さすが変人!と言うべきかもしれない。小泉氏が舌の根の乾かぬうちに態度をコロリと変えた。
小池氏の選対本部に届いたメッセージは「小池総裁なら小沢民主党といい勝負ができる」というもの。
前日11日夜、新人議員のセミナーに出席した際には「5人の候補者はみな小泉内閣の閣僚。この時点で『だれを(推す)』と言うのは、ちょっとちゅうちょしている。北島選手じゃないけど、何も言えねえ」とやって爆笑を誘ったばかり。それから1日とたたず小池氏支持を表明したわけだから、摩訶不思議な話である。
いずれにせよ、小泉氏の援護射撃を待ち望んでいた小池氏にとっては追い風になった。国民的人気を背景にいまも小泉チルドレンをはじめ政界に影響力を持っており、ムードを一変させる可能性を秘めている。なにより政局好きでサプライズ好きだから、対立候補陣営に与える心理的プレッシャーも相当なものだろう。
さて、小泉氏が小池氏支持を明らかにしたのは12日午前のこと。前日夜からこの間に表立ってあったことといえば、読売新聞の同日朝刊でかつて政務秘書官を務めた右腕・飯島勲氏がインタビューに答えている。
飯島氏は昨秋の総裁選をめぐり、小泉氏とけんか別れ。敵対関係にあった福田康夫氏を小泉氏が支持すると表明したことで「もうついていけない」となったからだ。その飯島氏が紙上で「与謝野氏支持」を表明し、小泉氏がどの候補を応援するかについて「(応援は)ないでしょう。沈黙していても誰かに投票するでしょう」などと答えた。結果的には読みは数時間ではずれたことになる。
一方、石原知事発言は、各候補による論戦が始まったことを踏まえ、記者団からあらためて質問を受けて答えたものだ。
「そんなこと、自分の息子がいま頑張っているんだからね…」と述べつつ、すんでのところで具体名を挙げるのを避けた。
「ここでまた『息子』と言ったら、『親バカ』って言われるし。俺は何も言わないのに、週刊誌見たら『親バカ』って書かれている(笑)。アタマくるけど。それ(具体名)はやっぱり言わんほうがいいでしょう。まあ結論はなんか出てると思いますけどね」
麻生氏圧勝ムードのなか、直接投票数には結びつかないものの、伸晃氏は各紙世論調査で首相にふさわしい候補として2番手につけている。
一方、各候補の掲げる政策については、まず国家公務員や議員定数の削減などに取り組むべきとし、「そういう合理化もしないで何を説いたって、あんまり国民に訴えてこないと思いますな」とぴしゃり。さらに「地方分権について誰もモノを言わないですな。やる気があるのかないのか、どうやって変えるかってことも、若いこれからのリーダーたらんとする人たちだったら言及してもらいたい」と注文をつけた。
石原氏は先週5日の会見で「そりゃ親だから声援はしますよ」「あれは2世(議員)じゃない」などと述べていた。
麻生氏優勢はそう簡単に覆りそうもないが、次は誰が“何も言えねえ”状態になるか?