社会
-
社会 2008年06月26日 15時00分
北朝鮮核施設“爆破ショー”のでたらめ、あす27日決行
北朝鮮があす27日、核施設の“爆破ショー”を行うことに注目が集まっている。前代未聞のショーが決行されるのは、平壌市から北に約80kmの寧辺(ニョンビョン)にあるポンコツ施設。各国の代表的メディアが生中継取材などを予定しているが、実際は古くて使い物にならないといわれる施設を派手にドカーンと吹き飛ばすだけ。金正日総書記による、世界を相手にしたデタラメなショーである。 爆破するのは、高さ約20mの原子炉冷却塔で、北朝鮮の核開発計画を象徴する建物といわれる。いわゆる片田舎の寧辺には核施設が集中しており、1994年に米国の偵察衛星によってこれら施設が発見された。 既に本紙をはじめ世界各国の大多数のメディアがその写真を入手している。本来ならば、このテの施設は存在を知られてはならず、写真を撮られるなどもってのほか。建物の老朽化もあって事実上用済みになっている。 北朝鮮はこのショーに、米CNNテレビ、韓国MBCテレビ、ロシアのタス通信など6カ国協議参加国をそれぞれ代表するメディアを招待しているといわれる。特別に撮影を許可することによって、その映像を全世界に配信させ、核放棄をアピールしたいからだ。実際、CNNは生中継を行う予定という。 しかし、その実効性には冷ややかな見方がある。北朝鮮事情通は「冷却塔のみならず、寧辺の核施設は老朽化が激しい。いわばポンコツだ。使い物にならない代物を爆破によって解体する、まさしく“ショー”に過ぎない」と指摘する。 しかも今回、北朝鮮のほうからメディアに取材に来ないか?と声を掛けておきながら、「参加費」の名目で取材費をせびっているとの未確認情報もある。事実とすれば、相変わらずのしたたかさである。 映画好きの「将軍様」がいかにも好みそうな派手な演出。この爆破ショーを強気に押し進める背景には、米国との核交渉が大詰めを迎えていることがある。北朝鮮はきょう26日にも「すべての核計画の申告」を米側に提出する予定で、これを受けたブッシュ政権は「テロ支援国家指定リスト」から北朝鮮を除外する手続きに入るとみられる。 リストから外されれば、世界各国から経済援助を得られるようになり、膨大な資金が北朝鮮に流れ込むことになる。関係諸国にも米朝関係の良好さを印象付けられる。 テロ支援国家指定リストに北朝鮮が明記されてから20年が経った。その間の北朝鮮の窮状は巷間伝えられている通りで、指定解除は長年の悲願だった。 常に最小限の犠牲で最大限の利益を得ることを考える金正日総書記。拉致被害者問題が解決しないうちに、まやかしのショーに高い入場料が支払われるとしたら、なんとも皮肉な話である。
-
社会 2008年06月26日 15時00分
タスポ“裏特需”と未登録者の“落とし穴”
7月1日から首都圏で導入される未成年者喫煙防止のためのICカード「taspo(タスポ)」をめぐって、対面販売式店舗が“駆け込み特需”に沸いている。タスポなしではほとんどの自動販売機でたばこを購入できなくなるため、未登録者向けに在庫を大量ストック中。面倒くさい気持ちはよ〜く分かるが、喫煙者は登録したほうがはるかに手っ取り早い。 都内の某コンビニエンスストア店長によると、未登録者のまとめ買いや客数増加を見込んで通常の5〜6倍にあたる在庫を抱えているという。 「タスポが浸透するまでの勝負だよ。いずれはみな登録するだろうから“特需”のようなもの。思い切って多めに仕入れたんだ」と店長。レジ内に山積みされた段ボール箱を、アルバイトの女の子が手際よくさばいた。 たばこの自販機は全国で43万8753台。うちタスポ対応機は41万5958台(5月27日現在)と94.8%を占める。未成年者が購入できなくなることから、全国たばこ販売協同組合連合会は8月にも自販機の深夜稼働を解禁する方針。夜中に買えるのは便利だ。 イメージ先行で「手続きが難しそう」「面倒くさい」と登録を避けている人もいるが、申し込みは案外簡単だ。所定欄に氏名・生年月日・電話番号・住所などを記入し、顔写真を張り付けたら、運転免許証など本人確認書類のコピーと一緒にタスポ運営センターあてに送るだけ。約2週間後、配達記録郵便で自宅にカードが届く。発行手数料と年会費は無料だ。 現金を2万円までチャージできる電子マネー「ピデル」が付いているため、小銭の煩わしさが解消されるのも大きい。 申込書はタスポのホームページからダウンロードできる。顔写真は3分間写真でOK。一部のたばこ店ではサービスで撮ってくれるほか、投かんまでの手続きをするヘルプイベントも各地で随時行っている。 日本たばこ協会・未成年者喫煙防止対策室の横谷博氏は「カードが導入されるとすぐに申し込み数が増えるんですよ」と話す。“たばこ1000円大増税”論争にイラついている折、自販機で買えずイライラを募らせては体に毒。不便になってようやく必要性を実感するぐらいなら、早めに登録したほうがよさそうだ。
-
社会 2008年06月25日 15時00分
毎日新聞“低俗英字サイト”閉鎖騒動の波紋
毎日新聞社の英文サイト「毎日デイリーニューズ」で、週刊誌などが報じた社会風俗記事を英訳して紹介するコーナー「Waiwai」が閉鎖に追い込まれる騒動があり、毎日新聞はけさ25日の朝刊紙面に読者へのおわびを掲載した。同社に「内容が低俗すぎる」などと抗議があったため。ネット上では集中抗議を呼びかけるなど騒動になっていた。 同コーナーで紹介された記事は出典が明記されており、週刊誌や月刊誌、写真誌にタブロイド紙と幅広い。具体的には「六本木のレストランで豚を獣姦し、その後で食べた」といったキワモノ系や、「女性はSEXについては冗舌だが、マスターベーションには口を閉ざす」と性慣習に絡む記事が目立った。 海外で日本が“児童ポルノ天国”と揶揄(やゆ)されていることを踏まえてか、「日本のティーンはバイアグラを使ってウサギのようにSEXする」「日本の女子高生は刺激を求めてノーブラ&ノーパンになる」「高齢売春婦人気の裏で、日本では小学生売春婦にも仕事がある」などと、10代の性実態を報じる記事を積極的に取り上げていた。 同サイトは2001年に立ち上げられ、スタート当初から続いた「Waiwai」は約7年間で幕を閉じた。ネットでは厳しい批判にさらされているが、数多くの社会風俗記事から話題性のある一本をよりすぐる選別眼は確かなものだった。 果たして、大手新聞社が“低俗な記事”を英訳するのはそんなにとがめられるべきことなのか? 毎日新聞は本紙の取材に「先月末に抗議が来て、これまで掲載した記事の内容をチェックした結果、コーナーを閉鎖することに決めた。現在詳細を調査しており、紙面での読者への報告については紙面で明らかにする」(社長室広報担当)と回答。23日までに電話やメールで約300件の抗議があったという。 同サイトでは「おわび」と題して担当のデジタルメディア局から経過説明がなされている。それによると、批判内容は「このような記事を英語で世界に発信した影響をどう考えるのか」「日本が誤解される内容を広めているではないか」といった意見が大多数。 同社は監督責任者らを厳重に処分する方針としている。25日の紙面でもこうした経緯が説明された。 一方、ネット上で批判する声は、出典元にも飛び火する勢いで「『実話ナックルズ』『週刊実話』『特冊新鮮組』などの実話誌・タブロイド紙の記事を元にして書かれていた。日本ではコンビニの隅で読み捨てられていく雑誌である」などと実名を挙げてばっさり。「しかし、それが毎日新聞のサイトから配信されると意味合いが異なってくる」と“ゴミ記事”扱いでこきおろしている。 批判を受けて以降の同コーナーでは、これらの雑誌に代わって、同社発行の週刊誌「サンデー毎日」から記事を紹介するようになったという。 ネットでは「日本人の母親は中学生の息子のためにフェラチオをする」「福岡の米祭りは、顔にベトベトの白い液体を塗るため、AV業界が『顔射』と呼ぶものによく似ている」などといった記事が、世界中に配信されたことを問題視している。○おわび要旨 批判を受けた記事は日本国内で発行された雑誌の一部を引用したものとはいえ、サイトに掲載したことは問題があった。その時点で削除し、それ以外に問題がありそうな過去記事もアクセスできないようにした。その後、編集方針を改め、掲載記事の選択基準も大きく変更した。しかし、過去の記事の紹介の仕方に不適切なものがあったこと、今後同様の批判を受けることがないよう、確かな編集体制をつくろうと根本的な見直しを行い、6月21日、当該コーナー廃止を決定した。読者の意見を真摯に受け止め、信頼される情報の編集、掲載に努める。
-
-
社会 2008年06月25日 15時00分
AKB48のサイトに殺人予告 無職少年逮捕
東京・秋葉原の無差別殺傷事件を受け、人気女性アイドルグループ「AKB48」の公式サイトで殺人を予告したとして、警視庁万世橋署は24日までに、威力業務妨害の疑いで東京都立川市の無職少年(18)を逮捕した。AKB48は秋葉原の劇場を拠点に活動するグループ。“暴走ファン”の愚行に、メンバーはショックを受けるに違いない。 調べでは、この少年は秋葉原事件の2日後にあたる10日午後10時ごろから約3時間にわたって、AKB48の公式携帯サイト掲示板に「秋葉原 消したい。尊敬する人 加藤智大容疑者。名古屋に襲撃。6月8日の歩行者天国のように。射殺、または串刺し」などと26回書き込んだ疑い。15日には名古屋公演があり、主催者側は万が一に備えて警備員を増やすなど対策せざるを得なくなった。 少年宅からは銃や刃物などの凶器は見つかっておらず、悪質な偽犯行予告だった疑いが強まっている。名古屋公演は特に混乱もなく無事終了したという。 少年は、AKB48が昨年末のNHK紅白歌合戦に出場する以前からのファンだったもよう。3年前にサイトに会員登録。「自分が書き込んでも(メンバーから)返事が来ないので、目立つ書き込みをすれば返事が来ると思った」などと身勝手な供述をしている。 秋葉原の事件以降、インターネットの掲示板などへの犯行予告の書き込みが後を絶たない。全国で業務妨害や脅迫、軽犯罪法違反の疑いで12人が逮捕、書類送検を含むと13〜30歳の計17人が23日までに警察当局に摘発された。こんなバカなことはいい加減にやめろ!といいたい。
-
社会 2008年06月24日 15時00分
大阪駅通り魔事件で逮捕の38歳女、あきれた供述とクレーマー体質
JR大阪駅で女性3人が刃物で切りつけられて軽傷を負った通り魔事件で、大阪府警曽根崎署捜査本部が23日に傷害容疑で逮捕した神戸市西区池上の無職大山和歌容疑者(38)のあきれた供述内容とクレーマー体質が浮かび上がってきた。事件直前、ささいなことで駅員に「どないしてくれるんや!」と大阪弁ですごんでいた。 大山容疑者は、捜査本部の調べに「やっていない。考えさせてください」などと供述しているという。否認しておきながら何を「考えさせてくれ」というのか、さっぱり分からない。任意同行時は顔をこわばらせていたが、いまは落ち着いているという。 あきれるのは供述内容ばかりではない。大山容疑者は22日の事件当日、自宅最寄のJR明石駅から大阪市内の知人宅に向かう途中、扉に体をはさまれたことで激怒。乗り換え駅の大阪駅で事件を起こし、逃走後に降りた弁天町駅で駅員にすごんでいた。 「体を挟まれたやないの!あんた、どないしてくれるんや!夜また電話するからな!」などといちゃもんをつけ、トラブルを起こしていたという。クレーム処理にあたった駅員が同容疑者の顔を覚えていたことが逮捕の決め手のひとつとなった。 府警が公開した防犯カメラの映像を見た知人が「大山容疑者に間違いない」と捜査本部に情報提供し、浮上した。捜査本部には計約60件の情報が寄せられたという。 扉に挟まれたことが直接の犯行動機かは調べを待たないとわからない。しかし、同容疑者の犯行だとすれば、通り魔事件を起こしたあとで駅員にかみついているわけだから極度のクレーマー体質といえそうだ。 これまでの調べでは、大山容疑者は22日午後1時半ごろ、大阪駅の大阪環状線ホームに向かうエスカレーターや同線ホーム上で、兵庫県西宮市の女子大生(20)と奈良県香芝市の女性会社役員(52)、大阪市の女子大生(20)のそれぞれ左上腕部を、手元に忍ばせたカッターナイフのような小型の刃物で切りつけ、軽傷を負わせた疑い。 さらに大山容疑者と防犯カメラに写っていた黒い帽子の不審な女の身長が一致していたことが24日、新たに判明。体格が酷似していたこともあって逮捕に踏み切ったという。捜査本部は動機を追及するとともに、見つかっていない凶器と黒い帽子を全力で探す。 防犯カメラに写った女は黒の帽子とワンピースを着用。画像を分析した結果、身長は大山容疑者と同じ約160cmだった。普段からワンピースやミニスカートなどを着用することが多いという。
-
-
社会 2008年06月23日 15時00分
大阪駅通り魔事件、黒いワンピース姿に女装説浮上
JR大阪駅で女性3人が切りつけられるなどした通り魔事件で、逃走した黒いワンピース姿の女に“女装説”が23日浮上した。大阪府警捜査1課は同一犯による犯行とみて、曽根崎署に捜査本部を設置。逃げた人物の行方を追っている。 事件は22日午後1時半ごろ、大阪市北区のJR大阪駅の大阪環状線ホームで発生した。 奈良県香芝市の女性会社役員(52)と大阪市大正区の女子大生(20)が何者かに次々と刃物で左腕を切りつけられ、軽傷を負った。さらにホームに向かうエスカレーターの踊り場でも兵庫県西宮市の女子大生(20)が左腕2カ所を刃物で突かれ、軽いけが。犯人は逃走したが、人物を特定するヒントが残された。 駅ホームのカメラには、大阪市の女子大生が目撃した不審な女がばっちり写っていた。いずれの現場でも、不審な30〜40代ぐらいとみられる女が目撃されており、身長160cmで小太り、胸までの栗毛色の髪で、つばの広い黒い帽子に黒色のワンピース姿。白いショルダーバッグを持っていた。 西宮市の女子大生は黒い帽子の女が隣を通り過ぎるのを目撃。ほかの被害者も事件前後に、近くで同じ格好の女を見たという。服装からして女性とみられるが、小太りで体格がよく、行動が大胆なうえ、肝心の人相が帽子に隠れて判然としない。ワンピース姿ならば女性だろうと思うのが自然。捜査をかく乱する目的があったとすれば、現段階では“女装”の可能性も否定できない。 捜査本部はカメラの画像を解析するとともに、犯行状況を詳しく調査中。駅周辺のカメラの画像も分析するなどして人物の特定を急いでいる。 23日までの調べで、大阪市の女子大生は背後から切りつけられたとみられることが新たに分かった。女子大生が大阪環状線ホームで内回り電車を待っている際、“女”が後ろからゆっくり歩いて接近。電車が駅に着いてこの女子大生が乗り込もうとすると、すぐ後ろに立って左腕を振りかざすようなしぐさをしているのがホームのカメラに。 女子大生は直後に、左腕を切られていることに気付いた。一方、会社役員は西宮市の女子大生が襲われた直後、エスカレーターでホームに向かう際にバッグがぶつかるような感覚があり、その後出血に気付いている。 会社役員の傷は長さ約6cm、大阪市の女子大生は約12cm。軽傷で済んだのはよかったが、東京・秋葉原の無差別殺傷事件から間もない日曜の犯行とあって、大阪にショックが広がっている。
-
社会 2008年06月21日 15時00分
石原知事「コンビニ24時間営業って本当に便利かね?」と仰天セレブ発言
地球温暖化対策のため埼玉県などがコンビニエンスストアの深夜営業自粛要請を検討していることについて、東京都の石原慎太郎知事(75)は20日の定例会見で「好ましいと思う。そんなに都民にとってコンビニエントかね、コンビニエンスストアって?」などと同調する私見を述べた。 24時間営業するコンビニを「風俗の乱れの引き金になったり、場合によったら犯罪のひとつの要因になったりする。そういうことを鑑みても、私は一晩中開いているストアが都民にとってコンビニエント(便利)だとは思わないね」とばっさり。深夜の消費ニーズにも「果たして本当に需要があるのかどうか」と疑問を投げかけた。 コンビニの深夜営業をめぐっては、省エネの観点から埼玉県や京都市が自主規制を求める方針を示し、神奈川県の松沢成文知事も追随に積極的な考えを明らかにしている。しかし生活様式の変化や防犯上の理由などから24時間営業する意義も大きく、事業者側からは反発する声が上がっている。 石原知事は、最終的には庁内で意見収集したうえで基本姿勢を決めるとしたが、都内のコンビニは深夜でもそれなりに賑わっている。 実態を知らないセレブ発言ともいえそうだ。
-
社会 2008年06月19日 15時00分
福田首相が上機嫌「キムタクに勝った!」
内閣支持率が下げ止まった福田康夫首相(71)が、最近は上機嫌という。これ以上落ちようのないラインから少し上がったぐらいで喜んでもしょうがないが、理由はそれだけではないらしい。SMAPの木村拓哉(35)が総理大臣役に挑んでいる話題のテレビドラマ「CHANGE」(フジテレビ系)の視聴率を、内閣支持率が逆転したため、「キムタクに勝った!」とほくそ笑んでいるとの仰天情報をキャッチした。 福田首相にとっては価値ある支持率下げ止まりとなった。共同通信の最新電話世論調査(12〜13日)によると、福田内閣の支持率は25.0%で、発足以来最低だった前回5月の調査から5.2ポイントも上昇。参院で首相問責決議可決を受けた緊急調査だっただけに、永田町では「まさか!の風が吹き荒れた」(関係者)と驚きの声が上がっているという。 日本経済新聞が5月下旬に行った世論調査でも前回と比べプラス3ポイントの24%で、下落にブレーキがかかったことがうかがえる。一時は洞爺湖サミットを花道に勇退か?とまでいわれたのだから、息を吹き返した感はある。 一方、期待に反して数字が伸びないのがキムタク主演のドラマ「CHANGE」(毎週月曜午後9時〜)だ。視聴率男のキムタクが史上最年少の総理大臣役に挑むことでオンエア前から話題になったが、ふたを開けてみればライバル視する日本テレビ系ドラマ「ごくせん」(仲間由紀恵主演、土曜午後9時〜)に完敗。ビデオリサーチ調べによると、最新の16日放送分は関東地区世帯視聴率が19.1%。3週連続で20%割れと低迷している。 永田町関係者が冗談めかして言う。 「人気、知名度、話題性とも抜群の“朝倉首相(キムタクの役名)”が視聴率20%を割り、マスコミに悪口ばかり書かれている福田首相が支持率20%台を回復した。ノリの悪い福田首相がこのところ妙に元気なのは、取り巻きが『キムタクに勝っちゃいましたね』などと持ち上げたせいだというウワサがある」 確かに、ここ2〜3週間の福田首相は元気いっぱいだ。たとえば最新のメルマガ(12日号)のタイトルは「あきらめないこと。福田康夫です」。短いフレーズの中に自信がみなぎっている。 国際宇宙ステーションの宇宙飛行士・星出彰彦さんとの交信を振り返りながら、地球温暖化問題に取り組む決意を表明。星出さんが、夢を実現するために大切なことを「あきらめないこと」と子どもたちに答えたエピソードを紹介し、共感するように「厳しい道のりは今始まったばかりですが、一歩ずつ着実に歩みを進めたい」と力強く言い切っている。 「ドラマは小泉前首相の首相秘書官だった飯島勲氏が監修しており、“キムタク首相”の言動はどことなく小泉首相と似ている。志を貫くためには古参議員との衝突もいとわず、ぶっきらぼうであっても自分の言葉で話す。郵政民営化を貫き、政治をワイドショー化した小泉前首相そのもの。国民ウケを狙ったパフォーマンスを心底嫌う福田首相にしてみれば、ドラマがコケてさぞ痛快だろう」(政治記者) しかし喜んでばかりもいられない。共同通信の調査では、福田首相を支持する理由で最も高かったのが「ほかに適当な人がいない」の47.1%。キムタク首相のドラマを毎週楽しみにしている視聴者には、そんなネガティブな理由で見る人がどれだけいるか? 芸能関係者は「同じ20%ラインの攻防であっても、視聴率と内閣支持率では数字の持つ意味が異なる。プライムタイム(午後7〜10時台)のドラマで20%はまずまずだけど、内閣支持率のそれは完全アウトでしょ?」と指摘した。○政治ドラマのジンクス 芸能関係者によると、政治ドラマはコケるというジンクスがある。 2001年秋の日テレ系「レッツ・ゴー!永田町」は、週刊誌の連載漫画を原作に、実在する議員の名前をもじるなど政治の裏側をコミカルに描いた作品。主役の政治家秘書にとんねるずの石橋貴明、和泉俊一郎首相役に岩城滉一ら豪華なキャスティングで臨みながら視聴率はおおむね1ケタ台。 1997年春の三谷幸喜脚本によるフジ系「総理と呼ばないで」は唯一の例外で、初回20%超えをマーク。史上最悪の首相を田村正和が演じて完成度も高かった。それでもクール中盤は数字がとれず、平均視聴率は14.4%に落ち着いた。 「CHANGE」は「ごくせん」との対決では分が悪いものの、5月12日の初回20%超えからスタート。6月2日から最近3回は19.3、19.5、19.1%と落ち込んでいる。芸能関係者は「フジが強力に番宣(番組宣伝)をかけた“月9枠”なのに、視聴率で同局ドラマ『ラスト・フレンズ』にも抜かれてしまった。新聞の号外を真似て作ったチラシをまいたり、車をプレゼントするキャンペーンをやったり、相当金はかけている」と話す。次回23日の第7話は放送時間を15分拡大する予定。三谷ドラマのようにV字回復なるか?
-
社会 2008年06月17日 15時00分
ワッハ上方移転縮小問題で、橋下知事説教役に島田紳助浮上
府財政再建のため上方お笑い文化の象徴である大阪府立上方演芸資料館(ワッハ上方)を移転縮小する方針を崩さない橋下徹大阪府知事(38)に対し、業界関係者から「恩知らず」と厳しいバッシングの声が上がっている。府が家賃を払う吉本興業の大出血譲歩にも頑として譲らないためだ。そこで橋下知事の説得&説教役として、吉本の大物タレント島田紳助氏(52)の“出馬”が期待されているという。 橋下氏にとって紳助がテレビ界の“育ての親”であることは間違いない。日テレ系「行列のできる法律相談所」にレギュラー出演時、紳助は何かと子だくさんネタや下ネタなどで突っ込み、弁護士らしからぬ“茶髪の風雲児”のイメージをつくり上げるのに一役も二役も買った。 その紳助はいまや吉本を引っ張る大物芸人。ワッハ上方をめぐる橋下氏の態度は、恩人の顔に泥を塗りたくるようなものだという。 「橋下氏は、テレビ出演で知名度を上げたからこそ知事になれた。紳助にイジられて“お笑い100万票”を味方につけた。知事になった途端、手のひら返しはいただけません」(民放関係者) ワッハ上方は大阪・難波にある吉本興業所有のビルに入居しており、橋下氏は2007年度に府が約4億2800万円の賃料などを拠出していることを「高額すぎる」と指摘。財政難の折、移転の検討が始まった。 慌てた吉本興業の吉野伊佐男社長は5月29日、わざわざ橋下氏に面会し「存続を考えてほしい」と頭を下げた。移転のカギとみられた賃料についても50%カットを提案。ところが府がこのほど公表した「財政再建プログラム案」では移転が動かなかったのだから関係者が怒るのも無理はない。 ワッハ上方の伊東雄三館長は「初めから結論ありきだ」とカンカン。吉本興業は「一方的に発表された移転・縮小の決定は極めて遺憾」などとする社長名コメント(別項)を発表した。 存続派の“刺客”には、作家の藤本義一氏をはじめ、喜劇脚本家の林千代さん、漫才コンビの海原さおり・しおりさん、漫才師の喜味こいしさんと、お笑い界の大御所がずらり。義理堅く礼節を重んじる性格で知られる紳助が一肌脱いでもおかしくない。 一方、橋下氏は府知事選出馬を表明した際に紳助ややしきたかじんに背中を押されて腹を固めたなどと明かしており、タレント業にとどまらぬ大先輩と位置付けている。紳助には選挙演説のアドバイスまで受けていた。 「橋下知事は若い割に相当な頑固者で、言い出したら外部の意見に耳を貸さない印象が強い。吉本のためにも紳助が問題解決に乗り出すのがベスト。さすがに恩人の“説教”はこたえるんじゃないか」(業界関係者) 宮崎県の東国原英夫知事(50)がいまも師匠のたけしに頭があがらないように、橋下氏は紳助に逆らえないだろうというわけ。こんな話もある。 「4月下旬オンエアの『行列のできる法律相談所』で橋下氏が知事就任後、初めてゲスト出演したとき、紳助が『府議会議員の嫌われ者です』などと茶化しながらスタジオの爆笑を誘ったんです。真骨頂は『橋下知事が結果を出せなかったときは、4年後私が大阪府知事になります!』とやったこと。でたらめな公約まで挙げ、『こんなふうにされたくなかったら、あと3年半見守りましょう。アカンかったら4年後は私が!』と繰り返した。これほど嫌みのないエールは見たことがない」(民放関係者) 橋下氏はこのやりとりの後、「ワッハNO!」を貫いたことになる。果たして紳助の胸中やいかに?吉本興業は本紙の取材に「私どもはコメント(別項)以上のことは答えていない」と素っ気なかった。○ワッハ上方移転縮小問題 府の財政難から移転縮小される見込み。なんばグランド花月の真向かいに1996年開設。上方演芸の貴重な資料を展示し、テレビ・ラジオの演芸番組の映像&音源計1900本を視聴する設備や大ホールを備える。 賃貸借契約が2011年3月まで残るため、府はその後に移転する方針。吉本の最新提案は、残る契約期間を前倒しして、すぐ賃料を半額にすることを柱としている。 橋下氏は7月1日開会の臨時府議会に移転縮小案を提出予定。2008年度補正予算案は前年度比3300億円削減の緊縮型。ワッハ上方は「移転先も聞いていないし、現場のスタッフとの話し合いもない。非常に無責任」(広報)と憤りつつ、逆ギレを警戒して「知事に再考をうながしたい」(同)と慎重な姿勢。20日には知事あてに現地存続を訴える上申書を提出する。 府生活文化部文化課は「吉本興業さんには非常に大胆なご提案をいただきましたが、その賃料すらいまの財政難では厳しい」と話す。 橋下氏はこのほど、8月から給与カットされることに反発した府職員に「私のやり方が合わないなら職を変えて」と言い放っている。 府立体育館は逆転存続が固まった。○吉本興業のコメント そもそもワッハ上方の設立は「『笑い』という大阪を中心にした上方の伝統文化を、恒久的に後世に残せる施設をつくりたい」という府の計画が発端。その趣旨に賛同して府の協力要請を受け、用地購入や、府の要求に従ったビルの設計・建築を行い、内装工事でも資金面を含め多大な協力をした。度重なる要請により12年間で都合5回の賃料引き下げにも応じた。 加えて府財政再建プログラム案や府生活文化部の意向を尊重して真摯に交渉に応じ、5月29日には当社によるホール運営や賃料値下げの具体的提案をさせていただいた。かかる経緯があるにもかかわらず府より一方的に発表された移転・縮小の決定は極めて遺憾であると言わざるを得ない。存続に向け可能な限り交渉を継続したい。
-
-
社会 2008年06月16日 15時00分
アキバ歩行者天国中止でメイド産業大繁盛!? 無差別殺傷事件から1週間
無差別殺傷事件から1週間たった15日、東京・秋葉原の中央通りは歩行者天国中止の日曜日を迎えた。沿道や駅頭には警察官が立つ厳戒態勢が敷かれ、滞留場所を失ったコスプレイヤー(レイヤー)やカメラ小僧(カメ子)はひたすら歩き回るしかなかった。“避難先”や“合法撮影ポイント”としてメイド喫茶などがにぎわった。 ゲームキャラの女装をした豊島区に住む専門学校生(20)は「きょうはそこらじゅう歩き回って疲れた。ホコ天は撮影場所であり休憩場所でもあったんです。カメ子は少ないし、レイヤーはいったいどこに行けばいいのか」と憤った。 千葉在住の男性パフォーマー(23)は「早くホコ天を再開してほしい。ホコ天を中止することが事件の解決策とは思えない」などと延々と不満をぶちまけた。横から仲間の男性が「ヲタ芸を踊る場所を返せ!」と叫んだ。 1973年に始まった歩行者天国の一時中止が決まってから初の日曜日。事件現場となったアキバのメーンストリートである中央通りには十数メートル間隔で警察官が立ち、周辺一帯を頻繁にパトロールした。平日にはゲリラ的に即席撮影会やライブなどのパフォーマンスが行われるJR秋葉原駅前でも早朝から警察官が目を光らせた。 たまる場所のなくなったアキバで、歩き疲れたカメ子やレイヤーはメイド喫茶やゲームセンターなどに逃げ込むしかなかったという。「歩きっぱなしじゃ体力が続かないですよ」と弱音を吐く男性もいた。 一方、街頭でビラを配るメイドさんは「事件の影響でお客さんが減るかと思っていたら、むしろ多かったですね」と話す。全体的には人通りが少ないと感じる商店主が多い中、複数のメイド系店舗に確認したところ、日曜日の客入りとしはまずまずで初めて来る客が目立ったという。 通常の日曜日であれば、歩行者天国にはきわどい衣装の女性レイヤーやB級アイドルがあふれる。あっという間にカメ子の輪ができる。ひたすらシャッターを切るカメ子軍団には、地面すれすれからスカートの中を狙うローアングラーも少なくない。4月に大股開きの過激パンチラパフォーマンスで逮捕された沢本あすか容疑者(30)まではいかなくとも、撮られる女性側にもある程度許容するムードがあった。撮影の合間に女の子とお話もできた。 しかし、事件からまだ1週間とあってそうした被写体女性はほとんど見あたらず、ホコ天という都合のいい“集合場所”もなくなった。そもそもメイド系産業は多様化しており、有料でメイドさんの撮影会を実施するところもあれば、店外デートをして思う存分話すこともできる。当面はお金を払って撮ったり話をすることになり、メイド業が活性化しそうだ。 警視庁捜査本部は捜査態勢を増強したほか、被害者を救護した70人以上を聴取し付近の聞き込みを続けている。目撃情報などから襲撃状況の再現を急ぎ、派遣社員加藤智大容疑者(25)を7人の殺人容疑で再逮捕する方針だ。 秋葉原の歩行者天国中止は8日の17人殺傷事件を受け、13日に当面の中止が決まったもの。千代田区が地元商店街や町会と話し合い、警視庁万世橋署を通じて東京都公安委員会に要請した。事件前から常識を逸脱した行為が問題視されていたため、本来のホコ天のあり方を含め再開するか否かを検討していく。少なくとも事件で亡くなった7人の四十九日法要が営まれる7月末までは再開されない見通し。対象区域は駅前中央通りの約800メートル。