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シーズン総括 『戦況分析』直前補強はあるのか? 東北楽天編

 17試合連続で本塁打ナシ。ペナントレース144試合を改めて振り返ってみると、東北楽天ゴールデンイーグルスの打線は『本塁打ナシ』の試合が101試合もあった。1本が34試合、2本が8試合、3本以上を放ったのは1試合しかない。今さらではあるが、星野仙一監督が就任当初から「機動力を生かした…」と口にしていたのも分かる気がする。現有戦力に“一発”の破壊力を秘めた選手が少ない以上、機動力で1点を積み上げていく攻撃スタイルに変貌させなければならないが、星野監督はそういった采配に徹していなかったのではないだろうか。

 2010年のチーム総本塁打数は「95」。2011年は「53」まで激減した。
 機動力を比較してみると、チーム総盗塁数は「78」から「130」にアップ。犠打は「106」から「113」に微増。単独スチール数の大幅増は盗塁王争いにも加わった聖澤諒の成長によるものだろう(53盗塁)。もともと、「走れる選手が多いチーム」だった。しかし、チーム総得点は「576」から「432」にダウン。聖沢1人の得点は「57」。他チームのトップバッターや俊足タイプは、だいたい「60台の数値」を叩き出している。聖沢を本塁まで返すことのできないのは、本塁打数の激減だけが原因ではない。楽天打線の年間出塁率は2割9分8厘、選んだ総四球の数「307」。ともにリーグワーストである。つまり、「次打者に繋ぐ」という意識が低いと言わざるを得ない。2011年の打線は一発の脅威もなければ、出塁能力も低く、さらに、得点圏に進んだ走者も進める工夫をしていなかったわけだ。

 星野監督は中日指揮官時代に逆上っても、『仕掛けるタイプ』ではない。どちらかといえば、「スタメンを固めたら、あとは彼らに託す」という采配だった。だからこそ、オフの補強に熱心なのかもしれないが、新加入の松井稼頭央が2割6分、岩村明憲が1割8分3厘に低打率に終わったのは痛かった。岩村にいたっては途中、二軍降格もあった…。
 “補強の失敗”も5位低迷の原因ではないだろうか。

 聖沢の盗塁のほとんどは8月までに稼いだもの。対戦チームも警戒を深めたため、走る機会が減ったのだろう。「盗塁してみせる、いやさせない」の『対相手チームバッテリー』との駆け引きは、聖沢個人が克服しなければならない今後の課題となる。『個人技』では、もう1つ。楽天打線には“一発の脅威”がない…。チーム本塁打数は2010年の95本から『53本』に激減した。この数値は球団創設2年目の06年の67本を下回るワースト記録だ。7月下旬から『17試合連続アーチナシ』という低迷ぶりで、144試合中101試合が本塁打ナシだった。1試合に放った本塁打数の最高数値は9月28日の3本(対西武戦)。07年からチームトップの本塁打数を放ってきた山崎武司の退団にも納得がいかないが、2011年、20代の選手でもっとも多く本塁打を放ったのは横川の4本だ。

 岩隈久志のFA退団により、確実に白星が計算できる投手は田中将大だけになった。打線の援護があれば、2番手以降の塩見、永井、戸村を育てていける。一発の脅威を秘めた大砲の出現が待たれる。
 チーム別投手成績では、楽天の救援陣がトータルで稼いだ『ホールド』は56。リーグワーストである。シーズン途中からラズナーをクローザーにコンバートさせ、急場を凌いだが、リリーフ投手全体の力不足は否めない。2011年は、投打ともに1枚も2枚も足らなかったと言っていいだろう。
 聖沢がコンスタントに走れるようになれば、1点ずつコツコツと得点を積み重ねていける。長打力のある選手も欲しいが、楽天打線は聖沢を二塁に進め、シングルヒットで本塁に帰還させるスタイルを構築させるべきだろう。

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