学校法人上智学院(本部・東京都千代田区=高祖敏明理事長)は3月29日、教え子の女子学生にセクハラメールを送りつけたとして、上智大短期大学部(神奈川県秦野市)の高野敏樹学長(62)を同27日付で解任したと発表した。
高野前学長の教授としての籍は残っており、今後、懲戒処分も検討するという。後任には同28日付で、上智大の滝沢正学長が就き、両職を兼任する。
同学院によると、高野前学長は学長代行を務めていた昨年8月中旬〜9月末、当時20歳の女子学生の携帯電話に、好意をほのめかす内容のメールを約60通送りつけた。そのうち、約20通は深夜や未明の送信だった。メールの具体的な文言は、女子学生のプライバシー保護を理由に明らかにしていないが、「名前を呼び捨てにするなど、通常の連絡とは言えない内容だ」としている。
女子学生が今年2月、上智学院のハラスメント対策委員会に申し立てて発覚。高野前学長は行為を認めた上で「あくまで教員と学生という関係の中で連絡したつもりだったが、セクハラと言われても仕方がない」と話しているという。
高野前学長を任命した責任を取って、同学院では理事長並びに理事5人の役員報酬を2カ月間50%減額することを決めた。
同学院は「多大な苦痛を余儀なくされた当該女子学生に対し、心からお詫びを申し上げます。また、すべての学生、保護者をはじめとする関係者の方々に対し、甚大なご迷惑と不快感を与えたことについて、お詫び申し上げます。今後、このような事態を2度と起こさないよう、教職員のモラル向上と再発防止に努めて参ります」とコメントした。
高野前学長は中央大学法学部卒業、上智大学大学院法学研究科修士課程修了。同専攻の博士課程を満期単位取得退学。
調布学園短期大学英語英米文学科教授、田園調布学園大学人間福祉学部教授を経て、上智短大英語科科長、上智大学短期大学部英語科科長を歴任し、昨年、上智大学短期大学部の学長に就任していた。
(蔵元英二)