社会
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社会 2015年12月11日 14時00分
北朝鮮幹部処刑100人超え! 金正恩が暗殺に備える「影武者」たち
北朝鮮の金正恩体制発足後に処刑された幹部の数が「ついに100人に達した」と、韓国国家情報院傘下の機関が先ごろ明らかにした。今年の5月には正恩第一書記の最側近の一人、玄永哲(ヒョン・ヨンチョル)人民武力相が、大口径の高射砲の的にされ“ミンチ”にされている。7月時点の処刑者数は70人といわれていたので、それ以降の約4カ月間で、さらに30人が刑場場の露と消えたことになる。 そして今度は、2年前の12月に処刑された張成沢(チャン・ソンテク)氏に代わってナンバー2の座に就いた崔竜海(チェ・リョンヘ)朝鮮労働党中央書記が消えた。生死は不明だが、崔氏ほどのエリートが粛清されたとなると、これからは誰も正恩第一書記のそばに近づかないだろう。何しろ崔竜海氏の父は「建国の父」金日成主席の片腕だった革命第一世代の崔賢(チェ・ヒョン)国防大臣だ。 「11月2日の党機関紙『労働新聞』が突然異例の長文社説を発表しましたが、その中に『信念は遺伝するものではない。信念を捨てた人間は、一時的に社会的地位と名声があっても歴史のゴミとして捨てられる』という記述がありました。ゴミとして捨てられたのは崔竜海という暗示です。つまり、革命を成し遂げた崔賢の信念は息子の竜海に遺伝せず、一時はナンバー2の地位を得たが、ゴミ野郎と判明したので消したというわけです。実に恐ろしい社会です」(北朝鮮に詳しい大学教授) こんな恐怖政治が敷かれていては、側近たちは粛清、処刑に対する恐怖心から第一書記に対して積極的に助言することを放棄し、無批判盲従を貫かざるを得ない。 「崔竜海の粛清理由は、10月3日に竣工式が行われた朝鮮労働党創建70周年の記念事業『白頭山英雄青年発電所』に致命的な欠陥が見つかった責任を問われたものです。そもそも技術も資金も不足しているのに短期間での完成を命じた第一書記にこそ問題があるのに、工事のトップ責任者である崔に『最高指導者を“騙して”恥をかかせた』と言い掛かりをつけ、これが最高の重罪に値するという理由付けです。こんな理不尽な罪状でも、叔父の張成沢でさえ反論の余地はありませんでしたからね」(北朝鮮ウオッチャー) 明日はわが身とパニックに陥った軍幹部が、捨て身のクーデターを起こしても何の不思議もないが、恐怖政治の下でも平静を装う北朝鮮の首都・平壌で今、金日成社会主義青年同盟が新たな抑圧を始めた。さながら日本の校則のような“ヘア狩り”だ。 「男性は2センチ以下、女性は正恩夫人の李雪主(リ・ソルジュ)のような“おかっぱ”にするよう指示を受けた青年同盟の監視チームがハサミを持って見回り、長髪の若者を見つけるとその場で短く切ってしまうのです。とりわけ第一書記と同年代には、あの異様な“覇気ヘア”と呼ばれる横と後ろを異常なほど短く切り落とし、前と上だけを残すヘアスタイルが強要されており、こうした指示の影響で平壌市内の散髪屋や美容院はどこも満員。中には“一攫千金”を狙って、にわか理髪師に転身する市民も出てきているほどです」(同) 国中や街中で、若者の誰もが覇気ヘアで歩いている情景を思い浮かべると、まるで『ウォーリーをさがせ』の逆バージョンのようで思わず吹き出す。しかし国中を覇気ヘアにする運動は、見方を変えればクーデターや暗殺に備えた高等戦術なのかもしれない。例えばアルカイダの指導者オサマ・ビン・ラディンを暗殺した米海軍特殊部隊が第一書記の平壌官邸を襲撃しても、覇気ヘアの130キロ男だらけでは「誰がターゲットか分からない」となるからだ。 一方で、官邸を襲撃して第一書記を暗殺し、そっくりさんを指導者に担ぐ官邸クーデターが起きる可能性も出てくる。覇気ヘア奨励は、官邸クーデターを密かに計画している人民軍幹部に絶好のチャンスを提供しているかもしれない。 ただし、覇気ヘア奨励も第一書記の“ドッペルゲンガー(自分とそっくりの姿をした分身)”増産にはつながらない。それは体重。北朝鮮の普通の若者が覇気ヘアに変身しても、体型が異なり、どう見ようと第一書記には見えないからだ。 正恩第一書記の体重130キロに達するには、3食をたらふく食い、スイーツに果物、ジャンクフードなどの間食を間髪入れず腹に押し込み、夜は糖分の多いアルコール類をがぶ飲みし、食っちゃ寝のグータラ生活を送らなければ無理だ。そんな若者は北朝鮮ではまずお目にかかれない。いるとすれば、北朝鮮最高幹部らの子弟によるグループ『烽火組』だけだろう。彼らが覇気ヘアをした場合のみ、ドッペルゲンガーになり得るかもしれない。 粛清をこのまま続けたとすれば、推理作家アガサ・クリスティのミステリー小説のように「そして誰もいなくなる」し、また社会が覇気ヘアだらけになれば、第一書記は、自身のドッペルゲンガーに抹殺される危険性が高まる。 これが金正恩第一書記の推し進める「粛清」と「覇気ヘア」政策の行き着く先だろう。
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社会 2015年12月11日 10時00分
世の中おかしな事だらけ 三橋貴明の『マスコミに騙されるな!』 第153回 御用学者
去る11月24日、典型的な“財政破綻論者”であり、財務省の代表的な御用学者の一人でもある東京大学大学院の吉川洋教授が会長を務める財政制度等審議会(以下、財政審)が、来年度予算案の編成に向けて、2015年度からの社会保障費の伸びを5000億円弱に抑えることを柱とする意見書を麻生財務大臣に提出した。財政審は財務大臣の諮問機関であり、事実上、財務省の“広報機関”でもある。 各省庁が8月に提出した'16年度予算の概算要求において、社会保障費は対'15年度予算比で6700億円増加となっている。財政審の提言を実現するためには、1700億円超も削減しなければならない。 財政審が提言した社会保障費の削減とは、具体的には医療機関に支払われる診療報酬の引き下げだ。診療報酬は慣例で2年に一度、改訂されている。診療報酬を1%引き下げると、政府の支出は約1100億円減る。診療報酬のみで財政審の提言を満たそうとすると、約1.5%の引き下げが必要になる。 そもそも現在のわが国は、デフレという需要不足に悩んでいる。診療報酬は、政府最終消費支出というGDP(=需要)の一部になる。政府が診療報酬を削ると、当たり前の話としてデフレは悪化する。 しかも、2008年まで続いた診療報酬の削減により、日本は極端な医師不足に陥ってしまっている。OECD諸国の人口1000人当たり医師数の平均は3人だが、日本は2人にすぎない。しかも日本の医師数は、医療機関で働くことができない高齢医師や産休を取っている女医などをすべて含め、水増しした状況でOECD平均の3分の2なのである。実際には、OECD平均の半分強といったところではないだろうか。 今後の日本政府が、財政審の提言通り診療報酬をさらに削減していくと、当然の話として医師不足は深刻化し、わが国の医療サービスは「質の低下」に直面することになる。すなわち、日本国民が良質な医療サービスを受けられなくなる可能性があるのだ。 診療報酬削減には、日本医師会などが反対するだろう。読者には、医師会を「既得権益」とやり玉に挙げ、診療報酬削減を後押ししようとするプロパガンダに乗せられないでほしい。診療報酬が削られ、医療サービスの品質が落ちたとき、悪影響を受けるのはわれわれ日本国民なのだ。 ところで、1999年の時点で、財務省が主導する「削減前提」の社会保障費や財政の在り方について警鐘を鳴らした人物がいる。東京大学のX教授(後述)が'99年に岩波書店から『転換期の日本経済』を刊行し、社会保障と財政について以下の通り主張したのである。 「社会保障制度の基本に立ち返り、どのようなシステムを設計するかではなく、ともかく財政赤字を抑制するためには数字の上でどのようなことがなされなければならないか、という議論が先行してきた。そのために『国民負担率』をめぐる議論と同じように、社会保障を抑制しないと日本経済が『破局』をむかえるというプロパガンダが使われてきた」 財務省が主導する緊縮財政路線を「プロパガンダ」と糾弾し、「財政や社会保障の本質的な意義を思い出すべき」という主張である。 実にまっとうで、納得がいく主張だ。社会保障制度の基本とは、国民の助け合いである。「国民の助け合い」という価値観の定義については、それこそ国民や政治家が議論し、社会保障制度を設計もしくは改修していけばいいのである。現在の財務省による「削減額という数字」のみが先行する議論は、明らかに間違っている。 大変残念なことに、X教授が『転換期の日本経済』を刊行した16年後の今日も、財務省は相変わらず「社会保障を抑制しないと日本経済が破局を迎える」といったプロパガンダを拡散し、吉川洋教授ら御用学者を広告塔として使い、デフレ下の緊縮財政を継続している。 社会保障費という需要を削減した結果、わが国はデフレ脱却を果たせず、GDP成長を取り戻すこともできず、財政悪化も続いている。税収の源たるGDPが拡大しない限り、財政は健全化しない。財政が悪化すると、またもや社会保障費(=需要)を抑制する、という悪循環に突入してしまうわけだ。 まさに『転換期の日本経済』を書いたX教授の懸念通りに、現実が進行したのである。そして、現在の日本で社会保障制度の基本を無視し、日本財政破綻論という嘘のプロパガンダに則り、社会保障の抑制を進めようとしているのが、吉川洋教授率いる財政審の御用学者たちという話なのである。 さて、'99年に『転換期の日本経済』を書いた人物が誰なのか、お分かりだろうか。X教授とは誰なのか…。 もちろん、冒頭の東京大学大学院、吉川洋教授である。すなわち、現在は財政審の会長を務め、社会保障の基本を無視した緊縮路線推進のために全力を尽くしている吉川洋教授、その人なのだ。 これが、日本の現実だ。 学者たちが、財務省の緊縮路線を推進するため、平気で「まっとうな主張」を翻す。理由が権力なのか、名誉なのかは知らないが、学者としての良心のかけらも持たない御用学者たちの存在こそが、わが国の病を象徴しているのだ。 このまま財務省や財政審が提言する診療報酬の削減路線が推進されると、デフレが深刻化すると同時に、わが国の医療サービスの質は下がらざるを得ない。すでにして、現場の医師たちは人手不足の中、過労にあえいでいるのだ。 なぜ、こんなことになってしまったのか−−。まさしく、'99年の吉川教授が懸念していた通り、社会保障制度の基本を無視した緊縮財政路線が推進されてきたためである。 そして、16年後の2015年、その吉川教授が、自らが手厳しく批判していた“社会保障制度の基本”を無視した緊縮財政路線の先頭を走っている。繰り返すが、これが日本の現実なのである。 この手の御用学者が政界を跋扈している限り、わが国が「経世済民」を取り戻す日は訪れないだろう。みつはし たかあき(経済評論家・作家)1969年、熊本県生まれ。外資系企業を経て、中小企業診断士として独立。現在、気鋭の経済評論家として、分かりやすい経済評論が人気を集めている。
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社会 2015年12月10日 14時00分
東京電力VS東京ガス 電力小売り自由化 最大市場首都決戦
来年4月に迫った電力小売りの完全自由化を前に、既存の電力会社と新規参入組の攻防戦がヒートアップしてきた。激戦地は北海道から沖縄まで日本列島を網羅するが、最大の主戦場は2.5兆円と国内市場の3分の1を占め、東京電力が長年にわたって地域独占にアグラをかいてきた首都圏だ。その東電の“縄張り”崩しを狙って東京ガスがガチンコ対決を挑む図式が、いま世間の関心を集めている。 この構図を強く印象付けたのは、11月20日付一部メディアの報道である。東ガスが東電の牙城切り崩しを狙って社名変更を検討し始めたというのだ。 かねてから東ガスが電力事業への参入に意欲を燃やしてきたことは広く知られていた。しかし社名に「ガス(登記社名では瓦斯)」の文字があったのでは消費者へのインパクトに欠ける。そこで“エネルギー百貨店”としてアピールし、首都圏決戦を優位に運ぶために社名変更を考えているという。 実はこの発言、10月15日に電力小売りへの参入を正式表明した際、広瀬道明社長が記者会見で語っている。だが当時のメディアは報じなかった。広瀬社長は「東ガスの名称は愛用されており、このブランドで電力を販売する」と前置きしながらも「東ガスの社名で電気を販売するのは、よく考えるとおかしい。これでいいのか、社内でいろいろ論議している」と続けた。最近になっての一部報道は、当時の含みある発言を踏まえてのことだ。 「裏を返せば、東ガスは相当な決意で東電と勝負するということ。再来年にはガス小売りの全面自由化が控えており、今度は1100万世帯の顧客を持つ東ガスが攻め込まれる。その前に東電のドル箱市場に風穴を開けなければ“サバイバル競争”に生き残れないとの危機感が背景にあるのです」(経済記者) 東ガスの東電包囲網は着々と進行している。石油元売り最大手のJX日鉱日石エネルギーと共同出資で神奈川県川崎市に火力発電所を新増設する(天然ガス発電は既に稼働)。他にも九州電力や出光興産と共同で千葉県袖ケ浦市に火力発電所を2基建設、昭和シェル石油と共同で横浜市に天然ガス火力発電所も建設する。狙いはズバリ、長期にわたる安定供給の確保である。広瀬社長は「2020年度までにシェア1割の確保」と控えめな目標を掲げるが、新電力関係者はその腹の内を推察する。 「景気の良いアドバルーンをぶち上げれば、手負いの虎(東電)の闘争心に火を付ける。それでなくても電力自由化がボディーブローとなってこたえるのは東電です。当然、巻き返しに秘策を練っている。下手に東電を刺激しない方が得策と考えたに違いありません」 東ガスはもちろんだが、東電は関西電力や中部電力など同業者の東上作戦にも神経をピリピリさせているのは間違いない。だからこそソフトバンクやリクルートホールディングス、USEN、カルチュア・コンビニエンス・クラブ、さらには日本瓦斯、TOKAIなどのLPガス大手と提携した。そのココロは支払った電気代に応じてさまざまな特典が得られるサービスの導入にある。 例えばソフトバンクとは、携帯電話とセットで契約した場合の割引が検討されている。この手法、他の電力会社も取り入れに意欲的で、関西電力がKDDI、中部電力がNTTドコモと交渉している。完全自由化までついに半年を切ったいま、各社が「この指とまれ」とばかり、業種を超えた取り込み工作のラストスパートに奔走しているのだ。東電ウオッチャーが苦笑する。 「東ガスは火力発電所の建設計画を発表したとはいえ、セット販売などの提携先を明かしていない。まだ煮詰まっていないのかもしれませんが、東電の切り崩しが怖いため発表を控えている可能性さえある。原発事故で神通力に陰りが差したとはいえ、東電の政治力を舐めたら手痛いシッペ返しを食う。むしろ、東ガスから提携交渉を打診された会社の腰が引けたとしても、不思議ではないのです」 その東電では東ガスの参入発表に先立つ2カ月前の8月18日、廣瀬直己社長が来年4月1日付で持ち株会社に移行するのに伴うシンボルマーク『挑戦するエナジー』のお披露目会見に臨み、「新スローガンは、明治時代にはベンチャーだった電気事業に果敢に飛び込んだ先達の“挑戦者スピリッツ”を取り戻したいとの思いを込めた」と力説した。その上で小売り事業会社を「東京電力エナジーパートナー」にしたと発表したが、前出ウオッチャーは辛辣だ。 「これに対抗して東ガスが社名の一部をパクったら面白い。東電が騒げば世間の注目を集め、覇権争いへの関心が一気に高まります」 東電と本気で戦う気概がない電力他社を尻目に、東ガスが繰り出す“次の手”が見ものである。
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社会 2015年12月10日 10時00分
森永卓郎の「経済“千夜一夜”物語」 景気後退を無視する政府・日銀
11月19日、金融政策決定会合後に記者会見した日銀の黒田東彦総裁は、「個人消費や輸出の増加も確認された」として、「景気が緩やかに回復している」との評価を変えなかった。 強気の景気判断は政府も同じで、10月の月例経済報告は、「景気は、このところ一部に弱さもみられるが、緩やかな回復基調が続いている。先行きについては、雇用・所得環境の改善傾向が続くなかで、各種政策の効果もあって緩やかな回復に向かうことが期待される」としている。現状も先行きも、景気は回復だというのだ。 しかし、内閣府が11月16日に発表したGDP統計によると、4〜6月期が前期比▲0.2%、7〜9月期も▲0.2%と2期連続マイナス成長となっている。これで今年度もマイナス成長になる可能性が高まった。 戦後の日本経済を見ると、年度ベースでマイナス成長に陥ったのは過去5回しかない。 1回目は、第一次石油危機の'74年度、2度目は消費税を5%に引き上げた翌年の'98年度、3度目は不良債権問題で金融が収縮した'01年度、4度目はリーマンショックの'08年度、そして5度目が消費税率を8%に引き上げた昨年度だ。このうち、マイナス成長を翌年度まで引きずったのは、リーマンショック後の'08年度〜'09年度の一度だけ。それが今回、2年連続のマイナス成長になろうとしているのだから、景気回復という言葉を誰も使えるはずがないのだ。 そのような現状を、11月17日の『ウォール・ストリート・ジャーナル』(電子版)でも、次のように評している。 「安倍晋三首相が3年前に政権に返り咲いてからは、2度目のリセッションだ。首相は日本経済の停滞に終止符を打つと公約したが、その目標は達成できていない。今こそ再考の時だ」 リセッションというのは、景気後退という意味だ。普通に統計を見たら、いまの日本経済は深刻な景気後退に陥っているのは間違いないのだ。 なぜ、景気後退に陥ったのか。確かに中国経済の減速という外的な要因はある。しかし、本質的な要因は二つだ。 一つは、昨年4月の消費税率引き上げの衝撃がとてつもなく大きかったということだ。'97年の消費税率の5%への引き上げは、その後15年間続く長期デフレに日本経済を陥れた。それを考えたら、今回も長期低迷が続く可能性は十分ある。だから、少なくとも再来年4月の消費税再引き上げは、やってはならない。 そして、もう一つの要因は格差の拡大だ。大手企業や国家公務員の給与、賞与は昨年以上に増えて絶好調なのだが、一方で中小零細企業の賃金やボーナスは、むしろ減り始めている。加えて、いまは非正規社員の比率が急速に高まってきているのだ。 「労働力調査」によると、7〜9月期の非正規社員の比率は、5年前の34.5%から、今年は37.2%と2.7ポイント上昇している。非正規社員の年収は正規社員のおよそ半分だから、正規社員を非正規社員に入れ替えるだけで、実質的に50%の賃下げになるのだ。 富裕層優遇を止め、中堅層の充実を図らないと、このままずるずると景気後退が続くだろう。
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社会 2015年12月09日 16時00分
酸欠で死亡の可能性も… 若者に拡がる薬物『シバガス』の危険
新たな指定薬物となる『シバガス』の拡大が懸念されている。今年6月、近畿厚生局麻薬取締部が危険ドラッグを密売目的で所持したとして、薬事法(現・医薬品医療機器法)違反の疑いで大阪市の男(37)が逮捕されたのだが、先ごろ、この男の自宅から医療用ガスの亜酸化窒素が詰められた小型ボンベ『シバガス』計8本が押収されていたことが判明したのだ。 「亜酸化窒素は“笑気ガス”とも呼ばれ、分娩の際など医療用麻薬として用いられる一方、自転車タイヤの充填用としてネットでも販売されています。陶酔感が得られるため若者の間で急速に広まっているのですが、血小板が減るなどの副作用もある。アルコールや他の薬物との併用は非常に危険で、海外では酸欠で死亡した例もあるそうです」(全国紙社会部記者) イギリスでも、風船にこの亜酸化窒素を入れて吸う“ヒッピークラック”が流行し社会問題化している。吸引すれば一瞬強烈な多幸感を感じるが、持続性がない。そのため、危険という意識も薄れ拡大に拍車をかけているのだ。 「これらの状況を踏まえ、厚労省は11月22日、『シバガス』を指定薬物にすることを決定した。これにより、12月中旬頃から製造・輸入・販売・所持・使用などが法律で禁止されることになります」(同) 6月に逮捕された男に関しても、本人は「販売目的で仕入れた」と供述しており、麻薬取締部が入手ルートの解明を進めているという。 元厚労省麻薬取締部捜査第一課長の小林潔氏は言う。 「かつて、我々も大麻事件が起きた際、『マリファナ』や『インド大麻』と呼び方を変えて発表し、一般市民の反応を見ながら関心が薄れることを目指した。件の男への対処は警戒感を持たせるのにも十分だったと思います。いずれにせよ、違法薬物は一つ一つ芽をつんでいかなければならない」 歯止めをかけられるか。
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社会 2015年12月09日 10時00分
橋下維新vs公明党「抗争」 大阪W選挙圧勝と創価学会理事長交代で変わる勢力図(2)
それでも公明党・学会は、悩ましい大きな問題を抱えている。それは、橋下新党との関係だ。 安倍首相と濃密な関係を持つ橋下氏が市長を引退し国政への進出が濃厚となるなか、来年の参院選では橋下新党から新人が大量出馬し、さらに議席を増やそうとするはず。一方の安倍首相は、再来年の消費税10%アップや中国経済の大失速でアベノミクスが大打撃を受ける前に、来夏に衆参同時選挙を仕掛ける可能性が強くなっている。 「同時選挙となると、橋下氏が衆院選で出馬し、それを追い風に大量当選を狙うはずです。おそらく安倍首相もそれをバックアップするでしょう。安倍首相は今までの橋下・松井両氏との関係から近い将来の憲法改正を睨みつつ、ますます橋下新党との距離を近づけることは間違いありません」(自民党関係者) 橋下新党が安倍自民に近くなればなるほど立場が難しくなるのは、公明党と創価学会だ。 「自民党と現学会指導部が太いパイプを持ち、さらに公明党と関係を強化しても安保法制で一時激しく対立したように、公明党支持の学会会員の中には多くの反安倍派がいるのは間違いない。その一派が一時、財務省案とされたマイナンバーを利用する還付金案に猛反発した。公明党の窓口で安保法制成立に一役買った北側一雄副代表が還付金案を一度は了承したため、一気にその窓口を下ろされたほどです」(野党担当記者) 今後も、消費税の軽減税率対象品目や安保法制関連問題、さらには憲法改正絡みで、学会婦人部を中心に安倍首相のやり方に対し、大きな不満が渦巻くだろう。そのため、今後も自民党とのせめぎ合いは続くのだ。 自民党中堅タカ派議員が言う。 「これまでは参院でネジレを起こさないため、数の論理で公明党の参院20議席が必要だった。だから耳を傾け、できるだけ配慮をしたのです。しかし、その度に公明党や学会がダダをこね、次の参院選で橋下新党が公明の数を超えるなら、橋下新党と与党を組むほうがスッキリする。衆院でも橋下新党が飛躍的に伸びるのであれば、地方選も公明党の力がなくても勝てる」 橋下新党が躍進すれば、公明党斬りは大いにあるという強硬意見だ。 「公明党や創価学会内部でも、今は与党だから安保法制などでもギリギリの攻防で実を得て、何とか内部の不満の声を抑えつけられているという声は多い。しかし今後、橋下新党が大躍進することで自民党内部に“公明不要論”が台頭すれば安倍与党から軽んじられ、妥協案を得るのは困難になるかもしれない。そうなると、学会内部の不満が一気に爆発し、学会内や党内がコントロールしきれなくなる可能性もある。だから我々は、橋下新党と相当な攻防をしていかなくてはならない」(学会関係者) 現学会執行部が、対橋下新党や対自民党戦略において歯車がひとつでも間違えれば、正木派本部エリート派の強烈な反転攻勢に遭う可能性は、まだ大いに残っているのだ。
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社会 2015年12月08日 16時00分
児童の裸撮影で38歳教師を逮捕 自らを“中将”と呼び、生徒に12色のTシャツ着せ駆けっこさせる呆れたロリ癖
常に赤い服を好み、生徒に「中将」と呼ばせ、従わせていたロリ癖の小学校教師が逮捕された。 11月24日までに強制わいせつ、児童買春・児童ポルノ禁止法違反容疑(製造)の疑いで警視庁捜査一課に逮捕されたのは、東京・杉並区在住の三鷹市立小学校教諭、熊澤正通容疑者(38)。容疑は今年5月、教え子十数人を自宅で裸にさせ、デジカメで撮影したというものだ。 「熊澤容疑者は数年前から土曜日や放課後に『子供会』などと言って生徒を自宅や近くの公園に集め、その様子を撮影していた。さらには『アレルギー検査をする』などと、生徒を裸にして四つん這いにさせて撮るなどしていたのです。画像も自宅のパソコンから多数見つかっています」(捜査関係者) 熊澤容疑者は教育系の国立大学を卒業後、東京都の教員試験に合格。教師として採用されたが、近隣住民の話では、大学在学中から近所の子供を集め『子供会』を開いていたという。 「当時は近所の人も“よっぽど子供が好きなんだろう”と思っていたようですが、様子が変わってきたのは三鷹の小学校の前任校にいた5年ほど前で、教え子を自宅に連れ込み始めてからのようです。三鷹に転任した'13年4月からは、ほぼ毎週土曜日、自宅付近に生徒を集めていたとのことです」(全国紙社会部記者) 異様なのは、子供たちの仕切り具合だ。熊澤容疑者はその会を一人一人の個性の意味で『十二色の会』と名付け、自分はお気に入りの赤色の上着に身を包み、子供には青、紫、緑、黄色などに色分けしたTシャツを着せ、冒頭のように「中将に続け!」と駆けっこやドッジボールをしていたのだ。 「雨の日には自宅で『十二色新聞』なるものを作ると言って、生徒に思い思いの記事を書かせていたようですが、その合間にわいせつな撮影を行っていたわけです」(学校関係者) この学校関係者によれば、昨年には熊澤容疑者が担任するクラスの生徒だけ更衣室を使わず教室で着替えさせ、時に女子生徒を膝の上に乗せ身体を触ったなどとして保護者からクレームも出ていたという。 「しかし、今回の逮捕で自宅のパソコンから出てきたのは男子の画像ばかり。警察にも、とにかく男の子の裸が見たかったと供述しているようで、女子生徒の件はカムフラージュとも見られています」(前出・記者) 男児好きの“個性”がアダとなったようだ。
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社会 2015年12月08日 10時00分
橋下維新vs公明党「抗争」 大阪W選挙圧勝と創価学会理事長交代で変わる勢力図(1)
「今回の創価学会の新人事は、主要全国各紙とも数行の扱いで、大半の読者は見逃してしまうほどでした。しかし永田町や大阪では、この報道に上へ下への大騒動になっているのです」 とは、学会ウオッチャー。 それもそのはず、まずは今期限りで引退が予測されていた原田稔会長が再任され3期目に突入。一方で、次期会長の本命のひとりと目されていた正木正明理事長が「体調不良」を理由に突如、理事長職を辞し、会長の諮問機関『参議会』副議長に就任。理事長後任には庶務畑が長い長谷川重夫副理事長が就任したのだ。 「前会長の秋谷栄之助氏は75歳で退任しているため、すでに74歳の原田会長の続投はないと思われていた。しかし、会長任期を5年から4年に会則を変更するというウルトラCまで打った上で、続投となったのです」(同) 正木氏はといえば、まだ61歳。創価大学卒業の本部エリートで池田大作名誉会長の覚えも良く、'06年から9年間も理事長を務め、次期会長の最有力候補と見られていた。しかし、安倍政権が押し通した安保法制には強烈に慎重・反対の立場で動き、公明党にプレッシャーを与えていたという。 一方、安保法制賛成の立場で動いていた、次期会長争いのもうひとりの有力候補、谷川佳樹氏はどうだったのか。 「こちらは会長任期を4年に短縮した新会則で次期会長含みとも言える立場の役職、主任副会長に就任したのです。主任副会長の地位は、新会則では《会長を補佐し、会長および理事長に事故のあるときまたは会長および理事長が欠けたとき、会長があらかじめ定める順序に従って、臨時に、会長の職務を行なう》と記されている。つまり、原田会長に何かあれば、谷川氏が実質会長になるということです」(同) この人事の意味合いを、学会関係者は次のように読み取る。 「正木氏は選挙のたびに勝ち続けて“常勝関西”と謳われた大阪、兵庫地区などをまとめる立場。それが、民主党政権発足時の'09年、総選挙で大阪4選挙区と兵庫の2選挙区の6選挙区で全滅した。それが失速への始まりだったわけです」 この惨敗が原因で、正木氏とコンビを組んでいた関西創価学会のドン、故・西口良三総関西長が更迭された。 '12年の総選挙では大阪、兵庫などで当時、どの党よりも勢いのあった橋下徹大阪市長の維新の党の存在があった。これに再び関西選挙区全滅を危惧した学会本部や公明党は、橋下氏の唱えた「大阪都構想」協力の“密約”を結び、維新の党が公明党選挙区の対抗馬擁立を見送り、さらに支援を得て元の選挙区でも候補者が復活当選したという。 ところがその後、地元大阪の公明党や学会の一部と、もともと反維新の正木氏らが反発し、手のひらを返したように大阪都構想では非協力路線に切り替えた。 「それに橋下氏が激怒し、'14年の総選挙では橋下氏、松井一郎府知事が公明党候補の選挙区から出馬の動きを見せた。この動きに、反正木派の谷川派で学会選挙の主要人物である佐藤浩副会長(広宣局長)が、橋下、松井両氏と太いパイプを持つ菅義偉官房長官と極秘会談。大阪都構想の賛成を条件に、橋下氏らの出馬をとり止めてもらうことで、何とか再び関西選挙区で全員当選に持ち込めたのです」(同) このため、反維新、反安保の正木氏らはジリジリと押され、特に西口氏が今年3月、76歳で亡くなると失速気味となる。 その反面、谷川派が急速に力をつけ、学会、公明は安保法制容認に大きく傾いたという。 加えて11月の大阪W選挙も、先の佐藤副会長らの動きで橋下新党に有利な“自主投票”に動いた。 「それらを踏まえた上での、今回の学会人事なのです。まさに今は、原田会長、秋谷前会長、谷川氏、八尋頼雄弁護士は“学会4人組”とも称され、彼らに知恵者の佐藤氏らがバックアップする確固とした新体制固めに入ったと言われています。また、今の執行部は安倍官邸とも太いパイプを持つとも言われている。つまり、来年の参院選を見据え、今の公明党・学会は安倍官邸との蜜月を続けるのがベストの方向ということで、反安倍官邸の正木氏らを切る方向に大きく舵を切ったと見られているのです」(学会関係者) かくして正木氏は「体調不良」と申告し、自ら理事長職を辞さざるを得ないところに追い込まれたわけだ。
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社会 2015年12月07日 14時00分
達人政治家の処世術の極意 第二十八回「安倍晋太郎」
政治記者の要諦は、現実に驚くのではなく物事の行方の見定めだ。それが後年役立った。 安倍晋太郎はわが総理大臣、安倍晋三の父君である。岸信介元首相の長女・洋子と結婚、次男として晋三をもうけている。表題の言葉は毎日新聞政治部時代に体得した「要諦」が、後年、政治家になったときに役立ったことへの述懐である。 こうした安倍の言葉を一般社会に当てはめれば、例えば企業などでは業績の盛衰、意外な人事等々、アレ? と驚くような現実に直面することが多々ある。しかし、こうしたことに驚いているだけでは何の意味も持たない。これが今後どのような問題を惹起していくのか、その行方を分析する眼を持てと言っている。 そうした眼を養っていれば、後年、自分が会社の幹部になり、同様の場面に直面しても、その蓄積が冷静な判断を呼ぶのだ、ということである。 安倍は政治部記者時代に同じ山口県出身の岸信介を知り、それが縁で娘の洋子と見合い結婚した。一族がそうだったように郷土の英雄、高杉晋作を尊敬していたことから一字を取り、次男を晋三と名付けたのだった。記者生活は約8年間。その後、岸の秘書を経て政界入りを果たした。毎日新聞政治部で安倍の4年後輩だった故三宅久之(元政治評論家)は、安倍の横顔を次のように話してくれたことがある。 「記者時代は“岸ルート”で特ダネも物にしたが、特オチもあった。目から鼻に抜けるようなタイプではなく、歯に衣を着せずにズケズケ物を言うことも多く、言うなら竹を割ったような性格だった。一方で、茫洋、お坊ちゃん育ちでお人良しだったが、シンは強かった。記者の退職金は当時8万円(※注:今なら100万円ほど)だったが、後輩、同僚十数人を引き連れて銀座のキャバレーに行き、一晩で使い果たしたというエピソードがある。政治家になって政策には必ずしも強くはなかったが、先見性にはなかなかのものがあった」 先見性とは表題の言葉にある「物事の行方の見定め」ということでもあるが、その典型的な例が、佐藤(栄作)政権のあとを争う昭和47年の「角福」戦争にあった。当時、安倍は岸派を継いだ福田(赳夫)派の参謀兼行動隊長格で、時に福田は田中角栄と天下を争っていた。このときの総裁選での両陣営の多数派工作の裏面を、筆者も取材している。 総裁選の半年くらい前から田中は「情と利」のあらゆる手を駆使、田中派幹部たちも田中支持を集めるために他派議員の懐柔に奔走していた。一方の福田はとなると、一部に佐藤の福田への政権「禅譲」説が流れていたこともあり、人の良い福田は積極的な多数派工作を怠っていた。 ところが、安倍は天下分け目の総裁選のはるか前に、佐藤や田中の性格分析に加え他派の動向を察知、多数派工作の必要性を福田に進言していた。しかし結局、福田は動こうとはしなかった。結果、田中は大平(正芳)派、中曽根(康弘)派、三木(武夫)派の支持を固めて福田を一蹴、天下を取ってしまったのだった。まさに、安倍の「現実に驚くのではなく物事の行方の見定め」に重きを置かなかった結果と言えた。福田が安倍の先見性を汲んでいたら、結果は変わっていた可能性もあったのである。 いささか失意の安倍ではあったが、田中角栄首相がロッキード事件を機に失脚、三木武夫に政権が回って以後、それぞれの政権に先見性と党内調整のうまさから三木内閣で農相、その後に福田赳夫が政権の座に就くや官房長官、またその後の鈴木(善幸)政権では党政調会長の重責を任されることになる。 こうした一方で「福田派のプリンス」の声もあった安倍は、初当選同期の当時の田中派幹部だった金丸信(後に副総裁)から同じ田中派の有望株だった竹下登(後に首相)共々「君たち2人で協力しながら天下を競い合え」との激励を受け、竹下と安倍は「タケちゃん」「アベちゃん」と呼び合う仲になった。この両者に向け、当時、気鋭の小坂徳三郎を加えて、世代交代を嫌うベテラン議員からは「憎い安竹小」とのカゲ口も出るなど着実に政界の階段を昇っていった。 しかしその後、中曽根(康弘)政権が誕生、5年余の長期政権が終わるとき、中曽根は後継に最大派閥を擁する竹下を「裁定」、その竹下は自分の後継に安倍を描いたが安倍は無念の病いを得、ついに天下を取るには至らなかったのである。 一方で、「アベちゃん、甘ちゃん」の声もあったように、いささか“詰め”には甘かった安倍だったが、「物事の行方の見定め」を重視した処世訓は一考に値する。=敬称略=■安倍晋太郎=通産大臣、外務大臣ほか党3役などを歴任。岳父に岸信介元首相、義理の叔父は佐藤栄作元首相。竹下登元首相、宮澤喜一元首相と並び、ニューリーダーの1人に数えられた。安倍晋三首相の父。小林吉弥(こばやしきちや) 永田町取材歴46年のベテラン政治評論家。この間、佐藤栄作内閣以降の大物議員に多数接触する一方、抜群の政局・選挙分析で定評がある。著書多数。
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社会 2015年12月06日 14時00分
森永卓郎の「経済“千夜一夜”物語」 報復の連鎖を止めろ
11月13日の夜、パリの中心部で同時多発テロが発生し120人以上の市民が死亡した。フランスのオランド大統領は、イスラム国の犯行と断定し、フランス全土に非常事態宣言を発した。 フランスは9月から有志連合の一員として、イスラム国への空爆に参加しており、今回のテロはそれに対する報復行動だとみられる。 もちろん、テロは絶対に許される行為ではない。しかし、有志連合の一貫した姿勢は、「テロリストとは対話しない。殲滅する」というものだ。 これで本当に問題の解決につながるのだろうか。イスラム国フランス州による犯行声明は次のように述べている。 《愚か者のオランドがサッカー観戦に興じている間に、同胞たちは十字軍の中心地を恐怖に陥れた。同胞たちは神の助けにより、弾丸を使い切った後に自爆した》 キリスト教の諸国が聖地エルサレムを奪還するため、イスラムに十字軍を派兵したのは、700年以上前の話だ。それがいまだに怨恨として残っている。そして、犯行声明は、次のようにも言っている。 《これは攻撃の始まりに過ぎない。フランスと同じ道を歩む国々は、我々の標的リストの最優先にいることを自覚しなければならない。十字軍がイスラム教徒への空爆や預言者ムハンマドへの侮辱を続ける限り、死のにおいから逃れられない》 事件を受けて先進国の株価は一斉に下落したが、2001年の米国同時多発テロのときと比べると、下落率は小さい。しかし、10月にエジプトで起きたロシア機の墜落事件も、イスラム国の犯行である可能性が高まっている。今後、テロが他の先進国にも広がっていけば、世界経済の崩壊にもつながりかねない。 一部のメディアは、イスラム国をISと表現し、凶悪なテロリスト集団というラベル貼りをしている。しかし、イスラム国の支配地域には住民がおり、そしてイスラム国の思想を支持する人たちが世界中にいて、彼らを支援している。 イスラム国の住民の目からみたら、米軍の無人機が飛来して空爆を繰り返し、一般市民を巻き添えにしているのだから、彼らが有志連合に怨恨を抱くのは、無理からぬことなのではないのか。 私は、イスラム国を問答無用で斬り捨てるのではなく、まずその言い分を聞くことから始めるべきではないかと思う。それは、テロに屈するということではない。和解の糸口を探すことが、報復の連鎖を止める第一歩になるのだ。 1940年、ナチスドイツはフランス国境を越え、4年間にわたってフランスを占領した。そのため、戦後の独仏は犬猿の仲だった。だが、外交努力の積み重ねで、いまでは大きく関係を改善している。 ナチスドイツは、ホロコーストで1000万人とも言われるユダヤ人の大量虐殺を行った。しかし現在、ドイツとイスラエルが対立関係にあるわけではない。 いま日本に求められているのは、有志連合の後方支援に回ってイスラム国への攻撃に加担することではなく、むしろイスラム国と欧米諸国との対話のお膳立てをすることではないだろうか。そうすることが、長い目で見たときに、世界経済を崩壊から救う唯一の道だからだ。
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