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酸欠で死亡の可能性も… 若者に拡がる薬物『シバガス』の危険

 新たな指定薬物となる『シバガス』の拡大が懸念されている。今年6月、近畿厚生局麻薬取締部が危険ドラッグを密売目的で所持したとして、薬事法(現・医薬品医療機器法)違反の疑いで大阪市の男(37)が逮捕されたのだが、先ごろ、この男の自宅から医療用ガスの亜酸化窒素が詰められた小型ボンベ『シバガス』計8本が押収されていたことが判明したのだ。
 「亜酸化窒素は“笑気ガス”とも呼ばれ、分娩の際など医療用麻薬として用いられる一方、自転車タイヤの充填用としてネットでも販売されています。陶酔感が得られるため若者の間で急速に広まっているのですが、血小板が減るなどの副作用もある。アルコールや他の薬物との併用は非常に危険で、海外では酸欠で死亡した例もあるそうです」(全国紙社会部記者)

 イギリスでも、風船にこの亜酸化窒素を入れて吸う“ヒッピークラック”が流行し社会問題化している。吸引すれば一瞬強烈な多幸感を感じるが、持続性がない。そのため、危険という意識も薄れ拡大に拍車をかけているのだ。
 「これらの状況を踏まえ、厚労省は11月22日、『シバガス』を指定薬物にすることを決定した。これにより、12月中旬頃から製造・輸入・販売・所持・使用などが法律で禁止されることになります」(同)

 6月に逮捕された男に関しても、本人は「販売目的で仕入れた」と供述しており、麻薬取締部が入手ルートの解明を進めているという。
 元厚労省麻薬取締部捜査第一課長の小林潔氏は言う。
 「かつて、我々も大麻事件が起きた際、『マリファナ』や『インド大麻』と呼び方を変えて発表し、一般市民の反応を見ながら関心が薄れることを目指した。件の男への対処は警戒感を持たせるのにも十分だったと思います。いずれにせよ、違法薬物は一つ一つ芽をつんでいかなければならない」

 歯止めをかけられるか。

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