一部の米メディアが報じたもので、フィリーズでは中堅を守れる外野手を必要としている。ただし、あくまでも控え候補だという。イチローの今季年俸は650万ドル(約6億7000万円)だが、その一部をヤンキースが負担すれば、トレード成立は可能だとされる。
実はフィリーズは、12年オフにFAとなったイチローに食指を動かした経緯がある。その際、フィリーズはヤンキースを超える条件を提示したといわれているが、イチローは2年総額1300万ドル(約13億4000万円)で、ヤンキースに残留した。
昨季、150試合出場、520打数136安打7本塁打35打点20盗塁、打率.262で、自己ワーストのシーズンとなったイチローを取り巻く環境は厳しい。
昨オフ、ヤンキースはレッドソックスから、ジャコビー・エルズベリー外野手(30)を、カージナルスから、カルロス・ベルトラン外野手(36)をFAで獲得。2月にはブレット・ガードナー外野手(30)との契約を延長した。
チームの構想では左翼・ガードナー、中堅・エルズベリー、右翼・ベルトランで、メジャー通算2045安打、466本塁打のアルフォンソ・ソリアーノ外野手(38)は指名打者に回る予定で、イチローの立場は“5番手外野手”。役回りは代走・守備要員で、スタメン出場はライバル選手に休養日が与えられた際か、故障者が出た場合に限られる。
ジョー・ジラルディ監督はイチローの起用法に関して、「イチローの実績を考慮すれば、控えスタートを頼むのは簡単ではない。いつでも試合に出られるよう、準備しておいてくれと頼んだ」と苦悩する胸の内を明かしている。
ピート・ローズの持つMLB通算最多安打記録(4256本)まで、あと236本。MLB通算3000安打まで、あと258本と迫っているイチロー。いずれの記録も、約2年レギュラーで出場しないと実現が困難な数字。
フィリーズに移っても、控え候補だが、“5番手外野手”にすぎないヤンキースよりは出場機会は増えるはず。果たして、この移籍のウワサは現実のものとなるのだろうか…。
(坂本太郎)