「今回は手柄の横取り。今年の2月に大阪市都島区のネットカフェで発生した窃盗事件で、店員が犯人を取り押さえたにもかかわらず、都島署の男性警部補が“職務質問が逮捕につながった”かのように捜査書類を作成。これが、検察による起訴の過程で明らかになったのです」(社会部記者)
職務質問による検挙数のアップを狙った可能性もあり、府警では虚偽有印公文書作成等の疑いで捜査に入っているという。
府警では、今年の6月以降だけでも虚偽調書、証拠隠滅、誤認逮捕などの不祥事が発覚し、府民の間からも「不祥事のデパートや」との声も聞こえるありさま。
この事態に、府警関係者はボヤく。
「一部の不心得者のために全体がデタラメであるように言われるのは全く心外。私らから見れば、揚げ足を取るような報道によってオーバーに取り上げられたという事件もある。しかし、不祥事は不祥事ですから、規律厳守と不正の排除は徹底させます。不祥事バッシングによる士気の低下も心配ですね。だから『落ち込むな! 緊張感を持ってやれ!』ですよ」
自己弁護にも聞こえるが、確かに士気低下で治安が乱れては困る。しかし、根本的な原因は何なのか。別の府警関係者からは、こんな声も聞こえてくるのだ。
「今の府警は、'70年の大阪万博前後に大量採用されたクラスが退職期に入り、人員的に非常にアンバランスになっているんです。そのしわ寄せで、どこも仕事がきつくなっており、それが失態を招く原因の一つでもあると思います。そんな状況の中でみんな必死にやっている。プレッシャーが、新たな不祥事を生まなければいいのですが」
同じ不祥事でも、今年起きた巡査長の痴漢や巡査の婦警への暴力事件などは、ストレスや職場環境以前の問題。人員不足とレベル低下対策に真剣に向き合わない限り、不祥事根絶は難しそうだ。