社会
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社会 2008年09月14日 15時00分
アキバに麻生主役「総裁選まんじゅう」新登場
自民党総裁選(22日告示)5候補の似顔絵が入った“総裁選まんじゅう”がきょう14日、東京・秋葉原で新発売されることが本紙の取材で分かった。商品名は「男は何度でも挑戦するぜ!」。ど真ん中にアキバで人気の麻生太郎幹事長がひときわ大きく描かれている。各候補が地方遊説バトルを展開する中、それでも揺るがぬ“麻生当確”の空気感を示している。 総裁選まんじゅう「男は何度でも挑戦するぜ!」を緊急発売するのは、政治菓子を手掛ける大藤(東京都荒川区)。パッケージは笑顔の麻生太郎幹事長(67)を中心に据え、石原伸晃元政調会長(51)、小池百合子元防衛相(56)、石破茂前防衛相(51)、与謝野馨経済財政担当相(70)を背後に従えている。 吹き出しには「四度目の正直だぜ!」のべらんめえ調が光る。 同社の大久保俊夫社長(60)は「告示日に商品化することを思いつき、スタッフと急ピッチで作業を進めてきました。なんといっても話題性がありますからね。商品名は男の中の男である太郎ちゃんらしいネーミングにしました」と話す。 この新商品は、JR秋葉原駅から徒歩約5分の中央通り沿いにある「アキバ愁満ビル」(千代田区外神田4-6-1)できょう14日正午から販売される。同ビルは本紙アキバ探検隊記事で既報の通り、昨冬“段ボール肉まん”騒動のパロディ商品を販売していたが、夏場は休眠中だった。ここに期間限定で「太郎ちゃん勝手に応援ショップ」なるものを開き、新商品のほか麻生氏キャラの菓子5種類と福田首相キャラの商品もそろえるという。ビルにはデカデカと麻生氏の似顔絵入りで「オレ達の太郎」と記した巨大看板を掲げる。 気になるまんじゅうの中身は、黒糖こしあんと白皮つぶあんの2種類を入れた“紅白”ならぬ“黒白”混合で「白黒決着まんじゅう」という位置づけ。ほかの商品からの転用はないという。 12個入りで630円。 同ショップは14(日)、15(月祝)、20(土)、21(日)、22(月)、23(火祝)の6日間限りとなる。
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社会 2008年09月13日 15時00分
金正日総書記「重病説」のウラに新・軍事行動説
金正日総書記の「重病説」が世界中を駆け巡ってから、きょう13日で5日目になる。金総書記の安否については「重病説」「死亡説」「回復説」などさまざまな情報が乱れ飛んでいるが、どれも確定的なものではない。そんな中、北朝鮮が新たな軍事行動に出るとの観測も流れている。軍事パレード欠席は何らかのサインなのか。いったい北朝鮮で何が起こっているのか、これまでの経緯と今後の行方を追った。 重病説の口火を切ったのは、韓国紙・朝鮮日報だった。同紙は9日午前、中国駐在の韓国大使館関係者の話として「金総書記が先月22日に(健康悪化のため)倒れた、という情報を入手した」と速報。同日午後に予定されていた北朝鮮建国60周年の軍事パレードに金総書記が姿を現さなかった場合は「健康に深刻な問題があるものとみなければならない」とした。 実際、パレードに金総書記の姿はなく、重病説はまたたく間に世界中に広がった。 その後、金総書記の病状についてはさまざまな憶測が流れている。韓国大統領府は10日、「脳血管疾患による脳卒中から回復中であり、現時点で深刻な状況ではない」と発表。これで落ち着くかに見えた。 ところが11日、金総書記の三男・正雲氏の身に致命的な危険が生じ、精神的ショックを受けたことで金総書記が倒れたとする“新説”が登場。情報は錯そうし、その真相をめぐって依然として迷走状態が続いている。 重病説自体がカモフラージュで、近く北朝鮮が軍事行動に踏み切るのではないかとの観測もある。米朝関係は核問題をめぐって混とんとした状態が続いている。 一時は米国が北朝鮮に対するテロ支援国家指定の解除を行うとし、それを受けた北朝鮮が核関連施設を派手に爆破するなど、解決に向け順調に進んでいた。 しかしその後、「核検証手続き」と「指定解除」のいずれを先にするかでこじれ、米国は先月11日に実施予定だった指定解除を先延ばしすることを表明。反発した北朝鮮は「核施設の無能力化措置を中断する」との声明を発表した。 北朝鮮事情に詳しい評論家の河信基氏は「米朝関係が停滞したままであれば、来月10日の朝鮮労働党創建記念日に正規軍が登場し、そのままミサイル・核実験再開へと突き進む可能性がある」と警鐘を鳴らす。 今回、北朝鮮は軍事パレードに正規軍ではなく、民兵組織を参加させている。それについて河氏は、「今後の行動を暗示する北朝鮮流のメッセージだ」と指摘する。アーミテージ元米国務副長官が9日に「個人的には北朝鮮が近いうちにミサイルを発射すると思っている」と語ったことも見当外れには聞こえない。 AP通信は10日、北朝鮮が新たに長距離ミサイル発射施設の建設を進めているとし、米情報当局者の話として「いつでも使用可能な状態」と報じている。この施設が近々使用されないという保証はどこにもない。 北朝鮮は2006年にミサイル発射実験、核実験を相次いで行ったが、その際も金総書記の動静が途絶えたことがあった。今回も金総書記は健康体で、策を弄するために籠っているとも考えられる。 「重病説」「軍事行動暗示説」のいずれも現状では不確かだが、北朝鮮情勢に不穏な空気が漂っていることは確かだ。○新たな長距離ミサイル発射基地建設中 韓国筋の事情通によると、北朝鮮が新たに長距離ミサイル発射基地の建設を進めているのは同国西海岸エリア。「ポンドン里という静かな集落で、8年以上前から大型建機を持ちこんでひそかに建設に着手している。最先端兵器を集中させる狙いのようだ」(事情通)という。 衛星写真を民間専門家が分析した結果、新施設建設が進行していることが裏付けられた。米情報当局もその存在は把握している。発射台のほか、ロケットエンジンのテスト施設などもあり、より大型のミサイル発射や短時間での連続発射も可能とみられている。 北朝鮮は06年夏、東海岸の咸鏡北道花台郡舞水端里のミサイル基地から長距離弾道ミサイル「テポドン2号」を発射した。新施設はこのミサイル基地より大規模で、設備なども充実しているもよう。専門家は「北朝鮮が弾道ミサイル開発を続けている明確な証拠」と指摘する。 韓国の李相喜国防相もこの情報をキャッチしており、「工事は概ね80%まで進んでいる。注視しているところだ」と事実認定。新施設の正確な位置関係は明かしていないが、韓国メディアは北朝鮮北西部の平安北道鉄山郡だと報じている。
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社会 2008年09月13日 15時00分
小泉元首相が唐突に小池支持表明 石原知事は“何も言えねえ”状態突入
自民党総裁選(22日投開票)でぶきみな沈黙を守ってきた小泉純一郎元首相(66)は12日、小池百合子元防衛相(56)の支持を表明。前日の「何も言えねえ」発言から一転した。長男の伸晃元政調会長(51)が立候補している石原慎太郎都知事(75)は同日の定例会見で、プッシュする候補について“何も言えねえ”状態に突入していることを明かした。さて麻生太郎幹事長(67)の圧勝ムードは動くか? さすが変人!と言うべきかもしれない。小泉氏が舌の根の乾かぬうちに態度をコロリと変えた。 小池氏の選対本部に届いたメッセージは「小池総裁なら小沢民主党といい勝負ができる」というもの。 前日11日夜、新人議員のセミナーに出席した際には「5人の候補者はみな小泉内閣の閣僚。この時点で『だれを(推す)』と言うのは、ちょっとちゅうちょしている。北島選手じゃないけど、何も言えねえ」とやって爆笑を誘ったばかり。それから1日とたたず小池氏支持を表明したわけだから、摩訶不思議な話である。 いずれにせよ、小泉氏の援護射撃を待ち望んでいた小池氏にとっては追い風になった。国民的人気を背景にいまも小泉チルドレンをはじめ政界に影響力を持っており、ムードを一変させる可能性を秘めている。なにより政局好きでサプライズ好きだから、対立候補陣営に与える心理的プレッシャーも相当なものだろう。 さて、小泉氏が小池氏支持を明らかにしたのは12日午前のこと。前日夜からこの間に表立ってあったことといえば、読売新聞の同日朝刊でかつて政務秘書官を務めた右腕・飯島勲氏がインタビューに答えている。 飯島氏は昨秋の総裁選をめぐり、小泉氏とけんか別れ。敵対関係にあった福田康夫氏を小泉氏が支持すると表明したことで「もうついていけない」となったからだ。その飯島氏が紙上で「与謝野氏支持」を表明し、小泉氏がどの候補を応援するかについて「(応援は)ないでしょう。沈黙していても誰かに投票するでしょう」などと答えた。結果的には読みは数時間ではずれたことになる。 一方、石原知事発言は、各候補による論戦が始まったことを踏まえ、記者団からあらためて質問を受けて答えたものだ。 「そんなこと、自分の息子がいま頑張っているんだからね…」と述べつつ、すんでのところで具体名を挙げるのを避けた。 「ここでまた『息子』と言ったら、『親バカ』って言われるし。俺は何も言わないのに、週刊誌見たら『親バカ』って書かれている(笑)。アタマくるけど。それ(具体名)はやっぱり言わんほうがいいでしょう。まあ結論はなんか出てると思いますけどね」 麻生氏圧勝ムードのなか、直接投票数には結びつかないものの、伸晃氏は各紙世論調査で首相にふさわしい候補として2番手につけている。 一方、各候補の掲げる政策については、まず国家公務員や議員定数の削減などに取り組むべきとし、「そういう合理化もしないで何を説いたって、あんまり国民に訴えてこないと思いますな」とぴしゃり。さらに「地方分権について誰もモノを言わないですな。やる気があるのかないのか、どうやって変えるかってことも、若いこれからのリーダーたらんとする人たちだったら言及してもらいたい」と注文をつけた。 石原氏は先週5日の会見で「そりゃ親だから声援はしますよ」「あれは2世(議員)じゃない」などと述べていた。 麻生氏優勢はそう簡単に覆りそうもないが、次は誰が“何も言えねえ”状態になるか?
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社会 2008年09月13日 15時00分
2016年東京五輪招致にAKB48投入 狙いはヲタク層取り込みか
2016年五輪招致を目指す東京都が、秋葉原で超人気のアイドルグループ「AKB48」を招致活動に投入し、世論形成力のある“ヲタク層”らの取り込みを狙っていることが12日わかった。 同日、新時代のラジオ体操ともいうべき「TOKYO体操」を都庁内で発表。AKB48はこの体操を普及させるイメージリーダーに就任、若い世代のスポーツ熱を高めるのに一役買う。 石原慎太郎知事(75)は「オリンピック実現に向けたキャンペーンの手立てになれば」と期待を込め、アイドルらと何度も決めポーズをとった。 AKB48の大島麻衣(21)、大島優子(19)、倉持明日香(19)、戸島花(20)、秋元才加(20)、さらに“メタボ中高年代表”の漫画家・蛭子能収(60)が実技を披露。ゆる〜いリズムに乗せた体操は、ダンス風エクササイズと座って行う2パターンあり、高齢者や運動不足のおじさんでも楽しめそうだ。西城秀樹の「YMCA」よろしく、「T・O・K・Y・O」などと踊る。 大島麻衣は「東京オリンピックで踊れたら楽しいな。盛り上げていきたい」とやる気満々。 石原知事は発表直前、記者団に「私はもっと激しい運動してますから、あんなものやりませんよ」と豪語していたものの、カメラマンによる再三の決めポーズ要求にへばっていた。
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社会 2008年09月12日 15時00分
主役食った!? 丸山議員KYサングラス応援演説
自民党総裁選(22日投開票)は11日、東京・渋谷駅ハチ公前で5候補そろい踏みで街頭第一声。麻生太郎幹事長(67)、与謝野馨経済財政担当相(70)、小池百合子元防衛相(56)、石原伸晃元政調会長(51)、石破茂前防衛相(51)が約5000人の聴衆を前に党再生を誓った。各候補とも党内から応援弁士を立てたが、与謝野氏を応援する弁護士の丸山和也参院議員(62)はマフィア気取りのサングラスにキャップという奇抜なスーツ姿で登場。有権者からは「ありゃ全然反省しとらんわ」とあきれる声が続出した。 自民党支持者で杉並区在住の60代男性は「サングラスで有権者の前に立つ神経を疑いますよ。福田首相の唐突な辞任でこれだけ批判を浴びているのに、全然反省の色が見られない。自民党は終わったと思う」とタメ息をついた。 町田市の主婦(52)は「丸山さんはタレント気分が抜けていないんでしょう。サングラスでカッコつけてどうしたいのか?テレビに出ているころは好きだったけど、演説内容も全くおもしろくありませんでした」と不快感をあらわにした。 午後3時半すぎ、ハチ公前で候補者登場を待つ群衆の目を奪ったのは丸山氏だった。ベージュ系のスーツに黒いキャップ、マフィアが好みそうなサングラスをかけたスタイル。街宣車の壇上から白い歯をのぞかせ、ガッツポーズまで見せつけた。 現役の国会議員がグラサン姿で応援演説に立つなど前代未聞。これには報道陣ばかりか、各候補を応援するため集まった自民党支持者らも呆気に取られるしかなかった。 石原氏には深谷隆司元総務会長(72)、小池氏には佐藤ゆかり衆院議員(47)、麻生氏には島村宜伸都連最高顧問(74)、石破氏には鴨下一郎厚生労働副大臣(59)がそれぞれ応援に駆け付け、きわめてまじめな推薦の弁を述べた。しかし丸山氏は、地味キャラの与謝野氏を目立たせようとしたのか、肩に余計な力が入ってしまった。 司会者から「まるやままさや」と名前を間違えて紹介されると、すかさずズッコケながら「ちょっと、ちょっと、まるやまかずやでございます。『行列(のできる法律相談所)』の弁護士です」とツッコミ。これでエンジンがかかった。 「私もみんなから推薦人になってくれと言われた。悩んだ末に与謝野さんに決めた。数年前、与謝野さんはがんになりました。無理のない余生を送ろうというのが人情ですよ。ところが『俺の残った命を日本のために捧げたい』と。そんなにいい顔してないし、まあ、ほかの候補も小池さん以外はいい顔してないけど」 完全にスベった。人情に訴えたいのか、おふざけなのかさっぱり分からない。痛々しかったのは、冷笑を浮かべる聴衆までいたことだ。次第に語調は荒くなり、最後は「人気取りじゃない!悲痛な叫びなんです!」などとかすれ声で絶叫した。サングラスで登場しておいて、今さら説得力があろうはずもない。 昨年秋の総裁選、「福田VS麻生」でも渋谷ハチ公前で街頭演説対決があった。1万人以上を集めた昨年に比べて明らかに人出が少なかった。 自民党は、この日の聴衆を約5000人、最大ピーク時約8000人と発表したが、足早に通り過ぎる人も目立ち、少ないときはせいぜい3000人程度だった。それだけ有権者の自民党を見る目は厳しく、各候補と応援弁士はそうした空気も読んで混乱の謝罪と党再生を誓った。さすがの丸山氏も演説中はサングラスを外したが、空気は全く読めていなかった。 もっともKY弁護士どうこう以前に、各候補の演説も“総裁選後”を見越して迫力に欠けた。投開票日まで全国各地で街頭演説バトルが続くが、早くも候補者乱立の勢いはしぼみ始めている。○石破氏「私は忠犬ハチ公に」 福田首相の突発辞任の謝罪と、党改革&再生は全候補共通のキーワードとなった。優勢が伝えられる麻生氏は、両脇に並んだ候補を「みなさん多彩。年配の方(与謝野氏)、若い方(石原氏)、女性の方(小池氏)、防衛ヲタク(石破氏)」と紹介し、最後に「漫画ヲタク」と自分を指差すパフォーマンス。 小池氏は「最近の都市部の暑さは尋常ではない」などと地球温暖化対策への取り組みを訴えた。石原氏は「マネーゲームにうつつをぬかしている人だけが札束を手に入れることができる今の経済の仕組みはおかしいんじゃないか」と力説。与謝野氏は「心配なのは10年後、20年後。日本の経済はしっかりしているか」と疑問を投げかけた。 おもしろかったのは石破氏だ。「防衛庁長官になったとき、『あなたは動物に例えると何ですか?』と聞かれた。あまりかっこいい動物に例えて実体と違ってもよくない。『できれば忠犬ハチ公のようでありたい』と答えたことをよく覚えています。私はあのハチ公の話がとても好きです。来る日も来る日も、ご主人の帰りを待ち続ける。いまでも読むと涙が出ます。われわれも国民、主権者に忠実でなければならない。このハチ公の前で話をさせていただく、そのことをとても感慨深く思います」と話した。
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社会 2008年09月11日 15時00分
“壊し屋”小沢の逆襲シナリオ
自民党総裁選(22日投開票)は告示日の10日、麻生太郎幹事長(67)をはじめ与謝野馨経済財政担当相(70)、小池百合子元防衛相(56)、石原伸晃元政調会長(51)、石破茂前防衛相(51)の5人が正式に立候補を届け出て、12日間の選挙戦の火ぶたが切って落とされた。各メディアの報道が自民党総裁選一色となる中、永田町ではすっかり存在感の薄くなった民主党・小沢一郎代表(66)の逆襲のシナリオがささやかれ始めている。 小沢氏は自民党総裁選について「総裁選ごっこみたいだ。もう少しまじめにやるべきではないか」とだけ吐き捨て、口にチャック。必要最低限の批判にとどめ、相手にしない姿勢をとっている。 しかし、10日には総裁候補5人がテレビ各局のニュース番組にはしご出演するなど、相も変わらず宣伝効果はバツグンである。完全なる“敵失”の福田首相放り投げ辞任が、民主党にプラスになるどころか、自民党に勢いをつけている。小沢氏がどんなにポーカーフェイスを決め込んでも、内心はハラワタが煮えくり返っていることだろう。 小沢氏は手をこまねいたまま流れに身を任せるのか?民主党関係者は「そんなはずがないでしょう(笑)」と余裕たっぷりに話す。 「いまは何を仕掛けても自民党を利するだけ。キャンキャン吠えるほど総裁選が賑やかになって、敵に塩を送ることになるから黙っている。マスコミが騒いでいるだけなのは、国民はよく分かっていますよ。『選挙の小沢』と言われるだけあって、抜き打ちで各選挙区の候補者事務所を回ってハッパをかけ、選挙に勝つための具体的指導をしているところ。解散・総選挙に照準を絞っているから自民党総裁選など眼中にない」(同関係者)。 政権与党のあるべき姿を国民に強く訴えたり、本格的な論戦を挑むのは、解散・総選挙に突入してからで十分間に合うと踏んでいるのだ。 そもそも東北人気質の小沢氏は、ひとつひとつの作業を丁寧に黙々とこなす。年齢の割にはフットワークも軽い。前出の関係者は「台風に田畑が荒らされたからといって、台風に石を投げても何の解決にもならない。小沢さんは台風が過ぎ去ったあとの総選挙を見越して、全国津々浦々まで回って次に植える“苗”の生長をチェックしている」と説明する。 複数メディアの総選挙議席予測では民主党の圧勝が指摘されているが、全く気を緩めることはないという。 それを実証するように民主党は衆院選に向けたマニフェスト作成に着手済み。小沢氏の無投票3選が正式に決まる21日の臨時党大会までに党内論議を詰め、政権交代への構想を大々的に発表するプランを進めている。昨年の参院選で与野党逆転の圧勝劇に導いた年金問題に再び焦点をあて、社会保険庁の標準月額報酬改ざん問題で自民党を追い込む戦略も描く。準備万端といったところだ。 一方、自民党総裁選は麻生氏が国会議員票387票の過半数を確保して優勢が伝えられている。告示日の10日には、他候補陣営の出陣式への出席議員がそれぞれ20人程度にとどまったのに対し、麻生陣営には代理出席を含めて165人が集まった。勝ち馬に乗りたいという政治家心理が働いたのか。有権者には選挙に浮かれているふうにも見える。 政治記者は「勝敗が見えてくれば必然的に興味は薄れ、活発な論戦もしらじらしくなる。自民党の小手先の候補者乱立劇は早くもピンチに陥ったといえます。選挙に強い小沢氏が“壊し屋”の本領を発揮するのは総選挙後です。連立相手など政界再編を踏まえて動いていますから、小泉元首相が壊しそこねた自民党を容赦なくぶっ壊すつもりでしょう」と指摘する。 得意の囲碁では数十手先を読むともいわれる小沢氏。目立たないときほど怖く、逆襲のシナリオは着々と動き始めている。○総裁選5候補アピール合戦 自民党総裁選の5候補は10日午後、都内で共同会見に臨み、他候補との違いをそれぞれ訴えた。 「経験…かな」と豪語した麻生氏に、与謝野氏は「謙虚さと羞恥心」と皮肉で切り返した。小池氏は「女性の視点」、石原氏は「若さ」。石破氏は「首相は自衛隊の最高指揮官でもある。自衛隊が何をできるか知らずに外交はできない」と熱く訴えた。 優勢が伝えられる麻生氏は同日夜、他候補とともに生出演したニュース番組で、解散・総選挙のタイミングについて「補正予算は通すべきもの。(野党は)このところ何でもかんでも反対になっているが」などと発言。即解散・総選挙ありきではないものの、野党の姿勢次第ではあり得るとの含みを残した。
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社会 2008年09月09日 15時00分
小泉元首相 若手議員擁立へ暗躍中
いよいよ明日10日告示となる自民党総裁選は、候補者乱立の混戦模様となり、党幹部の思惑通り(!?)盛り上がりを見せそう。しかし、永田町関係者は「盛り上がっているのは今だけ。候補者にサプライズがなく、いざ総裁選に突入すればしらけるのが目に見えている。自民党の作戦は失敗だ」と悲観的だ。そんな声を地獄耳で聞き取ったか、党内最強のサプライズ王・小泉純一郎元首相が仰天プランを実現するべく暗躍中だという。プランの元ネタはキムタク主演のドラマだというのだが…。 「ぶっちゃけたことを言えば、麻生以外の候補に総理としての格や質はまったくいらない。名前にサプライズがあるか、もしくは立候補までの物語性で有権者を魅せるというのが使命です。今回ばかりは次の衆院選を見据えてどれだけ派手にやれるか、それだけがキモですから」こう断言するのは永田町関係者。 10日告示の自民党総裁選をめぐっては、日替わりのように候補者の名前が取りざたされている状況。大本命の麻生太郎幹事長を軸に、自民党のもくろみどおり「盛り上がり」を見せそうな気配もある。しかし、彼ら全員が総裁候補として「×印」だというのだ。前出・関係者が続ける。 「誰がどう見たって麻生で決まり。どんな伏線をこしらえてみてもそれはひっくり返らない。有権者もそれが分かっている」とした上で、「だから今、名前が挙がっている人たちではまったくダメなんです。サプライズのない人たちでは総裁選は盛り上がりませんから。そりゃあ告示前の今はまだ、各候補の動向をめぐって話題もあるでしょうが、いざ選挙期間が始まったら、つまらない政策論争を有権者が何時間も聞いてくれると思いますか?選挙期間中まで引っ張れる“集客力”のある候補は、結局、べらんめえ調のしゃべりが受ける麻生だけでしょう。このままでは自民党の作戦は失敗です」 サプライズといってすぐに思い浮かぶのは小泉元首相。今回の総裁選でも本紙既報(4日付)通り、一部では出馬の可能性が指摘されていたが、本人はナゾのダンマリを決めこんで、どうやら動きそうにない。そんな中、ここ数日の小泉元首相は別案を実現させるべく、アクティブな動きを見せているのだという。 「小泉チルドレン、または当選回数1回から3回くらいまでの若手議員の選考をしているんです。もちろん総裁候補に担ぐためにです」と、仰天情報を漏らしてくれたのは自民党関係者。確かに、たとえば30歳代の若手が突如立候補の動きを見せれば「最年少首相なるか」という見方が加わるわけで、選挙戦は多少なりとも盛り上がるはず。しかし、若さと実行力をスローガンに「戦後最年少首相」となった安倍晋三前首相の体たらくが記憶に新しいだけに、有権者は自民党への不信感をさらに募らせる気もするが…。 「いやいや、若さをウリにする狙いはそうなんですが、実は小泉氏の動きには『元ネタ』があるんです。この前まで放送していたキムタク主演のドラマ『CHANGE』ですよ」 春クールのCX系“月9”ドラマ「CHANGE」は、有力議員だった父の事故死により、小学校教師から政治家へ転身した若手議員が、政界の波に踊らされるうち、総理大臣にまで上り詰めるというストーリー。子供と自然を愛する心優しい小学校教師から、信念のままに日本を変えようとする総理大臣までキムタクこと木村拓哉が演じ、現実の政界に不信感いっぱいの有権者らに、さわやかな感動をもたらしたのは事実だ。 そして、言われてみればドラマと今の状況はそっくり。首相が突然辞任を発表し、次期総裁の人選をめぐって党幹部はすったもんだの汚い争いを繰り広げる。そんな中、黒幕のひとりが議員になりたてホヤホヤのキムタクに白羽の矢を立てるのだが、「小泉氏はさしずめ、その黒幕になろうとしているわけです。若手議員を中心に身辺調査はもちろん、顔やしゃべりの実力まで“採点”しているといいます」(前出・自民党関係者)。 現実に、若手が独自候補を擁立する動きはある。小泉チルドレンらで作る「国民本位の政治を実現する会」の月初の会合では「当選1回の議員からでも独自に誰かを推すべき」との声も上がっていたし、永田町ウオッチャーによれば「棚橋泰文元科学技術担当相を担ごうとしているのも若手中心。また、無派閥の後藤田正純氏を推す一派もある」という。小泉元首相は昔取ったきねづかでタイミングを逸せず、そんな動きに目をつけたのか。 永田町関係者が締めくくる。 「仮に小泉チルドレンがまとまれば、最低でも84票は取れるわけです。間違って総裁選の上位にでも食い込めば、本当に将来、総理になれる芽が出てくる。また、小池百合子に続いて2人も意のままに操れる候補を送りこむことに成功すれば、小泉氏にとっては真のキングメーカーとしての礎になるわけです。両者にとっていいこと尽くめですよ」 若手議員がナゾの“駆け込み立候補”をしたら、そこには小泉元首相の暗躍があったと思って間違いなさそうだ。
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社会 2008年09月08日 15時00分
麻生VS石破“アキバ聖地街頭演説”直接対決に期待
7人が出馬に意欲を燃やす自民党総裁選(10日告示、22日投開票)は8日までに、麻生太郎幹事長(67)を筆頭に小池百合子元防衛相(56)、石原伸晃元政調会長(51)、石破茂前防衛相(51)、与謝野馨経済財政担当相(70)が立候補に必要な推薦人20人を確保。乱戦突入は確実な情勢となった。街頭演説などで開かれた総裁選をアピールするが、注目のひとつは麻生VS石破の“アキバ系対決”があるかどうか。秋葉原では聖地直接対決を期待する声が上がっている。 メイドカフェの20代女性従業員は「ぜひナマで麻生閣下を見たい!軍事ヲタクの石破さんと街頭演説したら盛り上がるんじゃないでしょうか。歩行者天国は全然再開されないし、アキバ文化を理解するおふたりの考えを聞きたいです」と目を輝かせた。 週2〜3日はアキバに通うという都内のサラリーマン(35)は「福田首相の辞め方は最悪。自民党が真に政権を担うに値する政党か、国民の怒りを聞く耳を持っているか、秋葉原で訴えるのはいいと思う。麻生VS石破の直接対決を演出するほど柔軟性があるとは思えないけれど、まあ期待半分で待ってますよ」と皮肉交じりに話す。 本紙の現地取材では、麻生氏の秋葉原街頭演説を歓迎する声が大きかった。総裁選に全く関心のない人もいたが、なんらかの関心を示した人はほとんどが麻生氏歓迎派だった。漫画好きで知られる麻生氏にはホームタウンも同様で、石破氏はやや知名度で劣った。 それでも「石破さんは国会のUFO論争に割って入って人気があがったはず」(軍事マニア)との声もあり、麻生VS石破のアキバ系候補聖地演説対決が実現すれば、かなりの聴衆が見込めそうな雰囲気だ。 麻生氏は、6月の秋葉原無差別殺傷事件では「できるだけ早く哀悼の意を表したかった」と現場で献花と黙とう。一昨年秋、昨年秋の総裁選と2年連続で秋葉原で街頭演説するなど福岡選出議員とは思えないほどアキバ入りしている。昨年の総裁選では「自称アキバヲタクのみなさん、キャラが立ちすぎて永田町の古い自民党に評判の悪い麻生です」などと呼びかけて拍手喝采を受けた。 バックボーンとして、週に漫画誌20冊を読むとされるマンガヲタクぶりがある。「ゴルゴ13」「ジョジョの奇妙な冒険」「ローゼンメイデン」などの作品をこよなく愛し、マンガやコスプレ文化への理解が深い。ネット上では「麻生閣下」「ローゼン麻生」などと親しみを込めて呼ばれている。 一方の石破氏も、バリバリの軍事ヲタク。専門家が舌を巻くほど戦闘機や艦船、戦車、兵器の情報に精通している。防衛大臣時代には、国会のUFO論争に「未確認飛行物体や、それを操る生命体が存在しないと断定しうる根拠はない」とやってUFOマニアを歓喜させた。さらに「ゴジラがやってきたとなれば災害派遣だろう。モスラもだいたい同様と思う」などと特撮マニアまで喜ばせた。 加えて幼少時代から鉄道ヲタクであり、アイドルヲタクでもある。大学生当時はキャンディーズに熱中し、アイドルグループ「モーニング娘。」では高橋愛のファン。幅の広さでは麻生氏のはるか上をいっている。 政治記者は「麻生VS石破の秋葉原演説は十分あり得る。秋葉原に集まる人はネット世論をリードする力があり、多種多様な人材を抱える点で自民党のイメージ回復にてっとり早い。総裁選の候補者乱立もそうした背景があってのこと。来たるべき民主党との対決に向け、ネット層を取り込むためにアキバ系対決を“演出”するぐらいはやってもおかしくない」と指摘する。 ヲタクの聖地・秋葉原で、アキバ系候補の直接対決が実現するか、注目されるところだ。
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社会 2008年09月06日 15時00分
石原都知事 “親バカ”封印
自民党総裁選(10日告示、22日投開票)は5日、石破茂前防衛相(51)と山本一太前外務副大臣(50)が新たに参戦意欲を表明し、候補者乱立に拍車がかかった。本命・麻生太郎幹事長(67)を軸に、小池百合子元防衛相(56)、石原伸晃元政調会長(51)、与謝野馨経済財政担当相(70)、棚橋泰文元科学技術担当相(45)と多士済々。そんな中、東京都の石原慎太郎知事(75)は同日の定例会見で、長男伸晃氏の出馬について記者団に集中質問を浴びせられ「あれは2世議員じゃない」と擁護。その一方で「全然相談もなし。やりたきゃやれ」と突き放し、“親バカ”を封印した。 名前の挙がっている7人全員が、立候補に必要な推薦人20人を集められるかは不透明。5人以上ならば、71年の推薦人制度導入以降、過去最多候補による乱戦となる。 石原知事は伸晃氏にも勝機ありとみたのか、いまにも炸裂しそうな“親バカ”をこらえるのに必死だった。 候補者の顔ぶれについて「私の息子もいるみたいだけどさ、全然相談も何もなしですよ。それでいいんじゃないですか」と努めてクールに感想を述べた。 親としてのアドバイスは「ありません。やりたきゃやれ」。個人的に応援する気持ちについてさえ「そりゃ親だから声援はしますよ。しかし、私1票持っているわけじゃないから」と距離を置く発言にとどめた。 知事は89年総裁選で海部俊樹元首相に敗れている。石原家としては2代連続挑戦で、リベンジとの見方がある。しかし知事は「別に…(笑)」とエリカ様ばりに興味なし。「総裁に立候補して、総裁になり、総理になったら何をするかって話は聞いてませんし、してません」と完全無視状態にあると明かした。 さすがに伸晃氏の総理総裁の資質については「勉強次第だろうね」と否定しなかったが、「もう少し果断なところがあってもいいと思っていつも注意するんだけど、『お父さんを反面教師にする』と、言うこと聞きませんでね。だから新聞記者と仲良くやれるんだろう、あいつは」と自虐的ギャグで笑いをとった。 背景には、衆院議員の3男・宏高氏(44)が落選した03年総選挙の苦い経験がある。出しゃばりすぎて“親バカ”などと報じられ、足を引っ張るはめになったからだ。 発言に影響力があるだけに、援護射撃のさじ加減が難しいところ。鼻につかない程度にしなければならない。この日の知事はどんな質問にもキレずに全問回答した。 伸晃氏の政策についての感想を述べる中で「いや、それも詳しく聞いてねえから。そりゃ私よりは税制、財政に詳しいから、ときどきこっちが聞くことはありますがね」とさりげなく伸晃氏の財政通ぶりをアピール。安倍晋三、福田康夫と2代続けて2世議員の総理が突如政権を放り出したため、伸晃氏は投げ出すようなことはないか、との質問までぶつけられたが、「あれ(伸晃氏)は2世じゃないですよ。私の選挙区を継いだわけじゃないし、独立独歩でやってきたんでね」と弁明した。 さらに候補者による政策論争を前に「これ以上国債に依存していいんですかねえ」とチクリ。「麻生氏とはウイングが逆」と述べた構造改革派の伸晃氏をフォローした。
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社会 2008年09月04日 15時00分
福田首相の捨てゼリフ「あなたとは違うんです」大人気の理由
福田康夫首相が辞任会見で述べた「あなたとは違うんです」のフレーズが大人気となっている。ネット上では関連スレッドが乱立し、文字を刷り込んだTシャツまで発売中。最後の最後にインパクトある捨てゼリフで存在感を示した。一方、最新世論調査では、福田首相辞任を受けて自民党の支持率が急上昇。皮肉な結果となった。 福田首相の「あなたとは違うんです」のセリフはとっくに一人歩きを始めており、ネットで人気爆発中だ。巨大掲示板2ちゃんねるでは、4日午前8時現在で84のスレッドが乱立。単純に福田首相をちゃかすものから、一歩引いて客観的に発言内容を分析するものなど多角度からアプローチされている。 著名人の印象的なセリフに注目が集まることは少なくないが、歴代首相のセリフでここまで急激にブレークするのは珍しい。「ネット上の“瞬間最大風速”ではワンフレーズポリティクスの名手・小泉元首相を完全に超えました」(ネットに詳しいジャーナリスト)との指摘もある。 各種動画投稿サイトには会見でのやりとりの映像が複数アップされ、再生数はぐんぐん伸びている。ブログで取り上げられるケースも多く、ヤフーの検索トップページで「あなたとは違うんです」と打ち込むと、なんと8250万件(4日午前8時現在)もヒット。一部では、流行語大賞候補と持ち上げられている。 前出のジャーナリストは「ネットでは寒い言動ほど注目されます。言い換えれば『オレはすごい』と自慢しているようなもので実に人間くさい。これが人気の秘密です」と分析する。 東京・渋谷の通販会社「ClubT」では福田首相のアスキーアート(似顔絵)とともにセリフをプリントしたTシャツやパーカー、ポロシャツ、マグカップなどを販売中。たとえばTシャツは1995円から2000円台とリーズナブルで、トートバッグには、捨てゼリフ直前の「自分自身を客観的に見ることはできるんです」の文字も入っている。売れ行きは過去最高クラスの出足という。 首相の名セリフを引き出す質問をした中国新聞の男性記者に、取材が殺到する騒ぎも巻き起こっているらしい。 セリフは人気なのに、首相辞任が決まってからの共同通信の世論調査(2〜3日)では、自民党支持率が38.4%と急上昇。民主党の34.9%を上回り、福田首相の不人気ぶりを裏付けた。