「AGA(男性型脱毛症)」という言葉が徐々に認知され治療法が多種多様化している昨今。AGAに悩む男性患者数は日本国内だけでも推計1300万人いると言われており、同院(旧城西クリニック)のAGA専門外来の患者数も急激に増えているという。
「現在発売しているAGA治療薬・フィナステリドの世界シェアは、日本だけで約40%を占めている。これは凄い数字」と話すのは同院の小林一広院長で、AGAに悩む日本人男性はかなり多いのだそう。治療により60〜70歳男性のAGAが大きく改善するケースも出てきており、高齢男性の来院が激増していることも大きな特徴だという。
そんな中、11月25日にはAGA治療の新薬として、デュタステリドを主成分とする「ザガーロ(C)」が発売される。発毛剤・育毛剤 「RiUP(リアップ)」、フィナステリド経口薬に加わる形で、日本のAGA治療の薬剤の選択肢が増えることとなる。
選択肢が増えることで、どの薬がその人に合っているのかがより複雑になっていくと予想される中、同院ではその人に合った効果的な治療を探り、将来のAGA発症リスクの予測につながる「AGAリスク遺伝子検査(AGA関連遺伝子発現量の測定)」を10月21日からスタートする。
この検査は、聖マリアンナ医科大学、アンファー株式会社が共同で開発。AGAの原因に深く関わる還元酵素「5αリダクターゼI型」「5αリダクターゼII型」や、「アンドロゲン受容体」の遺伝子発現量を毛髪からリアルタイムに測定していく技術となっている。
新しく発売するデュタステリドは、従来の治療薬であるフィナステリドの約1.5倍の育毛効果の報告があり、2型に効果があったフィナステリドと違いデュタステリドは1型、2型両方に効果が期待されている。しかし、長年の治療薬としての研究が進んでいるフィナステリドと違い、副作用などまだまだ未知の部分が課題とされており、副作用などもふまえてどの薬が良いのかについて、専門医が処方を慎重に考える必要があるという。
「AGAリスク遺伝子検査(AGA関連遺伝子発現量の測定)」の検査料は1万9,000円(税別)で、メンズヘルスクリニック東京で受診し聖マリアンナ医科大学で解析し、結果が出るまでの期間は1か月程度。
「AGAリスク遺伝子検査」は今後も研究を重ねて、AGAのリスク判定の発展につなげていきたいと考えているという。また、来春には共同開発機関のアンファーから、簡易検査キットが発売予定で、広く一般消費者にAGAの検査が広まっていくことも期待される。
まだまだ課題もあるようだが、AGAの研究は日々進んでおり、頭髪の未来は明るいのかもしれない。
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メンズヘルスクリニック東京
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