〈写真部〉ならぬ奇妙な部活“心霊”写真部を舞台に、女子高生の佳夕と部長、部員のリリの三人が、持ち込まれた心霊写真の〈隠された謎〉を解き明かして行く、というもの。都市伝説的な心霊写真ネタをふんだんに盛り込み、連作短編の形式を取りながら、背景に殺人現場の写真を送る付けてくる謎の連続殺人鬼の話を交え、ついにはヒロインと〈心霊写真部〉を巻き込む、大きなミステリーへと展開してゆく。
作家の福谷修氏は、映画監督・脚本家で映像作品を発表する一方、これまでにも『渋谷怪談』『こわい童謡』といったホラー小説を手掛けており、思わず絵が浮かんでるような映像的でありながら、引き込まれる恐怖描写は読み応えあり。
竹書房文庫・680円