逮捕容疑は、教員免許が失効しているのを知りながら、今年4月5日から12日までの間、埼玉県秩父市上影森の市立影森中学校で、数学の臨時教員として勤務した疑い。
同法違反容疑で、逮捕に至るケースは過去にほとんど例がないが、県警は悪質性が高いとみて逮捕に踏み切った。
インターネットで古畑容疑者の名前を調べた秩父市の中学校の生徒の保護者が、「過去に有罪判決を受け、教員免許が失効しているのでは」と学校側に連絡し、本人に問いただしたところ、無免許が発覚。4月12日、埼玉県教育委員会が採用を取り消し、7月に刑事告発していた。
古畑容疑者は今年5月20日に埼玉県教委に免許を返納したが、それ以前の同月上旬に群馬県教委に免許を提示し、同県片品村立片品北小学校の代替教諭に採用されていた。
県警や各地の教育委員会によると、古畑容疑者は85年、佐賀県教委から教員免許を授与された。05年、福岡県福岡市の中学校に勤務時に児童買春・ポルノ禁止法違反容疑で逮捕され、有罪判決を受け教員免許を失効したが、07〜10年、無免許のまま山口県山口市の私立高校で勤務した。
10年6月には山口県教委から免許再交付を受け、11年4〜11月に大阪府貝塚市立の中学校に勤務。しかし、山口市での無免許勤務が発覚し、12年4月に教育職員免許法違反罪で罰金の略式命令を受けた。12年9〜今年3月には埼玉県日高市立の中学校で勤務していた。
12年10月には、道交法違反(無免許運転など)の罪で、懲役10月執行猶予4年の有罪判決が確定し、再び免許は失効。だが、古畑容疑者は教育委員会や勤務校に申告せず、無免許での勤務を繰り返していたとみられる。
埼玉県教委は「秩父市での採用時に、免許状を持参してきたので信用してしまった。今後は免許状や経歴について、各都道府県教委と密接に連絡を取りながら十分に確認し、採用に当たる」とコメントした。
教育職員免許法は、無免許で教員になった者は30万円以下の罰金と定め、免許失効時には速やかに返納するよう求めている。だが、有罪判決による失効の場合、本人の申し出がなければ把握が難しいこともあるというが、そこを是正しなければ、同様の不正行為はなくならないだろう。
(蔵元英二)