交通局によると、運転手は4月29日午後5時45分頃、同市大正区の大正橋停留所で、乗客が料金200円(大人料金)を料金箱に入れて支払った際に、小児ボタンを操作。釣り銭返却口から出てきた100円を着服したとされる。この手口で、同日に計300円を着服したという。
不審に思った別の乗客が運転手に注意した上で、住之江営業所に通報し発覚した。
これを受け、運転手に事情聴取したところ、当初は否認。しかし、ドライブレコーダーの映像を確認したところ、この日だけで3回着服する様子が映っており、運転手も認めた。
着服は同日だけではないもようで、運転手は「4月上旬頃からやり始めた」と話しており、交通局などが被害実態を調べている。
運転手は交通局職員ではなく、市が運行を業務委託している大阪運輸振興株式会社(同市西区)の社員で、勤続年数は4年2カ月。同社では運転手を、懲戒免職処分とすることを検討している。
交通局では「同社に対し、当該運転手への厳正な対処を求めるとともに、全運転手に乗車料金の取り扱いについて厳正を期すなど、再発防止策を講じるよう指示しました。 また、同社においてコンプライアンス意識の徹底がなされるよう管理、監督に努めてまいります」としている。
同社は市営バスの8営業所のうち、3営業所で運行を受託している。市ではバスの民営化に向け、路線の一部を同社に譲渡する方向で検討している。だが、こんなことが起きていては、市民の理解は到底得られないのではなかろうか。
(蔵元英二)