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千葉・柏の消防士長が運転免許証偽造し無免許で救急車運転

 消防士が無免許で救急出動していたという、衝撃の事実が明らかになった。

 無免許で救急車を運転したとして、千葉県柏市消防局の消防士長・渋谷賢容疑者(41)が道交法違反(無免許運転)容疑で9月4日、柏署に逮捕された。渋谷容疑者は「免許証を取得したことはなく、偽造した」と供述しており、なんと無免許で5年以上、救急患者の搬送を続けていたことが判明した。

 同消防局によると、渋谷容疑者は高校卒業後の90年4月に柏市消防局に採用された。記録では、90年2月に免許証を取得したことになっていた。07年4月から救急隊員となり、4日午後、同市内で患者を搬送する直前に、接触事故を起こして逮捕されるまで、実に2223回も救急車を運転したという。

 同消防局は、07年に富山県などで消防職員による道交法違反事件が相次いだことを受け、08年から免許証のチェックを強化。配置替えの度に免許証のコピー提出を義務付け、勤務に入る前に隊長が確認したり、月初めには担当者による確認を行っていた。しかし、確認はコピーの提出や目視にとどまり、免許証を手にとっての確認はしなかったという。

 渋谷容疑者は同消防局と県警柏署によると、他人の免許証をパソコンに取り込み、写真や有効期限を偽造していた。

 同消防局の羽石清二局長は5日に会見し、「市民の安心、安全を守るべき職員が不祥事を起こしたことを深くお詫びします」と謝罪。西部消防署の菊地芳男署長は、「確認するのは有効期限や違反の有無。まさか偽造までは考えなかった」と釈明した。同消防局は、今後より細かいチェック体制を検討するという。

 免許証をうっかり更新せず、失効したままだったということなら、まだ話は分かるが、免許自体を取得したことがないのに、虚偽の申告をし続けていたとは悪質だ。しかも、5年間も、人の命を預かって運転しておきながら、偽造を見抜けなかった消防局のチェック不足も問題である。
(蔵元英二)

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