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福岡・西鉄観光バスの運転手がアルコール検知ごまかし酒気帯び運行

 西鉄観光バス(本社=福岡県福岡市博多区)は8月25日、乗務前に義務付けているアルコール検知の呼気検査で、北九州支社所属の男性運転手(49)が検査器に呼気を吹き込むストローに細工をし、同行の運転手(56)が代わりに検査を受けていたと発表した。男性運転手は酒気帯び状態で、乗客35人を乗せてバスを運転した疑いがある。

 同社によると、男性運転手は23日に、同行の運転手と2台で、北九州市から観光客計70人を乗せて、熊本県菊池市へ。同市で一泊して、翌24日に戻る予定だった。

 貸し切りバスなどの事業者に対しては、11年、改正旅客自動車運送事業運輸規則が施行され、運転手が酒気を帯びていないか、アルコール検知器による確認が義務づけられており、同社でも数年前から乗務前に実施している。

 男性運転手は24日午前7時頃、同市のホテル駐車場で検査を受け、呼気1リットル当たり0.109ミリグラムのアルコールが検出された。アルコール分が2回以上検知されれば、乗務禁止となる。同社ではツアー宿泊先での飲酒を禁止している。

 検査機は、呼気を吹き込む際に顔写真が撮影され、検査結果のデータとともに携帯電話を通じて自動送信される仕組みになっている。

 男性運転手は呼気を吹き込むストローに穴を空け、長さ約1メートルのチューブをつなぎ、2、3回目の検査では、酒を飲んでいなかった同行運転手に身代わりを頼み、呼気を吹き込ませた。その結果、アルコールは検出されず、検査をクリア。男性運転手は何食わぬ顔で乗客35人を乗せ、北九州市までの約170キロの距離を、約2時間半かけて運転した。途中、事故はなかった。

 しかし、同社の管理者がバスのドライブレコーダーをチェックしたところ、バスの前で不審な動きをしている2人の映像を確認し、今回の不正が発覚した。

 同社の調査に対して男性運転手は「前日(23日)の夜に缶ビールを1本飲んだ。2月に(ストローを)細工をした」などと説明。同行運転手は「頼まれたので、仕方なくやった」と釈明しているという。

 同社では過去にも同様の不正をした疑いがあるとして、詳しい調査を行った後に2人を処分する方針。安田堅太郎社長は「今まで聞いたことがない非常に悪質な手口。信頼を著しく損なう行為で、重い処分を検討したい」と謝罪した。

 これを受けて、九州運輸局は26日、道路運送法に基づき、運転手が所属する北九州支社(北九州市小倉北区)への特別監査を始めた。担当者が同社に立ち入り、アルコール検査や労務管理に不備がなかったかなどを調査。同社の処分を検討する。
(蔵元英二)

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