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シーズン総括 『戦況総括』直前補強はあるのか? 千葉ロッテ編

 史上3球団目の屈辱…。前年日本一から最下位に転落したのは、61年の大洋、79年のヤクルト以来だという。

 投打ともに苦しいシーズンとなったが、低反発の統一球にもっとも苦しんだのも千葉ロッテだったようだ。2010年は両リーグ最多の8人が2ケタ本塁打をマークしたが、2011年はゼロ。チーム最多本塁打数が井口資仁の9本である。チーム総本塁打数は「46」。そう、パ・リーグ本塁打王の中村剛也よりも少ないのだ…。ここに追い打ちを掛けるようなデータも発見した。本拠地・QVCマリンで、千葉ロッテ打線が放った本塁打数は21本だが、対戦チーム11球団は合計で35本を放っている。チーム防御率は前年の3.55から3.17に向上しているので、2010年は「打線の低迷で負けた」と言わざるを得ない。
 昨季、こんなシーンも何度か見掛けている。試合前、打撃担当の金森栄治コーチが選手に技術指導をしていたときだった。遅れてグラウンド入りしてきた西村徳文監督はその光景を目にするなり、プイと背を向け、何処かへ行ってしまった。

 西村政権は『和の野球』を掲げたが、不協和音もないわけではなかった。いきなり二軍担当に配置換えされた西本聖コーチは「聞いてない!」と怒っていた(当時)。「投手起用法を巡って意見衝突するときもあった」(関係者)そうだが、一枚岩になりきれない部分もあったのかもしれない。仮にそうだとしても、最下位転落の屈辱は足元を固め直す機会に変えてもらいたい。
 2010年をトータルで振り返って見ると、前半戦は4、5位をウロウロしていた。7月に12勝12敗1分けで食い止め、「そろそろエンジン全快かな…」と思わせたが、投打の歯車が狂い始める。7月まで8勝1敗と“お客サマ”にしていた埼玉西武に、球宴明けの直接対決でいきなり3連敗を喫し、最終的には11勝11敗2分け。つまり、球宴明け15試合で3勝しか挙げられなかったのである。投手陣も息切れを見せ始める。8月30日時点で2ケタ勝利に到達していたエース・成瀬善久は、その後6試合に登板するが、勝ち星ナシ。渡辺俊介も9月11日以降、勝ち星が付いていない。チームトップの12勝を挙げた唐川も、8月と9月の7試合に登板し、1勝しか挙げられなかった。

 打線の失速も否定できない。打率3割をキープしていた新人の伊志嶺翔大も、8月以降は打率2割1分台…。9月13日からの11連敗は『投打の不振が重なった結果』である。しかし、育成出身の岡田幸文がゴールデングラブ賞に選ばれ、二軍では08年高校生ドラフト5位の阿部和成が100イニング強を投げている。岡田はすでにレギュラーを獲得したと言っていいが、若い世代には「チームの不振=レギュラー獲得の好機」と捉え、もっと貪欲な姿勢も見せて欲しかった。故障離脱した荻野貴司を含め、2011年にショートを守った選手は8人。西岡剛の米挑戦、荻野貴の離脱をチャンスと捉え、「レギュラーを掴んでみせる!」と意気込む選手が現れなかったのも、敗因ではないだろうか。

 指名打者で出場した野手陣のなかで、もっとも多く本塁打を放ったのは、福浦和也の3本。5月13日以降、「指名打者の本塁打ナシ」でシーズンが閉幕してしまった。金泰均の途中帰国、先発陣の一角を託されたマーフィー、ペンの故障…。ポスト・小林宏と期待された内竜也も怪我による出遅れを取り戻せなかった。故障者続出も痛かったが、西村監督にとっては「主力選手と控え選手の力量差」を痛感させられたシーズンでもあったようだ。

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