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渡辺俊介は「開幕駆け込みトレード」の目玉

 レッドソックスとマイナー契約を交わした渡辺俊介(37)がレイズ傘下のマイナー1Aチームとのオープン戦に登板した(3月15日/現地時間)。リリーフとして1イニングを投げ、無失点に抑えたが(被安打1、奪三振1)、この投球内容に関心を示していたのはレッドソックス首脳陣ではなく、「他球団だった」という…。

 「渡辺は補充要員として、レッドソックスのオープン戦に加わっていますが、いつ投げるのか、登板日程が明確になっていません。実戦感覚を鈍らせないよう、格下の1Aのゲームに登板しただけ」(現地特派員の1人)

 オープン戦にはあと2試合に登板する予定。格下の1Aを抑えても評価アップには直接関係ないが、渡辺自身は「自分の感覚が確認できた」と手応えを語っていた(共同会見より)。しかし、今月末の開幕日まで「いつ投げる」という予定が立っていないのは、レ軍首脳陣は渡辺を戦力として見ていないのではないだろうか。

 「アンダースローはメジャーでは稀な存在です。2大会連続でWBCにも選ばれており、レ軍との契約はマイナーだが、シーズン半ばにはメジャーで活躍しているはず」

 渡辺のメジャー挑戦が明らかになったとき、日本人メディアの多くがそんな好意的な見方をしていた。だが、米国人メディアの評価は少し異なる。

 「一般的に、マイナー契約を交わした選手はキャンプで『招待選手』となり、そのキャンプでの内容を受けてオープン戦帯同が決まり、オープン戦での結果次第でメジャー契約へという、段階を踏みます。渡辺の交わしたマイナー契約は『招待選手』になれないものでした。その代わり、プレシーズンマッチ(オープン戦)で4試合の登板を約束する事項が加えられました」(米国人ライター)

 オープン戦を経て、メジャー昇格を目指すという段取りは同じだが、こんな指摘も聞かれた。

 「レッドソックスはシーズン中、リリーフ投手を7人で構成します。クローザーの上原、そして、田澤の日本人投手の当確は確実で、そこにムヒーカ、ブレスロウ、ドゥブロン、ミラー、ベイデンホップといった実績のあるリリーバーがメジャーキャンプを順調に送りました。マイナーにもイキのいい若手が数人控えています。渡辺はリリーフを予定して獲得したと聞いていますが、この実績のあるレ軍のリリーバーのなかに割って入るのは大変ですよ…」(NPB関係者)

 前出の関係者によれば、渡辺は元同僚の藪田安彦氏(現解説者/登録名は『薮田』)に相談し、「失敗も含め、全ての経験が価値のあるものになる」と背中を押されたそうだ。“タラレバの仮説話”をしても仕方ないが、入団交渉にもっと時間をかけていれば、渡辺の実績やアンダースローという希少価値からして、メジャー契約を提示する米球団もあったのではないだろうか。いや、渡辺は厚遇契約を得ても結果が伴わなければ辛い思いをするとし、「プレシーズンマッチの登板」以外の条件は出さなかったのかもしれない。

 「アンダースローといえば、高津臣吾氏(現解説者)がホワイトソックスで活躍した前例もあります。渡辺がアメリカで通用するかどうかと聞かれれば、米メディアの大半が『活躍できる』と見ています。但し、渡辺はリリーフよりも先発タイプであり、37歳で開幕を迎えるのでどの米球団も獲得に慎重でした」(前出・米国人ライター)

 実戦感覚を鈍らせないためだけのマイナー登板に米他球団のスカウトが集まったのは、レッドソックスではチャンスが極めて少ない渡辺がどれだけできるのかを再調査するためだったようだ。渡辺が使えると分かっても、レッドソックスは救援投手が豊富だ。ビジネスで割り切った米球界において、余剰人員のトレード話は好都合であり、レッドソックスも例外ではない。

 開幕後、上原や田澤と投げ合う渡辺の雄姿が見られるかもしれない。

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