同コーナーで紹介された記事は出典が明記されており、週刊誌や月刊誌、写真誌にタブロイド紙と幅広い。具体的には「六本木のレストランで豚を獣姦し、その後で食べた」といったキワモノ系や、「女性はSEXについては冗舌だが、マスターベーションには口を閉ざす」と性慣習に絡む記事が目立った。
海外で日本が“児童ポルノ天国”と揶揄(やゆ)されていることを踏まえてか、「日本のティーンはバイアグラを使ってウサギのようにSEXする」「日本の女子高生は刺激を求めてノーブラ&ノーパンになる」「高齢売春婦人気の裏で、日本では小学生売春婦にも仕事がある」などと、10代の性実態を報じる記事を積極的に取り上げていた。
同サイトは2001年に立ち上げられ、スタート当初から続いた「Waiwai」は約7年間で幕を閉じた。ネットでは厳しい批判にさらされているが、数多くの社会風俗記事から話題性のある一本をよりすぐる選別眼は確かなものだった。
果たして、大手新聞社が“低俗な記事”を英訳するのはそんなにとがめられるべきことなのか?
毎日新聞は本紙の取材に「先月末に抗議が来て、これまで掲載した記事の内容をチェックした結果、コーナーを閉鎖することに決めた。現在詳細を調査しており、紙面での読者への報告については紙面で明らかにする」(社長室広報担当)と回答。23日までに電話やメールで約300件の抗議があったという。
同サイトでは「おわび」と題して担当のデジタルメディア局から経過説明がなされている。それによると、批判内容は「このような記事を英語で世界に発信した影響をどう考えるのか」「日本が誤解される内容を広めているではないか」といった意見が大多数。
同社は監督責任者らを厳重に処分する方針としている。25日の紙面でもこうした経緯が説明された。
一方、ネット上で批判する声は、出典元にも飛び火する勢いで「『実話ナックルズ』『週刊実話』『特冊新鮮組』などの実話誌・タブロイド紙の記事を元にして書かれていた。日本ではコンビニの隅で読み捨てられていく雑誌である」などと実名を挙げてばっさり。「しかし、それが毎日新聞のサイトから配信されると意味合いが異なってくる」と“ゴミ記事”扱いでこきおろしている。
批判を受けて以降の同コーナーでは、これらの雑誌に代わって、同社発行の週刊誌「サンデー毎日」から記事を紹介するようになったという。
ネットでは「日本人の母親は中学生の息子のためにフェラチオをする」「福岡の米祭りは、顔にベトベトの白い液体を塗るため、AV業界が『顔射』と呼ぶものによく似ている」などといった記事が、世界中に配信されたことを問題視している。
○おわび要旨
批判を受けた記事は日本国内で発行された雑誌の一部を引用したものとはいえ、サイトに掲載したことは問題があった。その時点で削除し、それ以外に問題がありそうな過去記事もアクセスできないようにした。その後、編集方針を改め、掲載記事の選択基準も大きく変更した。しかし、過去の記事の紹介の仕方に不適切なものがあったこと、今後同様の批判を受けることがないよう、確かな編集体制をつくろうと根本的な見直しを行い、6月21日、当該コーナー廃止を決定した。読者の意見を真摯に受け止め、信頼される情報の編集、掲載に努める。