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橋下維新vs公明党「抗争」 大阪W選挙圧勝と創価学会理事長交代で変わる勢力図(2)

 それでも公明党・学会は、悩ましい大きな問題を抱えている。それは、橋下新党との関係だ。
 安倍首相と濃密な関係を持つ橋下氏が市長を引退し国政への進出が濃厚となるなか、来年の参院選では橋下新党から新人が大量出馬し、さらに議席を増やそうとするはず。一方の安倍首相は、再来年の消費税10%アップや中国経済の大失速でアベノミクスが大打撃を受ける前に、来夏に衆参同時選挙を仕掛ける可能性が強くなっている。
 「同時選挙となると、橋下氏が衆院選で出馬し、それを追い風に大量当選を狙うはずです。おそらく安倍首相もそれをバックアップするでしょう。安倍首相は今までの橋下・松井両氏との関係から近い将来の憲法改正を睨みつつ、ますます橋下新党との距離を近づけることは間違いありません」(自民党関係者)

 橋下新党が安倍自民に近くなればなるほど立場が難しくなるのは、公明党と創価学会だ。
 「自民党と現学会指導部が太いパイプを持ち、さらに公明党と関係を強化しても安保法制で一時激しく対立したように、公明党支持の学会会員の中には多くの反安倍派がいるのは間違いない。その一派が一時、財務省案とされたマイナンバーを利用する還付金案に猛反発した。公明党の窓口で安保法制成立に一役買った北側一雄副代表が還付金案を一度は了承したため、一気にその窓口を下ろされたほどです」(野党担当記者)

 今後も、消費税の軽減税率対象品目や安保法制関連問題、さらには憲法改正絡みで、学会婦人部を中心に安倍首相のやり方に対し、大きな不満が渦巻くだろう。そのため、今後も自民党とのせめぎ合いは続くのだ。
 自民党中堅タカ派議員が言う。
 「これまでは参院でネジレを起こさないため、数の論理で公明党の参院20議席が必要だった。だから耳を傾け、できるだけ配慮をしたのです。しかし、その度に公明党や学会がダダをこね、次の参院選で橋下新党が公明の数を超えるなら、橋下新党と与党を組むほうがスッキリする。衆院でも橋下新党が飛躍的に伸びるのであれば、地方選も公明党の力がなくても勝てる」

 橋下新党が躍進すれば、公明党斬りは大いにあるという強硬意見だ。
 「公明党や創価学会内部でも、今は与党だから安保法制などでもギリギリの攻防で実を得て、何とか内部の不満の声を抑えつけられているという声は多い。しかし今後、橋下新党が大躍進することで自民党内部に“公明不要論”が台頭すれば安倍与党から軽んじられ、妥協案を得るのは困難になるかもしれない。そうなると、学会内部の不満が一気に爆発し、学会内や党内がコントロールしきれなくなる可能性もある。だから我々は、橋下新党と相当な攻防をしていかなくてはならない」(学会関係者)

 現学会執行部が、対橋下新党や対自民党戦略において歯車がひとつでも間違えれば、正木派本部エリート派の強烈な反転攻勢に遭う可能性は、まだ大いに残っているのだ。

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