逮捕容疑は、4月から7月10日の間、すでに失効していた教員免許を同市教育委員会に提出し、同市南区の市立小学校で4年生の担任として勤務したとしている。
女は08年3月、福島県教委から、適性を欠くなどとして解雇する分限免職処分を受けた。この処分歴を隠して、昨年4月に埼玉県教委に教員として採用され、同県内の小学校で勤務していた。しかし、経歴詐称が発覚し、同10月に懲戒免職となり、同時に教員免許が失効した。同県教委は免許状の返還を求めたが、女は「紛失して手元にない」と虚偽の説明をして保管し続けた。
相模原市教委に対しては、福島、埼玉両県教委での処分歴を隠し、失効していた教員免許状を提出して採用されていた。
女が過去の経歴を話したがらないため、不審に思った同僚がインターネットで調べたところ、埼玉県で懲戒免職処分を受けていたことが発覚。校長が7月1日に同市教委へ通報。同市教委は採用を無効にするとともに、同罪容疑で県警に告発していた。
調べに対し、女は「免許が無効になったのは、埼玉県だけだと思っていた」などと、白々しい言い訳をしているという。
教員免許の失効者情報は自治体間で通知文書によって共有されているが、同市教委では女を採用する際に確認を怠っていた。
同市教委は今回の事件を受け、今後、失効者リストによる確認、インターネットなどでの失効情報の収集などを徹底し、再発防止に努める。
昨今、同様の事件が頻発している。免許が失効していながら、教員として勤務する側も問題だが、失効情報を確認しないまま、採用する教委側にも大きな問題がありそうだ。
(蔵元英二)