社会
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社会 2013年09月01日 15時00分
森永卓郎の「経済“千夜一夜”物語」 捲土重来ホワイトカラー・エグゼンプション
安倍総理が、ついにホワイトカラー・エグゼンプションの導入に向けて動き出した。ホワイトカラー・エグゼンプションは、米国ではすでに導入されている制度で、仕事の進め方や働く時間を自らコントロールできるホワイトカラーを労働時間管理の対象から外す制度だ。 例えば、クリエイターやデザイナー、ジャーナリストなどは、何時間働いたらどうなるという仕事ではない。そこで、時間管理をやめて、好きなように働いてもらい、成果だけで管理しようというのが、制度本来の趣旨になっている。 ただ、自由な働き方という意味では、日本にも裁量労働制という仕組みがあり、労働者が働く時間を自由に決めることができる。しかし、裁量労働制が導入されても、企業が労働時間管理から解放されるわけではない。従業員が深夜残業をすれば、企業は割増賃金を支払わなければならないのだ。 ところがホワイトカラー・エグゼンプションの対象者は、そもそも労働時間を記録していないから、残業代が支払われることはない。それだけではない。もし従業員が過労死した場合でも、対象者は、労働時間の記録がないから、使用者責任を追及することが不可能に近いのだ。 実は、ホワイトカラー・エグゼンプションが取り沙汰されたのは、今から7年前、第一次安倍内閣のときだった。政府は、制度を導入する労働基準法改正案を準備していたのだ。ところが、その内容が知れ渡るにしたがって「残業代ゼロ法案」とか「過労死促進法案」といった批判の声が高まった。そこで当時の柳沢厚生労働大臣は、「対象者は、年収900万円以上で、実際の適用対象は2万人程度」と、対象者を大幅に絞り込む方針を示した。だが、最後は連立を組む公明党からも批判されるに及んで、安倍総理自らが「時期尚早」として、法案提出を見送る方針を表明し、お蔵入りとなったのだ。 ところが、それがまるでゾンビのように息を吹き返してきたのだ。安倍総理にとっては、捲土重来なのだろう。第一次安倍内閣のときにできなかったことを、いまの高支持のなかで、今度こそ実現しようとしているのだ。 しかも、今回の安倍総理は確実に進化している。いきなり労働基準法の改正を目指すのではない。今年秋に国会に提出される予定の「産業競争力強化法案」のなかに、特定の企業だけに規制緩和を認める「企業実証特例制度」がある。この制度を活用する形で、ホワイトカラー・エグゼンプションの実験的な導入を進める方針なのだ。 産業競争力強化法案の成立後、政府は導入を希望する企業の申請を受け付ける。現時点では、トヨタや三菱重工業などの超一流企業が対象となる可能性が高いといわれている。実に上手い方法だ。 超一流企業で導入すれば、問題点が顕わになる可能性は低い。その実績を踏み台にして、正式に労働基準法の改正案を成立させればよいのだ。 ただ、いくらステップを踏んでも、ホワイトカラー・エグゼンプションの本質は変わらない。サラリーマンが残業代ゼロで過労死寸前まで働かされる時代は、もう、すぐ目の前まできているのだ。
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社会 2013年09月01日 15時00分
正夢それとも… アベノミクス“第4の矢”東京五輪狂騒曲
2020年夏季オリンピック・パラリンピックの開催地は東京で決定−−。 9月7日にアルゼンチンのブエノスアイレスで開かれる国際オリンピック委員会(IOC)総会でいよいよ決まるが、早々とそんな期待を込めた観測が飛び交っている。 NHKは8月19〜21日の3日間、1964年に開催した東京オリンピック招致の秘話などを特集した。市場関係者は「独自の票読みでライバルに勝てるとの手応えを得た。そうでなければNHKが異例の特番を組むわけがない」とエールを送る。実際、何事も賭けの対象にする英国のブックメーカーは、イスタンブール、マドリードのライバル都市を尻目に東京が最初から断トツの一番人気で、今年の初めに1.67倍だった東京のオッズは今や1.30倍の低倍率になっている。 むろん、断然の一番人気だからといって絶対ではなく、2016年の招致では1.72倍で最有力視されたシカゴが敗れ、3.26倍で2番手につけていたリオデジャネイロが勝ち取ったのはご承知の通りだ。このとき東京は8倍で3位だった。 今回も大本命だからといって楽勝とは限らないが、もしオリンピック招致となれば東京都の試算で経済波及効果3兆円とされているだけに、証券業界が熱い視線を送るのも無理はない。 とりわけ6月25日にIOCが3都市の開催能力について報告書を公表し、東京が高い評価を受けると、証券各社は「招致決定」を確信したかのようにオリンピック関連の注目銘柄を次々とピックアップ、これに投資家が群がった。 夏場にかけてヘッジファンドなどが利益確定売りを仕掛けた際に、東証の平均株価が前日比200〜300円安の“軽症”で済んだのは「個人投資家がオリンピック関連銘柄を執拗に買い増したから」(地場証券役員)に他ならない。 その中でも話題を集めているのは岡三証券。同社は「フェイスブック指数」「クールビズ指数」など独自の株価指数を掲げて営業攻勢を行ってきたが、新たに東京五輪開催で恩恵を受けそうな銘柄で構成する「岡三スポーツイベント指数(五輪関連)」を作成、アシックスやデサント、ミズノだけでなく、オフィシャルパートナー契約を締結しているトヨタ自動車なども含まれていることもあって「上昇率は日経平均を大きく上回る」(関係者)。これで東京に決まれば、関連銘柄の株価は一気にフィーバーし、指数はウナギ上りで急騰するだろう。 市場の関心を呼んでいるのは、何もスポーツ関連銘柄ばかりとは限らない。競技場の整備交通インフラ投資は欠かせず、鹿島や大成などの大手ゼネコンはもちろん、準大手・中堅ゼネコンもにわかに鼻息が荒くなってきた。 「国立競技場を建て替えてメーンスタジアムにする計画があり、これだけで1300億円規模に膨らむ。現在の国立競技場は大成建設が手掛けたことから、たとえジョイントベンチャーを組んだところで今回も大成有利は動かない。その分、ライバルは別の工事で美酒にありつきたいと本気で願っている。これを先取りすべく、まだ割安で放置されている中堅ゼネコン株を推奨する証券会社は少なくない。特に晴海(東京・中央区)に計画している選手村は、オリンピック後に一般住宅として販売する予定のため、大手住宅メーカーも参入をもくろんでおり、この界隈で実績を誇る三菱地所や三井不動産、住友不動産といえども足元をすくわれないとも限りません」(情報筋) 東京の経済が活性化すれば土地の価格が上昇することから、含み資産を抱える東京都競馬、よみうりランド、東京テアトルなども先行投資の対象になっている。この分は都が試算した3兆円の経済効果には含まれていない。 同じことが、前回のオリンピック開催に合わせ突貫工事で進められた首都高速道路などの更新にもいえる。これらをカウントすれば経済効果は4〜5兆円に迫る。道理で最近、安倍普三首相サイドから「首尾よく東京招致が実現すれば、アベノミクスにとって第四の矢になる」との期待を込めた声が漏れてくるわけだ。 しかし、繰り返せばIOC総会は9月7日に開催され、日本時間で8日午前5時ごろに判明する。最後まで分からないのは前述の通り。果たして多くの期待通り、東京に白羽の矢が立つか、それとも…。 「欧州では、2018年冬季五輪の開催地が韓国・平昌(ピョンチャン)であることから、『冬夏連続でアジアはない』との声もある。ただ、パリは2024年の開催を目指しており、マドリードに続く開催は難しくなるため、今回は東京支援で欧州を取りまとめるべく画策中です」(五輪関係者) 第四の矢は結局、神風ならぬフランス頼みが真相らしい。
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社会 2013年08月31日 17時59分
福岡・西鉄観光バスの運転手がアルコール検知ごまかし酒気帯び運行
西鉄観光バス(本社=福岡県福岡市博多区)は8月25日、乗務前に義務付けているアルコール検知の呼気検査で、北九州支社所属の男性運転手(49)が検査器に呼気を吹き込むストローに細工をし、同行の運転手(56)が代わりに検査を受けていたと発表した。男性運転手は酒気帯び状態で、乗客35人を乗せてバスを運転した疑いがある。 同社によると、男性運転手は23日に、同行の運転手と2台で、北九州市から観光客計70人を乗せて、熊本県菊池市へ。同市で一泊して、翌24日に戻る予定だった。 貸し切りバスなどの事業者に対しては、11年、改正旅客自動車運送事業運輸規則が施行され、運転手が酒気を帯びていないか、アルコール検知器による確認が義務づけられており、同社でも数年前から乗務前に実施している。 男性運転手は24日午前7時頃、同市のホテル駐車場で検査を受け、呼気1リットル当たり0.109ミリグラムのアルコールが検出された。アルコール分が2回以上検知されれば、乗務禁止となる。同社ではツアー宿泊先での飲酒を禁止している。 検査機は、呼気を吹き込む際に顔写真が撮影され、検査結果のデータとともに携帯電話を通じて自動送信される仕組みになっている。 男性運転手は呼気を吹き込むストローに穴を空け、長さ約1メートルのチューブをつなぎ、2、3回目の検査では、酒を飲んでいなかった同行運転手に身代わりを頼み、呼気を吹き込ませた。その結果、アルコールは検出されず、検査をクリア。男性運転手は何食わぬ顔で乗客35人を乗せ、北九州市までの約170キロの距離を、約2時間半かけて運転した。途中、事故はなかった。 しかし、同社の管理者がバスのドライブレコーダーをチェックしたところ、バスの前で不審な動きをしている2人の映像を確認し、今回の不正が発覚した。 同社の調査に対して男性運転手は「前日(23日)の夜に缶ビールを1本飲んだ。2月に(ストローを)細工をした」などと説明。同行運転手は「頼まれたので、仕方なくやった」と釈明しているという。 同社では過去にも同様の不正をした疑いがあるとして、詳しい調査を行った後に2人を処分する方針。安田堅太郎社長は「今まで聞いたことがない非常に悪質な手口。信頼を著しく損なう行為で、重い処分を検討したい」と謝罪した。 これを受けて、九州運輸局は26日、道路運送法に基づき、運転手が所属する北九州支社(北九州市小倉北区)への特別監査を始めた。担当者が同社に立ち入り、アルコール検査や労務管理に不備がなかったかなどを調査。同社の処分を検討する。(蔵元英二)
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社会 2013年08月31日 11時00分
裁判員制度「不出頭」扱いの矛盾
裁判員制度の施行から4年が経過したが、いまだ制度に反対する声も大きく、裁判員をめぐるトラブルも後を絶たない。 8月、宮崎地裁で裁判員候補者となった女性が、ドメスティック・バイオレンス(DV)被害者であることから、その父親が辞退を申し入れたにもかかわらず、裁判所はそれを認めず「不出頭」扱いにしていたことが明らかになった。それだけではなく、別の事件でも候補者として選んでいたことも判明。のちに父親からの指摘を受け、裁判所は謝罪したという。 正当な理由があれば「辞退」扱いとなるが、そうでない場合「不出頭」扱いとなり、これは裁判員法では「10万円以下の過料を科す事がある」と定められている。しかし、『裁判員制度はいらない! 大運動』の呼びかけ人、ジャーナリストの今井亮一氏は、「過料を科された人は今までいないようなのです。いれば大きく報じられるはずです」と語る。 実際のところ昨年度、呼出状を送られたのは約9万7000人。選任手続日に出席した候補者の数は約4万2000人。事前に辞退を認められた人を含み、半数以上の約5万人は選任手続の日に出頭しなかったことがわかっている。 「国がやっている制度だから自分も参加しなければ…と考えるような“善良”な人がバカを見る制度なんです。もし裁判所が仮に過料を科すとする。しかし、その場合は、第一号を今回のようなDV被害者にするはずはありません。たとえば、裁判員として審理に参加したけど突然来なくなったという場合になるのでは。'09年には、選任直後の裁判員が辞退を申し出て解任扱いになりました。仮に選ばれても『ノー』と言えば、裁判所は従うしかないんですよ」(同) 少しでも不安があれば、気にせず不出頭で通すのが、自分を守る唯一の方法なのか?
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社会 2013年08月30日 11時45分
三井住友銀行グループ社長の男が路上で女性の胸などを触った疑いで逮捕される
兵庫県警生田署は8月28日、兵庫県神戸市内の路上で飲食店員の女性の体を触ったとして、県迷惑防止条例違反容疑で、三井住友銀行子会社のシステム開発会社「さくらケーシーエス」(本社=同市中央区播磨町)社長の男(62=同市中央区加納町)を逮捕した。 逮捕容疑は、27日午後10時10分頃、同区中山手通の路上で、ガールズバーの客引きをしていた女性(18)の胸や下半身を触った疑い。 同署によると、目撃したガールズバー経営の男性が男を取り押さえ、駆け付けた署員が現行犯逮捕した。男は帰宅途中で、酒に酔った状態で、呼気1リットルあたり0.65ミリグラムのアルコールが検出された。 男は「立っていた女性を避けて通る時に、手で払っただけ」と容疑を否認しているという。 同社は三井住友銀行子会社で、東証2部上場企業。69年(昭和44年)3月に設立され、資本金20億5460万円、年商209億円(13年3月期)、従業員数は1098人(13年3月31日現在)。神戸本社の他、東京本社、大阪と姫路に事業所を有している。 男は三井住友銀行執行役員個人統括部長(01年4月)、同常務執行役員個人部門副責任役員(05年6月)、SMBCフレンド証券株式会社専務取締役(07年6月)を歴任。09年6月に「さくらケーシーエス」代表取締役兼副社長執行役員となり、10年4月に代表取締役社長兼社長執行役員(現職)となっている。 同社経営企画部は「世間をお騒がせし、誠に申し訳ありません。現在、警察が捜査中であり、事実関係を確認した上で、適切に対処します。なお、今後公表すべき事項が生じた場合には、速やかにお知らせいたします」とコメントしている。(蔵元英二)
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社会 2013年08月30日 11時00分
マック“脱デフレ”失敗から始まるファストフード消耗戦
マクドナルド、すき家、吉野家など、安さをアピールしてきたファストフード各社が“脱デフレ”の流れに乗れず苦戦している。 日本マクドナルドホールディングスが先に発表した6月中間決算は、営業利益が従来予想より3割も少ない70億円にとどまり、2年続けて中間営業減益となった。原田泳幸社長は決算会見の席で「5月のメニュー改定で値下げした商品があるにもかかわらず、ハンバーガーを120円に値上げしたことを捉えて、マスコミが『100円マックが消えた』と報道したからではないか」と不満をあらわにした。客数が減少し業績ダウンを招いたのは、メディアのせいとの論法である。 「これまでは低価格を武器に客数を伸ばし、好決算を謳歌してきたのですが、脱デフレに舵を切ったアベノミクスではそうも行かない。それを棚に上げてメディアを目の敵にするのは、お門違いです」(経済記者) 一方、壮絶な値下げ競争から“不毛な消耗戦”と揶揄された牛丼業界も、今や戸惑いを隠せない。吉野家はライバルに足並みを揃え、並盛りを280円に値下げして売り上げを急回復させたものの、夏になった途端に息切れ。「お手並み拝見」を決め込んでいたすき家、松屋も前年割れが止まらない。 要するに、景気回復の追い風を感じている消費者には、もう価格が安いだけではアピールできないのだ。 「これをいち早く察知したのが、ファミレスのロイヤルホスト。ステーキ販売で営業増益に転じたように、外食産業は従来よりも価格が高い商品にシフトしている。マックも牛丼各社も高額商品を投入して話題を振りまいてはいるものの、消費者の“安い”の印象はなかなか拭えません。それどころか、デフレ戦略に明け暮れた報いというべきか、この期に及んで再値上げには踏み切れない。お陰で各社はすっかり頭を抱えていますよ」(同) ナルホド「自業自得」とは言い得て妙である。
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社会 2013年08月29日 15時00分
今度は手柄横取り アカン連発で大阪府警が今さら後悔する大量退職問題
大阪府警でまたもアカン“不祥事”が発覚した。地元では不信感が募り、府警も頭を抱える始末。いったい何が起こっているのか。 「今回は手柄の横取り。今年の2月に大阪市都島区のネットカフェで発生した窃盗事件で、店員が犯人を取り押さえたにもかかわらず、都島署の男性警部補が“職務質問が逮捕につながった”かのように捜査書類を作成。これが、検察による起訴の過程で明らかになったのです」(社会部記者) 職務質問による検挙数のアップを狙った可能性もあり、府警では虚偽有印公文書作成等の疑いで捜査に入っているという。 府警では、今年の6月以降だけでも虚偽調書、証拠隠滅、誤認逮捕などの不祥事が発覚し、府民の間からも「不祥事のデパートや」との声も聞こえるありさま。 この事態に、府警関係者はボヤく。 「一部の不心得者のために全体がデタラメであるように言われるのは全く心外。私らから見れば、揚げ足を取るような報道によってオーバーに取り上げられたという事件もある。しかし、不祥事は不祥事ですから、規律厳守と不正の排除は徹底させます。不祥事バッシングによる士気の低下も心配ですね。だから『落ち込むな! 緊張感を持ってやれ!』ですよ」 自己弁護にも聞こえるが、確かに士気低下で治安が乱れては困る。しかし、根本的な原因は何なのか。別の府警関係者からは、こんな声も聞こえてくるのだ。 「今の府警は、'70年の大阪万博前後に大量採用されたクラスが退職期に入り、人員的に非常にアンバランスになっているんです。そのしわ寄せで、どこも仕事がきつくなっており、それが失態を招く原因の一つでもあると思います。そんな状況の中でみんな必死にやっている。プレッシャーが、新たな不祥事を生まなければいいのですが」 同じ不祥事でも、今年起きた巡査長の痴漢や巡査の婦警への暴力事件などは、ストレスや職場環境以前の問題。人員不足とレベル低下対策に真剣に向き合わない限り、不祥事根絶は難しそうだ。
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社会 2013年08月29日 15時00分
「みんなの党」解党寸前 崩壊を加速させる女帝・渡辺喜美夫人のやりたい放題
「愛する党を離れざるを得なくなり、はらわたがちぎれるほど残念だ−−」 こう吐露したのは、みんなの党の渡辺喜美代表から「野党再編画策は党の方針と異なる」「出ていってくれ」と迫られ、離党に追い込まれた柿沢未途前政調会長代理。ところが、この前代未聞の内紛劇が思わぬ波紋を呼んでいる。実は離党勧告には、陰で「みんなの党の女帝」と恐れられる渡辺代表の妻・まゆみ夫人の意向が強く働いていたとの見方が浮上しているのだ。 その理由を党関係者がこう明かす。 「発端は、参院選時に桐島ローランドを東京選挙区に擁立したことなのです。実を言うと同氏が擁立されたのは、渡辺代表の側近である松田公太参院議員が、まゆみ夫人に紹介したことから。夫人が気に入り、猛プッシュしたといわれていた。ただし結果は大惨敗。そのため、責任を追及しだした柿沢とまゆみ夫人の間に、暗闘が渦巻き始めたと見られていたのです」 ちなみに、参院選の責任を糾弾する柿沢氏は、8月7日に江田憲司幹事長とともに政調会長代理の座を更迭されたが、バトルの火種はその後もくすぶり続けていると評判だったのだ。 「柿沢は参院選直後の両院議員総会でも、『こんな候補を誰が擁立した。バカじゃねえのか!』と桐島擁立をなじり、『夫人の逆鱗に触れた』ともっぱらだった。それゆえ、政調会長代理更迭時にも『果たしてこれだけで済むのか』との声が多く、今回の離党勧告にも夫人の意向を指摘する者が絶えないのです」(別の党関係者) ただ、そうは言っても常識的に考えれば、代表夫人の意向が議員の除籍を促すなどは有り得ないこと。ところが、同党にはその下地ができ上がっているというのである。 「夫人は結党時から党運営に口出ししてきたが、それがエスカレートしたのは今年1月、週刊誌に渡辺代表とテレ朝女性記者の不倫騒動が報じられてから。今では、渡辺は完全に尻に敷かれた状態なのです」(前同) もしも、これが事実とすれば、同党が内紛で木っ端微塵となる日も近いのかも。
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社会 2013年08月29日 12時00分
テレビキー局の株買い占め? 準備を進める麻生一族の“野望”
麻生太郎副総理の一族が経営する『麻生』が、東京のテレビキー局の株買い占めに動き始めたともっぱらである。 同社は九州を本拠地とするRKB毎日放送の株を買い占め、現在その株を67万株まで買い増しし、第3位の大株主として食い込んでいる。 「すでに『麻生』は子会社で人材派遣会社『アソウ・ヒューマニーセンター』のスタッフを送り込み、派遣社員数の9割を占めるほどです」(テレビ業界関係者) そこで、今度はキー局に焦点を移した模様。すでに東京には“先兵”が着任、内々に経営状況などの調査を進めているようだ。 『麻生』が送り込んでいるのは麻生副総理の長男、将豊(まさひろ)氏、28歳。 『エクストーン』なる会社のオーナーで『ニコニコ動画』の市場調査、企画、開発、保守業務などを担当している。 もう一人が麻生巌(いわお)氏、39歳。麻生副総理の甥で『麻生』全体の社長。『ニコニコ動画』の親会社『ドワンゴ』の取締役でもある。2人の経歴は次の通りだ。 ●麻生将豊氏=慶応幼稚舎からずっと慶応で慶応大卒。米ミズリー州ウィリアム・ジュエル・カレッジにも留学経験がある。細身、長身で、さわやかなイケメン。 ●麻生巌氏=こちらも慶応幼稚舎から慶応大までの慶応ボーイ。大学卒業後、2010年に社員数2000名の『麻生』社長に就いた。オールバックの髪型のせいか実際の年齢より年上に見える。眼光鋭く根っからの商人だ。 この2人が『麻生』のテレビ局株買い増し、もしくは買収計画のキーマンである。 『麻生』は昨年12月に、手始めに老舗出版社『ぎょうせい』を買収。金額は300億円以上とされる。 「霞が関にもっとも食い込んでいた出版社で本社は銀座。そのせいか『麻生』は現東京支社のある千代田区九段から、テレビ局支社が多く、世界的な広告代理店である『電通』が近い銀座に本社を移すと囁かれています」(業界事情通) そして、次の標的にしているのがキー局であるという。 「親会社のないTBSを欲しがっています。株買い占めには金はかかるが、グループ全体が潤うのが狙い」(九州財界筋) 麻生一族の“野望”は、とどまるところを知らない。
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社会 2013年08月29日 11時45分
女教師が教員免許失効隠して、神奈川・相模原の小学校で勤務
神奈川県警相模原署は8月26日、教員免許が失効しているのを隠して、同県相模原市の市立小学校で臨時教員を務めていたとして、無職の女(44=同市緑区橋本)を、教育職員免許法違反(無免許)容疑で逮捕した。 逮捕容疑は、4月から7月10日の間、すでに失効していた教員免許を同市教育委員会に提出し、同市南区の市立小学校で4年生の担任として勤務したとしている。 女は08年3月、福島県教委から、適性を欠くなどとして解雇する分限免職処分を受けた。この処分歴を隠して、昨年4月に埼玉県教委に教員として採用され、同県内の小学校で勤務していた。しかし、経歴詐称が発覚し、同10月に懲戒免職となり、同時に教員免許が失効した。同県教委は免許状の返還を求めたが、女は「紛失して手元にない」と虚偽の説明をして保管し続けた。 相模原市教委に対しては、福島、埼玉両県教委での処分歴を隠し、失効していた教員免許状を提出して採用されていた。 女が過去の経歴を話したがらないため、不審に思った同僚がインターネットで調べたところ、埼玉県で懲戒免職処分を受けていたことが発覚。校長が7月1日に同市教委へ通報。同市教委は採用を無効にするとともに、同罪容疑で県警に告発していた。 調べに対し、女は「免許が無効になったのは、埼玉県だけだと思っていた」などと、白々しい言い訳をしているという。 教員免許の失効者情報は自治体間で通知文書によって共有されているが、同市教委では女を採用する際に確認を怠っていた。 同市教委は今回の事件を受け、今後、失効者リストによる確認、インターネットなどでの失効情報の収集などを徹底し、再発防止に努める。 昨今、同様の事件が頻発している。免許が失効していながら、教員として勤務する側も問題だが、失効情報を確認しないまま、採用する教委側にも大きな問題がありそうだ。(蔵元英二)