この津波避難タワーは8.7メートルの大きさで匝瑳市が2015年に設置したもので津波が発生した際に住民が避難できるよう作られている。工費は7830万円で2014年から、およそ1年かけて施工されており、最大収容数は150人、太陽光ソーラーパネルに加え備蓄品保管庫も設置されたもので、1億円近い予算が投入されたのにも関わらず10年で役目を終えてしまい市民からは不満の声が相次いでいるという。
報道によると、タワーは全体的にさびついており、タワーの下には鉄くずなどが散乱。崩壊の危険もあることから立ち入り禁止のテープが貼られているようだ。わずか10年あまりで役目を終えた津波避難タワーについてネットでは「作る意味あったの?」「予算の無駄遣いでは」といった辛辣(しんらつ)な声が相次ぐなか、タワーがさびた原因については「塩害によるものではないか」とする声も多い。
塩害は名前の通り、建物が塩に晒される事で塗装が剥がれたり、鉄骨がさびる現象であり津波避難タワーは海岸から500メートルの位置にあることから、海岸からの塩害を受けてしまったと思われる。
近年では元横綱・若乃花でタレントの花田虎上が今年7月、千葉県富津市に建てた物件が海に近いことから塩害の被害に遭い、エアコンの室外機や給湯器がさび付いた被害を報告しているほか、大阪・関西万博でも開催会場が沿岸部であることからガラスなどに塩が付着するなどの被害が明らかになっている。
このように、塩害は沿岸部にとって身近な災害であり、対策を行わないと建物などに深刻なダメージを与えてしまうことがある。
果たして、匝瑳市の津波避難タワーは再建されるのか、注目が集まっている。