食品を売る戦略で買収するのでは、と言われている」(同) そのアリババの前に立ちはだかったのが『ドン・キホーテ』を展開する『ドンキホーテHD。大原孝治社長が「興味がある」と買収に意欲を示したからだ。「しかし、単独での買収となるとリスクが伴うため、ドンキが提携するユニー・ファミリーマートHDの親会社となった伊藤忠商事がバックアップするのでは、と見られている。つまり西友の買収はアリババ、住友商事、伊藤忠商事の三つ巴の争いの様相を呈しているのです」(小売業界関係者) 東京近郊に住む主婦からは「意外に一番買いやすく、安いのは西友かも…」の声が多く聞かれる。いずれにしても、買収のカギを握るのは日本の総合商社だ。
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社会 2018年09月14日 21時40分
28歳の男、知人女性のスマホにアプリを無断設定し逮捕 その恐ろしい機能とは
12日、20代知人女性のスマートフォンにアプリを無断でインストールした疑いで住所不定で会社員の28歳男が逮捕された。このアプリには位置情報などを取得できる機能があり、不正指令電磁的記録供用の疑いが持たれている。 そのアプリ「ケルベロス」を、男は昨年10月下旬から12月下旬の間にかけ、知人女性のスマホに本人に断りなくインストールした。沖縄県警は、男が女性の位置情報を不正に取得していたとみて捜査を続けている。遠隔操作用アプリを使用した摘発事案は沖縄では初めてだという。 「ケルベロス」は、もともと“盗難防止”を目的としたアンドロイド用の遠隔操作アプリだ。GPS機能を使ってスマホの現在位置を特定し、PCから遠隔操作でスマホのあらゆる機能を利用できる。具体的には「強制的にカメラを起動させ、写真を撮れる」「周囲の音声を録音できる」「強制的にそのスマホから電話をかけられる」といった操作だ。大きな問題は、他人によってこうした行為をされてもスマホ所有者はアプリを起動していることすら分からないことだ。また、設定次第でインストールした「ケルベロス」をスマホ上の「ホーム画面」「アプリ一覧」から非表示にできてしまうのも問題だ。無料期間は1週間でそれ以降は有料となるが、1デバイス(1端末)で年5ユーロ(約655円)という驚くほどの安さで入手できる。 ネット上では、このアプリに対してさまざまな声が寄せられている。「自分のスマホに入れたら、いざっていうとき使えそう」「位置情報などって…ほとんどの情報わかるってことでしょ? 気付かずにインストールされてたら怖い…」「ちょっと興味ある。PCからスマホ使えるなら便利だし」「他人のスマホに入れた時点でストーカー行為じゃない?」「探偵とか警察ならわかるけど、一般人が使うには必要以上に機能あり過ぎでしょ」といった意見もあった。 広島県でも2014年、同じアプリで事件が起こっている。中学校教諭の男が「スマホをなくしたときに便利だよ」と元交際相手の女性をそそのかし、スマホに「ケルベロス」をインストールさせた。その際にログイン情報などを取得し、PCを通じて女性のスマホを遠隔操作。「666回の音声録音」「399回の通話履歴確認」「写真撮影」「メール送信」などを行い、女性の日常生活を監視していたと見られている。女性の友人に不審なメールが届いていることが分かり犯罪発覚に至ったが、下手をすれば永遠に気付かれない可能性もあっただろう。 「ケルベロス」は盗難防止を目的としたもので、自身のスマホが紛失した際には大変便利なアプリと言えるだろう。扱う側の倫理観が問われる問題だ。
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社会 2018年09月14日 20時00分
海を渡る「故人の遺品」〜高値で売買される日本製中古〜①
名古屋港で鉄製の大型コンテナが倉庫に横付けされ、従業員たちが荷物の積み込み作業に追われている。コンテナの大きさは長さ約12m、横約2.5m、高さ約2.5mに及び、ぎっしり詰めれば10tに達する。重量のあるものは下に、軽量なものは上にと作業員は慣れた手つきで手際よく積み込んでいく。この船の行先はフィリピンだ。 荷物の主は不用品の買い取り、遺品整理を行う『ZERO PLUS株式会社』(愛知県豊橋市)だ。同社の荒津寛代表取締役はこう語る。 「荷物はすべてリユース、つまり再使用が可能なもので、産業廃棄物や一般廃棄物などはありません。もちろん、中には遺品整理で回収した遺品もありますよ。大きいものは家電製品や大型クローゼット。小さいものは靴、ゴルフボール、食器類と何でもありです」 同社は毎週40tもの日本製の中古品を名古屋港からフィリピンに輸出している。マニラまで直行便なら1週間ほどだが、台湾や中国を経由するため倍の日程がかかるという。倉庫には家具や家電製品、日本人形、プラスチック製のおもちゃ、額入りの貝殻細工、衣類などが山積みにされ、輸出される日を待っている。 同社がフィリピンに日本製の遺品、中古品の輸出を始めたのは15年ほど前。産廃処理業を経営する中で、再使用が可能なのに捨てられることに疑問を抱き、フィリピンにブラウン管テレビを輸出した。この時、輸出品が安定するようにテレビとほかの物の隙間を埋めるため、日本製の小物を間に挟んで送ったことが予想外にヒットし、本格的に中古品輸出に乗り出した。 「中古品は空き家などで遺品として回収したもの、あるいは倒産した企業、閉店したレストランなどから買い取ったものです」(荒津氏) 孤独死も珍しくない時代に突入し、遺品回収業者も年々増加傾向にある。故人の遺品をめぐり、遺族とトラブルになることも少なくない。ある遺品回収業者はこう話す。 「まず遺族に故人の遺品を全面公開します。遺品の公開も葬儀の慌ただしさが一段落した四十九日頃に行います。公開した遺品をリストアップし、残すもの、捨てるものを遺族を交えて全員で話し合います。孤独死の場合、タンスや机の引き出し、衣類のポケットなどは重点的に探しますね。現金や通帳、キャッシュカード、実印などがあることが多いですから。見落としがちなのが自動車のダッシュボードや旅行カバンです」 日本から輸出された遺品、中古品はマニラ港に陸揚げされた後、オークション会場に運搬され、競売にかけられる。 現地のオークション事情に詳しい『リサイクル通信』(東京都中央区)の瀬川淳司氏はこう話す。 「フィリピンには現在9カ所ほどのオークション会場があります。ここに参加するのはフィリピンでリサイクルショップを経営するプロの業者がほとんど。なので一般客はまれですね。フィリピンの業者には、オークションで欲しいものを自分で選んで買うタイプと、コンテナごとまとめて買い上げるタイプの2つがあります」
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社会 2018年09月14日 06時00分
小沢一郎が仕掛ける沖縄県知事選後の安倍首相レームダック
自民党総裁選(9月7日告示・20日投開票)に向け3選確実とされる安倍首相だが、ここへ来て表情が冴えないという。その最大の要因が、翁長雄志沖縄県知事の急逝に伴う30日投開票の知事選の暗雲と小沢一郎自由党代表の不気味な動きだ。 「実は自民党関係者が8月末、沖縄県知事選に向け独自に世論調査を行ったそうなのですが、その結果に党幹部らは驚愕したという。自民・公明・日本維新の会が推薦する佐喜眞淳前宜野湾市長が、米軍普天間飛行場(宜野湾市)の辺野古(名護市)移設反対で翁長氏の遺志を継ぐ玉城デニー自由党幹事長に大きくリードされていたからです。自民は今年2月の名護市長選で事前の予測を引っ繰り返し快勝し、その勢いに乗り県知事選挙で接戦を想定していただけに、ショック状態に陥っているといいます」(政治部記者) 翁長氏の後継を巡っては一時混迷したかに見えたが、8月17日になり、翁長氏が生前、玉城氏と地元建設大手『金秀グループ』の呉屋守将会長を指名していたことが判明。呉屋氏が固辞したことで29日に玉城氏が立候補を表明したが、この急転ぶりと直後の調査報告に青ざめたのが安倍首相だ。 自民党関係者の話。「首相は8月末から“何が何でも佐喜眞氏を勝たせろ!”と大号令を下しており、総裁選告示直前にもかかわらず党幹部が続々沖縄入りしている。そこまで神経を尖らせているのは、その総裁選への影響も危惧しているためだ。総裁選前に、もし各マスコミなどの沖縄県知選の世論調査で自民の大惨敗予測が報じられれば、全国の自民党党員間で“来年の参院選は安倍で勝てるのか?”という疑念が噴出しかねない。しかも、小沢氏が動いているから厄介だ」 その小沢氏は24日、玉城氏とともに呉屋氏を訪問して玉城氏の立候補を取りまとめるなど、態勢づくりに奔走した。「実質の選対本部長です。小沢さんの狙いは、沖縄で勝つことによって、一気に来年の参院選挙で自民党を大敗に追い込む作戦を描いている」(自由党関係者) 玉城氏の立候補が決まるや、小沢氏は玉城氏を連れ野党5党をまわり挨拶、支援を要請する丁寧さも見せた。「沖縄経済界の重鎮で翁長氏を支えてきた呉屋氏のバックアップを得れば、名護市長選で稲嶺進氏が敗れた流れを断ち切れ、翁長氏が現職の仲井眞弘多氏に10万票の大差で勝った'14年の県知事選の再来も期待できる。さらに小沢さんにとっては、県知事選が野党連携の材料にできたことも大きい」(同) 一方の安倍首相は、国会議員の7割の支持を得たとされる中、党員票を固めるために地方議員との面会も重ねてきたが、県知事選へ向け旗色が急速に悪化する事態を恐れている。 安倍首相の出身派閥である細田派関係者は言う。「二階俊博幹事長などは、今回の総裁選で首相が地方票でも圧倒するなどと強気に語っているが、実際のところ、半数はまだどう動くか分からず、党内では発言が懸念の裏返しと見られている。沖縄県知事選の前評判で野党有利が広がれば一気に石破茂氏に流れ、安倍首相は地方でまったく人気のなかった6年前の総裁選時と同じことになるだろう」 そうなった場合、影響は少なからず国会議員にも出る可能性もあるというのだが、前出の政治部記者はこう指摘する。「小沢氏にすれば、玉城氏が勝ち、首相の3選が決まることが最高のシナリオでしょう。その時の首相は地方票がかなり流れ出ることが予想され、総裁選前の圧勝ムードも吹き飛んでいる。来年の参院選で勝てない要素がてんこ盛りとなり、安倍首相のレームダック化がますます進むからです」 安倍首相の3選後は問題山積みだ。総裁選直後にある国連総会への出席の場ではトランプ米大統領との会談が予定されているが、そこでは貿易分野でやり込まれる可能性が指摘されている。「日本車を輸入する際の追加関税を迫られ、農産物の市場開放を差し出すとの見方が強い。これにより、自民党の大票田である農協票は地崩れを起こす可能性が出てきます。加えて、安倍首相が2020年施行の日程を描いているとされる憲法改正も、先日の共同通信社の調査で国民の約半数が反対と厳しい。さらに来年秋までには、消費税10%へ引き上げの決断が待っている。アップすれば国民反発、またも延期すれば財政大混乱と、どう転がっても政権を揺るがす材料が揃っているのです」(同) 小沢氏は沖縄県知事選対策以外にも、参院選を念頭に仕掛けを繰り出していた。7月には自身が主宰する「小沢塾」の講師に小泉純一郎元首相を呼び脱原発で共闘。急接近し、固辞されたものの参院選での野党統一候補として出馬するよう打診していたことが、山崎拓元自民党副総裁の講演で明らかになっている。 「最近では、松井孝治元参院議員が石破氏について《小沢一郎氏などの現野党の体質と親和性があるのでは》《総裁選後野党結集の中核になられてはどうか》とツイッターで発言し注目を集めていましたが、そうした話はすでに小沢氏周辺でも出ている。安倍自民を揺さぶるためなら、小沢氏さんは何でもやりますよ」(前出・自由党関係者) 3選も束の間、安倍首相は崖っぷちに追いやられるかもしれない。
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社会 2018年09月13日 22時00分
『アマゾンペイ』スタートでようやく普及しそうなスマホ決済
8月29日、米アマゾンの日本法人・アマゾンジャパンが、スマートフォンを使用する実店舗での決済サービス『アマゾンペイ』を開始した。決済サービスを手がけるベンチャー企業のNIPPON PAY(以下、ニッポンペイ)と共同で、都内や福岡市の飲食店で導入している。 その決済方法はいたってシンプル。アマゾンの通販アプリでQRコードを出し、店舗のタブレット端末で読み取り、決済が完了する。クレジットカード決済に対応していない中小・零細の店舗をターゲットに需要を掘り起こす構えだ。「クレジットカードなどのキャッシュレスサービスの場合、手数料と売り上げの入金が1カ月先になり資金繰りが苦しくなる。だから導入しない店が多いのです」(大手信販会社) アマゾンの戦略では、ニッポンペイが決済に必要なタブレット端末を店舗側に無料で配布し、今年12月末までにこのタブレットの導入を申し込めば、'20年12月末まで決済手数料を無料にするという。店舗側にとっては時間やコストの短縮となり、メリットが大きい。 「政府もキャッシュレス化の支援に乗り出し、事業者への補助金や小売店への税制優遇を検討しており、現在、NTTドコモやソフトバンク、LINE、楽天、ヤフーもスマホ決済事業を手掛けている。スマホ決済が広がれば、ネットと実店舗の購入履歴や志向、支払い能力の情報を一挙に集められるので、ユーザー獲得に必死です」(全国紙記者) しかし、現段階では外国人観光客も使いやすい『アマゾンペイ』が優勢との見方が多い。「日本では小売業の人手不足が深刻化している。ITやAIを駆使した無人・キャッシュレス店舗が急速に普及する可能性がある」(メガバンク関係者) さらなる進化では、カード大手のジェーシービーが、手のひらの静脈で本人を識別する生体認証の実証実験を行っている。あと数年後には、買い物から交通機関まで“体の一部”で支払う生体決済が普及する時代が到来しそうだ。
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社会 2018年09月13日 20時30分
世界中が気付き始めた「中国こそ最凶のテロ支援国家」という現実
中国の「シャープパワー」が猛威を振るっている。 シャープパワーとは、中国が世界中で展開する世論工作を指し、買収や威嚇、情報操作に至るまで、あらゆる悪意に満ちた手段を駆使した活動を批判的に揶揄した造語だ。米国のシンクタンクによって命名された。 「シャープパワーの威力は、例えば隣国の韓国を干上がらせたほどです。米国は北朝鮮の弾道ミサイルの発射を早期に探知し、迎撃するために一昨年、高高度ミサイル防衛システム(THAAD)を韓国ロッテ商事が運営するゴルフ場に搬入しました。ところがこれに反発した中国は、韓国商品の輸入規制などの報復措置を実施したばかりか、ロッテ商品の不買運動まで指示したのです。韓国の輸出の26%は中国向けですから、大打撃を受けたのは言うまでもありません」(国際ジャーナリスト) シャープパワーは両刃の剣だ。在カナダ中国人ジャーナリストの盛雪氏は、米国の中国語メディア『新唐人テレビ』で「中国共産党政権は、世界の独裁国家やテロ組織に経済支援を行うことで、後ろ盾であるばかりか、今後、国際テロ組織との結託を強化しようとしている」と暴露した。 「盛氏は、中国当局が国際テロ組織に接近する目的について、『組織を利用して自由・民主主義国家をけん制するのが目的です』との見解を披歴しています。特に“タリバンカード”をチラつかせて、米中貿易戦争で優位に立とうとトランプ米政権に揺さぶりをかけているのです」(同・ジャーナリスト) 英紙フィナンシャルタイムズ(FT)も8月6日付の記事で、《中国当局がアフガニスタンの国際テロ組織タリバンの幹部と頻繁に接触し、中国国内に招いたこともある》と指摘した FTだけでなく、英BBC放送中国語電子版やロイター通信の2016年の報道では、同年7月18日から22日にかけて、中国当局の招聘を受けたタリバンの代表団が中国訪問したという。シェール・モハンマド・アッバス・スタネクザイというタリバン在カタール政治事務所所長が代表団の長を務めた。 「同氏は日本の公安調査庁によると、国連安保理の『アルカイダ&タリバン制裁委員会』から01年2月に制裁対象に指定された人物です。中国当局は、新疆ウイグル自治区などムスリムに寛大であるとアピールするために、タリバンの上層幹部をモスクなどへ案内し、ハラールフードにも招待しています」(同) 英国でさえ、現在の中国共産党政権は、テロリズムと北朝鮮などの独裁政権、ファシズムと共産主義を集結した最も凶悪なテロ組織だと指摘している。
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社会 2018年09月13日 20時00分
ドイツで起きた『難民暴動事件』は日本の近未来か!?
外国人労働者の受け入れにかじを切った日本も将来、ドイツと同じ社会風土になるかもしれない。 ドイツ東部ザクセン州ケムニッツ市(旧東独)で8月26日、35歳のドイツ人男性がイラク出身とシリア出身の2人の難民にナイフで殺害されたことが発端となって、極右過激派やネオナチ、フーリガンが外国人、難民・移民排斥を訴え、路上で外国人を襲撃するなど暴動を起こした。一方9月1日には、それに反対する極左グループが極右グループを襲撃し、18人が負傷するなど険悪な社会になっている。 極右派は8月27日のデモでは約6000人が結集し、「メルケルは退陣せよ」、「難民を止めろ」と書かれたプラカードを掲げたばかりか、ヒトラーを賛美し、ビンや花火玉を極左グループや警察部隊に向けて投げるなどして暴れた。9月1日のデモでは極右派は約8000人、反極右派は約3000人がデモに参加、極右と反極右の両サイドはその動員力を強めている。 極右政党『ドイツのための選択肢』(AfD)のマルクス・フローンマイヤー連邦議員は、「国は国民を守るべき義務があるが、それができないのならば、自身で守る以外にない。ナイフを振りかざす難民を阻止すべきだ」とのコメントを発信し、極右過激派の外国人襲撃、リンチを擁護するとも受け取れる声明を出している。 これに対しメルケル首相は、「路上で外国人を襲撃することは法治国家として絶対に認められない」との声明を出し、極右やネオナチストたちの外国人襲撃を厳しく批判した。 「ドイツには旧西独VS旧東独の根強い対立がある。最大発行部数を誇るシュピーゲル誌によると、旧東独出身のメルケル首相は東独では最も嫌われている政治家といわれます。旧東独出身なのに、出身者を理解していないと受け取られているのです。ですからメルケル首相が旧東独の州を訪問するときは、反メルケル運動を警戒し、首相の身辺警備が強化さるくらいです」(国際ジャーナリスト) ドイツで2015年に100万人を超える難民、移民が殺到して以来、この問題は大きな政治的、社会的課題となってきた。先ごろ、サッカーのドイツ代表の1人、トルコ系移民出身のMFメスト・エジル選手が「独サッカー連盟内の人種差別主義」を挙げ、代表を辞任すると表明したことで、さらに混迷の度合いは深まっている。 日本の未来は平穏無事であることを祈りたいものだ。
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社会 2018年09月13日 12時05分
37歳の男性教師、生徒7人に体罰を行い減給処分 その理由に同情的な声も
兵庫県神戸市の中学校に勤める37歳の男性教師が、生徒7人に対し体罰をしたとして減給処分を受けたことが判明。その内容が議論を呼んでいる。 処分を受けた男性教師は、顧問を務める柔道部の部員4人と受け持つクラスの生徒計3人に対し、頭を叩く、尻を蹴り上げるなどの体罰を与えていた。柔道部の3人は、一時不登校になったという。 教育委員会の聞き取り調査に対し、男性教師は「保護者の了承があり、遅刻や不真面目な態度を理由に体罰をした」と発言。そして、「怪我をさせなければ問題ないと思っていた」と話している。 体罰をした理由は「部活動中にふざけた」「授業中に私語をしたから」だそう。この教師は過去にも保護者から体罰の指摘を受けており、その際には否定していた。今回は否定しきれなかった模様だ。なお、現在男性教師は休職しているという。 このニュースにネットユーザーの反応は様々。「悪いことをしたら叩かれるのは当然」「柔道は悪ふざけをすれば命にかかわる。体罰も致し方ないと思う」「授業中に私語を止めないなら殴られても文句は言えない」「これを注意されたら教育が成り立たない」など、教師に同情的な声も。 一方で、「どんなことでも体罰はダメ」「殴るのではなく言って聞かせるべきだった」「許せない」など、怒るネットユーザーも多かった。 体罰については「どんなことがあってもダメ」という意見と、「言うことを聞かせるのにある程度は仕方ない」という考え方があり、度々議論になる。真剣さが求められる部活動中などでは体罰も致し方ないようにも思えるが、現代の流れは、いかなる理由があろうとも体罰はNGということのようだ。
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社会 2018年09月13日 06時00分
世の中おかしな事だらけ 三橋貴明の『マスコミに騙されるな!』 ★第286回 国際リニアコライダーと伊勢神宮
経済(厳密には「生産活動」)は、五要素で構成されている。資本、労働、技術、需要、資源。 5つの中で資本、労働、技術の3つは「供給能力」の構成要素でもある。ちなみに、資本とはおカネの話ではなく、道路、トンネル、橋梁、鉄道網、空港、港湾、発電所、送電線網、電波塔、通信ネットワーク、ガスパイプライン、上下水道網、建築物、工場、機械・設備、運搬車両といった「生産のために必要な資産(いわゆる生産資産)」を意味している。 資本の上で、生産者が労働を提供し、モノやサービスを生産する。もっとも、各国によって一人の生産者により生産可能なモノやサービスの量は異なる。つまりは、生産性に違いが生じる。 そして、生産性を左右するのが「技術」なのである。 技術なしでは、資本を建設することは不可能だ。高速道路や新幹線を、技術力無しで建設できると考える人はいないだろう。そもそも「資本」主義とは、インド産キャラコに対抗するため、イギリスが綿製品の生産性を向上させる「技術投資」に成功した結果、始まった経済モデルだ。技術力を高め、生産性を向上させることこそが資本主義の基本である。 重要極まりない技術に対する投資を、日本国は疎かにしてきた。信じがたいかも知れないが、日本の研究開発費総額は21世紀に入って以降、全く増えていない。2016年のわが国の研究開発費総額は、18.4兆円。最大の問題は、「対前年比▲2.7%」であることだ。つまりは、日本は'16年に至っても、研究開発費を「節約」している。 研究開発費の対前年比の内訳を見ると、●公的機関 ▲7.3%●企業 ▲2.7%●大学 ▲1.1% と、政府の緊縮財政に企業や大学が引っ張られ、全ての部門でマイナスという情けない状況に陥っているのである。 '16年のアメリカの研究開発費は51.1兆円で、「まだ」世界首位を維持している。そして、中国が45.2兆円。すでに日本の2.5倍であり、かつペースを落とさずに増やし続けている。ちなみに、直近で研究開発費総額を減らしているのは、わが国のみだ。 このままでは、わが国は普通に技術小国に凋落する。というよりも、現実に凋落しつつある。だからこその、国際リニアコライダー(以下、ILC)なのだ。 直線20㎞の超電導空間を建設し、両端から電子と陽電子を光速に近い速度で飛ばし、中央で衝突させることで宇宙開闢の謎を探る。質量の素粒子であるヒッグス粒子を解明する。人類にとって極めて重要な直線型加速器ILCを岩手県北上山地に建設する。これほど現在の日本にとって必要なプロジェクトはない。ところが、例により「予算」「財政」を理由に、日本政府は未だにILC誘致を決定していない。 日本の物理学は、予算削減という荒波を受けながらも、「まだ」世界最高水準を維持していまる。また、北上にトンネルを掘りぬく土木・建設業界の技術力も「まだ」ある。 さらには、IHIや浜松ホトニクスをはじめ、加速器という「超巨大な精密機器」を建設するための工業力も「まだ」存続しているのだ。だからこそ、世界の物理学会は日本にILC建設を委ねようとしている。 ILCを建設することになると、日本の若者が次々にILC関連プロジェクトで働き、既存の技能が磨かれる形で継承されていくことになる。 何しろILCは建設すればそれで終わりというわけではない。建設に10年。その後は30年以上もの期間、運用を続けることになる。つまりは、今の日本の子供たち、あるいはまだ生まれていない子供たちがILCで働き、物理学者、土木・建設技術者、さらには製造業の技術者として「人材」に育ち、日本の将来の供給能力を支えることになるわけだ。 逆に、ILC誘致を断念すると、世界の物理学者は中国が表明している周長57㎞の「SPPC(super proton proton collider)」に向かうことになるだろう。日本の物理学は死に絶える。 さらにわが国は土木・建設業、そして製造業についても、技術を磨く絶好の機会を逸し、衰退への道を歩んでいくことになる。やがて現場の科学者、技術者の方々が一人、また一人と消えていき、技能継承も行われず、わが国は発展途上国に落ちぶれることになるだろう。 勘違いをしている人が少なくないが、技能、技術とは、国家や企業に蓄積されるものではない。実際には、技能も技術も「ヒト」に宿る。そして、ヒトには寿命がある。だからこそ、技術や技能を「次の世代に引き継ぐ」という技能継承の機会を、きちんと「知恵」を絞り、創出しなければならない。 古来より、わが国の先人たちはこの種の「技能継承」の機会創出に、知恵を絞り続けてきた。もちろん代表が伊勢神宮である。 伊勢神宮の本宮は、ご存知の通り「唯一神明造」で作られている。唯一神明造は、弥生時代の穀物倉庫が原型といわれている、途方もなく古い建築様式になる。ピラミッドの建築様式は失われてしまったが、唯一神明造は現代に受け継がれた。なぜ、伊勢神宮の古代の建築様式が残ったのか。もちろん、20年ごとに式年遷宮を繰り返してきたためだ。 '13年10月に遷御の儀が行われた第62回式年遷宮は、20年ごとに1300年以上もの長きにわたり繰り返されてきた神宮の儀式である。一人の宮大工は、生涯に二度、式年遷宮を経験する。一度目は学び、二度目は伝えるのだ。 式年遷宮が継続してきたからこそ、わが国には唯一神明造という太古の建築様式が受け継がれている。 ILCは、技能継承の機会という意味で、日本の物理学、土木・建設、製造といった各分野における伊勢神宮なのだ。********************************************みつはし たかあき(経済評論家・作家)1969年、熊本県生まれ。外資系企業を経て、中小企業診断士として独立。現在、気鋭の経済評論家として、分かりやすい経済評論が人気を集めている。
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社会 2018年09月12日 21時30分
地方議員への恫喝をフェイスブックでバラされた安倍首相陣営
9月20日投開票の自民党総裁選で、トンデモないことがSNSに投稿された。党所属の岡田裕二神戸市議が11日、自身のフェイスブックに、安倍首相陣営からの働きかけを拒否して石破茂元幹事長を支援すると表明したのだ。 岡田市議は投稿で、《もともと私は2012年の総裁選では安倍選対で闘った経緯もあり、今回の総裁選も安倍総理を応援していました。しかし、官邸の幹部でもある、とある国会議員から、露骨な恫喝、脅迫を私たち地方議員が受けており、もはや地方議員の人格否定ともいえる状態になったため、私たち神戸市議、兵庫県議有志は、石破茂候補を応援する決意を固めました。》 とつづり、安倍首相陣営から相当な追い込みがあったことを告白した。 この投稿には励ましのコメントがあり、中には「パワハラで訴えましょう」というものもあった。岡田市議はコメントに「世論に訴える」と返している。 この件は朝日新聞でも記事になり、岡田市議は取材に対して「昔の自民党はこんなに締め付けなかった」と語ったという。 総裁選に関して、安倍首相陣営は石破氏に付く国会議員を選挙後に干すとウワサされていた。それをニオわせるかのように麻生財務相は「負けた派閥は、冷遇を覚悟せよ」と発言したと報道されている。また、野田聖子総務相は推薦人が集まらないように締め上げたともいわれている。岸田政調会長はこれに肝を冷やして出馬を取りやめ、安倍首相の3選を支持したというもっぱらのウワサだ。 理由は、第一次安倍内閣のときに参議院選挙で大敗した安倍首相に石破氏が退陣を迫ったこと。6年前の総裁選で安倍首相は勝利したものの、党員票では165票対87票と倍近い大差をつけられたことが安倍首相のプライドを傷つけたこと。そして森友問題や加計問題で安倍首相に対して「説明責任を全うしていない」と批判をしてきたことが、安倍首相陣営を激怒させたらしい。 すでに議員票では自民党内の7割以上を押さえ、圧倒的といわれている安倍首相陣営は「6年前に石破茂元幹事長が取った得票率は超えたい」と述べ、55%以上の得票率を目指す考えを示した。しかし、それは地方議員への強烈な締め付けであることが、図らずも証明されてしまった格好だ。 今後はさらに反発する議員が出てきそうだが…。